城に入ってからは、特にやることもなくその日は終わった。流石に勇者の仲間候補だけあって、待遇は悪くはなかったな。
因みに、これは城内に来てからちょっと経ってから起きた事だ
通された部屋には、既に他の勇者の仲間候補も集まっていた。俺達を除いて数は12人。思ったよりは少ないな
と、取りあえずゆっくりしようと思った矢先だった
「ぬっ、貴様!何故ここにいる!」
派手な鎧を着た男が、いきなり俺達に向かって叫びだした。『貴様』ということは、多分1人を指しているんだと思うが、誰かと面識があるのか?
派手な鎧の男…面倒だから派手鎧でいいか。はズカズカとこっちに歩いてくると、ディミトリの前で立ち止まった。一応前の波とやらで活躍したという扱いではあるが、そこで何かあったのか?
「貴様に言っているんだ!何者かは知らんが、そのような人相の男に、勇者の仲間が務まるとでも思ったか!」
おおっと、見た目だけで判断したのか。まあ確かに眼帯のせいであまり良いとは言えないかもしれんが、ファーガス神聖王国の王だぞ。って、知るはずもないか
ディミトリも少し不快だったのか、すぐに言い返した
「まあそうだな。人を見た目で判断するやつよりは、立派に務められるだろうよ」
「なっ、貴様ぁ!」
憤慨した派手鎧はディミトリに殴りかかるが、ディミトリは片手で受け止める。力を入れ始めたのか、ビキビキと凄い音が聞こえるぞ
少しの間握りつぶしてから手を離した。鎧は恨めしそうにこっちを見てから部屋を出て行った。何だったんだあの鎧
とまあこんなこともあったが、その後は問題が起こることなくその日は過ぎていった
で、翌日。朝食を済ませてから謁見の間で待機していた。他の仲間候補も同様に待っている。王様もいるからかどこも会話はしていない。昨日の派手鎧も大人しい
「勇者様のご来場」
その言葉とともに扉が開き、4人の勇者が入ってくる。因みに俺達は既に容姿だけは知っている。どうやらお互い認識出来ていなかっただけで、3人揃って昨日の謁見に居合わせていたらしい。自称女神の考えはいまいち読めんな
彼らがオルトクレイ王に一礼すると、王は話し始めた
「前日の件で勇者の同行者として共に進もうという者を募った。どうやら皆の者も、同行したい勇者が居るようじゃ。さあ、未来の英雄達よ。仕えたい勇者と共に旅立つのだ」
王の指示で1人ずつ勇者の側に向かう。その結果、こうなった
剣の勇者 5人
槍の勇者 4人
弓の勇者 3人
盾の勇者 3人(俺達)
ふむ、15人と4で割るには中途半端だったが、剣の勇者、レンに少し偏っただけで程よく分かれることが出来たな。派手鎧はレンのところか
気になったのは、盾の勇者、ナオフミについたとき、周りが少しざわついた事だ。これは俺だけでなく、エーデルガルトやディミトリでも同様。俺達が盾についたのが意外だったのか、それとも、ナオフミ…いや、ナオフミ個人というよりは盾の勇者か。彼に何かあるのか。実際、ナオフミについたのはフォドラ出身の俺達だけ。元々この世界にいたであろう残りの12人は全員他の3人の勇者についた訳だ
「あ、やっぱり私も盾の勇者様と行きます」
考え事をしていた俺の意識が、突然の声で別方向に向く。槍の勇者、モトヤスの元にいた女性がナオフミのところに移ると言うのだ
セミロングの赤毛で、少し幼い顔立ち。背丈はナオフミよりちょっと小さい
「ふむ、他に別の勇者に仕えたいという者はおらんか」
オルトクレイ王の言葉には誰も反応しない
「まあよい。それでは支度金である。勇者達よ、しっかりと受け取るのだ」
勇者達の前に金袋が置かれる。結構量はありそうだ。俺がいつの間にか自称女神から受け取っていたのは銀色の硬貨が300枚。昨日の食費で少しだけ減ったが、まだまだ余裕はある
「それぞれ銀貨600枚を用意した。これで装備を整え、旅立つがいい」
『はっ!』
その場にいた全員が敬礼し、謁見は終了した
謁見の間を出てからお互いに自己紹介を始めた
「えっと、俺が盾の勇者の岩谷尚文だ。よろしく」
「私の名前はマイン=スフィアと申します。これからよろしくね」
ナオフミと後から入った女性、マインが自己紹介をする。その後から、俺達も続いた
「私はエーデルガルト=フレスベルグよ。よろしく頼むわ」
「ディミトリ=ブレーダッドだ。これからよろしく」
「俺はクロード=リーガン。ま、よろしくな」
マインが随分硬い挨拶だったから、少なくとも俺は気さくに名乗った。どう思われるかは知らないし、信用さえされれば問題はない
「さて、まずは何をする」
