起きたら『グルド』になったので、取り敢えず歯を磨く事から始めようと思う   作:ヘルメット助教授

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12話、昇れや昇れカリン塔

 

「で、お前さん誰じゃ?」

 

「グルドっすよ!」

 

「ほ~…宇宙船は、ほれ

あの通り出来上がっとるよ」

 

ブルマの家に到着して直ぐに怪我人のバイオレットがまず注目を集め、次に新入りのヤムチャとプーアルとウーロンが、ブルママから質問攻め、最後に俺は汗と努力の結晶を博士に軽~く流される

 

別の宇宙人と思われる位にスリムになったから、この反応も仕方ないとしよう

 

それよりもピラフ城から西の都に戻ってきたら、悟空がナメック星に向かう時の宇宙船が庭先にドン!と存在していたので、飛行機の中から見つけたらテンション上がったもんだ

 

しかし、思ったよりもデカい

 

博士の家よりデカいんじゃないか?これ

 

原作で悟空の為に作った宇宙船は、こんなにデカくなかったぞ?

 

「博士、コイツ…設計図よりも大きく作ってないか?」

 

「そりゃ1年も猶予があったからの、まして2人で生活できるように部屋も増やせば、必然的に宇宙船そのものも大きくなるわい」

 

「2人…?」

 

「なんじゃ、こいつでバイオレットと、宇宙のハネムーンしに行くんじゃろ?」

 

「んなっ!?」

 

「その反応…、こりゃあの娘も苦労するのぅ」

 

ほっといてくれ!

 

それにしても、俺とバイオレットの2人用だから、こんなにデカくなったわけね

 

…バイオレットと宇宙に帰るか

 

彼女がフリーザ軍の全貌を聞いて、それでも俺に付いてくるならそうしたいな

 

ん?家の方が騒がしいぞ

 

ブルマは宇宙船が気になる様子だったが、先にヤムチャやプーアルとウーロンを学校に行かせる手続きやら、部屋に置く家具や服やらと、あれやこれやと慌ただしい

 

まぁ落ち着いたら、いずれ博士に聞くだろう

 

それよりもバイオレットだ

 

聖地カリンに向かうべく彼女の回復を優先する俺は、博士に出来上がった宇宙船の説明を受けるとした

 

「じゃあ博士、まずはバイオレットを治療する『メディカルカプセル』は何処の部屋に?」

 

「ん、こっちじゃ

2人とも、付いてきなさい」

 

球体の宇宙船の中へ入る

 

入って直ぐの1階は広々とした空間になっており、真ん中には重力発生装置らしき操作盤があった

 

「うわぁ、広いですね

ここが重力発生装置の部屋ですか?」

 

怪我を忘れて、バイオレットが興味深く博士に尋ねる

 

「そうじゃ…簡単に説明すると、重力は1から200倍までタッチパネルで増減可能、使用者の容態に応じて即座に重力が1に戻る非常用センサーが内蔵してあるから、もしもの時にも安心じゃ

それとこの部屋を使用しておる最中は他の者は入室できないシステムになっており、用があれば扉の外からインターホンで呼ぶがよい

激しく動く事を想定して完全防音、温度完備、隣には簡単なトイレ、衝撃への強度も充分にしてある

さて、言われた通りにしたつもりじゃが?

ましてこれだけ広ければ、存分に2人でハッスルできるじゃろ?」

 

「流石だな博士、ありがとう

でもここでするのは修行ね、修行」

 

「ほっほっほ…」

 

「で、メディカルカプセルは?」

 

「こっちじゃ」

 

重力の部屋の扉を抜け、上に通じる梯子を登り、2階に移動

 

そこは宇宙船の操縦や、多種多様なシステムを完備する部屋になっていた

 

難しい事は分からんが、宇宙船を制御するのは2階でやるって事だな

 

2階の部屋の1つの中に、目指すメディカルカプセルがあった

 

原作ではナメック星で、傷付いた悟空とベジータが治療していた奴が2つ、ドン!と存在している

 

俺が地球に来るときのポッドに内蔵されていた『生命維持装置』、その治療液と俺の原作知識、そこにブリーフ博士の天才的頭脳を合わせたメディカルカプセルは製作者の博士曰く、3日で人間の手足や内臓の欠損くらいは再生するらしい

 

ナメック星人ならいざ知らず、こんなもんを作っちゃう博士って一体…

 

ちなみに3階は居住区で、俺とバイオレットの個室にはトイレが備え付けられていて、他には簡単な食堂とキッチン、窓付きの風呂と洗面所、食料庫に倉庫もあった

 

