盾の仲間は5年後の級長達   作:Simcard

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今回はエーデルガルトとクロードは出ません


黒鷲と青獅子と金鹿は異世界へ
青獅子の参戦


…見渡す限り白い世界。どこまでも同じ光景が続いていそうな場所。俺は、何故ここにいるのだろうか

 

「…よく、答えてくれたね」

 

「っ!先生…なのか?」

 

いきなり俺の目の前に現れたのは、いつも俺の隣で戦ってくれた先生…によく似た緑髪の女性だ。少なくとも性別は違うが、身につけてる装備は近い気がする。何より、腰には先生しか扱えない『天帝の剣』がある

 

「いや、私はある世界の女神。この見た目は君がある程度親しみを持てるようにしようと思ったんだけど…」

 

「…姿を変えられるなら変えて欲しい」

 

「うーん…せっかくだし、このままにさせてくれないかな。代わりに…話し方は素の私に戻しましょう」

 

女神と自称する女は先生に似た女性のまま話を続ける。俺の意見は無視されてしまった…

 

「貴方にはこれから、私の世界来ていただき、『盾の勇者』に力を貸してもらいたいのです」

 

「盾の勇者?」

 

「すぐに分かります…それにあたって、いくつか伝えておきたい事があります。まず、貴方自身についてです」

 

そう言うと俺の元に銀の剣と槍、投擲槍のスレンドスピア、そして刃の中心に石が埋め込まれた槍が現れる

 

「ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダッド。貴方の名前や記憶は勿論、貴方の世界、フォドラでの経験値は全て引き継ぎとなります。武器については、こちらの4つの武器のみを持ち込みを許可致します」

 

「そうか。アラドヴァルさえあれば取り敢えずは大丈夫だと思うが…」

 

ブレーダッドの紋章石がはめられた英雄の遺産、アラドヴァルを手に取る。戦争が終わってからはあまり持つ機会はなかったが、ついこないだまで使っていたかのような感覚になった

 

「これら以外に扱いたい武器がある場合は、現地で調達することになります。次に、私の世界についてです」

 

女神はそれから俺が行くことになる世界について長々と話し始めた。ある程度要約してまとめると

 

・この世界では『波』と呼ばれる、魔物が大量発生する災害が発生するようになった

 

・既に1度波は発生しており、この時メルロマルクと言う国は多くの騎士と冒険者…傭兵のようなものだろうか?の力で何とか乗り越えることが出来た

 

・このままではこれ以降の波による被害がより大きくなりかねないため、メルロマルクは異世界から勇者を召喚することになった。女神は俺はこの内の『盾の勇者』に力を貸してもらいたいらしい

 

「話はおおよそ分かったが…言葉は大丈夫なのか」

 

「それについては大丈夫です。召喚される事になる勇者同様、貴方も自動的に言葉を理解出来るようにしておきます」

 

便利な事だ。そして女神は何やら呪文のような言葉を唱え始め、俺の足元から…真っ白な空間で分かりにくいが光が出てくる。だが、肝心な事を聞き忘れていたことに気づいた

 

「そう言えば、俺以外に誰かフォドラから呼ばれるのか?」

 

「はい。後御二方程。ですが、貴方とは…のフ…から…」

 

女神の言葉が途切れ途切れになり始める。そして、結局全て聞ききれないうちに、視界が白く染まった―

 

 

 

 

気が付くと俺は、どこかの城のような場所にいた。少なくとも慣れ親しんだファーガスの物でも、戦争の決着を付けるために攻め入った旧帝都・アンヴァルとも異なる、しかしそれとなく似たような建物だ。城というのはあくまでも俺の推測に過ぎないが、それ程遠い物でもないはずだ

 

…と辺りを観察していると、建物の壁以外何もなかったはずの空気中から、ひらひらと1枚の紙が出現する。反射的に摘むが、どうやら女神から俺宛の手紙のようだ

 

『この手紙を受け取って読んでいると言うことは、無事にメルロマルクの城内に入れたのですね。貴方には1度盾の勇者と、同時に召喚される剣、槍、弓の勇者を客観的に観ていただきます

今、貴方の姿はこの世界の者からは見えていません。勿論、勇者達からもです。勇者達はこれから王に謁見となりますが、それが終わり次第、城下町に転送します。それまで、勇者をよく見ておいてください』

 

…何故わざわざこのような状態にするのだろうか。女神なら直接城下町に送って、後からその様子を見せたり出来るのではないのか。まあ、フォドラの女神…神祖ソティスだったか。がそんなこと出来るかも分からないが

