起きたら『グルド』になったので、取り敢えず歯を磨く事から始めようと思う 作:ヘルメット助教授
『シャカシャカシャカシャカ…』
背の低い緑色の宇宙人が、洗面所で無心に歯を磨いている
『シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ…』
「ぺっ!」
歯磨きを終えると、次に口内を殺菌消毒消臭するミント系の某液体みたいなヤツを口に含んで、これでもかと口内を濯いで吐き出す
「……くっ…辛ぇ…」
終われば、最後の仕上げと大量の水を口中に含んでシェイク
それを吐き出すと、最後に口臭レベルをチェックできる機械に息を掛けると、機械は測定を開始した
『ピピピピッ…』
緊張の瞬間
『ビーーーッ』
「口臭レベル5か…クソめ」
5段階レベルで、機械が叩き出した数字は、最悪のレベル5
毒づき、その場で頭を抱える
(チキショ~…いったい何がいけないってんだ?
食生活か?体質か?
糸楊枝?歯石取り?
それとも歯槽膿漏か?)
口をおもいっきり開いて、正面の鏡で口内を、4つの目で確認するのは宇宙の地上げ屋集団フリーザ軍の誇る特殊部隊・ギニュー特戦隊の隊員『グルド』である
彼の戦闘力は特戦隊で1番低く、ギニューは10万超えで、リクームやバータやジースは5万とか
しかしグルドは1万か、本やサイトによってはソレ以下な時もある
実にあやふやなのは彼の扱いによるものだろう
しかし彼は原作では、ほぼ無敵の力を持っている
時間停止やサイコキネシスや金縛り等で、使い方しだいではどんな連中も出し抜ける
特筆すべきは時間停止能力、ヤクザの親玉のフリーザも、精神年齢がお子ちゃまなセルも、食い気だけの魔人ブウすら、時間は止められなかった
は?ドラゴンボール改?超?
なにそれ、リアルタイムでDB見てたオッサン世代には知らない名前だな
あとGTは、そん時は中学生だったから色々と忙しくて見てなかったわい!
そういえばセルと、メタル化したクウラが瞬間移動で悟空と追いかけっこしてたような気が…まぁ、そんな特殊能力をフリーザに買われたグルドは、宇宙の中からエリートのみを集めたギニュー特戦隊の隊員にまで抜擢された
しかし原作ではナメック星でハゲとボンボン息子に翻弄されまくった挙げ句、奥の手の金縛りまで使って追い詰めても、横からMっパゲの王子に首チョンパされて呆気なく死亡
汚い、流石ベジータ、汚い
アニメ版では何故か口が臭いと、有り難くない後付けをされてしまい、過去にMっパゲに弄られては逆上して挑み掛かったら返り討ちに近い形でフリーザに邪魔され、それを恨み続けていたという、絵にかいた小者っぷりが拍車を掛けたが、結末は変わらず首チョンパからの『息が臭い』で首を消し飛ばされている
ひでぇ……目玉が4つで、肌はイボイボで緑色、スカウターを付けてないくせに気配も読めない、戦闘力は低いし、腹回りはデップりしてて短足、とどめに息が臭い
しかしそんなグルドに、俺は朝起きたら憑依してた
ああ、そうだよ
普通の会社員の四十前のオッサンが、朝起きたらグルドになってたんだよ
…分かるか?
グルドだぞ?
そこはギニューやフリーザ、クウラやサウザーだったなら分かる
それこそガキの頃に夢中になったドラゴンボールの世界に行けたなら、万年ニートの人参やMっパゲ王子にしろとは言わないが、ヘタレな兄貴やクズロット、名も無きサイヤ人でも良かったのに、何故グルド?
マジで訳わかんねぇ
あと何で口が臭いのかが、1番わかんねぇ
フリーザ軍の優れた科学力が生み出した、あらゆる口臭ケアの中から、ザーボンがオススメする色んな商品を試してみたが、結果はこのザマ
「はぁ…もうこうなりゃ、彼処に行くしかねぇか」
意を決した俺は息をケアする錠剤を呑み、苦し紛れにマスクをすると、地上げ屋の親玉であるフリーザの元へと向かい、戦闘力の底上げを兼ねた修行の為に『地球』へと行かせて欲しいと懇願しに行くのであった
このドラゴンボールの世界で修行するなら地球一択、それは常識なのだ
亀仙人に弟子入りするか、最初から神様に弟子入りするかは未定だが、このまま何もしないよりは強くなれるのは間違いない
それに時期的にも、乗り込むには悪くない頃だ
俺は口のケアを試す前に、今は原作のどの辺なのかちゃんと調べている
どうもサイヤ人の故郷である惑星ベジータが滅んでから、10年と経過してないらしい
ってことは、主人公の悟空は10歳未満
ブルマと会うのが、14歳だったから
原作が始まるのが4年後か…
ってか、グルドってそんなに早くからフリーザ軍に入ってて、戦闘力が上がってねーのかよ!
ファイティング・ポーズやらの練習や、他の隊員とパフェ食ったり遊んだりして、全く修行してなかったな!?
