起きたら『グルド』になったので、取り敢えず歯を磨く事から始めようと思う   作:ヘルメット助教授

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誤字脱字ありましたらスイマセン

途中で視点がグルドから、定点カメラに変わります


9話、2年の誤差/宇宙の彼方より…

くそっ、どうする?

 

どうすれば良い?

 

『ウロウロ、ウロウロ』

 

「ねぇグルド、何が原因なのか知らないけど落ち着きなよ」

 

「いや、しかしだな…」

 

「武天老師さまが見慣れない『亀』と出掛けたのが、そんなに気になるの?」

 

「う~ん、そっちじゃなくて、中断された修行の事さ~」

 

「あ、なんだぁ

修行の事ね、うんうん

てっきり、見知らぬ亀さんが気になるのかと思っちゃった」

 

と言ったな、ソレは嘘だ

 

凄く気になります

 

だって、俺の予想してたより早く原作が始まってたんですから!

 

何の事か分からない?

 

いやね、亀仙人のペットの海亀がね、松茸狩りから帰って来やがったんです

 

海に帰れなくなってた所を、心優しい男女2人の旅人に助けられたので是非、亀仙人に会ってあげて欲しい的な事を言ってさ

 

亀仙人を対岸に待つ男女2人に…いや、間違いなく悟空とブルマに会わせに行ったのだ

 

これって、おかしくね!?

 

だって悟空が14歳の時にブルマとパオズ山で出会って、そこから原作がスタートするんじゃなかった!?

ブルマとの入浴シーンで、歳を聞かれた悟空が14だと答えて、痴漢だの変態扱いされてたのは記憶にあるんだぞ!

 

俺がグルドになったのは惑星ベジータが滅んで約10年後で、地球に到着するまでが1年

 

そこからRR軍やDr.ゲロの研究所を潰して、亀仙人に弟子入りして修行をして、なんやかんやで1年

 

原作開始まで、あと2年はある筈なのに話が違うじゃないか!

 

一体どーなってる!

 

せっかく…亀仙人の下での修行が6ヶ月は経過、俺の体重はめでたく標準サイズにまで落とせて、さぁそろそろ亀仙流を卒業して本格的な重力修行か、別の人物に師事して貰おうと思ってたのに…

 

俺は視線を下げて、努力と根性と長い時間を掛けて作り上げたバディを見る

 

デップリと出ていた腹には括れと見事なシックスパック、埋もれていた首が現れて二重顎にはサヨナラした

 

つまり…

 

『おめでとう!デブいグルドは、細マッチョなグルドに進化した!』のである

 

うわーい!これでサウナスーツともサヨナラできるやー♪

 

っと喜んでたのに…チキショウめ

 

どうする?マジでどうする?

 

もうすぐドラゴンボールが揃って、ピラフ城で神龍が復活しちまうぞ

 

いっそ亀仙流を卒業して、その時が来るのを空から監視するか

 

愛しのバイオレットは基礎体力が、かなり付いたので今では配達やら道路工事やら素手で畑を耕すのも、余裕でこなせるようになっている

 

そして早朝での俺との特訓では、簡単な気のコントロールと舞空術を覚えた

 

舞空術が使え、腕っぷしもヤムチャを軽く越えているので、バイオレットは地球の殆どの連中に勝てるだろう

 

流石に武天老師やピッコロ大魔王、天津飯や桃白白には劣るだろうが、重力修行を始めれば直ぐに何とかなる

 

だが俺にとって今は修行よりも、ドラゴンボールだ

 

力付くで奪うのは容易いが、原作での知識がある分、下手に悟空やブルマから恨みを買うと後が怖すぎるから、それは出来ない

 

時間停止能力でボールと、ついでにレーダーも頂戴してしまうか?

