起きたら『グルド』になったので、取り敢えず歯を磨く事から始めようと思う   作:ヘルメット助教授

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誤字脱字ありましたらスイマセン



8話、夜の海が茶番を隠す

4日目の早朝、もはやルーティーンとなった波打ち際での自問自答をしているグルドこと、俺です

 

いやぁ~、昨夜の夜戦は本当に間一髪だった

 

咄嗟に時間停止をした迄は良かったが、そこから先が無かった為に止まった時間の中でかなり慌てたが、どうにかなって良かった良かった

 

これは、どっかの3代目の大泥棒に感謝しなきゃいけないな

 

それにしても、サイコキネシスの糸『サイコ・ウェブ』は、結構いいアイデアだと思ったんだがなぁ…

 

使ってみたら、糸に触れた相手の位置は把握できても強度の問題か、亀仙人が触れたら簡単に切れてしまい、それ以降は張り直さないと察知できない

 

強度を上げて…ブービートラップ用にするとか?

 

糸に触れたら軽い電流のスタンガンで気絶させるとか、頭に重りを落とすとか?

 

いや…いっそ、エロ本を床に置いて亀仙人を罠に誘導してだな…

 

「グルド、おはよう」

 

「おっ、バイオレットか、おはようさん」

 

いつの間に起きたのか、寝巻き姿のバイオレットが朝の挨拶をして、そのまま俺の隣に座り込んだ

 

「……」

 

「……」

 

特に何も話さない

 

ただ時間が過ぎるだけだが、幾度も寄せては引く波の音が心地よく、隣には美人のバイオレットだ

 

文句など、ある筈がない

 

然り気無く、彼女の綺麗な手に触れてみたいと思っていたら、彼女の方から軽いジャブを入れてきた

 

「あのさ、西の都で私が博士に色々と聞いてたじゃない」

 

「人造人間計画の事か?」

 

「…うん」

 

「なりたいのか?」

 

「え?」

 

「人造人間に」

 

「どうなんだろ…前は、凄く魅力的に思えたんだ

人間って、本当は7割以上も力を出してないらしいの

人造人間は、人間の本来持つ力を限界以上に引き出せて、そこに掛かる負担も軽減できる

そこに厳しい修行を加えれば、もっと効率よく強くなれるんじゃないかなって」

 

「……」

 

「今でもそうなんだけど、私は少しでも早く、恩人である貴方の強さに近付きたい一心なの」

 

「……」

 

「亡くなる寸前の母さんには、自由に生きろと言われたから、私はこれからもすきに生きるつもりよ

でも、私は弱い

貴方みたいに強くないし、ブルマちゃんや博士みたいに頭も良くないし、武天老師さまみたいに明るくて賢くもない

…だから人造人間になれれば、早くグルドの力になれるんじゃないかなって…」

 

いつの間にか膝を抱え、頭まで埋もれてしまいそうな位なバイオレットであるが、色々と間違いがあるのでそこは正させてもらうぞ

 

「なぁバイオレット、悪いんだが俺は、所属する軍の全体から見れば酷く中途半端な強さなんだよ」

 

「え?」

 

「俺は、とある軍に籍を置いてて、5人の特殊部隊の隊員に入ってるんだが、そこでの俺の強さを1万で例えると、他の3人は5万、隊長に限っては12万は越えている」

 

「グルドの強さが1万で…、隊長がその12倍!?」

 

「そう、しかし上には上がいて

それも宇宙を丸ごと震撼させるような強大さを持つ男が、最低でも3人もいる

強さはざっと…1億か」

 

「1億……」

 

この場合の3人とはフリーザ様、クウラ、ブロリーの事である

 

魔族やターレス、スラッグやボージャックは上記の3人に比べると些か迷惑度が落ちるので省く

 

それとコルド大王の強さはオッサンになってもよく分からんから、同じく省かせて貰う

 

魔人ブウも入れても良いが、俺としては元凶のバビディを前もって何とか探し出し、RR軍みたいに潰してしまえば良いと考えているので然程、脅威とは言えない

 

ダーブラの強さもよく分からんしな

 

セル?あ~…忘れてたよ

 

とにかく宇宙規模で迷惑をかけているのがフリーザ様や、クウラやブロリーだから名前を挙げただけで、異論は聞いてない

 

「1万の俺など、道端の石ころみたいなもんさ」

 

「…でも、…でもグルドは、それでも強くなることを諦めてないんでしょ?」

 

「勿論だ

バイオレットだってそうだろ?」

 

「うん」

 

「その意気だ

それを決して忘れなければ、あっという間に俺の強さにはなれるぜ」

 

「ありがと…でもグルドは、更にその先に行っちゃうんでしょ?」

 

「まぁな…軍の親玉に、少なくとも仲間と同じ位になる迄は帰ってくるな。と言われちまったたし」

 

「強さを今の5倍にする迄、か

はぁ…私はグルドの何倍、修行をすれば追い付けるのかな」

 

「俺は宇宙人だからな、地球人の体の構造は分からないが

とにかく根気強く修行をして、その修行を克服したら更にキツい修行をし、それを続けていくしかあるまいよ」

 

「うん、……あれ?

