盾の仲間は5年後の級長達   作:Simcard

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ディミトリ視点です

ちょっと期間空いてしまいました。すみません


異界

城での出来事から数日、ナオフミを見る市民の目はやはり軽蔑の物が多かった。だが…それでも手を差し伸べるやつもいたものだ

 

「おい、盾のあんちゃん」

 

「…あ?」

 

初日に入った武器屋の店主が俺達を見て声をかけた。まあたまたま武器屋の前を通っただけだが

 

「聞いたぜ、仲間を強姦しようとしたんだってな。一発殴らせろ」

 

「てめえもか!」

 

店主が握り拳をつくってナオフミに迫る。ナオフミも強く拳を握って睨みつけるが…おそらく痛くはないだろうな…おそらくだが

 

「…いや、やめておこう」

 

「あっそ」

 

そう言って店主は一度店の中に戻る。少ししてから再び出てきて、ナオフミに袋を投げた

 

「そんなカッコじゃ舐められるぜ。せめてもの餞別だ」

 

どうやら袋の中身は装備品のようだ。まだ女神にもらった銀貨にはかなり余裕があるし、なら…

 

「待ってくれ、それならもう少しいいものがほしい。金銭は俺が持とう」

 

「お、眼帯のあんちゃんも一緒にいたのか。そうだな…」

 

いや、気付かれてなかったのは流石に傷付くぞ…

 

「待て。わざわざいい」

 

「いや、だが…」

 

俺や2人は既に装備は整っている。である以上、ナオフミの為に使うべきだと思うが…

 

「いざって時のために残しておきたい。だが、そうだな…親父、これはいくらだ?」

 

「在庫処分品だから、銅貨5枚って所だな。」

 

「そうか…じゃあ、その分を払っておいてくれ」

 

「…分かった」

 

店主に数日前の食事でバラバラに出来ていた銅貨を5枚渡す。俺としてはちゃんと装備をそろえて欲しいが

 

「ん?後ろの2人もあんちゃんの仲間かい?」

 

「あ?ああ。エーデルガルトとクロードだ」

 

ナオフミに紹介され、エーデルガルトとクロードは一礼する

 

「へえ。装備は…取りあえずは大丈夫そうだな」

 

店主は鑑定の魔法と言うのが使えるが、今のはおそらく武器屋の勘というやつだろう。因みに初めて来た時に俺の装備を鑑定してもらったが、どうやら銀の槍や俺の鎧はこの店で市販しているもので1番いいものと比べても高性能らしい。そうなるとアラドヴァルがどれ程のものなのか気になる

 

「もういいだろ。いくぞ」

 

「おう。気をつけてな」

 

もらったマントを羽織ったナオフミとともに、城下町を出て草原に向かった

 

 

 

草原でバルーン狩りを始めて数刻。どうやらナオフミも少しではあるがLvが上がってきているようだ

 

最初は気付かなかったが、この世界ではパーティというものを組むことで仲間にも経験値とやらが入るらしい。これを初めて知ったとき、ナオフミが「あのクソ女…」と言っていたのはいらない補足か

 

因みに仲間のLvを見ることは出来ないらしい。これは俺自身も確認出来る

 

赤色のバルーンを一刺しで割る。時間をかければオレンジや黄色のバルーンはナオフミでも倒せるが、赤色は無理らしい。感触が硬いらしいが、俺にはよく分からないな

 

その一方で防御力はすさまじい。宿代を抑える為に(俺達の金は勿論伝えているが、残しておいて欲しいと言われた)、野宿をしているのだが、朝気付いたらナオフミが大量のバルーンに囓られていた。にも関わらず何食わぬ顔で起床してひたすらバルーン割りをしていた。エーデルガルトも唖然としていたな。クロードは…寝ていたから見ていない

 

「なあ…いくらなんでも多くないか?」

 

「いいんだよ。多けりゃそれだけ脅しが効く」

 

クロードがナオフミの身体に齧り付いている数体のオレンジバルーンについて指摘しているが、ナオフミは何処吹く風。確かに昨日、魔物の素材を買取している商人の元に行った時、商人は買取価格を相場の5分の1を提示するという、だいぶなめた態度を取っていたが、ナオフミがバルーンを押し付けた事で、相場比でちょっとだけ安い程度に収まった。脅しは個人的にあまりやりたくは無いが、現状を考えれば致し方ないか…悪評が余計に高まらなければいいが

 

「…ディミトリ?」

 

