ヴィヴィオたちは試験を終え、ついに合宿に行くことになった。
もちろん、アインハルトもついていくことになる。
「抜け駆けしないでくださいね、雷帝」
「わかっていますよ」
もちろん、ヴィクターは破る気満々だった。
そして、ヴィヴィオはそんなことはとっくに予想していた。
だが、対策の取りようがない。魔王は味方とはいえ多忙だ。
教会の人々は絶対にローランの護衛など断るに決まっているだろう。
いや、もしかすると暗殺に乗り出そうとしているかもしれない。
そうなると、予防策が会ったことも無いハリーだけでは心もとない。
あのリンネとかいう少女は論外だ。
「・・・困ったなあ」
「この機会に同性愛に乗り換えようよ、ヴィヴィオ」
「フェイトママ、うるさいよ」
ヴィヴィオはフェイトを見よう見まねのアームロックで気絶させた。
「うるさいのがいなくなったからいいとして、ほんとどうしよう」
「どうしたんや?こんな河原で考え事して」
「実はかくかくしかじか」
「まるまるうまうま・・・なるほど、だったらウチにいい考えがある!」
「えっ!?ありがとうございます。ところで、誰ですか?」
「ウチの名前はジークリンデ・エレミアや。ジークって呼んでな」
数日後、ヴィヴィオは安心して合宿に出発した。
そのころ、ローランのアパートでは・・・
「またローランさんが行方不明なんですが、ユン先輩」
「またか。どうせ雷帝サマがまた誘拐したんだろう」
「失礼な。今から誘拐するところですよ!」
「なるほど。それでは詳しいことは署で聞かせてくださいね~」
「ふふふ、私に勝てるとでも・・・」
「坊主、オレも手伝うぞ」
「・・・俺も元局員だからな。腕に覚えはある」
「三人は卑怯ですよ」
ヴィクターがどうなったかは言うまでもないだろう。
それで、ローランがどうなったかというと・・・
「今から生存訓練や!」
「あれ、ジーク?どういうこと?」
「隊長と呼ぶんや!バツとして腕立て伏せ十回!」
「・・・なんてこった」
安全な場所に退避させられていた(白目)。
底辺の青年がこんなキャンプをさせられている間、大人たちは陰謀を練っていた。
「・・・なるほどなあ。確かにこれはアカンわ」
狸はファイルに目を通して言った。
そのファイルはローランの情報がびっしりと書かれていた。
「確かに人の恋路に口出しするつもりはないけどな、身分差がありすぎるわ」
「別に悪い人物ではないのですが、やはり無理がありますね」
狸の姉分は溜息をついた。まさか聖王陛下がこんな男に恋をするとは予想外だったのだ。
相手が底辺であるという生々しい事実を除けば、甘酸っぱい話ではあるが。
「・・・ちょっと聞きたいんやけど、本当にこの男強いの?」
「そうですね。おそらく私達の騎士と渡り合えるほどには」
「・・・恐ろしいわ」
さらに別の場所でも陰謀は張り巡らされていた。
「やっぱり教会が怪しい動きをしていたか」
地上本部司令官レプカは狸と同じようにファイルを見ながら言った。
なるほど、お前が司令官なら酷いことになりそうだ。
ギガントと一緒に沈んで、どうぞ。
「だが、都合がいい。目くらましにはなるな。こいつを存分に利用させてもらおう」
やっぱり酷いことを考えてた。
ちなみに、第一話で説明したことは、こいつが考案したのだ。
さらにさらに、別の場所でも陰謀が張り巡らされていた。
「地上本部、教会。奴らが一匹の虫けらに必死になっている」
「その虫けらを追って、我らの庭に踏み込もうとしている」
「だからこそ、都合がいい。あとは一石を投じるだけだ」
ローランは別の意味で修羅場に巻き込まれようとしていた。
「く、悔しい!雑草がこんなおいしい料理になるなんて!ウチの負けや!」
「再開発地区だと、適当なもんで済まさないといけないからな。得意になるんだよ」