小説版 仮面ライダークウガ&アギト ~超越~   作:Nameless Abyss

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第三話 因縁

          ―古代―

 

「まだ奴らはやって来るのか…。」

 

白銀の光(ミラージュアギト)に目覚めたリントの男は戦い続けた。彼はもはや怪物でしかなかった、相対するグロンギにとっても、()()()()()()()()()()()()()()()()。いつしか、彼の目的と手段は入れ替わってしまっていた。

 

「まあいい、何度でもぶっ潰してやる。その為に、もっと、もっと力を…。」

 

やがて、彼はグロンギの力の秘密である魔石(ゲブロン)の存在を知り、血の如く紅く染まった魔石をその身に宿した。

 

 

 

 

 

  ―2003年 6月 25日 午後5時 九郎ヶ岳遺跡―

 

「お前は…B1号!生きていたのか…。」

 

かつて深い関わりのあった因縁の相手との再会に、一条は驚きを隠せなかった。対するB1号(バルバ)は一条が知る通り、落ち着いていて冷たく、それでいてどこか神々しさすら感じさせた。

 

「ほう、我々の気配を察するとはな。やはり今でも勘は冴えているな。尤も、今更気付いたところで遅い。リントは我々と等しく―」

「ふざけるな!」

 

B1号(バルバ)の言葉を遮り、怒声で返す一条。

 

「それは以前にも言ってたな。だが、そんなことは絶対に―」

「本当にそう言いきれるか?」

「何?」

 

今度は彼の怒りが冷たい声にかき消されてしまう。

 

「考えてみろ。アンノウン、そしてアギト。(リント)とは別次元の存在に(リント)は何をして来た?クウガ擬きを用いて倒そうとし、力が足りなければ強化もしてきた。中には、身に付けた人間そのものを殺すものまであった…。」

 

一条は声が出なかった。未確認生命体(グロンギ)の再出没に備えG3システムを作り上げたことも、新たな驚異(アンノウン)との戦いの中で強化したG3-Xが登場したことも事実であったからだ。

 

「そうやって、力を求め続けるようになった(リント)は、『奴』と同じ末路を辿る事になるぞ。」

「『奴』だと?何の事だ、まさか―」

「おしゃべりが過ぎたな。」

 

かつて彼女に見せた紅い狼の紋章と繋がりがあるのではないかと思い、問いただそうとしたがあしらわれてしまった。

 

「今や我々のプレイヤーは一人だけ。故に今までとは異なるゲゲルを行っている。」

「一体、お前たちの目的は―」

「そろそろ、容赦しないぞ。」

「!」

 

B1号(バルバ)とは異なる、狂気を感じさせる声に一条は驚き、振り向く。異形が、そこには立っていた。

 

「俺の名はゴ・ガイラ・ダ。今のリントに合わせるなら『未確認生命体第48号』とでもいうべきか。さて、今殺しても構わんが、ゲゲルの都合もある。さっさと失せろ、今なら見逃す。」

 

恐らく人間社会に潜んで馴染んでいたのだろう。未確認生命体独特のグロンギ語ではなく(リント)の言葉を流暢に話す。

ここで何かせねば。そう考えるのが一条だが、今回は相手が悪すぎる。終始警戒を怠らず、この場を引き返した。

 

翌朝、一条がこの恐るべき事態を長野県警に伝えると早急な対応が必要と言う判断が下され、警視庁からG3ユニットが派遣されることが決まった。誰もが希望と称する中、遺跡のなかでの会話を思い出し、一条の中では疑念が浮かんでいた。








読んでいただきありがとうございます。


少しだけ怪人解説です。

ゴ・ガイラ・ダ
ライガー種怪人の未確認生命体第48号。1話で目覚めたのもガイラである。ゴ怪人故に高い戦闘力だけでなくモーフィングパワーも備えており、またクウガの超変身に相当する能力も持ち合わせている。ガドルがゲゲルに参戦するより前にたびたび登場する古代の謎の男の手で封印されてしまい、彼との対峙は叶わなかったもののバルバの目立てでは格闘の技量ではガドルに劣るものの、策謀と力ではガドルを上回る。デザインはガドルの顔をガドラのそれに変え、獅子の鬣を付けたようなイメージ。
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