 

『それから貴方自身についてですが、本名を完全に名乗ると少々怪しまれる可能性があります。ですので、“ディミトリ=ブレーダッド”のように、簡略して名乗るようにしてください』

 

手紙にはこのような事も書いてあった。フォドラの貴族では当たり前のような名前だったが、どうやらここではあまり長いと違和感があるらしい。であるなら、女神の好意に甘んじてこう名乗ろうとするか

 

と、俺の目の前をローブを着た人物と見慣れない服装の4人の…おそらく勇者であろう男達が通り過ぎた。少なくとも眼帯を着けた俺を見たら何らかの反応はしそうだが、それがないのを見る限り本当に俺の姿は見えてないようだ

 

取り敢えず彼らについて行った方がいいのだろう。俺は彼らの後を追い、謁見の間と思しき部屋に辿り着いた

 

「ほう、こやつ等が古の勇者達か」

 

謁見の間にいた老人は4人を見て呟いた。彼がこの国、メルロマルクの王だろうか。その割には父上やロドリグ、先生のように人を惹きつける存在にはあまり思えない…なんというか、小物のような感じだ

 

「ワシがこの国の王、オルトクレイ=メルロマルク32世だ。勇者共よ顔を上げい」

 

メルロマルク王、オルトクレイ殿はそう言うが、肝心の勇者は誰一人頭を下げてすらいない。いくら平民でも王族に対する最低限の礼儀と言うのは身につけていると思うが、それすらないとは…いや、確か女神は勇者は異世界から召喚すると言っていた。という事は、王族のような者が存在しない世界にいた、なども有り得るか

 

その後オルトクレイ殿はこの世界の現状については語り始めた。内容は先程女神から聞いた事がほとんど…強いて言えば、『龍刻の砂時計』と呼ばれる波を観測するものについて詳しい説明があった事、勇者達は武器に異なる言葉を理解出来るようにする力があるという事についてはさっと流されたり言及されてなかったが…だった

 

「話は分かった。で、召喚された俺たちにタダ働きしろと?」

 

「都合のいい話ですね」

 

「……そうだな、自分勝手としか言いようが無い。滅ぶのなら勝手に滅べばいい。俺達にとってどうでもいい話だ」

 

「確かに、助ける義理も無いよな。タダ働きした挙句、平和になったら『さようなら』とかされたらたまったもんじゃないし。というか帰れる手段があるのか聞きたいし、その辺りどうなの?」

 

…流石に礼儀がなってなさすぎるのでは。俺は4人の後ろにいるから彼らの表情は一切分からないが。それに、最後の青年…装備的に彼が盾の勇者だろうか。彼の言い分については分からなくもない

 

「ぐぬ……」

 

オルトクレイ殿は臣下と思われる者に視線を送る

 

「もちろん、勇者様方には存分な報酬は与える予定です」

 

その言葉を聞いて、4人は握り拳を作る。やはり対価があると分かればやる気も出るのだろう

 

「他に援助金も用意できております。ぜひ、勇者様たちには世界を守っていただきたく、そのための場所を整える所存です」

 

「へー……まあ、約束してくれるのなら良いけどさ」

 

「俺達を飼いならせると思うなよ。敵にならない限り協力はしておいてやる」

 

「……そうだな」

 

「ですね」

 

やはり無礼…それどころか自分が上の立場だと思っているのだろうか、彼らは

 

「では勇者達よ。それぞれの名を聞こう」

 

「俺の名前はアマキレンだ。年齢は16歳、高校生だ」

 

「じゃあ、次は俺だな。俺の名前はキタムラモトヤス、年齢は21歳、大学生だ」

 

「次は僕ですね。僕の名前はカワスミイツキ。年齢は17歳、高校生です」

 

「最後は俺だな、俺の名前はイワタニナオフミ。年齢は20歳、大学生だ」

 

装備から見て、剣、槍、弓、盾の順番に勇者達は名乗る。一応全員俺より年下のようだ。コウコウセイやダイガクセイと聞き慣れない単語は出てくるが、学生、つまりどこかの学校の生徒なのだろう

 

「ふむ。レンにモトヤスにイツキか」

 

「王様、俺を忘れてる」

 

「おおすまんな。ナオフミ殿」

 

オルトクレイ殿は盾の勇者、ナオフミに注意されたが、1番最後に名乗った彼を忘れるとは…わざとか?

