銀魂 掃除屋トロコンRTA   作:トウカ

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(クエスト連打・Bランク)~(vs銀河剣聖)

 不老不死だからってなんでも融通が利くわけじゃないRTA、はーじまーるよー!

 

 えー、前回のほもくんがハゲとの戦闘後に気絶してしまった所からリスタート。

 一年以上に亘る不眠不休の寝不足デバフと、アルタナ値が枯渇していたのと、ハゲとの戦いで根性を一回も使わなかったことが掛け合わさって、踏ん張れずに倒れてしまった扱いになります。

 

「知り合いに似た顔が死にかけちゅーか思うたらまさかげに清麿さんやったとは、驚いたぜよ!」

 

 野外で気絶すると、好感度が高いキャラがいれば一定の確率で助けに来てくれます。

 宇宙に飛び立って以降は碌に好感度を稼いでいなかったので放置プレイになってしまうかと思いましたが、そういえばいました貿易商人。いやあ、坂本様様ですわ。

 快援隊のぬくぬくベッドで休んでる間に結晶体を使用してっと……寝不足デバフも解消されたことですしクエスト再開です。自機を手に入れなければ。

 

( 青年依頼中 … 2倍速中 … )

 

 強敵と戦う前は寝不足デバフを取っておこうって言ってたというのに、不意打ちランダムエンカウントであってもせめて一回はコンティニューしておくべきでした(真顔)。

 

 そもそもアルタナの変異体は死なないって言われてるけど、本質的には不老不死じゃありませんしね……。

 凄まじく遅いだけで老いもするし、凄まじく時間はかかるけど老衰もあるし、回復力が馬鹿高いだけであって、疲労が回復の速度を上回ったら倒れますよね……。

 生命の水(アクア・ウイタエ)を飲んだしろがねみたいなもんです。……いや、それは朧の方ですかね?

 

 今後は計画的に不眠不休します。

 Bランクのクエストに出てくるえいりあんは厄介な性質なものが混ざってきますし、そろそろデバフは無い方が良いですからね。定期的に睡眠を取ろう!(使命感)

 

 あ、武器壊れた。

 うーん、スキルレベル一番高い槍の武器が欲しい感はありますし、貯金も貯まっているので新しく買い替えても良いのですが……しかしコスパ最強だからなぁ。数個買い溜めておきましょうか。

 最強の武器を入手するまでは星砕一択でもいけますし。

 

 

 


 

 

 

「この辺境の地で、まさかお(まん)の知り合いを拾うことになるとはのう……」

 

「たまには船酔いも役に立つっちゅうことか、アッハッハ!」

 

 

 昼食後に酔い止めを飲み、食休みと称して甲板で遠くの景色を眺めていたこのモジャが、真剣な声色で進路変更を指示してきた時は何事かと思ったが。

 

『隊長!! しっかりしとーせ、隊長!!』

 

 快臨丸の不時着を待ちきれずに先んじて飛び降りたモジャは、その顔に見合わない緊迫した表情で一人の男を担ぎ上げ、至急医者を呼ぶようにと鋭い声をあげた。

 血に塗れ、意識を失いながらも木刀を手放さない男。モジャモジャがこの人物を隊長と呼び、意識を保たせようと声をかけ続ける様を見るに、どうやら酒の場でよく口にする、後ろ姿だけで人の気を酔わせ利益を度外視させてしまう英傑――〝羅刹天〟松下清麿、その人なのだろう。

 

 社長の元上司を前にして、みすみす死なれるのも外聞が悪い。

 快援隊の医療チームと医療器具その全てを用いて男の治癒に当たった甲斐もあってか、松下清麿は直ぐに意識を取り戻した。

 ……だが、目が覚めたかつての同胞に対して、このアホは……。

 

 

「久し振りに会った仲間にかける言葉があれでえいのか?」

 

 

 偶然見舞いで病室に訪れていたアホは、松下清麿と目が合うや否や「いや驚いた~知り合いに似てるかと思ってたがまさか本人だったとは~」などと嘯いて。

 恩を着せないだけかと思いきや「べ、別に心配なんてしてないんだからねっ!」という、誰得なツンデレムーブまで披露して。

 

