過労死ワイ、戦いを全力で避けた結果怠惰の魔神扱いされる。 作:シーボーギウム
評価やお気に入り数が増えるのを見てニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべています。
毎日投稿とかできればもっと増えてくれるんですかね?まぁ厳しいんすけど………
ところで最近知ったのですが、ここすきなる機能がハーメルンに出来たのを知っているでしょうか?PCならダブルクリック、スマホなら文章部分をスワイプすると出てきます。
完全に匿名らしいので気軽にやってみてください。私のモチベーションになります( ^ω^ )
なお、私の脳内ではデ○ルマンが出てきてます。
では初投稿です(ネタ切れ)
◆月∂日 晴れ
この町に来て半年程経った。
なんだかんだでこの街、というよりこの世界にも慣れたものだ。今では街でも結構俺の顔が知られている。そのおかげもあってか店がかなり繁盛している。
ルビアも学校でうまくいっているようだ。最近はマリアちゃんとリンディちゃんのことをよく話してくれる。あの子は気付いてないようだが、とても楽しそうに話しているので良い関係が作れていることがわかる。
なかなかに楽しい生活を送れている。俺の初めの目的とは違うが、こういうのも悪くない。
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◆月Å日 晴れ
学校でイベント事があるらしい。あれだ、前世で言うところの体育祭とか文化祭とかそういう奴だ。
ルビアから聞いた話では、入学式から半年で校内である大会の為の選手の選抜を行い、そこから更に半年後にその大会が帝都で開かれるらしい。
その大会は国中の学校から生徒が来る学校ごとの対抗戦で、『七聖人』も全員集まるらしい。目的は騎士団、あるいは聖人(聖女)団への勧誘だと言う。
騎士団は言わずもがな剣術と魔法の両方を修めた者でないと入団できないが、聖人団は魔法を極めていれば入れるのだと言う。まぁそこから更に属性が合わないといけないらしいが。
俺の美徳の方の属性は慈悲で、慈悲は聖女団だ。ラバルドが教えてくれたのだが、慈悲の聖女は聖女になったばかりの頃に使徒の反撃で盲目になってしまったらしい。それがなければ帝国最強の座は自分じゃなかったかもしれないとすら言っていた。あと、とても綺麗な人らしい。
ちょっと見てみたいな。
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◆月≠日 晴れ
この世界の魔法には、実は結構種類がある。
例えば生活魔法。服作ったり、火炎魔法とは言えない程度の火を起こしたりする魔法だ。次に補助魔法。簡単に言えば戦いの補助をする魔法、回復魔法や解毒魔法、身体強化魔法がそれに当たる。最後に攻撃魔法。俺の樹木魔法や、ルビアの氷結魔法が該当する。
大別すると大体これで全種なのだが、もう一つだけ種類がある。それが特殊魔法と呼ばれるものだ。これは誰でも使えるものではなく、特定の一族だったり、ある日突然使える人間が生まれたりするものなのだと言う。
そしてこの特殊魔法の最も恐るべき特性は、魔力消費がほぼ皆無ということだ。
この世界ではその魔力の属性に合わせて使う魔法を限定するのが普通だ。俺であれば慈悲と怠惰に相性の良い樹木魔法、といった感じだ。で、そうする理由は魔力の消費量を減らす為だ。自分の属性と合った魔法以外を使うと魔力消費がかなり増えてしまう上にまともに発動しないのだ。例えば俺が火炎魔法を使おうとすると低火力な上数分使うだけで魔力が枯渇してしまう。
そしてこの魔力消費はその個人とその魔法の相性が良いほど少なくなる。同じ属性の二人が同じ規模で同じ魔法を使っても、消費する魔力には差異がある。
早い話が、特殊魔法はその持ち主と最高に相性が良い魔法なのだ。特殊魔法は魔力の消費量が自然回復する魔力量よりも少ない。結果、使っても実質魔力消費無しで使えるのだ。
とまぁ長々と書いたが、何故唐突にこんなことを書き始めたかと言うと、マリアちゃんが特殊魔法に目覚めたのだ。魔法の名は【歌姫】。特殊魔法は他の魔法と違って○○魔法ではなく固有の名称で呼ばれるのだ。
