『セイクリッド・カストルのキャラ設定』
全て、原作通りと言ったな。あれは嘘だ。
鎧は白いし、マントはバリっとしてます。時々、灰色になります。
でもチャラ男です。すぐ調子乗ります。
原作通り、ボルクスの兄です。
私達姉妹は、両親を早くに無くし、大赦の世話になってきた。当時、カミサマを心の底から信じている人達とは分かり合えないと思って厳しく接してきたけど、今じゃ私達の便利屋みたいな感じになって、信頼も出来るようになってきた。まぁ、そんな組織の世話になっている時点で大分変わっている。
二つめ。私達は勇者部を結成し、大赦の命令で、四国の外で生まれた人類の敵。バーテックスを討つ仕事をしている。戦う女子中学生とか、アニメやマンガのモノだと思ってたけど、現実にも居るんだなって思った。戦いが生活の一部にあるなんて、とても変わっている。
三つ目。これが一番、変わっている。それが…
「よーっす!朝だぜー!」
私の家で何故か、とても慣れ慣れしく接してくるこの「星の騎士」だ。
「だー!うるさい!近所迷惑でしょうが!」
「そうだよ兄さん!ここの人達の迷惑にならないってみんなで決めたでしょ!」
「…はい」
私とポルクスに怒鳴られて、カストルは分かりやすくしょげた。
「あと、狭い!リビングに集まりすぎなの!この甲冑共!」
「ああ、ごめんなさい」
「…へーい」
二人はカードになって、テーブルに降りた。
「…おはよう、お姉ちゃん」
二人と入れ替わるように、樹が入ってきた。
「おはよう、樹。…うるさかった?」
「もう慣れた」
「…そう」
彼らと出会ってから、早、数週間。
三好夏凛が勇者部に入ったり、牛鬼がハサミ野郎に噛みついたり、街中で騎士が出てきちゃったり、なんやかんやトラブルはあったけど私達は何とか彼らと生活し、耐性も出来てきた。
けど、疲れた。すっごい疲れた。何でコイツら男なの!?もし樹に何かあれば…なんて思って顔を赤らめながら怒鳴ったら「実は僕達、鎧しか体が無いんです」なんて言われるし!じゃあその中はどうなってるの!?目、あるじゃん!それとも、中には想像し難い何かがうごめいてるの!?しかも、友奈と樹はそんな奴らとすっごく仲良くなってるし!他の二人もなんだかんだ仲が良くなってるし!もう、分かんない!コイツらとの生活ヤダ!
「とりあえず!朝ごはん出来てるわよ。冷めないうちに食べちゃいなさい」
「ありがとう、お姉ちゃん」
・・・・・・・・・・・・
同日・校門前
「おはよう、東ごってぎゃああああ!?あんた何に乗ってんの!?」
「おはようございます、風先輩。カウストさんに乗せてもらってるんです。」
私は驚いて、大声を上げてしまった。だってあの東郷がこのミノタウロス野郎に乗ってるんだから。
「凄いんだよ!カウストさんもアクベスさんもすっごい力持ちなの!私も簡単に持ち上げられちゃった!」
「いや、そうじゃなくて!一応まだ会って数週間しか経ってないのよ!?そんな簡単に信用していいの!?」
「確かに、友奈ちゃんが押してくれる車椅子に比べるとやっぱり…」
「そーいう事じゃなくて!」
「もう…お姉ちゃんは心配し過ぎなの!」
『そーだぜ!俺達がそんなに信頼できないか?』
「…まぁ、今まで悪い事はしてなかったけど…。って!さりげなく会話に割り込むな!」
「あはは…。でも、悪い人じゃないと思う」
友奈が真面目な顔で言ってくる。
「…私はまだ認めた訳じゃないからね」
「はぁ…。道は長いな」
「もう学校に着いてるよ」
「そういう事では無い」
あーあ。樹とミノタウロスが仲良く話してるのを見てると、私が意地張ってるのが馬鹿みたいに思えてくる。
「さっ、話してると遅刻しちゃうわよ」
「ああ!もうこんな時間!風先輩!また後で!」
「私達も行くわよ」
「…了解」
二人と一匹は仲良く学校に入っていった。…東郷、あれをどう説明するんだろう?