 

『清麿さんを持ち上げた時随分と軽うて驚きちゅうが……ちゃんとご飯食べゆうか?』

 

『ここ数年(しばらく)は仕事に集中していまして、気にしていなかったんです』

 

『うちのドクターがカンカンになっちゅうよ、こいつ寝ても無いし食べても無いって。これを機に早寝早起き三食おやつ付きに切り替えるべきぜよ。とりあえずオババ特製のおじやをきっちり食べとおせ』

 

『……そうですね。そうした方が良さそうだ』

 

 

 こんなやり取りを正面から目撃してしまったわしに慰謝料を寄越してほしい。ぐだぐだと喧しい、もっと簡潔に言えば良いだろう。

 無事で良かった。そんな言葉一つかけることも出来ないのか、男という生き物は。

 

 思わず半目になって呆れると、アホはシレッとした顔でのらりくらりと躱してくる。

 こっちはお前の言い訳なんて聞き飽きているというのに。

 あれほど感情を揺れ動かす様を晒しておいて、今更隠し遂せると思っているのだろうか。だとすれば一級品のアホだ。

 じっ……と視線を送り続けていると、アホの態度が段々と変わっていった。少しずつしどろもどろになっていき、目線を右へ左へと逸らし、最終的に大きな溜息を吐きながら気恥ずかしげに頬を掻いて、

 

 

「あの人は最後、わしにまた会おうとゆうてくれた。宙へ行くとゆうたあの人とは、この宙で商いを続けていればいつかきっと会えると思っちょった……やけど」

 

「……」

 

「……清麿さんが倒れてる姿を見たのは、初めてじゃったがだ」

 

 

 どこか虚しさすら感じる物言い。攘夷戦争時代の話は口の滑る酒の場以外では滅多に話さないが、酔いが回れば羅刹天の武勇伝を毎回耳にたこが出来そうになるほど聞かされる為、薄々察してはいたものの……どうやらこの男は本当に、松下清麿の強さを信じ切っていたらしい。

 無事で良かった。戦場では当たり前の言葉は松下清麿に対してかける必要のないものだと、坂本辰馬は心の底からそう思っていたようだ。

 

 しおらしい態度と落ち込んだオーラを醸し出す己等の社長は大変薄気味悪かったので、一旦放っておくことに決めた。大人なのだから自分のテンションの管理ぐらい自分で出来るだろうという仲間としての信頼の証である。

 

(どんな男なのだろうか、松下清麿という男は)

 

 能天気の極みと言って良い社長をあのようにさせる男に興味が湧いた。

 面ど、センシティブな社長を放逐する間に面会しようと、松下清麿が寝泊まりしている病室まで足を運んだ。ノックをしても反応はなく、もしかしたら寝ているのかもしれないと思いながら静かに部屋を覗き込む。

 

 

「……ッ!?」

 

 

 最低限の物しか置かれていない静謐な空間。そこで男は上体を起こし、目を瞑っていた。

 幼少期にとある男から「女の子は好きそうだ」と見せられた、赤色に光り輝く透き通った石。それとまったく同じ外観の石を静粛な面持ちで手に取り、ただそっと胸に当てている。

 

 過去の記憶に依れば、あれはアルタナが噴出する穴の周辺で稀に産出される代物であり、その星のエネルギーの集合体。

 アルタナの結晶石。

 相応の取引相手に流せばかなりの大金になるであろう宝に相違なく、一介の地球人が持つべき代物ではない。何故この男が結晶石を所持しているのか、数多の推測が脳裏に過る。

 

 底知れぬ力を宿す石を胸に翳し、静かに座する彼。

 たったそれだけの光景に、何故か一種の神聖さすら感じてしまい、思わず息を呑んだ。

 

 己自身何の自覚もなかったが、私はこの時、松下清麿から目が離せなくなっていた。

 