「凄い……どれも最新の電気器具ばかり

掃除機に洗濯機、炊飯器に冷蔵庫、ドライヤーに色んな調理器具もある」

 

「全室エアコン完備に高級ソファー、デカいベッドにテレビにAV機器

……ははっ、至れり尽くせりだな」

 

「グルドの宇宙船をバラしていたら、次々と新しいアイディアが生まれての~」

 

「つまり、カプセルコーポレーションはボロ儲けって訳か?」

 

「ほっほっほ…、まぁそれなりに稼げたので、その礼じゃよ」

 

「ありがとうございます博士

じゃあ、私はメディカルカプセルに入ってくるから」

 

そう言ってバイオレットは傷の治療をしに、2階に降りて行った

 

さてと…俺は彼女の治療が終わるまで、重力発生装置の部屋で修行をするとしますか!

 

 

 

『ピッ、ピッ、ピッ』

 

改めて装置の説明をしてくれた博士を家に戻し、俺は操作盤の前に立って、重力を幾つ増加するか悩んでいた

 

とりあえず最初は、20倍の重力にするか…

 

10倍の重力は、フリーザ様の所で経験済みだし

 

『ピーーッ!

重力、増加シマス』

 

『ズズンっ!』

 

うおおぉぉぉぉ!

 

機械の声の後、全身に目に見えない圧が掛かる

 

「くっ…、いいねぇ!

これだよ、これ!

重力を増しての修行、これぞドラゴンボールの世界!」

 

苦しいのに、重いのに、何故か笑いが止まらない

 

やっと本命の修行を体験できたんだと、心が喜んでいる

 

まずはと、ランニングをしてみる

 

『ズンッ!ズンッ!』

 

ダイエットを始めた頃の、太っていた時のように動きが鈍い

 

今の状態は走るというよりも、大股で歩いてる感じだ

 

膝と腰への負荷が凄いな

 

でも、負けねぇぞ!

 

充分に動いて体が暖まったら、次は簡単なフットワークと打ち込みの練習を始める

 

ゆっくりと動きながら、突きや蹴り、左右に動いたり、飛んだり跳ねたりを繰り返す

 

体を20倍の重力に馴染ませていくんだ

 

いきなり全力で動いて、体を壊したくないからな

 

…しかし思いとは裏腹に俺の心は、

 

「滾ってきやがる…!」

 

この修行を重ねていけば、間違いなく強くなれる

 

そう考えると、楽しくて仕方がない

 

もっともっと強く、激しく動こうと心がせっつく

 

…少しなら良いか?

 

ほんの少しだけ、気を限界まで高めた状態で全力で動いても…

 

「ぬぅぅぅぅ!」

 

『ピンポーーン』

 

『グルドー、治療が終わったよー、扉を開けてー』

 

「……」

 

『あれ?聖地カリンに向かうんでしょー?早くー』

 

「わかった、解除するから少し待っててくれ」

 

本気で動こうとした所で、バイオレットの治療が完了

 

俺は操作盤の所まで大股で歩き、重力を1に戻す

 

『ピッ、ピッーー!

…重力トレーニング、終了シマス、オツカレサマデシタ』

 

『プシュー』

 

「お待たせ」

 

重力が1に戻った事で扉が開き、そこから傷1つない美女が広間に入ってきた

 

「すっかり元通りだな、バイオレット」

 

「ほんと凄いよね

骨にヒビも入ってたらしいのに、たった一時間で治っちゃった」

 

「ヒビ?」

 

「うん、その…裸になってカプセルに入るんだけどね、そこから機械が色々と調べてくれたんだけど、そこで骨に数ヶ所ヒビが入ってたって分かったの

でも、それが一時間で完治しちゃった」

 

「とんでもないハイテクだな…」

 

「ね…、じゃあ、もう行く?

それとも明日にしようか?