だから『バカグルド』とか言われたり、死んでもファイティング・ポーズの心配位しかされねーんだよチキショー
まぁ、それも終わり
地球に行きゃ、俺は殆ど無敵だし、強くなれる方法は幾らでもある
しかし本当の目的はドラゴンボールを集めて、神龍に願いを叶えて貰う為だよ
あ?俺の願い?
そんなもの、決まってんだろ!
『口臭を永久に無くしてくれ』、だよ
安易に『強くしてくれ』とかは主人公のアレが地球にいる以上、最終的には結局無駄な願いになるし、そもそも外見がグルドだから、世界の流れが俺を殺そうとするだろうから、却下
『不老不死にしてくれ!』は、間抜けなニンニク息子のような末路を歩みそうだから、却下
ブルマの科学力なら余裕でなんとかなりそうだが、残念ながら俺はグルド、公式で面食いのブルマには相手にすらされない可能性が大だ
『俺の言う言葉が全てまかり通るようにしろ』、なんてどっかのエロ本みたいな願いでも良いが、正直な所、ドラゴンボールでムラムラする女キャラそのものが少ないしなぁ。※個人的な感想です
クソソソの嫁とかも良いけど返り討ちにあいそうだし、俺的にはRR軍の女将軍とかが好みなんだよ
もしくはブルマの家を悟空が尋ねた時に、親切に教えてくれたモブの姉ちゃんか、亀仙人に弟子入りする為に連れてきた人魚の姉ちゃん
……ん?待てよ、並みの人間程度の力の女なら、今の俺の力でもヤレそうじゃね?
……ぐへへ
『プシュー』
「おやグルドさん、何か用ですか?」
「……フリーザ、様……?」
ナチュラルに『様』を付けちまったよ
ってか、うん、フリーザだ
生フリーザが居る
ガキの頃に漫画やアニメでよく見た、あのフリーザが居て、俺をめっちゃ見てる
やばい、超こえー
無意識に背筋が伸びて、気を付けの姿勢になってますよ奥さん!
つーか、それより、あれじゃん
俺、地球に着いてからの事だけ考えてて、まだ報告の文句を考えねーじゃんかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
く、くそ!
こうなりゃ自棄だ!
「あ、あにょ、あの!
フリーザ様に、おね、おね、お願いしたい事がありやしてですね!」
「ほぅ…何でしょう?」
やめて、敬語が怖いって!
眼光も鋭すぎるし、プレッシャーで背中に汗ががががが…
「あ、ああああ…あの実は特戦隊…、特戦隊で一番弱い俺…いや、自分は、前から自分の能力に胡座をかいてるだけの現状に嫌気が差しやしたので、その…フリーザ様やギニュー隊長に迷惑を掛ける前に、どっかの惑星で、武者修行をして強くなり…たい…なぁと思いやして、その、少しの期間だけ休暇が欲しいなぁと…あ、あはははは」
「……」
うわ、めっちゃ呆れてる
あのフリーザが呆れてるよ
やべぇ、こりゃ瞬殺か?
目がキラッて光ったと思ったら、爆風で消し飛ばされるアレが来るのか?
ふっ、思えば短い人生だったぜ
あばよ、グルド
お前の息の臭さは忘れな
「…まぁいいでしょう」
「うぇ!?本当ですかい!?」
「貴方の能力なしでも攻略できそうな星を、ギニューさん達に手配しておきますので、グルドさんは少なくとも戦闘力を他の隊員と同等か、それ以上にしてから帰って来て下さいね。にっこり」
嗚呼、これってつまり
『強くなって帰ってこなかったら、星ごとぬっころす』的なヤツですよ奥さん
地球、サーセン
「しょ、承知しやした
ありがとうございます、フリーザ様」
「なに、貴方の能力は宇宙広しと言えど、かなり貴重なものですからね
頑張るのですよ、ほっほっほ」
「はい、突然の訪問、失礼しました」
「…1つ説明しなさい」
「ひぇ!?、な、なんでやんしょか?」
「なぜ今さらマスクを?」
「いっ!?その、え、エチケット的なヤツでやんす…」
「そうですか…、ついでにそっちも治しておくようにしなさいね
下がってよし…」
「う、うす…」
『プシュー』
「…はぁ~…」
フリーザ様の部屋から少し歩き、角を曲がった所で漸く肩の力が抜けた俺は、その場で何度も呼吸を整える
やっぱり口が臭いのは、フリーザ様も分かってらしたのね。トホホ…
それを今まで、敢えて指摘しないのはあの人の優しさなのか、それは分からんが、とにかく地球行きは叶った訳だから素直に喜ぼう
今の戦闘力を5倍にしなきゃならん条件付きだが、DBの世界でなら余裕だろ
「さてと」
出発前に隊長のギニューと、リクーム達に挨拶はしておくか
本来ならフリーザ様の前に隊長に相談すべきだったなぁとは思うが、あの隊長は部下に優しかったから、変に気を使わせて地球行き自体が頓挫する危険性がある、サラリーマンやってたなら、真っ先に同じ部署の上司に相談するのは社会人として当然だが、悪いなギニューよ、スペシャルファイティングポーズには付き合ってやっから、許せ
本音を言えば、ドラゴンボールと、RR軍の女将軍の魅力には勝てんのだよ
ぶははははははははははははははははははははは!
筆休みと気持ちのリフレッシュを兼ねて書いてみましたが、ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます。
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