起きたら『グルド』になったので、取り敢えず歯を磨く事から始めようと思う 作:ヘルメット助教授
「ふぃ~、よっこらせと」
窮屈な1人用のポッドで実に、1年もの宇宙移動から漸く解放された俺は、外の新鮮な空気を吸い込みながら、ぐい~っと伸びをする
ベジータとナッパが、同じく1年も地球に着くまで寝てたとか原作にはあったが、まさか1人用ポッドにはコールドスリープのような機能が備わっていたとはな
長い宇宙移動で無駄にエネルギーを消費させず、搭乗員を飽きさせない配慮は実に有難い
ぜひとも、クソ長い電車移動やフライトで苦しんでいたサラリーマン時代の俺を、その便利機能で救って欲しかったもんだ
過ぎた事はさておき、俺はさっそくポッドの着陸で出来たクレーターから飛び上がって、緑の大地に着地、周辺を見回す
広大、というか、のどかな光景が広がっているのは、いきなり都とかに宇宙船を着陸させると軽いパニックになり、面倒な騒ぎになるかと思ったらからだ
短気で考え無しのナッパのように
『クンッ!』で、街一つを壊滅させる気は欠片もない
原作では『クンッ!』をしても良いように、重要人物やドラゴンボールなどを意図的に無くし、サイヤ人の強さを読者に見せ付けるだけで済んだが、俺の場合じゃナッパの規模じゃ済みそうにない
え?なぜって?
俺はナッパよりも、戦闘力が高いんだぜ?
確かに特戦隊の中じゃ一番弱いわ、潜在能力を解放されてイキッたハゲとボンボンには、コイツ大したこと無い扱いされるわ、他にもベジータやキュイには劣るが、バーダック並の戦闘力で特殊能力持ちなんだよ!
まぁ、メタな発言はさておき
『キョロキョロ』
…ヘタレ兄貴の時のように、戦闘力たったの5のオッサンとかは居ない
それにしても、本当にのどかな光景だ
住宅が点々としていて、太陽は燦々と輝き
『ホ~、ホケキョ』
へっ、ウグイスが鳴いてら
この光景にマッチして、実にいい感じだぜ
俺はチラリと、美しい音色を奏でるウグイスを視認しようと振り向けば
『ホ~、ホケキョ』
「…………は?」
そこには、グラサンにタキシード姿の『豚』が木に登り、拡声器でウグイスの真似をしていたのである
茫然自失する俺だが、よくよく辺りを見渡すと
「空には太陽がニカニカ笑ってて、豚さんはウグイスの如く、ホーホケキョ
まさか…ここは」
「わわっ!何だこの穴は!?」
振り向けばポマードで頭をピッチリ固めた、俺並みに背の小さな男が車から慌てて出てきていた所
…うん、あれは間違いなく、私服状態のスッパマンだ
「お前は何者だ!…さてはその外見、そっちの1人用の宇宙船らしきポッドを見るに、この村で悪さをしようとやって来た、悪の宇宙人だな!」
「……」
ビシィ!っと俺に指を指すスッパマンだが、あながち間違えてねぇから言葉もない
しかし、なんか自信満々なのがムカつく
原作でもブルー将軍に喧嘩売ってたなコイツ
「ふふふっ、この私の名推理に言葉も出まい、だが!
これからが本番だ!」
そそくさとその場を離れ、近くの電話ボックスに入るスッパマン(私服)
この後の流れをDB世代の俺が知らない訳がない、これ以上こいつに付きあってられるかよ
『ジャーーーーン!』
「梅干し食べて、スッパマン!
……はれ?悪者が居ない
…………そうか、私に恐れをなして逃げたのだな!
ふふふふっ、ペンギン村の平和はこのスッパマンによって守られたのだ!
はーはっはっはっは!」
んな訳ねーだろ
遥か上空から、スッパマンの高笑いを見下ろす俺の頭上には、回収されては面倒だとサイコキネシスで浮かぶ宇宙ポッドがある
一通り笑ったスッパマンは、車に乗って走り去っていった
ふよふよと宙に浮かぶポッドの上に乗り、胡座をかいて1つ溜め息を吐く
「この地球で最初に出会ったのがスッパマンとは、幸先わり~なこりゃ」
取り敢えずアホの事は忘れ、俺は気を取り直して辺りを見渡す
まさか『アラレちゃん』の舞台、ペンギン村に到着するとは
DBにもブルー将軍を追っ掛けた悟空が、アラレちゃんと遭遇してたから別に良いのか?