「お姉ちゃん?私達も行こうよ」
「おお!ごめんごめん。今行く」
・・・・・・・・・・・・
同日・放課後・勇者部部室
「えーと。今日の予定は中庭の掃除よ!」
私は部員のみんなに女子力たっぷりに宣言した。
「掃除ですか?」
「そうそう。と、いってもゴミはほとんど無くて、雑草取りみたいなものね」
「って事は体操服が必要ですか?」
「そうね。虫とかも出てくるでしょうし」
「…ごめんなさい!体操服忘れました!」
「ああ、いいのよ。なんなら今回は事前に言い忘れた私が悪いし」
「ありがとうございます!」
「友奈ちゃん。よかったら私の…」
『手を貸しましょうか?勇者様』
東郷の声を掻き消して、カードの声が聞こえた。この声は…多分レオニスね。あ、東郷があからさまに嫌な顔してる。
「いいよ!これは勇者部の活動なんだから!」
『そうですか。ですが、無理はなさらないように』
「お気遣いありがとう!」
「…ほんと、アンタとソイツ。仲良いわね」
夏凛が呆れた口調でぼやく。…それは私も同感だ。
「はぁ、とりあえず。各自着替えて、中庭に行きましょう!」
そう言って私はそこそこ大きなダンボールをみんなの前に出した。
『…また、やるのですか?』
レオニスが怯えた口調で訊いてくる。
「当たり前でしょう?乙女の着替えを覗くかもしれない奴を近くに置いとく訳ないでしょ!とくにカストル!お前が一番信用ならん!」
『ええ?俺だけ指名かよ。他に注意するべき奴はいるだろ?』
「うっさい!さ!とっととこん中にぶちこんじゃって!」
「「「「はーい」」」」
部員は別れを惜しんだり、恨みたっぷりに睨みつけてから、ダンボールにカードを入れていった。
「さてと。それじゃあ私達も早めに開けるから。外で待っててね」
そう言って私はダンボールを外に放り投げて、派手にドアを閉める。
「…やっぱりやりすぎなんじゃ?」
樹が不安そうに訊いてくる。かわいい。
「大丈夫よ、樹。あーいうのは諦めが悪いの」
「ずいぶん自信満々だね…」
「昼ドラは人生で必要な事が詰まってるのよ」
「ええ…?」
同日・中庭
「さて!これより勇者部、除草大作戦を開始する!」
目の前のそこそこに伸びた雑草共を前に私は作戦開始を宣言した。
「ただ雑草をとるだけだけどね…」
「頑張って、友奈ちゃん」
「頑張る!勇者部、結城友奈!いっきまーす!」
東郷の体操服を着た友奈が目の前の大きな雑草に向かって走っていく。あ、凄い。軽々と抜いちゃった。
「私達も負けてられないわ!行くわよ!」
「それ私のセリフ!…まぁ、いいわ!勇者部ファイト―!」
「「「おおー!」」」
30分後・・・
「暑い…疲れた…」
「お疲れ様です。風先輩」
日陰でへばっている私達に東郷がスポドリを出してくれた。嬉しい!生き返る!
「疲れたぁー…」
「まだ…半分…?」
「冗談じゃないわ…。日が暮れちゃう…」
とっくにコップの中身を飲み干した三人がぼやいている。まぁ、二人の言う事が分からない訳ではない。今日は六月だというのにとても暑い。時々セミが鳴いていたぐらいだ。そこに、安全の為とはいえ長袖で、草抜きなんて事をしなければならないのだ。これ以上やったら熱中症になっちゃう。三人には休んでいてもらおう。
「ねぇ、東郷」
「何ですか?風先輩」
「あのダンボール箱って持ってる?」
「はい。そこに」
東郷が指さした先に、ダンボールはあった。っていうか、そこ日なたじゃん!嫌がらせ!?
「おーい!甲冑共!生きてるかー!?」
私は何とかそこまで辿り着き、箱を開ける。
『あっちぃぃぃぃぃ!』
その瞬間、誰かも分からない声が聞こえたと思ったら、周囲が一瞬光って、気付けば汗だくの甲冑共が倒れていた。
「暑い…熱い…!」
「姉ちゃん…もうちょっと早くに…開けて欲しかったぜ」
「ごめんごめん。…甲冑共も駄目か…」
「すみません…勇者様…」
つわもの共が夢の跡の時、一人がいきなり立ち上がった。
「だあああ!暑い!暴れる!」
アンタレスが何かを振り回して…えっ何その物騒なもの!?トンガリが半端じゃない!
「アンタレス!やめろ!」
「ずぇりゃあああああ!」
スピカの叫びも虚しく、その物騒なモノは中庭の中心に向かって飛んでいった。
あれ?これマズいパターンじゃない?
ドカアアアアアアン!!と音を立てて、そこは爆ぜた。
「みんな、大丈夫!?」
「こっち三人…なんとか、大丈夫です…」
「私も…大丈夫です」
周りが煙でよく見えないなか、私は皆を呼んだ。なんとか大丈夫だったようだ。
「…煙が晴れてきたわね…。って、ハサミ野郎何してんの?」
私達の前に立って大きな腕をかざしていたアクベスに私は訊いた。
「………」
「皆を守ろうとしたんだろうな。彼はあんなのだが、根は優しい」
何も言わないアクベスに代わって、スピカが答えた。
「ふーん…。いいとこあるじゃん」
私は思わず呟いてしまった。あ、こいつカードに戻った。照れてんの?
「…ところで、アンタレス。お前、何してんだ?」
あ、スピカすごい怒ってる。顔は見えないけど、声とオーラで分かる。
「あー…。えっと、その…」
「また勇者様に迷惑を掛けてしまったではないか!どう責任をとるつもりだ!?ああ!?」
「…すいません」
わーすごい。あのひねくれ者が正座してる。星の騎士だけに、星座ってか?
「風先輩!中庭が!」
友奈の声で我に返る。中庭が…ってあああああああ!
「中庭が…真っ黒!」
「どうしましょう…」
「勇者様。ここは我々にお任せを」
そう言って、レオニスと兄弟が手を中庭に向ける。
「おおおおおおおおおお!」
三人の声が上がると同時に、中庭の土が綺麗になっていく。草も生えて、綺麗な芝生が出来上がった。
「…終わりました」
「…おおー…」
「役に立ててよかったぜ」
「流石にあの人達みたいにはいかないけどね」
「体がそういう風に出来てる奴と一緒にすんじゃねぇ!」
私達が呆けてるのをよそに、兄弟が楽しそうに話してる。なんか、微笑ましい。
「…さて、勇者様。これで本日の活動は終わりでしょうか?」
「…あっああ!うん!今日はこれで終わり!解散!」
「「「はっはい!」」」
こうして、騒がしい雑草取りは終わった。
…にしても、あの爆発野郎みたいな力が他の騎士にも備わってるのかしら。…少し怖い。
TIPS
『セイクリッド・ポルクスのキャラ設定』
容姿は原作通りです。
性格は真面目。でも、他ほどキビキビはしてない。優しい奴。
兄貴を呼ぶ時は、「兄さん」呼び。
原作通り、カストルの弟です。