 

いや、それは泥棒になるから、あの世に行った時に界王さまの所で修行が出来なくなってしまう

 

う~ん…あ、待てよ

 

神龍の前に、確かフライパン山で…かめはめ波を初めて披露するんだったな

 

かめはめ波、ドラゴンボールで代表される最も有名な技

 

原作好きとしては、亀仙人のMAXパワーのかめはめ波は、是非とも目に焼き付けたい所

 

その呼吸法や筋肉の動き、細かな気の流れを毎度便利なサイコキネシスで調べ上げ、かめはめ波を自分のモノにしてみたい

 

せっかく気功波を使えるのなら、かめはめ波もやりたいじゃんか

 

よし、決めた

 

フライパン山で亀仙流の奥義、かめはめ波を見て覚え、最速で使えるようになったら、仮の卒業させて貰う

 

そして神龍が現れる迄、悟空達と一緒に行動するか監視をし、ギャルのパンティを阻止する

 

その後に亀仙流の本当の卒業、武天老師がジャッキー・チュンに扮して優勝した 『天下一武道会』にバイオレットを選手として出場させる

 

バイオレットには兄弟子…いや姉弟子として、悟空やクリリンの前に強敵として立ち塞がって貰うのは面白そうだ

 

ただ、悟空は女だろうと一切の手加減しないのが気になるが…

 

「バイオレット、亀仙人のじい様が戻るまで俺と組み手するか?」

 

「組み手?やるやる、今度こそグルドに片膝をつけさせてあげるんだから!」

 

「おっしゃ、付いて来い」

 

被害が出る事を考慮し、2人でカメハウスから少し離れた小島に移動

 

向かい合ったバイオレットは気を高め、構えると

 

「はああああ!」

 

連続エネルギー弾、いわゆる『グミ撃ち』を放つ

 

動かない俺に次々と当たって、弾け飛ぶ爆心地の中で思う

 

ただの街娘の身で、よくぞここまでと

 

バイオレットの6ヶ月前からの成長ぶりに、亀仙人でなくとも俺は感慨深くなる

 

攻撃が止んで土煙が晴れるとバイオレットが、やっぱりかと言った顔をしていた

 

「肩慣らしはお仕舞い、さぁ…行くよ!」

 

「存分に掛かってこい、バテるまで付き合ってやるぜ」

 

 

 

 

 

 

≪視点切り替え≫

 

 

 

 

 

 

一方その頃、暗黒の宇宙の中を進む光りがあった

 

進むのはフリーザ軍の1人用のポッド、恐らくは1ヶ月ほどでグルドの居る地球に到着する距離にいる

 

搭乗者は強戦士族、サイヤ人の『ラディッツ』

 

しかし歳の方は15程で、まだ少年の面影がたっぷりと残っているが、あと数年もすれば原作と同じ風貌になる事だろう

 

ラディッツはコールドスリープで眠りについており身動きしないが、その特徴的な長髪と額の他には、痛々しい青アザや無数の生傷がある

 

どれも原作には無かったモノだ

 

その傷もそうだが、ラディッツが何故この時期に地球を目指しているのか?

 

話はラディッツの出発前に戻る

 

 

 

グルドが不在となって1年が経過した頃、久しぶりにギニュー特戦隊に出動命令が出た

 

ただ、1人分の欠員を補う為にフリーザはベジータとナッパ、そしてラディッツにも特戦隊が攻め込む星に派遣

 

その星に住まう者達の平均戦闘力は1000~3000であるので、グルド以外が5万を越える特戦隊や、1万後半のベジータには簡単な相手である

 

戦闘力が4000のナッパは相手によってはたまに苦戦もするが、彼はサイヤ人の名門の出である上に昔からベジータに振り回された事で実戦慣れしており、持ち前のタフネスさと爆発力で圧倒する

 

しかし…下級戦士であるラディッツの戦闘力は、たったの1300しかないので攻める側の筈が、反対に蹴散らされてしまう始末

 

2000程の敵達にラディッツは追い詰められ、このままでは殺されると思ったのか、戦士としては最悪の手段に出る

 

その模様をスカウターで聞いていたナッパ曰く、サイヤ人の面汚しだと激怒する程の内容で、ラディッツは命乞いをした

 

まだ成長段階であり、戦闘もベジータやナッパが見向きもしない敵だけしか倒した事が無く、いつも強者に恵まれ無かったラディッツに出来る事は、自分より弱い者をいたぶるだけ

 

たまに強者に出会う時もあるが、その時は戦闘を好むサイヤ人らしく立ち向かう

 

しかし彼の心の奥にある、過去のトラウマが強者との戦闘よりも『死』を恐れさせる

 

実はラディッツは人生で初めて出動が決まった日の夜に、実の父親から瀕死の重症を負わされていた

 

出動が決まり、やっと自分も一人前のサイヤ人になれると非戦闘員であった母親へと報告しに急いで帰れば、そこには珍しく、いつも戦闘で不在の父親が家に居たのだ

 