特殊魔法は持っていれば生涯安泰と言われる程重宝されるものだ。近々うちでお祝いしたいとルビアに相談された。お祝いの折にはアップルパイを好きなだけ食べさせてあげようと思う。
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◆月⊥日 晴れ
【歌姫】やべえ。そりゃ特殊魔法重宝されるわ。
【歌姫】の能力は大雑把に言うとマリアちゃん自身の声を操ることらしい。のだが……やれることの幅がおかしい。声の弾丸を飛ばすなどの攻撃に使ったり、声を響かせて周囲を探知したり、極め付けは歌を聞いた者に補助魔法と同等の効果を付与するということもできる。今はまだ無理らしいが、いずれは効果を与える対象を選ぶこともできるだろうとのこと。目覚めたてでこれだ。熟達したらどうなるかわからない。
ただ本人の性格が戦い向きじゃないのもあって攻撃に使うやり方は上手く使えてないのだとか。マリアちゃん優しいからね。仕方ない。
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「よし、じゃあやろうか」
「お、お願いします」
俺は今、ルビアの学校の決闘場を借りてマリアちゃんと対峙している。彼女と同じく慈悲の魔力を使う俺との戦いなら何かを掴めるかもしれない、とマリアちゃんにお願いされたのだ。何故かルビアとリンディちゃん以外にも見物客がいるのが謎だが。
俺は身体強化魔法を起動し、姿勢を低くして両手に地面から生やした木を巻き付ける。木製のバンテージといったところだ。
「なっ!?樹木魔法の第三段階!?」
「あの人ルビアの姉さんだったよな……」
「すげぇ………」
決闘場がザワつく。そう、樹木魔法の第三段階、何もない地面から魔力だけで木を生成することがこの半年でできるようになったのだ。周りの反応に多少の優越感を覚えるが、それで天狗になるつもりは無い。第三段階まで至っていても、イコールそれが強さにはならないからだ。なんなら第二段階の樹木魔法の使い手が第三段階の樹木魔法の使い手に勝った事例はいくつも存在するしな。
因みに、少し前から暑くなったので服装を変えている。縦セタジーンズからサスペンダー付きの半ズボンと半袖のワイシャツに変えた。髪型はルビアにやってもらってシニョンだ。
ルビアはこの格好の俺を見た時何故か宇宙猫状態になっていた。理由はわからない。
閑話休題。
「俺はいつでも良いよ」
準備を終えた俺は拳を構えつつマリアちゃんを見据える。彼女の戦闘スタイルは、ゲームで例えるなら大きな盾とショートソードを使うタンクだ。樹木魔法を組み合わせた防御体勢が硬すぎて教師の脅し文句に「マリアと決闘させるぞ」と加わるレベルなのだとか。
ルビアも以前「二度とやりたくない」と言っていたレベルだ。
あれ?これかなりめんどいことになってるのでは?………いや、仕方ない。ルビアの友達の願いなのだ。多少めんどくさかろうが聞き届けなければ。最悪、樹木魔法の木の支配権を奪えれば大分楽にはなるはずだ。
再び意識をマリアちゃんに集中させると、普段のフワフワした雰囲気は無くなっていた。
「い、いきますっ!!」
────♪
轟ッ!!と何かが迫るのを感じて咄嗟にその場から跳び退くと、それまで立っていた地面が砲弾でも着弾したかのように爆ぜた。今のは多分聞いていた音の弾丸だろう。弾丸という威力じゃなかったが……
さて、盾を構えながら歌を歌うその姿は微妙にシュールだが、それによって齎される攻撃は直撃すれば充分洒落にならないものだ。出来る限り最小限の動きで彼女の攻撃を避けていく。
さて、そろそろ疑問に思ったかもしれないが、前世がただの社畜な俺は、別に格闘術やら体術に秀でてたなんて裏設定は持っていない。では何故こんな攻撃を避けられているのかと言うと、そう転生特典だ。貰った中では恐らく一番強力だ。ただ単純な武の才能。拳や蹴りを主体とした戦闘技能が、この身体には刻まれている。結果として、それに合わせて身体能力や五感、第六感が鋭くなっているのだ。それがこの攻撃を避けられる理由だ。