 話しかけることもなく、扉を閉めることもなく。病室の前でドアノブを握りながらぼんやりと、彼を見つめる。

 ……結論から言うと、横合いから巡回中の部下が訝しげに声をかけてくるまで棒立ちになっていた為に、松下清麿とは個人間での話し合いをすることが出来なかった。一度たりとも。

 

 

「お世話になりました、このご恩は忘れるまで忘れません。またいつか会いましょう」

 

 

 えいりあんばすたーという聞き慣れた職業に就いていた彼は、期日が迫った仕事が残っていると言って医者の反対を押し切り、その翌日に船を降りたからである。

 別れを惜しむアホを慣れきった手腕で取り成し、地上に立ち快臨丸へ向けて手を振る彼の身体には至る所に清潔な包帯が巻かれている。怪我人であれば施されて当然の治療用具。しかし、わしは知っていた。

 昨日覗き込んだ病室で見た、患者衣から覗く彼の健康的な素肌と、サイドテーブルに置かれた包帯の山。アホが拾った直後、血塗れの肉体に刻まれていた傷は一つも残っていない、()()()()()()()()()

 

(……またいつか、か)

 

 彼が告げる再会の約束はとても軽いものなのではないか? 少なくとも、彼にとっては。そう思えてならない。

 そして、己が感じたその感覚を隣でしょんぼりしているアホに態々言ってやる筋合いもない。

 段々と遠ざかる彼を眺め続ける。胸を締め付けるそれに首を傾げ、頭の端っこに追いやった。

 

 

 


 

 

 

 本RTAの目標はあくまでも掃除屋関連のトロコンなのでほぼスルーしていますが、星間戦争はこの宇宙マップのあっちこっちで行われています。

 クエストの為に訪れた星が戦争中というのもザラ。ピリピリしてる所為もあってモブとのエンカウント率も高めになっていますね。

 

「お前、梁木伊星のモンじゃねえな? どこ宙だゴラ!!」

 

 わぁいスイカ割り、走者スイカ割り大好き(百発百中一撃死)。

 たいして美味しくもないですが、雀の涙ほどの足しにはなります。

 

 にしてもやっぱりモブが湧きまくりですねぇ、エンカが頻繁に訪れます。ちょっと治安悪すぎんよ~。警察の方はこうやって日々あくせく働いてるほもくんを見習ってクレメンス。

 あ~もうまた善良なるほもくんが敵を滅殺してしまいました、それもこれも全てゴルゴムの仕業です。はっきりわかんだね。

 

 そういえばこの前のパートで視聴者さんからウイニングランはやるのかという御質問がありましたが、特にやる予定はありません。

 いやまあやっても良いんですけど、普通にプレイするだけですよ? 多分つまらないと思うんですけど……(名推理)。ホモの疑似ノンケプレイを見て楽しいのかっちゅう話ですよ。

 

「おんしが巷で噂になっとる男か! 一度立ちおうてみたかったんじゃ、一本頼んます!」

【ローブを着たオッドアイの男がにっかりと笑いながら勝負を挑んできた。……どうしようか?】 

 

 おっと、未来の銀河剣聖のお出ましです。今の時点ではまだ銀河一ではない普通の火種屋ですね。戦闘職についている時に名声が30を超えてくるとこうして挑戦者が現れるのですが、大半は断っても襲い掛かってくるのでこのイエスorノーの選択肢に意味などありません。

 

「そう来なくてはのう!」

 

 サブイベント戦闘の時間だ、オラァン!