下級戦士でありながらも幾多の激しい戦闘を乗り越え、エリートのサイヤ人を凌駕する戦闘力を持つラディッツの父親、『バーダック』

 

同じ下級戦士の筈なのに、いつも威張っているエリートの連中よりも圧倒的に強い、そのバーダックの息子である自分にとって、王族に匹敵する父親は憧れだった

 

ただやはりサイヤ人らしく戦闘を好み、家族の情けは薄いので常に宇宙を飛び回り、家を省みない

 

父親らしい振る舞いは1度としてされた事は無く、たまに帰って来ては、いつもの4人のサイヤ人と夜遅くまで飲み明かし、ひどい時には瀕死の重症を負って帰って来ては、決まって母親が悲しみに暮れる

 

そんな毎日を送って来たラディッツに、突如として舞い降りた一人前の証

 

息子の報告を、サイヤ人では珍しく心根の優しい母親は心配そうに聞くが、反応して欲しかった父親は無関心さを貫く上に、晴れて初陣が決まった息子に対して目線もくれない

 

そしてその日の夜、ベッドの中で興奮冷めやらぬラディッツは、いきなり部屋に入ってきた父親によって外へと引き摺り出されると、訳も分からない間に殺されかけた

 

当時、戦闘力が850しかなかったラディッツにとって、実戦慣れした戦闘力が1万近くのバーダックに抗う事は不可能である

 

悪夢のような父親の強さが、ラディッツを襲う

 

異変に気付いた母親が現れた頃には、ラディッツの意識は無く、そして少年の心に深い恐怖心という『傷』が付けられた状態で、星へと送られたのである

 

死を乗り越えた事で戦闘力が増したラディッツは、とくに苦戦する事なく初めての任務を全うしたが結局、胸の傷は未だに癒えていない

 

何故と問う前に、ラディッツの両親は隕石の衝突により母星もろとも死んでしまったからだ

 

そして今回の戦闘で追い詰められたラディッツは、あの時の悪夢を思い出し、怯え、命乞いをした

 

そこに自分の攻略対象を潰して、暇をしていた底意地の悪いリクームがスカウターを通してフリーザ軍の全チャンネルに、ラディッツの命乞いを流してしまう

 

直ぐにキュイがベジータを馬鹿にする通信をしてくると、プライドが高いベジータはこれに激怒

 

即座にラディッツの所へ行くと、憐れに命乞いをするラディッツの周りの連中を消し飛ばすが、それでも怒りが収まらないベジータは、リクームに矛先を向けると襲い掛かる

 

…ベジータには最早、ラディッツは眼中にすら無かったようだ

 

ニヤニヤと笑うリクームはベジータの攻撃を、バレエのポーズを取りながら避けまくる

 

どこまでも舐めやがって!

 

ベジータが咆哮を上げるが、フリーザ軍同士で争うのは流石に不味いとナッパがベジータを、リクームをジースとバータが止め、最終的にギニューの登場によってこの内輪揉めは終結

 

その後は無言で破壊活動をした一同は星を制圧、フリーザの待つ惑星に戻り報告をしたのである

 

そして基地のロッカールームにて、ラディッツは同じサイヤ人のナッパから制裁を受ける

 

壁に叩き付けられると何度も殴られ、倒れる事も許されない

 

漸く終わると、ズルズルと床に倒れるラディッツ

 

しかしナッパは彼の長い髪を掴むと、片手で持ち上げる

 

体が成長しきってないラディッツの脚が、プラプラと揺れている

 

ナッパは髪を掴んだまま、こう言った

 

『けっ、長い髪だぜ…テメーみたいな情けない命乞いをする弱虫野郎は、宇宙最強の戦闘民族サイヤ人の面汚しだ!

いっそ女にでも産まれてくれば、サイヤ人を作る仕事をやらせてやれるのによ!そうすりゃ今よりは役に立つぜ!』

 

言われたラディッツは腫れ上がった眼で、ナッパを睨む

 

『なんだぁ~、その反抗的な目は?