……おっ、アイツは
遠くに下校中らしき、子供の一団が見える
その中に生意気にグラサンをかけた少年と、金髪の少女が居た
空豆タロウに、黄緑アカネである
うひゃー若ぇ、ってか子供すぎんだろ
それは当たり前である
何せ今は、DBの原作すらも始まってないければ、ペンギン村の主役である『アラレちゃん』も誕生していない時期だったのだ
「ちぇ、アラレちゃんが居ないなら、ここにいても仕方ねぇや」
彼女の生みの親である、則巻千兵衛さんは居るだろうが、地球最高の頭脳はブルマ、もしくは父親のブリーフ博士であるからして、サーセン
それに俺の口臭問題は専門外だろう
まして、下手に千兵衛さんに接触して、アラレちゃんが作られない未来にはしたくはない
ここに未来の息子、ターボくんがいれば超能力の上手な使い方をレクチャーして貰いたかったが…
俺は仕方なく、ペンギン村を離れて、ある場所を探しに向かった
「はぁ~い、ようこそいらっしゃいました~」
「いきなりだが金はない
だから五人の闘士と戦うので、急ぎ占いババさんに取り次いで欲しい」
「分かりました~、こちらへどうぞ~」
全身がピンク色で、笠を被った幽霊が出迎え、砂漠の中にデン!と存在する宮殿の内部に俺を案内する
ここまで来るのに、少し遠回りをした
ペンギン村を飛び去った後、西の都をすぐに目指し、同地でブリーフ博士とブルマの所在を調べあげて2人に接触
俺は悟空がナメック星に向かう時に使った、居住区付きで重力発生装置付きの宇宙船を作ってくれないかと依頼した
参考までに持参した俺のポッドを見せれば、始めて見る地球外の宇宙船に大変興味を示した博士は、俺が乗ってきたポッドの提供を条件に宇宙船の建造を了承してくれた
中古のポッド1つで、居住区付きの宇宙船が貰えるとは
流石はカプセルコーポレーションの社長、いやはや太っ腹だわ!
気分の良くなった俺は、ついでに息の臭さも治せるかと尋ねれば
『口臭は専門外じゃよ』とピシャリと断られたが…
ブルマ?
まだまだ幼くとも面食いな彼女は、ポッドに近付いても俺に近付きはしなかったよ
その代わりなのか、博士の奥さんでブルマのママさんの、長いお喋りに付き合わされたがな
「ふむ、1年もあれば満足できるのが作れるじゃろ、それまでは地球でのんびりしてなさい」
うっひょ~!
オラ、1年間も地球で遊べるんか~?
…なんて言ってる場合じゃねぇ
さっさと強くならなきゃ俺は、地球もろともフリーザ様に殺されちまうんだよ
修行修行、修行しなきゃ
だが、その前にだ
博士に宇宙船を任せた俺は、こうして占いババの元へとやって来た
理由は俺的にDBの中で一番の美人、バイオレットの所在を見つける為
原作で彼女が、この地球の何処に住んでたのか明確に分かっていれば、態々ここに来る理由は無いのだが、原作で数コマしか出て来ないバイオレットの情報は少なすぎた
とにかく、RR軍みたいな私設傭兵団、悪く言えば愚連隊みたいなアウトロー連中に女性が籍を置くなんて、よっぽどの訳ありだと思うので、それを未然に防ぎ、更に保護できれば……むふふ♪
「占いババさま~、1名さまご案内しました~」
おっと、売れない婆と御対面か
原作同様に水上に浮かぶ円形リングの中央に、大きな水晶玉に乗った老婆が居た
占いババは『グルド』である俺を見ると、面白いものを見たように喜び出す
やっぱり悪趣味な婆さんだ
「ひょっひょ♪なんもまぁ、奇っ怪な化け者が現れよったわ
ひょっひょひょひょ♪
さて… 本来なら大金を支払った者のみ占ってやる所だが、ワシは闘いを見ることが大好きでの
そこで金が無い者には、これから出て来る五人の闘士と闘って勝ち残れば、タダで占ってやる事にしておる
どうじゃ?やってみるかぇ?」
「勿論だ、さっそく始めようぜ」
「ひょっひょ、しかし1人では何人まで持つかの
…ドラキュラマン!」
占いババの掛け声と共に、奥の建物から勢いよく前宙をしながら、1人の闘士が現れた
青い肌に逆立った黒い髪、尖った犬歯を持つ吸血鬼
ムエタイか、キックボクシングの格好をした、うん…ドラキュラマンだ
うわぁ、懐かしい
「けっけっけ!貴様の緑の体から、血を1滴残らず吸い付くしてやるぜぇ」
「あっそ」
「そ、それまで!」
占いババが俺の勝利を宣言する
戦闘力の差から、勝敗は直ぐに着いた
軽やかにステップを踏んで襲いかかってきたドラキュラマンに、俺は軽く、軽~~く、平手打ちすると
まるで水切りをする石のように水面を跳ねまくった吸血鬼は、対岸の砂漠の中に突っ込み、脚だけを出して砂中に埋もれていた
ピクピクとしているので、死んではいないだろう
まぁ、この時期のDBはギャグだからな
「お、お主は何者じゃ?」
「え?ただの宇宙から来た客ですよ、売れないババさん」
「売れないババではない、占いババじゃ!
