小説版 仮面ライダークウガ&アギト ~超越~   作:Nameless Abyss

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第十二話 変身

    ―6月27日 午前10時15分 長野県内―

 

 

アギトと剛力態に変貌した48号(ゴ・ガイラ・ダ)の激闘が続く。先手を打ったのは48号。大剣を構え、アギトに斬りかかる。

 

「たぁ!」

 

48号の大剣をストームハルバードとフレイムセイバーで受け止め、振り払う。そのまま二度、三度と連続で斬りつける。

 

「はぁぁぁぁぁ…」

 

48号がよろけた隙に力を溜める。するとストームハルバードは青い風を、フレイムセイバーは赤い炎を纏う。

 

「たぁ!はぁぁぁ!」

 

ストームハルバードを振るうと、突風を纏った斬撃が発生し48号が吹き飛ぶ。続けてフレイムセイバーを振るい、炎を纏った斬撃で追撃する。

 

ボン・ゴセパ・ゴラゲ・ゴドビビ…(この俺が…お前ごときに…)

 

再び攻撃してくる48号に合わせ、アギトは両手に持つ武器を振るいカウンターを見舞う。

風と火の攻撃に48号は押し負ける。大剣の切っ先は折られ、そればかりか膝までついてしまう。

 

アギトはこの機を逃すつもりは無かった。48号を倒すため、必殺技を放とうと構える。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

 

武闘家が精神を統一するような掛け声をあげつつ腰を低くし、身構える。すると、アギトの足元に紋章が広がり、両足に吸い込まれるようにして紋章が消える。そして一瞬アギトの全身が発光した直後、頭部のクロスホーンが展開する。

 

「ガセゾ・ヅバグバ…」

 

予想だにしない反撃に苦戦したものの、突如グロンギ語で何かを呟く48号。

気づかないまま跳躍するアギト。

跳躍したその体は、自由落下以上の速度へと加速していく。 

 

「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

両足での必殺キックライダーシュートを放つアギト。48号の防御も無く命中し、その体をアギトが向く方へと吹き飛ばす。

そのまま着地し、敵を背にすると同時に48号の方から爆発音が響く。

 

今度こそ、倒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その筈だった。

 

「ジャサセ・デギダバ」

 

「!?」

「ガサダバ・ヂバサグ・バベセザ…」

剛力態から更にパワーアップし、48号は4号(クウガ)の金の力に相当する電撃態へと変化していた。金の力を得たことで鎧はより重厚になり、防御すらせずともアギトのライダーシュートをも無傷で耐えたのだ。

 

ボンゾボゴ・ゴラゲゾ・グヂボレグ!(今度こそ、お前を打ちのめす!)

 

アギトの攻撃で折れた大剣に変化が起こる。金の紫のように折れた先に金色の刃が付き、より長く、より強大になったのだ。

アギトも構えるが、48号は電撃を放ち、アギトを攻め立てつつ距離を詰める。

 

「ぐぁ!」

 

突然の電撃に防御が間に合うはずもない。もろに命中し、体制を崩すアギト。しかし、近付いてきた相手を狙おうとストームハルバードを振るう。

 

「たぁ!」

ボン・デギゾバ・アギト…(この程度か、アギト…)

「っ!」

 

更に力を増した48号にはなんなく受け止められてしまう。苦し紛れにフレイムセイバーを続けて振るうが今度は大剣で剣戟は遮られ、蹴りを入れられ体勢を崩したところに雷を纏った斬撃を受けてグランドフォームに戻ってしまう。

 

「ギラパ・ジュグゲン・ザ・パ・ゲギバス・ゲゲル」

 

ここで厄介なアギトを倒してしまいたいが、ゲギバス・ゲゲルのルール上今ここで手に掛けることはできない。

そのままアギトを放置し、桜子の元へと向かう48号。

アギトはダメージが残る体を奮い立たせ、何故トドメを刺さなかったのか疑問に思いつつも後を追う。

 

 

 

    ―6月27日 午前10時30分 長野県内―

 

 

 

「津上くん、無事かしら…?」

 

アギトに変身し、戦いに出た翔一の心配をする桜子。恐怖で竦んだ体はやっと立てるようになった。

少しばかり歩くと物音が聞こえた。彼が戻ってくる足音だと思い近付く。しかし、そこに彼の姿はなく、代わりに怪物が現れた。

 

「きゃぁぁぁ!」

ゴラゲゼ・ガギゴザ…(お前で最後だ…)

 

電撃態のまま大剣をボウガンに作り替え、桜子を狙う。

 

ギベ!(死ね!)