 

 原作が始まる前かつ名声50を超えると一定確率で出現するこの銀河剣聖は、本来の人柄ならば拒否すればそれで引き下がってくれるんですけども……今の状態ではバックにいる毘夷夢星の連中がああん? 最近だらしねぇな? と遠隔操作してくるので結局戦闘になります。

 それでこの戦闘ですが、ビームってズルいですね。格好いいしビジュアル映えするし更には伸縮自在で実用的とかやべーですよ。中々に手間がかかる相手。

 

 変異体ならば普通に倒すよりも一つイベを挟んだ方が早く終わるのでそっちを採用しますね。

 では早速実演していましょう。

 まず、科学者婆から受け取ったアイテムを使用して彼の右側に搭載されている緊急システム及び通信機能を破壊します。狙いを外さないように注意。

 

「――――貴様、やってくれたな」

 

 次に、時限起動型星間波動ビーム砲を破壊します。

 次に、右半身の機械部分を切り取り線の目安にして斬ります。

 最後に、自分の血をぶっかけます。

 終了。ね、簡単でしょ?

 

 本来は機械を全壊すると専用のムービーシーンとテキストが発生するのですが、こうすることによって長い展開をカット出来るという訳ですね。

 

 ……よし、Cランクのハントクエも終了しました。

 後はBとA、それからSのみとなります。次回からはAランクのクエにも挑んでいきましょう。

 

 今回はここまで、御視聴ありがとうございました。

 

 

 


 

 

 

 ――これが、本物の剣豪か。

 

 冷たい鉄から文字通り斬り離され、赤色の水溜りに浸かり、そこで漸く己は己という意思を取り戻した。この先に死が待っていると分かっていても、そこに恐れはない。

 寧ろ新年一発目バッチリと目が覚めたかのような晴れ晴れとした気持ちであった。

 

 数多の屍を超え、機械の半身と共にわしは強くなっていった。

 けれど……あの男に蹴散らされた。

 わしの実力をあの連中も理解してはいたらしい、幾ら機械で補強されていようとも剣の太刀筋はわし自身のもので、それは変わっていない。半身の敗北はわしの敗北だ。

 思わず口がぽかんと開くほどあっさりと負けて非常に悔しい。

 

 だが、スカッとした。

 

 あれが本物の剣豪というものなのだと納得し、人生の最後に良い物が見れたと得した気分である。

 そして、自我を鮮明になって思い出すのはあの二人だった。

 

(新坊、たえちゃん、二人は元気にしとるかのう)

 

 記憶の中にいる、二つの影。

 わしの凶報を聞いて、下を向いて泣いているのだろう。今はどうしているのだろうか。

 ああ、会いたいなぁ。漠然とそう思った。

 躓いても迷っても、ガラクタになっても、それでも構わないと思えたのは、大切な存在がいたからだ。生きてまた会いたかったのだ。

 バイト代が出るのかとばかりに山ほど泣いていた二人。……きっと知らないだろう。泣いてばっかの、それでも笑おうとしていた二人の思い出がわしを支えていたということを。

 

 胸を掻き毟りたくなるほどの渇きを感じる。ひたりひたりと死が近付いてくる気配を感じた。

 会いたい。二人の顔を見たい。

 

 本当に強い人間ってのは泣きたい時程笑うもんだ。

 痛みも悲しみも全部抱えて、それでも笑って歩いていくのさ。

 しかし今この瞬間は……例え嬉しくっても、笑えない。

 

 

 弱音は吐かまいと思っていたのに。

 どれほど辛くとも泣かずに笑おうと誓っていたのに。

 

 

 いざ最後の時を迎えて、心底思う。

 

 人は一人では生きてはいけない。

 一人は寒い。

 一人は冷たい。

 

 一人は……寂しい。

 

 

「しん……ぼ…………た、ぇ…………ん…………」

 

 

 

 

 ――ああ、二人に会いたいなァ。

 

 

 

 

 

 

「君にも理由があるのですね」

 

 

 

「何時の日か、生き永らえさせた僕を恨み、憎む日が来たとしても」

 

「……それでも尚生きたい理由があるならば、僕は君を生かしましょう」

 

 

 

 

「――――どこかの未来で、君の生きる理由を僕に教えてくれたらありがたい」

 

 

 

 

 どこか冷たさすら感じるほどの、目が眩むようなまばゆい青い光が射しこんだ。

 涙が零れ、影が伸びる。儚く、強く、そして真っ直ぐに。

 

 そうして二つの影が繋がった。

 

 


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