…次、透明人間のスケさん!」
来たか、意外と厄介な奴が
原作通り、2番目の闘士は透明人間のスケさん
この手にスカウターがあれば、一発でスケさんの位置を探せるが、それでは気配を読む修行を兼ねられない
『ボカッ!』
いきなり頬を殴られた感触
『ドゴッ!』
今度は戦闘ジャケットの上から蹴られた
『ボゴッ!』
う~ん、気配を読むにしても、やり方が分からんから、本末転倒だ
『ドゴッ!バキッ!』
サラリーマンのオッサンが、いきなり見えない相手の気配を読むとか、やっぱり無理だったんやな…
『バシッ!ビシッ!』
全く痛くないけど、そろそろ鬱陶しくなってきたな…アレやるか…
『ガッ!』
止まれ
「ふぅ~…よし、掴まえた」
「っ!?」
「お返しだ、おりゃ!」
掴んだスケさんの腕を一本背負いの要領で、優しく、優~~しく投げれば先程のドラキュラマンの横にポッカリと穴が空いた
殴られた瞬間に時間を止め、スケさんの腕を掴む作戦、上手くいったぜ
「さてババさん、次は誰だい?」
呆気に取られている占いババに、俺はそう言うのであった
「つまりその娘の在処を、お主は知りたい訳じゃな」
「そうそう、早いとこ頼むよ」
「よかろう、少し待つがよい」
ババさんは水晶玉でバイオレットの所在を探し始めた
スケさんを撃破した俺は、続くミイラくんをデコピンで失神させ、原作には出て来なかった鳥乙女のハーピーちゃん(なかなかの美人)を、サイコキネシスで捕まえてからの熱烈ハグで撃破
最後のアックマンには悪党が食らうとヤバい技、『アクマイト光線』に気を付けつつ、時間停止で背後に回ってチョークスリーパーで勝利した
五人目を結構警戒してたけど、ハーピーちゃん可愛かったな~
パッと見は自信過剰でタカビーなギャルだけど、本当は打たれ弱い乙女とか、マジでオッサン堪らんわぁ
抱き心地も良かったし、羽毛もフワフワで、悪魔の便所みたいな場所じゃなけりゃ最高だったのに
ただハグの力を強くし過ぎたのか、それともマスクがズレた事で俺の息がかかったのか、直ぐにハーピーちゃんは気絶してしまったがな
泡を吹いた美人は、流石のオッサンも欲情できませんて
「ほれ、出たぞよ」
「おっ、マジかい?」
「だが…少々、危険な状況にあるぞよ」
「なに?」
俺は急ぎ水晶玉を覗き込むと、そこには軍隊に襲撃を受けたと思われる瓦解した街と、倒れる女性の側で泣き崩れる、紫色の髪を持つ少女の姿が写っていた
補足ですが、グルドの居た星から地球までの到着を1年にしたのは特に理由はなく、ただ単に計算が面倒だからです
あとベジータとナッパが原作だと1年近くもの間、せま苦しいポッドで寝てられるたのは、コールドスリープでもなきゃ、あの短気者達が我慢できる筈がないと思い、本作品ではコールドスリープ機能をポッドに付けてみました
本当ならアラレちゃんに登場して頂き、グルドに面と向かって『オッチャン、口くせーね♪』とか言って欲しかったし、グルドの腕を掴んで引き摺り回して欲しかったし、激しくプロレスごっこをしてグルドをボコボコにして欲しかった
地球を割るパンチがグルドの顔面に直撃して、吹っ飛ぶ構造とか考えると、最高に笑えるのですよ。ゲス顔
あと体を鍛えるなら重力操作は、DBの世界なら当然ですよね
ありがとうございました!
原作登場時のバイオレットの年齢は?
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二十歳
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二十三歳
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十九歳
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は?永遠の十五歳だろJK
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そんなことより、バイオレットのパイ乙をだな