グルドは宇宙人なの?」

 

「おろ?言ってなかったか?

でもまぁ、見た目は完全に宇宙人のそれだろ?」

 

「う~ん…それでも私には、命の恩人には変わりはしないけどね」

 

「バイオレット、お前は良い娘だな……」しみじみ

 

「うわぁ、今の言葉と雰囲気、オジサンみたい」

 

「けっ、ほっとけ

だいたい男なんて幾つになっても中身はガキで、スケベなオッサンだよ」

 

「武天老師さまみたいに?」

 

「武天老師さまって……あれ?

もしかして、バイオレットよ

夜中のアレ……まさか気付いてたのか?」

 

「そりゃ起きてるよ、あれだけ毎晩、廊下で騒がしく闘うんだし」

 

「(゜д゜)」

 

「いつも守ってくれてありがと

それにしてもさ…今回は、いきなりグルドがベッドの中に入ってくるんだもん…

一瞬だけだったけど、凄く驚いちゃった…///」

 

きゃー!バレてるぅぅぅ!

 

あかん!これはセクハラで告訴されてまいます!どげんしたらよかとや!オッサンが年若い娘さんのベッドに入り込んだとなったら、最低でも10年は宇宙刑務所にブチ込まれてしまうたい!

 

…そうだ!話題を変えよう!

それしかねぇ!

 

「コホン…ならどうする?

亀仙流を辞めて他所に行くか?

宛なら他にも居るぞ?」

 

よし、クールに言えた

 

「まだ4日目だよ?それに修行は途中で投げ出したらダメ

確かに武天老師さまは、ちょっとエッチだけど、指示はいつも的確だし、仰る事は的を射ているなぁと素直に思うよ」

 

ちょっと……かなぁ

 

「それに私自身が修行で強くなって、武天老師さまを撃退できるようになれば問題ない話でしょ?」

 

「むぅ…まぁ、そうなんだが」

 

「そういう訳で、手合わせして」

 

「うん、……うん?」

 

「手合わせだよ、ダメ?」

 

こっちを向いて小首を傾げるバイオレット、くそ可愛いな

 

「分かったよ、ただし全力で来い

俺は避けるだけだから、安心して攻めて来るんだ」

 

言って俺達は立ち上がり、体に付いた砂を払い、それぞれの修行用の服に着替える

 

俺は例のインナーに目隠し、バイオレットはタンクトップにホットパンツである

 

向かい合って一礼し、構えればそこから始まる

 

「はっ!」

 

視界は一面の闇だが、柔らかな砂地を蹴り、飛び込んで来るバイオレットが耳と肌で分かる

 

『シュッ』

『ゴッ!』

 

「……!」

 

「どうした?次」

 

腹に拳がクリーンヒットしても顔色1つ変えない俺に、攻めた筈のバイオレットが怯んだ気がしたから、俺は次だと指示する

 

『ブォン!』

『ドォ!』

 

横っ腹に蹴りが入ったか

音と感触で何となく分かる

 

『バシッ』『ガッ!』

『ズドン!』

 

今度は頭や腹に連撃を受ける

 

「このぉぉぉぉ!」

 

バイオレットは攻めに攻めるが、宣言に反して俺は一切動かずに全て受けきった

 

避けると前もって言っておけば、容赦なく攻撃が出きるだろうし

 

 

 

そこから少なくとも4分は経過し、バイオレットは攻め疲れてギブアップ

 

彼女は俺に攻撃が効かない事が不満そうだが、俺は別の事に感心している

 

「やるじゃないかバイオレット、4分も連続で攻められるなんて

普通の男でも、4分も休まずに攻撃するなんて、まず無理だ」

 

「はぁはぁはぁ…そ、そうか、な……?」

 

「そうさ!全力ダッシュを4分間やり続けるのと一緒の運動量が、今のバイオレットに備わっているって事だからな」

 

「はぁはぁ…はぁ、はぁ」

 

両膝で上半身を支え、肩で息をする彼女

 

バイオレットは亀仙流の修行により、確かな基礎体力が付いていたのであった

 

 

 

その日も、縄をほどいて起床してきた亀仙人と海を渡り、2つの配達をこなす

 

配達中も目隠しをする俺は当初、バイオレットの尻を追い掛ける亀仙人にサイコ・ウェブを付着させて、道案内をこっそりさせようとしたが、年の割には軽快な亀仙人はひょいひょいと飛び回るので糸が直ぐに切れてしまい、それは無駄に終わる

 

暗闇の中で山道を走れってか?

