三度の飯より三度の鍛錬なRTA、はーじまーるよー!
嫉妬の業火に焼かれてる朧の手によって情報がリークされてるので、奈落の襲撃が来るまで鍛錬相手は松陽先生オンリーです。
やだよぅ、置いていかないでもっと一緒にいてよぅ。ぴえん……。
なんて泣き言を言っていても仕方がないんでガシガシ行きましょう。
「君は将来、どのような侍になるのでしょうね」
あ、松陽先生との会話発生ですね。これは返答によっては根性が上がるのでウレシイ。
根性を上昇させる返答はずばりこれです。
「え? 侍になる気はない……?」
【驚いたのか目を丸くさせる松陽。あなたは頷いて、自分の考えていることを伝えた。】
まず一旦ノーモア侍でバッテンを付け、その後の選択肢で一番最後のこれを選びます。
「自分がやりたいことを見つけたい、だから侍になるとは限らない、ですか。己が往く道を見つけようと前に進まんとする意思、それもまた一つの志です。私にとって君は立派な侍ですよ」
ここから松陽先生と武士道談義に発展させることも出来ますが直ぐに終わらせましょう。
後はコミュにしかなりません、松陽先生の侍認定ガバガバスギィ!
このように会話に出てくる選択肢によってはステータスを上げることも出来るので、RTAでは重宝します。
【隣町の道場と親善合同稽古会が開かれることになった。……どうしようか?】
おっ、ついに出稽古がやってきましたね。今まで倍速で吹っ飛ばしていましたが、松陽先生の為人のお蔭でこうした合同稽古は定期的に起こります。やっぱ松陽先生の……人徳を……最高やな!
勿論参加すればステータスの上昇が見込めるので参加しま――――――せん!
参加しない……絶対に参加しないからな!(大事なことなので三回言いました)
朧が訪れた後の出稽古は襲撃イベの報せで、ここの行く行かないで松陽先生の確保現場に立ち寄るかどうか決まります。
追々発生するイベントフラグの為、今回はお留守番です。
【突然現れた黒服の男たちに取り押さえられ、身動きが取れなくなる。】
「誰だお前ら、こんなヘボい私塾に何の用だよ……!」
突撃! 隣の松下村塾! というわけで奈落に突撃されました。
対虚戦を想定して組まれた激強布陣ですが、虚以外の相手にはそこまで気を払っていないので今のほもくんなら数名は倒せます。
虚を捕らえる為のメンバーだけあって経験値も美味しいですね。
一番最初に襲ってきた相手はギリ倒せますがそれ以降は警戒してボコボコにしてきますし、コンティニューせず大人しくしましょう。
この逮捕の場面、よくよくみると朧が混ざってます。画面の右端らへん。
寛政の大獄という弾圧に見せかけたホモトライアングル修羅場……俺でなきゃ見逃しちゃうね。
こんな濃厚なNTRを見せつけられるなんて参ったな、困っちゃいますよ(ホモは嘘吐き)。
「銀時、清麿。あとの事は頼みましたよ。なァに心配はないよ、私はきっとスグにみんなの元へ戻りますから。だから……それまで、仲間を、みんなを、護ってあげてくださいね。約束……ですよ」
はい、これでフラグが立ちました。
後は出稽古に出掛けていた桂たちが戻ってきて攘夷活動の準備をし始めます。
ほもくんは攘夷に無条件参加です、当たり前だよなぁ?
ヒャッハー! 汚物は消毒だー! 良い天人は死んでいる天人だけだー!
地球withほもくんを止められる相手なんざいねぇ!