 

ゲギバス・ゲゲルのルールは、九郎ヶ岳遺跡を中心に五芒星を描くように5人の女性を血を流すこと無く殺すこと。今までは薬に細工をして一酸化炭素中毒を引き起こしていたが、新たな力があれば雷でショック死させるなど容易い。そのまま桜子に狙いを定め、ゲゲルの終焉を図る。まさにその時だった。

突如としてバイクの音が鳴り響く。音は大きくなっており、こちらに近づいているのは確かだった。

 

バンザ!(何だ!)

 

突然鳴り響く音に、48号は周りを警戒する。音は確実に近づき、大きくなっていく。音の主であるバイクが突如現れると48号に体当たりを仕掛け、48号は大きく体勢を崩しボウガンを落とす。

その後、バイクは桜子の前で止まり、ライダーはヘルメットを外してビートチェイサー2000から降りる。降りてきた男の顔を見て、桜子は驚く他なかった。

 

「嘘でしょ…?本当に、五代くんなの?」

「久しぶり、桜子さん。こんな形で会うとは、思わなかったけど…。」

 

戸惑いや驚き、そしてどこか気まずさが入り混じった感情が渦巻く桜子。そんな彼女にすら、昔と変わらぬ笑顔で五代は語りかける。

すると、ビートチェイサー2000によく似たバイクが到着する。

 

「五代!お前なのか!?」

「その声、一条さんですか!?」

 

G1を身に付けた一条に驚きを隠せないまま返答する五代。一条も五代が戻ってきていたことに驚きを隠せなかった。

 

「もういい、五代!もうお前が戦う必要はない。お前にはただ冒険だけを―」

「中途半端はしないって、あの時に約束したはずです!」

 

桜子を狙おうとする48号の方へ向き直り、五代は一条とは反対を向いてしまう。それでも五代の言葉には、一条に届く程の気迫と信念があった。流石の一条も沈黙するしかなかった。

そんな中、48号が襲いかかる。3号(ゴオマ)と戦った時のように生身のまま戦う五代。

 

「もう一度戦います、俺。こんな奴らの為に、誰かがまた涙を流すのは見たくない!」

 

五代は、桜子をかばうように48号を押さえる。その間に少しでも48号から逃げる桜子。

 

「皆に笑顔でいてほしい。この思いに変わりはありません!」

「だから見ててください!俺の…」

 

 

「変身!」

 

 

力強く叫んだ後、五代の腹部に霊石アマダムを内包したベルトアークルが現れ、バックル部を掴むように両手をかざす。

続けて右手を左上に、左手を左下に構えた後に、両手を水平方向に動かす。その後、Z字を描くように右手を左手の上に乗せ、腰を下げつつ力を溜める。

 

48号が五代へ殴りかかるが、動じない。逆に殴りつけ、蹴りを見舞う。その後右ストレートを放つと右腕が、続く左フックで左腕が異形へと変わっていく。

 

「うぅぅぅぅ……うおりゃぁぁ!」

 

48号を投げる頃には五代の姿はなく、彼のいた場所に立っていたのは現代に復活した古代の戦士クウガだった。

 

「五代!市街地はパニックになっていて避難が難航している。『金の赤』は使わずに奴を倒せ!」

「分かりました!」

一条も、五代の覚悟を理解して昔と同様五代のサポートに徹する事にした。一条の言葉に頷き、五代は48号に組み付き近の森林へ移動する。

 

「うおりゃぁ!」

 

格闘戦ではやや有利だったが、五代は懸念していたことが一つあった。46号と戦った時と同様金の力が常時発動しているため赤のままでは十中八九被害が大変なことになる。そこで、五代は枝を拾う。

 

「超変身!」

 

そう叫び、クウガは金の赤(ライジングマイティ)から金の青(ライジングドラゴン)へと姿を変え、拾った枝は薙刀状の武器ライジングドラゴンロッドへと変化する。

 

「クウガ!ボン・キョグズン・ガガギン…(この『恐怖のアサシン』…)

ゴ・ガイラ・ダ・グ・ガギデザ!(ゴ・ガイラ・ダが相手だ!)