考え事をしていたらエーデルガルトに声をかけられた。いや、黙りが理由じゃないな。考え事をしながらバルーンを狩っていたからか、気づかないうちに攻撃にかなり力が入っていたようだ。よく見たら複数の窪みが地面に作られている

 

「お、おい!薬草もあったんだから加減しろ!」

 

「す、すまない」

 

この草原には至る所に薬草が生えている。それも売ることが出来るため、魔物の素材以外の大きな収入源となっている。それが荒らされたからナオフミの怒りも最もだ

 

「ったく…にしても、凄い力だな。聞いてなかったが、Lvどれくらいなんだ?」

 

「61だぜ」

 

「クロードには聞いてな…って、61!?」

 

まあ、上がってきたとはいえ、ナオフミはまだ10にも満たないはずだ。驚くのも当然だろう

 

「え、ディミトリとエーデルガルトは…」

 

「…64だ」

 

「65よ」

 

「マジかよ…」

 

ナオフミが膝を着いて項垂れる。そうは言われてもな…流石に5年以上の経験の積み重ねを軽々上回られたらこっちも堪える

 

「…そう言えば、お前らって何者なんだ?なんとなくこの国の奴らから浮いている感じがするんだが」

 

「何者か、ね…」

 

…そう、俺達はこの世界の人間ではない。エーデルガルトが返答に詰まるのも当然だろう

 

「そうだな、異世界から来たって言えば分かるか?」

 

「「クロード!」」

 

俺とエーデルガルトの声が重なった。そう易々と口外出来ない事を何故自然に話すんだ!

 

「どうせ話す時は来るんだ。それに、俺達だってこの世界の地理はイマイチ分からない。それを隠し通すのも無理だと思うぜ?」

 

確かに…今この場にいるのは俺達だけ。他の勇者共は既にこの地を離れていると思われる。仲間もフォドラから来た俺達以外にいない。そう考えれば、今話すと言うのは理にかなっているのかもしれない

 

「は?どういう事だ?」

 

今のナオフミは人間不信な所がある。仲間にして欲しいという誘いを全て断わっている。まあ、最初の方には見た目は奇妙だが礼儀正しい者もいたりしたが、大体はナオフミ…と言うよりは、盾の勇者を見下しているやつが殆ど。拒むのも分からなくもない

 

正直、俺達の事をどこまで信頼しているのかも分からない。こうして共に行動している以上、他と比べればいくらかマシではあると思うが

 

いや、だからこそ話すべきか。隠し事を持っていると思われると、それだけでも疑念を持たれかねない

 

「…今から話す事は、お前にとっては突拍子もない話かもしれない。だけど、お前が聞いた俺達の正体、お前から見れば不自然に見えるかもしれない強さの理由も、きっと分かるはずだ」

 

そう言って、俺達の世界、フォドラの話を始めた

 

 

 

「…何というか、凄いんだな、お前ら」

 

一通り話が終わってから、ナオフミが呟いた

 

「俺自身、召喚されてここにいるが、まさかそれとも違う異世界から、俺を助ける為にやって来るなんてな…」

 

「信じられらないかしら?」

 

「確かに話は信じられないが…でも、お前らも俺を信じてくれているんだろう?」

 

「まあな。強姦については白よりのグレーだが、装備が貧弱になっている事に関しては疑いようのない事実だろ?」

 

クロードの言葉は最もだ。他の勇者共も強姦疑惑にしか目が行っていないのが嘆かわしい

 

「なら、俺も…信じてみよう。裏切ったら承知しないからな」

 

「ははっ、肝に銘じておくよ」

 

クロードの言葉に、俺とエーデルガルトも頷く。言葉には出さないし、誰かが見ているか分からないから銀の槍のままだが、ファーガス神聖王国の国王の名と、アラドヴァルに誓おう

 

「にしても…そうなると全員この世界の地理に疎いのか…」

 

「それは…仕方がない」

 

そんな話をしながら、俺達は魔物狩りと薬草採取を再開した




エーデルガルト達が尚文に話した内容は

・フォドラという世界について(成り立ちや勢力図)

・自分達の身分

・自分達が別々の世界出身であること

・セイロス教について

・ガルグ=マク大修道院と士官学校について

・アドラステア帝国とセイロス聖教会の戦争

・↑の戦争で、自分達の属する勢力が勝利したこと

大雑把にはこんな感じです

今後の話の中でさも当然のように話していたらこの中で既に語ったことだと思ってください
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