松下清麿、通称ほもくん。アルタナの変異体だ。将軍でもぶん殴ってみせらぁ。でも、RYO-Ⅱ*1だけは勘弁な!(特攻野郎感)
今回はここまで、御視聴ありがとうございました。
異変が起こっていることに気付いたのは、木材の燃える異臭が風に乗って鼻に届いた時だ。
風は南西、俺たちが暮らす町の方角から吹いている。嫌な予感がした。
稽古会に参加した面々と顔を合わせ頷きあい、全速力で松下村塾へと戻った俺たちを出迎えたのは、笑顔を浮かべる先生ではなく。
腹の立つ顔で煽ってくる銀時でもなければ、虫が好かない清麿でもない。
跡形もなく焼き崩れた、俺たちの学び舎だった。
「誰がこんな真似を……」
「おい! 玄関前で銀時と清麿が倒れてるぞ、縛られてる!」
「松陽先生はどこだ!? 見当たらないよ!」
「手分けして探そう!」
全員で捜索しても先生は見つからず、残ったのは縄で束縛された二人と原型を留めていない学び舎だけ。不注意で起こった火事である訳がない。そんなことで先生がいなくなる筈がない、こいつ等が気絶する筈がない。
何かがあったのだ。俺たちがいない間に俺たちの村塾が壊れてしまった。
意識を失っている二人の内、先に目を覚ましたのは清麿だった。
清麿が起きたと仲間が喜びの声をあげた瞬間に駆け出し、俺は奴の胸倉を掴みあげる。
時間の経過で小汚い茶に変色した血を顔面中にこびりつかせた清麿は目を開き、眼前に迫る俺を認識する。この時ばかりは奴の両目も気にならなかった。
「おい!! いったい何があった!!」
「……晋、ちゃん」
「松陽先生はどうした!? 答えろ、清麿!!」
起きたばかりの清麿の身体を激しく揺らす俺に周囲の奴らから制止がかかる。皆の声も学び舎から嫌な臭いがすることも目の前で地面に横たわるこいつ等も、その全てが煩わしく感じた。
「松ちゃんは、罪人として……幕府に、連れて行かれた」
「罪、人?」
「無闇に徒党を組む者がいれば、それを謀反の種とし、捕縛しろと……将軍の命令だと」
「将軍の……攘夷運動の粛清か!」
攘夷を煽動する輩、天人の支配の妨げになる連中は大名公家に至るまで容赦なく根こそぎ粛清していると、この片田舎に住む自分たちも風の噂で知ってはいた。
辺鄙な町で長閑に暮らす俺等には縁のない話だと、そう思っていた。
またか。また、何も知らない連中の所為で先生が追いやられるのか。
怒りに支配される直前、清麿の闇のように変わらない無表情が見え、ふとある考えが頭を過る。
「清麿、てめェ……まさか、知ってたのか」
「……?」
「普段は誰よりも率先して行ってるのに、なんで今回の出稽古には参加しなかった? ……知ってたからなんじゃねえのか! なんで言わなかった!!」
「おい、高杉! 混乱しているのは分かるが疑心が過ぎるぞ!」
分かっている。既の所で残っている理性では分かっていた。だが、もう止まらなかった。
「るせェ、黙ってろヅラ! ――俺ァ、神社でその
乱暴に襟から手を放し、ごちゃごちゃした感情に促されるまま言い捨てる。
己の感情を制御できなければ先生のように強くなれない。
普段ならばそう己に言い聞かせて冷静さを取り戻さんとしていた。だが、今となっては先生という言葉は俺の心を掻き乱すだけだった。
ヅラの諌めようとする態度が鬱陶しくて仕方がない。
俺にどんな言葉を投げかけられても眉の一つも動かない清麿が癪に障って仕方がない。
畜生。これだから嫌いなのだ。
あいつの目を見ていると、頭がおかしくなりそうになる。
最初はどこにでもいる孤児の子供だった。
一目見て分かる異質さは、眼前に存在する物をありのままの姿で反射する瞳だけ。
『僕を、強くしてほしいです』
この子は頑固だ。一見すれば無口で、銀時を筆頭に我が強い子たちと比べて控えめに見える。