まぁ前世基準でいうと霊長類最強の吉田沙○里的ポジになれるかもしれないが、この世界では中の上位の実力になるらしい。ラバルドが言ってたので多分間違いないだろつ。身体強化込みだとまた少し変わるらしいが。
「ディアさんってあんなに強かったのね……驚きなのよ………」
「強いだろうとは思ってたけどあれ全部避けるとかどれだけよ………」
強化された聴覚がルビア達の会話を伝えてくる。何か引かれてる気がしないでもないが今は集中だ。
マリアちゃんのやってることは中々エグい。まず今まで通りに盾を構え、その周りを木の檻で囲う。そして目覚めた【歌姫】で音の弾丸を継続的に飛ばし続ける。うん、中々鬼畜難度だ。仮にもう少し【歌姫】を使い熟していたら今頃俺は地面を這っていただろう。が、そうなっていないのには理由がある。
弾速が遅いのだ。
いや充分速いのだが、体感的に音速に届いていない。音の弾丸なのに、だ。恐らくラバルドがクソ適当に放った石の方が速いかもしれない。威力も申し分ない様に見えるが、あくまで魔力を纏った音の塊な以上同じく魔力を纏わせれば素手でも弾けてしまう程度だ。ある程度の実力者の魔力のガードを抜くのは難しいだろう。
(なるほどねー。チームを組んでればかなり鬱陶しくはあるけど、タイマンだとこの世界じゃそこまで有効な攻撃手段とは言えない……選抜大会って確か個人戦だったはずだし、負けないけど勝てもしないじゃ意味ないから悩んでたのかな?)
マリアちゃんは木の檻は動かしてないから、初めに種を撒いて成長させた時以外魔力を消費していないだろうし、特殊魔法はほぼ無限に使える。これ以上待ってても戦況は動かないままだろう。
(そろそろ攻めようか)
俺は音の弾丸と弾丸の隙間を縫ってマリアちゃんに急接近する。身体強化魔法は俺の魔力とかなり相性が良いようで、効果の高いものでも魔力消費はそこまで無い。別の属性であっても同じ人間の魔力なら根本的には同じものになる。本来の魔力である怠惰で使えば更に高い効果が望めるだろう。
と、そんなことを考えている内にマリアちゃんの作った木の檻の目の前に到達する。
「ふっ!!」
木の檻に向けて右の拳を放つ。鉄ぐらいなら軽く砕ける拳だ、到底木で防げるものではない。斬撃ならもっと簡単に突破できるだろう。そしてそんなことはマリアちゃん自身も理解しているはずだ。つまり、この檻は防ぐことを目的としたものではないと予想できる。どんなもんかを俺は知らないのでとりあえずで打ち込んでみたのだが……
「うん?」
拳が引けなくなっている。見れば、木が俺の腕に絡み付いていた。なるほど、動きを拘束するものだったのか。
────────♫
一際大きな弾丸が迫る。俺はそれを残った左手に魔力を込め、真正面から殴り付けた。すると音の弾丸が霧散した。
「えっ!?」
(緩んだ)
渾身の一撃を破られた驚きからか木の支配が緩んだ隙に、足裏から魔力を流して彼女を守る木の檻の操作を奪う。瞬間、今までマリアちゃんを守っていた木の檻が彼女に牙を剥いた。
「えっ!?う、嘘!?」
マリアちゃんは驚きつつも自分に伸びる木をショートソードで切り落としつつその場から脱した。が、甘い。俺自身への警戒が薄くなった。
縮地でマリアちゃんの目の前まで高速で移動し、右の拳を引き絞る。やるのは単純、前世の俺の出身、日本の武道空手、その基本。
正拳突きだ。
「っぜい!!!」
俺の拳が空気を叩き、破裂するような轟音を響かせる。マリアちゃんに当たる寸前で止まった拳から放たれた拳圧が、マリアちゃんの髪を乱した。彼女は数瞬呆けた表情で固まった後、
「ふ、ふえ〜〜〜……」
そんな声を上げてその場にへたり込んでしまった。
………うん、やりすぎたなこれ。
「ごめん、大丈夫?」
腰が抜けて立ち上がれないようだ。周りからの視線が痛い。俺は逃げるように彼女を抱えて決闘場を出た。のだが………
「やりすぎよ」
「やりすぎなのよ」
「はい……すいません………」
ルビアとリンディちゃんからは逃げられなかった。まぁマリアを抱えている以上逃げようにも逃げられないだろうが。
この後めちゃくちゃ叱られた。
よろしければ感想評価ここすきよろしくお願いします。
書くことナッシング
失踪しませう。