 

「では皆の者、己がステータスを確認し、自らを客観視して貰いたい」

 

「へ?」

 

ステータス?女神からは聞いてないが、勇者しか見れないのだろうか

 

「えっと、どのようにして見るのでしょうか?」

 

勇者達も分からなかったのか、弓の勇者、イツキがオルトクレイ殿におずおずと進言する。すると剣の勇者、レンが呆れたように話に割り込む

 

「何だお前ら、この世界に来て真っ先に気が付かなかったのか?なんとなく視界の端にアイコンが無いか?」

 

レンの話を聞いて、試しに俺も調べてみる。確かに、それらしきものがあるな

 

「それに意識を集中するようにしてみろ」

 

言葉通りに試してみると、ピコーンという音がして視界に情報が現れた

 

 

ディミトリ=アレクサンドル=ブレーダッド

職業 マスターロード Lv64

装備 アラドヴァル

   銀の槍

   スレンドスピア

   銀の剣

   青獅子の鎧

   必殺の指輪

   パラレルプルフ∞

スキル 王の血統+

    槍の達人

    カリスマ

    槍術Lv5

    槍必殺強化

    清流の一撃

    鬼神の一撃

    聖盾

    ブレーダッドの小紋章

魔法 サンダー

   ライブ

   リザイア

   リカバー

 

情報が箇条書きで並ぶ。名前は丁寧にも元々のものだ。しかし、“パラレルプルフ∞”とは一体なんだろうか

 

懐を探ってみると、中央に水晶がある金色の物体が見つかった。これがパラレルプルフ∞だろうか

 

「Lv1ですか……これは不安ですね」

 

「そうだな、これじゃあ戦えるかどうか分からねぇな」

 

「というかなんだコレ」

 

「勇者殿の世界では存在しないので? これはステータス魔法というこの世界の者なら誰でも使える物ですぞ」

 

「そうなのか?」

 

どうやらこの世界では標準的のようだ。それにしても勇者達はLv1か。彼らの言う通りこれでは不安だ

 

「それで、俺達はどうすれば良いんだ? 確かにこの値は不安だな」

 

「ふむ、勇者様方にはこれから冒険の旅に出て、自らを磨き、伝説の武器を強化していただきたいのです」

 

「強化? この持ってる武器は最初から強いんじゃないのか?」

 

「はい。伝承によりますと召喚された勇者様が自らの所持する伝説の武器を育て、強くしていくそうです」

 

…探せばフォドラでも似たような話はありそうだな。戻ったら、大修道院の書庫でも調べてみるか。イングリットやアッシュあたりに聞くのもいいな

 

「俺達四人でパーティーを結成するのか?」

 

「お待ちください勇者様方」

 

「ん?」

 

大臣らしき人物が今まさに旅立とうとした…はずの4人を引き止める

 

「勇者様方は別々に仲間を募り冒険に出る事になります」

 

勇者同士ではだめなのか?それが最も効率がいいと思うが

 

「それは何故ですか?」

 

「はい。伝承によると、伝説の武器はそれぞれ反発する性質を持っておりまして、勇者様たちだけで行動すると成長を阻害すると記載されております」

 

「本当かどうかは分からないが、俺達が一緒に行動すると成長しないのか?」

 

よく考えたら、それが出来ればわざわざ俺に対して名指しで協力を要請しないか…そう思うと腑に落ちる

 

「となると仲間を募集した方が良いのかな?」

 

「ワシが仲間を用意しておくとしよう。なにぶん、今日は日も傾いておる。勇者殿、今日はゆっくりと休み、明日旅立つのが良いであろう。明日までに仲間になりそうな逸材を集めておく」

 

「ありがとうございます」

 

「サンキュ」

 

4人は別室に案内される。それと同時に俺の身体が光に包まれ始めた。どうやら移動するようだ

 

次に行くのは城下町だったか。さて、ここからどのように動こうか。




ゲーム準拠のディミトリの技能レベルと保有する兵種資格は以下の通りです

技能レベル
剣術 B+
槍術 S
斧術 C
弓術 D
格闘術 E
理学 D
信仰 B
指揮 S+
重装 E
馬術 B+
飛行 E

兵種資格
貴族
兵士
ロード
盗賊
ソシアルナイト
ブリガンド
パラディン
トリックスター
ハイロード
マスターロード

槍必殺強化は槍必殺+10の言い換えです

レベルがちょっと高いことについては次回に説明します
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