そんな目をしていいのは戦士だけだ!テメーは戦士でも何でもねぇ、ただの弱虫野郎だろうが!』

 

またも壁に叩き付けられ、激しく殴られる

 

『くだらん…ナッパ、そんな奴はもう放っとけ

憂さ晴らしに、どこか適当な惑星はないかフリーザ様に頼みに行くぞ』

 

これまで沈黙を貫いていたベジータが声を上げ、スタスタと部屋を出ていくと、ナッパもラディッツを置き去りにして部屋を出る

 

ボロ雑巾のようにロッカールームに横たわるラディッツを、親切に医務室に連れて行く者は、このフリーザ軍に1人として存在しない

 

このフリーザ軍は完全実力主義である

 

ラディッツが弱いから悪いのだ

 

普通の兵士だったなら、その場で死んでいただろう

 

しかし腐ってもサイヤ人のラディッツはフラフラになりながらも起き上がり、壁伝いに医務室を目指す

 

何とか辿り着き、医療スタッフの面倒くさそうに接する態度を見ながら、メディカルマシーンに入れられるのであった

 

治療液に満たされたカプセルの中で、ラディッツは思う

 

こうなった、そもそもの原因を

 

グルドがギニュー特戦隊にいないから、フリーザが俺達を派遣した

 

ギニューやベジータは、俺の戦闘力の低さを知っているくせにわざと敵中で1人にしやがった

 

あの星の連中に散々にやられ、死を覚悟すると、またあの悪夢が甦りやがった

 

クソ親父め…俺が弱いのは全部アイツのせいだ!

 

ラディッツはこうなった原因を全て他人のせいにし、最終的な原因をグルドのせいにした

 

グルドだ、アイツがいればこんな惨めな思いはしないで済んだのだ

 

地球とやらで武者修行だと?ふざけやがって

 

貴様のお陰で、俺はこの様だ

 

もうベジータやナッパとはチームを組めないし、フリーザ軍では誰も俺に見向きもしないだろう

 

くそっ!

 

こうなった責任を取らせてやる…必ずだ

 

俺も地球に行って、グルドに責任を取らせてやるぞ!

 

 

 

完全に回復する前にメディカルマシーンから出たラディッツは、青アザや生傷のそのままに恐る恐るフリーザの元へと向かい、地球行きの許可を求めた

 

フリーザは背中を向けながら、基地から飛び立つ2台のポッドを見ている

 

あれに乗るのはベジータとナッパだろう、ラディッツはそう直感した

 

返事が無いので、どうしたものかと悩むラディッツに側近のドドリアが、命乞いをしてさっさと帰れと邪険に扱う

 

しかし思わぬ助け船が出た

 

もう1人の側近であるザーボンが、グルドのサプリメントの補充と雑誌の配達、そしてスカウターを持たないグルドに 修行期間を設けた事の連絡要員として、そこのラディッツを使いましょうと、フリーザに直訴したのである

 

『まぁ、いいでしょう』

 

ザーボンに言われ、漸く反応を示したフリーザはラディッツの地球行きを認めたのである

 

こうして地球行きが決まったラディッツは、ザーボンから渡されたアタッシュケースと共に、ポッドで地球を目指す

 

雑用任務だろうとラディッツは構わない、感情に振り回されての地球行きだが、それでもだ

 

グルドの太った顔面に、1発ブチ込んでやらないと気がすまない

 

例え殺されても、もうどうでも良い

 

失うモノは何もないのだ

 

あの悪夢も消えてしまうのなら、もう構わない

 

ヤケクソ気味に、ラディッツはコールドスリープで眠りに付くのであった

 

 




戦闘民族サイヤ人の血を引く上に、あのバーダックの息子で、あの悟空の兄であるラディッツが、どうして弱いままなのかの理由を考えてみたら、ひょっとして子供の頃になんかトラウマでもあったのかな?と考え、こんな話を作ってみました

色々と設定を盛りすぎた感じはしますが、バーダックが書けるなら良いやと書いてみました。後悔はしてない

昔、ドラゴンボールのゲームで『もしもラディッツがピッコロと戦った際に記憶を無くしたら?』と言うifストーリーをプレイした時の記憶が甦り、フリーザ軍の動きを書くついでにと、ラディッツを出してみました

痩せたグルドのイメージは、『サイバイマン』の体にグルドの頭を乗っけた感じでオネシャス

ラディッツがバーダックにボコられる前の戦闘力は、作者の予想ですので信じちゃダメだぞ

尚、ナッパにボコられたので、地球に向かうラディッツの戦闘力は2100にアップしております

バイオレットは100未満、かな

ありがとうございました!

本編に出して欲しいサイヤ人

  • バーダック
  • トーマ
  • セリパ
  • トテッポとパンプーキン
  • 上記の全員だろ!いい加減にしろ!
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