小説版 仮面ライダークウガ&アギト ~超越~   作:Nameless Abyss

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第十話 静寂

 

    ―6月26日 午後4時 長野県警―

 

 

「今後は、細木竜胆こと未確認生命体第48号の捜索を行い、見つけた場合攻撃は行わず速やかにG3ユニットへ報告すること。以上で、会議を終了します。」

 

G3ユニットの面々と一条が一連の出来事を報告した後、会議が行われた。その結果細木竜胆の捜索が決まったが、あくまでも捜索のみで攻撃は禁じられた。神経断裂弾の数が余りにも少なく、当初の予定から少し外れてG1の装備として使用されることになった為である。

 

「それにしても、神経断裂弾がまた量産されるのはいつになるんですかね?もっとあればこんなに苦戦しないのに…」

 

会議が終わり退室していくなかで尾室がぼやく。処分されずに神経断裂弾が残っていれば警官に回し、容易に48号を射殺できたのは火を見るより明らかなので無理もない。しかし、そんな尾室に喝を入れる者がいた。

 

「そんな後ろ向きなことを言うものじゃないわ。今あるもので何とかすることを考えなさい。はぁ、こんなんじゃG5ユニットも先が思いやられるわね…」

「もう、またこういう時にだけその肩書きを…」

 

小沢が尾室と話している間、氷川は一条に目を向け考え込んでいた。戦闘後、なぜG1として前線に出たのか訊いた際の返答がどうしても頭から離れなかったのだ。

 

(『冒険だけをしてほしかった奴がいた。だが、結局は彼にすべての重荷を背負わせてしまった』か…。)

 

一条が48号との戦闘でG1を装着したのは、復活した未確認生命体と今度は自分が戦い、『彼』がいなくとも事件を解決しようと思っての選択だったのだ。アンノウンとの戦いで何の力にもなれなかった事を悔やんでいたため、なおのことであった。

一条の事情は知らなかったが、何かあるのだろうと氷川は察した。一条の顔からは誰かに罪悪感を抱いているような雰囲気を感じ取ったからである。

 

「ところで一条くん。」

 

『彼』を思い出し、考え込んでいた一条に小沢が話しかける。咄嗟に小沢の方へと顔を向ける。

 

「この辺りに焼肉屋ってないかしら?48号も一旦撃退出来たことだし、私の奢りでとりあえずの祝杯よ。」

「焼肉屋か…。なら、あそこが良いかもしれないな。津上くんや桜子さんも呼びましょうか?」

「折角だし、呼びましょう。大勢の方がきっと美味しくなるわ。」

「分かりました。それじゃ私から伝えて…」

 

桜子に電話で焼肉の件を伝えようとしたときだった。

 

「それと一条くん、覚えておいて。誰か、それも民間人に戦う責任を追わせる事は、確かに罪悪感を感じる事かもしれないわ。けど、時には驚異に立ち向かうことが必要になるのは忘れてはダメよ。それに、冒険だけをしてほしかったって人も、決して一人で戦ってたのではなく、一条くん達の協力がなければ倒れていたかもしれない。だからそんなに張り詰める事はないのよ。」

「…肝に銘じておきます。」

 

氷川と同様、小沢も一条の事は殆ど知らなかった。しかし、行動や発言からおおよその事は察することが出来たのだ。

その後、一条から連絡を受けた桜子と翔一が一条らと合流し焼肉屋へと向かった。その中で氷川と翔一による肉の焼き加減対決が行われ、いつものように敗れた氷川が負け惜しみを言ったりしていたがそれは別の話である。

 

 

    ―6月26日 午後11時 長野県内―

 

 

真夜中の暗い山奥で男女が話していた。男は左足を庇うように歩いており、そんな男を冷徹に、しかしどこか気にかけているかのように女は見つめていた。

 

「まさか、お前ですらここまで(リント)に苦戦するとはな…。」

「ああ、驚いたよバルバ。今の(リント)があそこまで戦い慣れてるとはな…。その上、あんな武器すら作っていると来た。(ガミオ)が見たら、どう思うか…。」

「案ずるな。それこそ(リント)が我々と等しくなった証拠だ。(ガミオ)も今度は受け入れるはずだ、究極の闇をな…。」

 

細木竜胆こと未確認生命体48号(ゴ・ガイラ・ダ)は昼の戦いを思い出しつつバラのタトゥーの女(ラ・バルバ・デ)へと語りかける。直撃を避けたため、傷跡こそ残ったものの神経断裂弾による傷口は塞がり、癒えつつあった。

 

「それはそうと…訊きたいんじゃないのか、かつてガドルが行った強化の方法を…。」

「癪に触るが、今の力では勝てん…。その力さえあればクウガ擬きもアギトも敵ではない。」

「どうしてもゲギバスゲゲルは完了せねばならん。その為にも伝える必要があるだろう…。」

 

そう告げると、B-1号は不適な笑みを浮かべ、発電所を指差す。すぐに48号は怪人の姿となり、発電所へと向かい消えていった。

 

「期待しているぞ、ガイラ…。」

 

強い風が吹き始める。すると、バラの花びらが舞い散り女の姿も闇の中へ消えていった。




お久しぶりです。長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。

さて、今回は前回登場したこの仮面ライダーを解説しようと思います。

仮面ライダーG1

身長:200cm
体重:180kg
パンチ力:約2.0t
キック力:約6.0t
ジャンプ力:10m(一跳び)
走力:100mを6.5秒
必殺技:イミテーション・マイティキック(威力は約25.0t)
(※パンチ力・キック力はあくまでも最大値であり、装着者のバイタルに応じて負荷が大きくならないよう制御チップが常に出力を調整している)

小沢澄子が製作したGシリーズの原点。本来は赤の4号と完全に同じスペックを発揮するはずだったがアマダムの無い通常の人間には扱えないのが発覚、開発は中止になった。しかし、48号の戦闘に際し小沢が改修を行い、装着者が耐えられるよう制御チップを搭載したことで一条にも使用可能になった。なお、本来はパーツ交換で超変身を再現する予定だったが、開発中止にともない事実上のお蔵入りになった。
基本デザインは配色と角の形状を4号に近づけたG3といった外観だが、右大腿部に拳銃を装備するホルスターが設けられている。
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