城を出て町に入ってからナオフミに聞く。今のリーダーは勇者であるナオフミだからな。取りあえずは彼の指示に従おう
「まずは武器とか防具が売ってる店に行きたいな、これだけの金があるのなら良い装備とか買えるだろうし」
なるほど。確かにナオフミは盾を持っていること以外は、これから戦いの旅に出ようとするやつの格好ではないな。他の勇者と違って武器も持ってないときた
「じゃあ私が知ってる良い店に案内しますね」
マインがいの一番に答える
「お願いできる?」
「ええ」
まあ、俺達もここの地理には疎いからな。ここは素直について行くべきだろう
少し歩き、マインが足を止めたのは大きな剣の看板が掲げられた店だ。これは一目で武器屋だと分かる
「ここがオススメの店ですよ」
「おお…」
ナオフミは何やら感動を覚えているかのようだ
「私は自分の分は既に見繕ってあるから、外で待たせてもらうわ」
エーデルガルトはそう言うと銀の斧を右手に持ってナオフミに見せる
「じゃ、俺も待っていようかな。ディミトリはどうする?」
「俺は少し見よう。どんなものがあるか気になる」
そう言って、先に入ろうとしていたナオフミとマインを追って、武器屋に入店した
さて、エーデルガルトと二人きりになった訳だが…フォドラの話をするならディミトリもいるときの方が何かと都合が良い。となると、俺が少し気になっていることについて意見でももらうか
「なあ、エーデルガルト。お前はあいつ…マインについてどう思う?」
どうも、あいつには裏があるようにしか思えない。人を見る目には長けていると自負はしているが、あの女はなにをしでかすか分かったもんじゃない
「そうね…どうも、波との戦いとは別に、何か目的があるのでは、とは思うけど」
「…やっぱり、エーデルガルトもそう思うか」
マインは話し方とかはどことなくヒルダに似ているような感じがある。、ヒルダに関してはめんどくさがりなだけで、やるときはちゃんとやってくれるからいいんだが
「取りあえず、彼女は少し警戒しておくべきでしょうね」
「そうだな…」
「お前ら、何の話をしているんだ?」
ここでディミトリが戻ってきた。特に装備が変わったとかもなさそうだし、本当に見ただけだなこれは
「少し、マインの話をね。貴方も注意しておいた方がいいわよ」
「そうか…よくはわからないが、気をつけよう」
何というか、本当にエーデルガルトに対する反応が落ち着いているな。グロンダーズの会戦で会ったときのあいつはエーデルガルトを討つことしか考えてなくて、俺やきょうだいの言葉も全く届かなかったが…
あいつの世界では、青獅子の学級をきょうだいが担当したのかもな。ともにいる時間が長ければ、あんな状態になったディミトリを正すことも出来るかもしれない。ま、あくまで推測にすぎないが
「…そう言えば、俺達のこと、詳しく話すべきだろうか」
「それもそうね…隠し続けられるような事でもないだろうし、話しておかないと」
「確かにそうだな。だが、マインが何が目的なのか分からないし、今のまま話すのはなぁ…」
俺の言葉に2人も考え込む。なんだかんだで、俺達には隠し事が満載だ。その内話せればいいが、果たしていつになるのやら
それから少し経って、2人は店から出てきた。ナオフミは身体に鎖を装備している。鎖帷子ってやつか。しかし、武器は見当たらない
「ナオフミ、武器はどうしたの?」
「どうも、この盾のせいで装備できないみたいだ」
つまり、ナオフミは盾で殴るか、その内魔法を覚えるかしか攻撃手段がないということか。中々癖があるな。ま、出来ないものは仕方がないか
そのまま俺達は外に出ることになった。さて、何はともあれ、俺達の冒険はこれからだ、ってな
今回はエーデルガルトのステータスなどを
盾の勇者の世界版
エーデルガルト=フォン=フレスベルグ
職業 カイゼリン Lv65
装備 アイムール
銀の斧
ボルトアクス
銀の剣
命中の指輪
黒鷲の紅鎧
パラレルプルフ∞
スキル 皇帝の血統+
斧の達人
カリスマ
斧術Lv5
斧必殺強化(斧必殺+10)
鬼神の一撃
魔神の一撃
大盾
セイロスの小紋章
炎の紋章
魔法 ファイアー
ボルガノン
ルナΛ
フォドラでの技能と兵種
技能レベル
剣術 A
槍術 D
斧術 S
弓術 E
格闘術 E
理学 B+
信仰 E
指揮 S+
重装 A
馬術 E
飛行 C
兵種資格
貴族
戦士
ロード
ブリガンド
アーマーナイト
メイジ
ペガサスナイト
フォートレス
ドラゴンナイト
アーマーロード
カイゼリン
戦争終了後に技能レベルが上がっているものもあったりします(ディミトリやクロードも同様)