底辺ローランくんのミッド暮らし   作:ryanzi

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殺伐とした底辺に雷帝が!

ローランの人生は灰色であった。

もちろん、祖母は荒っぽいながらも、愛情をこめて育ててくれた。

それでも、再開発地区という場所は人生観を冷えたものにするのには十分すぎた。

だが、祖母に連れられて孤児院の下見に行った時、初めてローランの人生が着色された。

出会ったのは二人の少女。一人は言葉訛りがあり、もう一人は気弱ではあるが明るかった。

こうした出会いから、ローランの人生は少し明るくなった。

二回目にローランの人生に色が付いたのは・・・。

まあ、ローランの人生についての話はまた後にしよう。

通り魔に襲われかけた次の日。ローランの隣の部屋に誰かが引っ越してきた。

挨拶しに行ってみたら、いつもの局員だった。

 

「何があったんですか、局員様」

 

「もう俺は局員じゃないんだ。・・・なあ、なんで女性って強いんだろうな」

 

ローランは元局員の生気のない表情から何かを察した。

 

「・・・えっと、ご愁傷さまです」

 

「ありがとう・・・、お前も気を付けろよ」

 

もしかしたら、ローランも目の前の元局員のようになっていたかもしれないのだ。

ローランはそう思うと身震いした。

 

「・・・まあ、今まで通り、お前はお前の仕事をしろ」

 

「・・・わかりました」

 

「あと、俺のことはユンと呼んでくれ。これからは俺の後輩のフィンが見回りを担当する」

 

「・・・その局員は、大丈夫ですか?」

 

「・・・さあな。少し世間知らずなところがあるからな」

 

ああ、すぐに交代するのだろう。ローランはそう思った。

そして、数時間が経った。今日も普通に仕事をこなした。

後任のフィンとかいう少年は明らかに再開発地区の担当には不似合いだった。

どうせ、どっかの路地に連れ込まれて、内臓を取られるところを見ながら死ぬのだろう。

運が良ければ、年上の女性に連れ込まれて、何とは言わないが卒業するのだろう。

 

「つ、捕まりたくないんだな」

 

「お、おれたち強いんだぞ」

 

「や、やってやる」

 

ローランは今日も犯罪者たちをボコボコにして、フィンに引き渡した。

今回は体を機械に改造した三人組を相手にした。さすがに厳しかった。

 

「ひ、ひどいや・・・」

 

「ああ、体が痛いな。昨日のあれがまだ響いてやがる」

 

ローランはいったんどこかで体を休めることにした。ちょうどいいところにベンチがある。

そこに座って一息ついた。すると、場違いな高級車が彼の前に数分間止まった。

車が走り出した時には、すでにローランの姿はなかった。リムジンだが、ハイエースだ。

 

「また人さらいか。不注意だな」

 

誰かがそう言った。裏路地では当たり前のことだ。

おっと、訂正。再開発地区では当たり前のことだ。

 

「あいつどうなると思う?」

 

「解体ショーに一万」

 

「逆レイプに三万」

 

「拷問に五万だ」

 

周りにいた者たちは賭け事を始めた。心配するのは時間の無駄なのだ。

こうしてローランの姿は再開発地区から消えた。

そのころ、フィンとユンはローランについて話していた。

 

「先輩、そういえばローランさんはどうしてスーツ姿なんですか?」

 

「やっぱり気になったか。確かに裏路地にしては珍しい正装だからな」

 

 

セリフにミスがあったことをお詫びいたします

 

 

「やっぱり気になったか。確かに再開発地区にしては珍しい正装だからな」

 

「どうしてなんでしょうかね?」

 

「前に聞いたことはあるが、昔どっかのお屋敷で働いていたそうだ」

 

それからしばらくして、ローランは柔らかいベッドの上で目を覚ました。

部屋の中を見回すと、ベルカ的な調度品で彩られていた。

ローランはその部屋に見覚えがあった。その部屋はかつてローランが仕えていた屋敷の・・・。

 

「ようやく起きてくれましたか」

 

部屋に入ってきたのは、気品あふれる女性だった。

 

「ヴィ、ヴィクトーリア様!?」

 

彼女はローランが仕えていた令嬢で、昔と比べてさらに美しくなっていた。

 

「もう、前から言ってるじゃない。ヴィクターって呼んでって」

 

彼女は笑いながら言った。だが、その目には光が宿っていなかった。

ローランはショックを受けた。ヴィクターこそ、ローランの人生に色を与えた人間だったのに。

祖母が行方不明になってから数か月。ローランは結局あの孤児院には入らなかった。

すでに、ローランは一人で生活をすることのできるまでに成長していたからだ。

すったもんだの末に、ローランは何とかベルカ貴族の屋敷の使用人になった。

裏路地と違・・・再開発地区と違い、こういった場所ではマナーが重要となる。

ローランは姉のごとき存在となったヴィクターからそういったものを教えてもらった。

祖母を失ったローランにとって、ヴィクターは雇用主であると同時に、保護者でもあった。

灰色であったローランの人生はこうして彩られることになったのだ。

しかし、ある少女が現れたことでローランは自主退職した。

 

「・・・ウチからヴィクターを奪わんで」

 

ローランよりも年上のその少女は泣きながら言ったのだ。

彼にはどうしようもなかった。ただ何も言わずにやめるしかなかった。

一言でもなにか言うべきだったのだ。そうすればハイエース(リムジン)されることもなかった。

だが、もう遅い。ローランは首に違和感を感じた。首輪だ。それも機械式の。

下手に外したら、ローランの首が爆発してしまう。

 

「もうどこにも行かないでくださいね、ローラン」

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