 

こうなりゃ自棄だと俺は残る五感を頼りに、バイオレットの残り香や、足音の方向と言った僅かな痕跡を絶対に逃がすまいと追い掛け続けた

 

ただやはりと言うか、途中で何度も躓いたり、崖から落ちたりするが、そこは舞空術で乗り切った

 

「うぉ!?またか!」

 

今度は丸太橋から足を踏み外して落下するが、途中で舞空術で浮遊しながら体勢を立て直して、橋に戻った

 

「グルド、大丈夫!?」

 

「…あぁ…問題ない」

 

バイオレットが心配してくれる

 

これでは配達が遅れてしまうな、不甲斐ない

 

まだ目隠しをして1日すら経過してないので、この体たらくは当たり前だ

 

しかし修行とは、地味な作業を諦めずに続ける事が大切

 

継続は力なりである

 

「さぁ、行こうか」

 

仕切り直し、俺達は配達を再開するのであった

 

 

 

 

「では今日も石を探して貰う

見つからなければ、分かっておるの?」

 

「はい!」

 

「おうよ」

 

「では…ひょーーーーい」

 

『ヒューーーー…』

 

『…………ガサガサ』

 

ここまで来るのに、耳に全神経を集中させてきた甲斐もあってか、大体の距離と方角は掴んだ

 

後は崖の正確な位置をだな

 

「行こうグルド、崖はこっちだよ」

 

「おっ、おぅ、ありがと」

 

バイオレットの柔らかな手に突然握られ、崖へと案内される俺

 

はぁぁ!柔らかいなぁ~!

 

そう言えば彼女から手を握ってくれたのは、これが初めてだったか?

 

俺から握ったのは、前回の石探しの時だったのは間違いないが

 

「にやにやしとらんで、はよ行かんかい!」

 

「ぐぇ!」

 

いきなり背中に強い衝撃を受けると、俺は崖下へと落とされる

 

あんのエロ爺!目隠しした俺に、ドロップキックしやがったな!

 

後で覚えてろよぉぉぉぉ!

 

落っこちながら俺は今夜の闘いに、激しく意欲を燃やすのであった

 

 

 

そして夕方、カメハウスにて

 

「ぬふふ、今宵もバイオレットちゃんの見事なパイパイを、じっくりとたっぷりと拝ませてもらおうかの」

 

「させるかよ、スケベ爺

バイオレットはな、俺のもんじゃ」

 

「デカく出よったか、ならばワシを止めみぃ」

 

『シュバババババッ!』

 

亀仙人はわざと音を出しながら部屋の中を、所狭しと飛び回り、俺を撹乱してくる

 

やるな爺、昨日までの俺だったら、これだけでヤられていたかもしれないが、今日の俺はちと手強いぜぇ?

 

サイコ・ウェブ!

 

俺は無数のサイコキネシスで出来た糸を全ての指先から飛ばして、それを動き回る亀仙人の体に次々と付着させていく

 

「こ、これは?体の自由が効かんじゃと?

まさか、金縛りの一種か?」

 

まだだ、まだ終わらんぞ

 

「…そこだ!はぁ!」

 

「ぐほぉあ!」

 

数多のサイコ・ウェブを付着させた事でスピードが落ちた事で、より亀仙人の居場所を完全に特定した俺は、一瞬で背後に周り込むと、渾身の当て身を打つ

 

『ドサリ…』

 

ふぅ、今回はスケベ爺の覗きからバイオレットを救っ

 

「甘いわ!」

 

「ぬがっ!?」

 

突如として背中を指で突かれ、俺は劣勢に立たされる

 

くそ!この爺、残像拳か何かで逃れやがったか!

 

それに…秘孔か何かを突かれたらしい、平衡感覚が狂う

 

上手く、立ってられない

 

「ひょっひょ!今宵もワシの勝ちじゃな

それにしても惜しかったのう、何かが絡まって来たと分かったから、咄嗟にソファーに置いとったクッションで代用しとらんかったら、果たしてどうなっておったか」

 

「く、くそっ、まさかクッションを囮に使うとは」

 

「お主は確かにワシより強いが、圧倒的に経験が不足しとる、敗因はそこじゃよ」

 

「くっ!」

 

「これぞ変わり身の術、ふふふ…年季が違うのじゃ、年季がのう

うひょひょひょひょ!」

 

「グルドをイジメないで!」

 

『ドギャン!』

 

ズレた布の隙間から、俺は見た

 

紫色の髪をタオルで巻いた湯上がり美女が、電子ジャーを亀仙人の頭に投げ付けて気絶させたのを

 

亀仙人のサングラスから目玉が勢いよく飛び出し、グラスを割ったシーンは、原作DBのまんまだった

 

「全くもう…さぁグルド、夕御飯の支度をするよ

手伝って頂戴」

 

「わかった」

 

俺は目隠しを外し、部屋中に撒いたサイコ・ウェブを残らず回収

 

キッチンに立つ前にチラリと亀仙人を見れば、後頭部に大きなタンコブを作った亀仙人が、地面に突っ伏していたのであった

 

バイオレット△

 

 




そろそろ修行シーンを飛ばし、原作をスタートさせようと思います

個人的には超能力のバリエーションを増やしたい所ですが、そこは追々

素手で畑を耕す修行は、回想にしても大丈夫でしょ

フリーザ軍の様子も少し描きたいですが、特に変化は見られないと思いますので、さわり程度で後書きにでも書いてみます

ありがとうございました!
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