しかし本当は、心に秘めた強い意志がある。他の子たちが表に出る頑固さ 陽頑だとすれば、清麿は裏に出る頑固さ 陰頑だろう。
それは何度傷を与えられても、身体が悲鳴を上げていても、床に倒れ伏せようと際限なく立ち上がる様からよく分かる。
『侍になりたいと思ったことは、ないと……思うんです』
『銀ちゃんに、強くなってどうしたいのか、質問されたことがあります。でも僕は、よくわからなかった。どうしてそんなことを聞くのか理解できなかった』
己の考えを他人に伝えることが苦手な筈の清麿が沢山の時間をかけて整理をつけたのであろう思惟の吐露。
あの三人と異なり人並みの才能しかないこの子は、時間全てを費やし努力一本で駆け上がった。
眺めていて心配になるほど自分を追い込み、追い込み、追い込み抜いて、そして銀時に勝つほど強くなった。
だが、それでは足りないとばかりにまだ鍛錬に身を投じ続ける。
銀時や晋助は私を目標として精進しているが、この子は違う。強い侍になる為ではなく、化け物の私に勝てるほど強くなる為でもなく。
私と打ち合い、こちらを見据えてはいても、どこか視線が通り過ぎているような気がする。
まるで生き急ぐように急速に、けれど階段飛ばしなどではなく一歩ずつ確実に強さを身に付ける清麿を、一番近くで見ている銀時がそう聞いてしまうのも無理はない。
『皆は理由がないと、強くなろうとしないんですか? どうしたいのかが見つかれば、もっと強くなれますか?』
理由は人それぞれ。誉れを胸に強さを追い求める兵もいれば、大切なものを守る為に強くなろうとする人もいる。ただ私は、守りたいと思えたものを守る為に人は一番強く在れるものだと思っている。そう教えれると、清麿は空を見上げた。
その鏡のような瞳にゆっくりと形を変えて漂う雲を映しながら暫し沈黙を続け、やがてぽつりと呟いた。
『…………見つかるかなぁ』
大丈夫。君ならきっと見つかりますよ。
守りたいものも、やりたいことも。いつかそれを見つけた時、君は更に強くなれる。
この子は己の機微に鈍感だ。そして、ひどく直向きだ。見ていて眩しいと感じるほどに。
いっそ不器用とすら思うほど、清麿は前に突き進んでいる。
迷う素振りすら見せず、ただ真っ直ぐ走り続けている。
地図も持たず、往く理由もなく、己が通った後に出来上がる足跡が道であるかの如く。
手習いをうける彼等を一人でも多く見届けるのがきっと私の武士道だ。
世界は広い。この子も遠くない将来、この場所から去って行くのだろう。
何故だろうか? そう思った途端、置いていかないでと泣き叫びそうになったのは。
「それまで、仲間を、みんなを、護ってあげてくださいね。約束……ですよ」
唇から、頭から、鼻から、あらゆるところから血を流す清麿が、奈落に連行される私の背に視線を送る。
力の限り暴れて拘束される銀時とは対照的に、清麿は静かに私を見つめていた。
子供の噂によって動いた役人相手とは話が違う。
今の力量では奈落に敵わず、私が大人しく捕まることでしか場を収める手段がないことを、彼は理解しているのだ。
予想していた未来とは裏腹に、私が彼等を置いていく形になったことを悔やみながら……こうも思う。
ああ、これでもう少し、あの子は私を追いかけてくれる――――と。
そういえば一つ、清麿からの質問に答えに詰まってしまったものがあった。
『松ちゃんは、どんな理由で強くなったんですか』
瞳は鏡。あの子の瞳に映っている私は、醜い化け物のままだった。
そうせざるを得なかったという、それだけの返答がどうにも喉の奥に閊えて出てこなかった。
雲一つなく美しい月がぽっかりと浮かぶ空とは真逆、重く垂れ込む鉛の空が私の心を覆う。
あの子に答えを伝えられる日は果たしてやってくるだろうか。