ブルマちゃんのお母さんが、今夜はご馳走にするって言ってたし」

 

「そうするか、幾らなんでも宇宙船を貰ったら、ハイさよならは無い」

 

その日、俺は博士の家で夕食会に出席

 

博士、ブルママ、ブルマ、ヤムチャ、ウーロン、プーアル、そしてバイオレットと、楽しく賑やかに食事を楽しむのであった

 

そして次の日の朝

 

挨拶を済ませた俺は宇宙船をカプセルにし、専用のケースにしまうと、それを懐に入れる

 

昨日に知ったが、カプセルコーポレーションで作った純正の製品なら、何度もカプセルにしたり出したりが出来るようだ

 

デカい宇宙船が一瞬でカプセルになるのを見ると、宇宙の法則が崩れるのを目の当たりにしている気分になるが、気にしてはいけない

 

野暮は言いっこなし、下手につっこまない事で平和を保つのも人生では大事なのだ

 

因みに非正規品にも適応できるカプセルは少々値が張り、使い捨てタイプのホイポイカプセルも存在してはいる

 

原作だと、天下一武道会の賞金で水を買いに来たナムさんが、亀仙人から貰ったらカプセルに水を入れて持ち帰るのに利用してたな、アレだ

 

旅と修行を続ける俺達の住居は暫く、この宇宙船がメインになりそうだな

 

「さぁ、聖地カリンに向かうぞ」

 

「うん、行こう」

 

俺達は博士の家から飛び立ち、聖地カリンにある『カリン塔』を目指すのであった

 

 

 

生い茂る原生林の上空を飛び回った俺達は、漸く天高く聳える塔を発見し、着陸

 

「ここに何しに来た?」

 

さっそくネイティブアメリカンな衣装の、筋骨隆々の大男『ボラ』が槍を構えている

 

ボラの後ろに隠れている、息子の『ウパ』も健気に手斧を持っている

 

「私達は決して怪しい者ではありません

ここへはこの『カリン塔』に登り、仙人様に修行をつけて貰いたいだけです

他意はありません」

 

バイオレットが率先して説明をしてくれると、ボラは視線をカリン塔に向けて、また此方を見ると

 

「私はこの聖地カリンを代々に渡って守る者

君たちがこの塔に登り、仙人様に会うというなら止めはしない、行くが良い」

 

「ありがとうございます」

 

「…仙人様が本当に居るのならな」

 

「え……?」

 

守る者とは思わぬ言葉に、バイオレットは不思議がる

 

「生きて塔を降りた者がいないので、仙人様がいるのか私にも分からんのだ

みんな途中で力尽き、下に落ち、死んだ

仙人様とは、もしかしたら迷信かもしれんな…」

 

「……」

 

「何人もの腕に覚えのある者達がこの塔を登ったが、その中に唯一、この塔を登りきった1人の男がいるらしい」

 

「1人…ですか?それで、その人は仙人様に会えたのですか?」

 

「その男が、どうなったのかまでは分からん

登ったが、降りて来なかったらしい

言い伝えでは、仙人になったとか…」

 

「……」

 

「行こうぜ、バイオレット

俺達で確認すりゃいいじゃないか

塔を登りきり、そこに仙人がいるなら修行をつけてもらう、いなかったら飛んで降りればいい

コイツを登るのも、結構な修行になりそうだしよ」

 

これまで黙っていた俺は、そう言って塔の真下に歩み寄り、石で出来た円柱を掴む

 

「グルド、私も行くから、ちょっとだけ待って

えっと…守り人さん、親切に教えてくださってありがとうございました

行ってきますね!」

 

「…無事を祈る」

 

バイオレットはボラに礼を言うと、俺と共にカリン塔を登り始めるのであった

 

「よいしょ、よいしょ」

 

「ふん、ふん、ふんぬ」

 

亀仙人に鍛えられてきた俺達は、どんどん上に登っていく

 

舞空術に慣れた事で高い所で目が眩むことも無く、順調に塔を登っていくが

 

「あ…夕方になっちゃった」

 

「ん?もう今日は休もうか

バイオレット、縄を塔に括り付けて、今夜はここでキャンプするぞ」

 

夜に登るのは危険と判断し、俺とバイオレットは幾つもの縄を塔に括り付けて足場を作ると、寝袋をその上に敷いて寝に入る

 

昔、サラリーマンだった時に断崖絶壁でキャンプするドキュメンタリー番組を見たことがあり、それを真似したのだ

 

まぁ勿論サイコ・ウェブで縄を強化して、絶対に切れたりしないように補強はしてるから、安全性は段違いだがな

 

次の日の朝、俺達は起床したら寝袋の中で朝食をとり、また塔を登り始める

 

夕方になったら寝て、朝になったら起きて、また夕方になるまで登って、それを4回繰り返すと

 

「あ、あれ?あそこに見えるのは?」

 

バイオレットが何かに気付いたようで、俺もそこを見ると、遥か上空にあの特徴的な建物が微かに見えていた

 

「あれだな、仙人様が住む所は」

 

そこからは早かった

 

やる気満々になったバイオレットが、凄い勢いで登りだし、俺もそれに続く

 

