小説版 仮面ライダークウガ&アギト ~超越~   作:Nameless Abyss

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第十三話 復活

    ―6月27日 午前10時35分 長野県内―

 

 

 

「五代…。」

「一条さん…。」

 

4号(クウガ)48号(ゴ・ガイラ・ダ)が戦闘に入って数分が経過した。G1を身に付けたまま、五代への複雑な思いを吐露する様に一条が呟く。桜子も一条に声をかけるも、彼の気持ちを察してその場を離れた。

 

「また、五代を巻き込んでしまった…。こんな寄り道を、二度も…。」

 

再会の喜びと、彼に再び未確認生命体との戦い(こんな寄り道)をさせてしまった悲しみ。それらが混じりあった複雑な感情を一条は吐露していた。その時、忘れもしない因縁の相手が現れた。

 

「久しぶりだな。リントの戦士よ。」

「お前は…B1号!」

 

気がつくと、バラのタトゥの女がいた。かつて相対し、ゲギバスゲゲル(新たなゲーム)を告げた時と寸分違わぬ雰囲気のまま語りかける。

 

「ガイラは恐らく倒される。クウガには流石に及ばんだろう…。」

「これで、お前達の企んだ新たなゲームは終わりだ。そしてお前をここで仕留める。」

 

G1の姿のまま構え、B1号と交戦するつもりの一条。しかし相手は戦う素振りを見せず、一条は困惑した。

 

「だが、それだけで勝利したと思うな。ガミオは必ず甦る…。」

「何?どういうことだ!」

「いずれ分かる事だ。リントは我々と等しくなり、やがてグロンギと化す。」

「そんなことはあり得ない!」

「それは、これからじっくり思い知るだろう。さらばだ、リントの戦士よ…。」

 

風が巻き起こり、バラの花びらが舞い上がる。あまりの勢いに一条が目を眩ませていると、B1号の姿は消えていた。

 

「奴等のゲームは必ず阻止する…。だが、これから何が起こるというんだ?」

 

近い将来何かが起こる。敵から告げられ一条の脳裏に不安が駆け巡った。

 

 

 

 

    ―6月27日 午後2時30分 長野県内―

 

 

 

 

「津上翔一です。料理人を目指してて、今はポレポレでカレーの修行してます!」

「そうか…。おやっさんのところで修行中なんだ…。俺は五代雄介。冒険家で日本には時々戻ってくるんだけど…。」

 

翔一の自己紹介の後に五代は自己紹介を交えつつ名刺を渡す。二人とも笑顔で話していたが、名刺を渡す頃には五代はまさかあんな事になってるとは、と言わんばかりの表情になっていた。すると、翔一に渡した名刺を見た桜子が五代に話しかける。

 

「あっ、“2003の技を持つ男”になってる!また技が増えたんだね、五代くん!」

「まあね。コツコツ頑張って、また3つ身に付けちゃいました!」

 

サムズアップをしつつ、笑顔で桜子に返事をする五代。翔一も名刺を見直してそんなに技があるのかと驚いていた。すると、五代が笑顔で遠くに呼び掛ける。

 

「あっ、おーい!一条さん!久しぶりです!何してたんですか?」

「いろんな所に報告して回ってたんだ。うちに限らず、電話で警視総監に伝えたりしてたらこんな時間になってしまった。ところで、48号の話はどこから聞き付けたんだ?ビートチェイサーもどうやって?」

「実は、こっちに戻ってから椿さんから聞いたんです。そしたら榎田さんが科警研(うち)で保管してるから使ってくれってビートチェイサーを貸してくれたんです。」

「なるほど、そういう事か…。」

「はい。椿さんも最初は隠そうとしてたんですが、たまたま新聞で48号の記事を見つけたら伝えてくれました。そこからは避難してる人や警察官を見かけては辿ってを繰り返して、ってところですね。」

 

五代に再び戦わせてしまったことに引け目を感じていた一条は、最後に1つの質問をする。

 

「ところで、仮に48号の事を知っても放っておくという考えはなかったのか?当然だが、民間人である君達が戦う必要性は全くないはずだ。」

 

五代だけでなく、翔一にも目を向けて質問する一条。遠回しだが、五代や翔一を戦いに巻き込みたくないと言う意思が感じられた。

 

「あの時の約束もありますし、何より放っておこうなんて考えはありませんでした。だって俺、クウガだから。」

「俺も五代さんと同じで放っておけませんよ。それに、大切なものを守りたいって気持ちに警察かどうかなんて関係ないですよ!」

 

二人の返事を聞いて一条は呆気に取られたものの変わらない五代と彼によく似た翔一を見て笑顔とサムズアップを送った。

 

「藪から棒だけど、彼が噂の『4号』こと五代くんかしら?」

 

今度はG3ユニットのメンバーが五代の前にやって来て小沢が訊ねる。

 

「はい、そうです。彼の助力もあり、48号を倒すことに成功しました。」

「どうも、“2003の技を持つ男”五代雄介です。」

 

先程同様、小沢達にも名刺を渡して挨拶をする五代。名刺を受け取ると小沢が提案をする。

 

「なるほど…。それじゃ、48号も倒せたことだし皆で祝杯をあげましょうか!今晩はまた焼き肉にしましょう!」

 

五代を中心として、周りの人々には笑顔で溢れかえっていたが、ただ一人一条はB1号(ラ・バルバ・デ)との邂逅の件もありどこか不安げな表情が戻っていた。

 

 

 

 

    ―6月28日 午前1時30分 長野県内―

 

 

 

 

ゲゲルを進行させるためにこの決断は不可欠。しかし、何故あの時リントの戦士の前に現れたのか。本来なら不要であるその行為について考えても、その答えが出ることは遂に無かった。

 

「最後のプレイヤー、ガイラも倒されたか。だが、究極の力を持つ者を決めるゲギバスゲゲルは終わらん。」

 

B1号(ラ・バルバ・デ)は48号と4号が交戦していた場所に立っていた。誰に語りかけるわけでもなく呟くと自身の腕のみをバラを思わせる異形へと変貌させ、蔦で自らの首を絞め上げる。

 

「ガミオ…。お前に全てを任せる事になってしまうが…許してくれ…。」

 

苦しそうに呟きつつ、バラのタトゥの女は自らの首を折り自害した。否、彼女は自らを犠牲にして()()()()()()()()()()()()()()()

同時刻、九郎ヶ岳遺跡内部に異変が起きた。地震が起こり、その中の紅い狼の紋章のついた棺が開く。その中で眠っていた異形が目覚める。

 

バゲ・ゴセパ・レザレダ(何故、俺は目覚めた)?」




次回 仮面ライダークウガ&アギト


「俺、こんなんじゃ戦えません…。」

「五代…!」

「やはり、人は滅びる運命にあるのだ」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉおお!」

「ダメ!五代くん!」

第十四話 『曇天』
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