 

48号も装飾を変化させ、薙刀状の武器を装備する。雷を纏った斬撃を衝撃波のごとく飛ばしてクウガを攻撃する。

 

「金の力も扱えるのか!?」

 

今までの未確認とは異なる攻撃に、クウガも苦戦する。そこへアギトが救援に入り、ストームハルバードの一撃を決める。

 

「一緒に戦いましょう!」

「…はいっ!」

 

アギトと意気投合し、今度はクウガが攻め込む。クウガは48号に前から攻撃を仕掛け、アギトはストームハルバードで後ろから斬りつける。48号がよろけたところにクウガがライジングドラゴンロッドで更に追撃を入れる。

 

「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

ハルバードスピンとライジングスプラッシュドラゴンの連携攻撃を放つも、電撃態となったことで強化された48号の鎧を砕くことは叶わず二人とも振り払われてしまう。

 

「ふん!」

 

48号に刻印された封印エネルギーも鬣から放出し、無力化されてしまう。

 

「超変身!」

 

振り払われてなお五代は諦めず金の紫(ライジングタイタン)に超変身し、手にした武器もライジングタイタンソードへと変わる。

 

「はぁ!」

 

アギトはストームハルバードを投げ、ブーメランのように何度も48号に命中させる。

 

ルザザ!(無駄だ!)

 

軌道が予測困難であったために当初は食らっていたもののやがて予想がつくようになり、ストームハルバードは防がれて弾かれてしまう。が、それがアギトの狙いでもあった。

 

「たぁぁぁ!」

 

ストームハルバードに気をとられてる間にフレイムフォームへと姿を変え、抜刀のようにしてセイバースラッシュを決める。48号の鎧にはストームハルバードの攻撃とフレイムセイバーの一撃で×印の様な傷が入っていた。

 

ラベス・ザズグ…ボン・ゴセグ…!(負ける筈が…この俺が…!)

 

撤退しようとする48号。しかし、反対を向くとそこには金の紫のクウガがいた。

 

「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

敵に剣を突き刺す必殺技、ライジングカラミティタイタンを放つクウガ。×字の傷の中心に放たれ、鎧は遂に砕けた。封印エネルギーが送り込まれ、48号に封印の古代文字が浮かぶ。

 

ザガ・ボン・デギゾバサ…(だが、この程度なら)

 

鬣から封印エネルギーを放出しようとする48号。しかし、クウガの足元には先ほど弾いたストームハルバードがあった。クウガは左手でそれを拾い、もう1本のライジングタイタンソートに変える。

 

「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

更なるライジングカラミティタイタンを受け、封印の文字がもう1つ浮かぶ。流石の48号もこれでは外へ流すことは出来なかった。

 

クウガ…アギト…ジャヅグ・ババサズ…(クウガ…アギト…「奴」が必ず…)

「グァァァァァァァ!!!」

 

48号のベルトに封印エネルギーが到達し、遂に撃破する。

 

「やりましたね!」

「…!」

 

変身を解き、 声をかける翔一に対しクウガは無言でサムズアップをする。その後、一旦反対を向き変身解除すると、変身前と違わぬ笑顔で五代は振り向く。

 

「力を貸してくれてありがとう。俺一人じゃ、倒せなかったかもしれない…。」

 

その言葉から感じる、穏やかさの裏の悲しみ。翔一は何となくそんな雰囲気を感じ取った。

 




やっと本格的な五代の登場です。本作では本編終盤同様に常時ライジング状態という事にしてあります。
そして、48号が倒されましたがこの物語はまだ続きますのでどうか最後までお付き合いいただけるとありがたいです
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