ここまで彼女のペースに合わせていたが、この速度、よほど嬉しいらしい

 

「はぁはぁはぁ…つ、着いた」

 

「お疲れバイオレット、よく頑張ったな」

 

「グルドは、まだ全然、余裕、だね」

 

「とりあえず呼吸を整えてから、仙人様に挨拶しようか

この高さだ、空気は薄いみたいだし」

 

何㍍登ったか分からないが、カリン様の家?は高所にあるので空気が薄い

 

バイオレットも呼吸を整えるのに四苦八苦しているが、まぁこれも修行の内の1つだ、頑張れ

 

「よく登ってこれたのぉ」

 

「「え?」」

 

いきなり声を掛けられて俺達は振り向く

 

あ、カリン様だ

 

杖をもった二足歩行をする白猫、仙猫カリン様がいた

 

おっと、まずは挨拶から、そして超神水をどうにかして飲ませてもらわねば

 

あと、少しだけ誤魔化すとするかね

 

「あ、はじめまして、俺はグルド、こっちはバイオレットです

たった今、このカリン塔を登りまして、仙人であるカリン様に修行をつけてもらいに来ました

それで…仙人様はどちらに?」

 

「お主、知っておろうに」

 

「え?」

 

「ワシが仙猫カリン様じゃと知っておるのに、何処と尋ねるとは、ちと滑稽じゃの

にゃほほほほほ♪」

 

げっ…そうだった

 

カリン様は心が読めたのだったな、ぬぅ…これは失敗した

 

でも気を取り直して…

 

「失礼しましたカリン様

では改めまして、俺達に修行をして下さいませ」

 

「修行をして、どうするつもりじゃ?

お主の心には誰々を見返してやる、誰々と仲良くなりたい等と言った浅ましさがある

そこのバイオレットのように純粋に修行に励み、精神から鍛えようとする気持ちが薄い

慣れたら次、慣れたら次と、落ち着きもなく、反省も反復もしない

欲と邪念にまみれた心でこの先、何を掴むつもりじゃ?

そして、お主の背後には巨大な悪の影も見える

巨悪の下で働く者を、ワシは鍛えるつもりはない」

 

「うっ」

 

怒涛のように発せられた一言一言が心に突き刺さり、何も言い返せない

 

「図星じゃろ?」

 

「はい……」

 

「超神水はくれてやる訳にはいかん、さっさと帰るがよい」

 

「……」

 

打ちのめされた

 

完膚なき迄に

 

こんな思いはグルドになる前、サラリーマンだった時に会社で大失敗して上司に叱られたとき以来だ

 

「そこのバイオレットとやらはワシが責任をもって鍛えよう、安心せい

お主はお主のやり方で強くなるが良い、少なくともここには今以上に、お主を鍛えるようなモノは無いわい」

 

えっ?それはどういう意味

 

「か、可愛い…」

 

「「え?」」

 

カリン様と至極まじめな話をしていたら、隣から別の意味で息を荒立てたバイオレットが、カリン様ににじり寄ると

 

「いや~ん♥️喋る白猫~♥️」

 

と言って抱き付いた

 

「にゃ、何をしよる!これ!」

 

「体毛フカフカ~♥️

肉球も大きくてプニプニ~♥️」

 

「にゃははは!く、くすぐったい!」

 

「こちょこちょこちょ♥️」

 

「にゃ!?ゴロゴロ…」

 

「あ~ん♥️ゴロゴロしてる~♥️」

 

バイオレットよ…君は本当に凄いな

 




カリン様『グルドは帰れ!』

グルド『OMG』

まぁ心が読めるカリン様なら、フリーザ軍のグルドを鍛える訳がないですね

バイオレットは何とかなりそう?ですが、さて

超神水は飲んだ本人の潜在能力を更に引き出す劇薬なので、既に強力な超能力を覚えているグルドには不要。という補足をここに書いておきます

原作では悟空が超神水を飲んで死ぬ一歩手前まで行き、サイヤ人特有の能力でパワーアップしてますが

グルドが超神水を飲んでも何も手に入らない、もしくは死ぬだけなので、そこはカリン様が止めたと言う事にしときます

ホイポイカプセルの設定は作者のオリジナルです

カプセルからの出し方は分かりますが、逆に、カプセルへの入れ方ってどうやるんですかね?

バイオレットはこれから超仙水を飲む修行に入りますが、グルドはどうするか未定です

ラディッツもそろそろ飛来するので、バイオレットが超仙水を飲むまではグルドとタッグを組ませますか

ありがとうございました!
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