小説版 仮面ライダークウガ&アギト ~超越~   作:Nameless Abyss

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投稿が遅くなってしまい、申し訳ないです。
今後は週1程度には投稿できるようにしていきます。







第六話 合流

  ―2003年 6月26日 午後5時30分 長野県警―

 

 

会議が終わり、警官達が退室すると一条はすぐに呼び止められた。話を聞くと、彼に用があると言う人が来ているそうだ。一条は誰が来たのか察し、『彼女』の元へ向かった。ついでに紹介もしておこうと氷川達にもついてくるように頼んだ。

 

「あっ、一条さん。お久しぶりです。」

「こちらこそ、頼み事をしておいて待たせてしまってすまない。それと、そっちにいる彼は誰だ?」

 

一条が訊ねると、彼の後ろにいた氷川が声を上げる。

 

「えっ、津上さん!?」

「あっ!氷川さんじゃないですか。奇遇ですね!」

 

まさかこんなところで出会うとは思わず、驚く氷川。対照的に、津上と呼ばれた青年は笑顔で返す。

 

「どうして津上さんがこんなところに…。」

「実は…ですね…。」

 

尾室の質問に桜子が答え、一条が桜子に氷川達を紹介するのはその後となった。

 

 

 

  ―2003年 6月27日 午前9時30分 長野県内―

 

 

再捜査の中で疑わしい人物が見つかり、その人物を探すためにGトレーラーが走っていた。その中にはG3ユニットの面々と、一条が乗っていた。

そう言えば、Gトレーラーの運転手の顔を見ていない事を思い出した一条だが、今はそれどころではない。すぐに忘れてしまった。そして、もう一つ不安視していた事を思い出し、口に出す。

 

「しかし、津上君だったか…彼と桜子さんだけで本当に大丈夫なのだろうか?」

 

一条が問う。津上翔一の正体を知らない彼からしてみれば無理もないだろう。一般人であり、どこか『彼』を彷彿とさせる翔一を巻き込むわけには行かないとも彼は考えていた。

 

「まあまあ、心配は無用ですよ。何たって津上さんは…」

「まずいですって、それ話しちゃうと。」

 

自信げに答えようとした尾室だったが氷川に話の腰を折られてしまう。が、今度は氷川が話の腰を折られる。

 

「氷川君、一条君になら話しても問題ないわよ。実は、彼は『アギト』なの。」

「アギト?」

 

その名に一条は反応する。

 

「ええ。アンノウンと戦っていたのは彼よ。」

 

一条に告げる小沢。しかし、彼はやや上の空だった。

 

「また、『アイツ』のような奴が…。」

 

『彼』の笑顔を思い出し、一条の顔が曇る。と、その時だった。

 

「連絡が入ったわ。『奴』が見つかったわ。」

 

小沢が告げると、一条の顔が戻る。未確認と思しき人物が見つかったのだ。Gトレーラー内のモニターがその人物を映す。

 

「名前は桐島美帆(きりしま みほ)。数ヵ月前に例の薬局に薬剤師として就職。同期に、細木竜胆(ほそき りんどう)という男もいるけれど、彼女は人当たりが強い上に事件のあった日はいつも休みで、どこかに出掛けていたそうよ。」

 

ここまで一致していたのならもはや疑う余地はなかった。しかし、一条は訝しんでいた。

 

(気のせいか、妙に出来すぎている気がする。それに、あの時聞いた48号の声は確かに男のそれだった。)

 

一条が考え込んでいると、尾室が声を上げる。

 

「見てください!細木と車に乗ってますよ!」

「すぐに追いかけよう!」

 

 

  ―6月27日 午前9時30分 九郎ヶ岳遺跡―

 

 

明るい青空が照らす外とは裏腹に、暗く不気味な遺跡に桜子と翔一は入り込み、調査していた。二人とも調査のための機材が入ったリュックを背負っていた。

 

「もしかしたら、古代の料理のレシピなんかあったりして…。」

 

『彼』のように明るいな。彼の前を歩いていた桜子はつくづくそう感じていた。

思わず笑みが零れたが、次の瞬間驚いて声を上げる。

 

「えっ、嘘…!いつの間に…?」

「どうしたんですか?」

「前はこんな部屋、なかったの…。」

 

翔一の質問に答え、ライトを照らす桜子。恐らく、これが一条から聞いた例の部屋だろう。まさかと思っていたが実際目の当たりにすると驚きを隠せなかった。

部屋へ足を踏み入れると、かつては紅かったのだろうか、風化して色褪せ、年月が経った血のように浅黒く変色した壁や床が奥まで続いていた。そんな風景を目の当たりにした桜子は思わず吐きそうになり、しばらくうずくまっていた。

すると、翔一が桜子を呼び始めた。

 

「桜子さん!棺が二つと、あと何か変な記号みたいなのがいっぱいあります!」

 

漸く落ち着きを取り戻した桜子が向かう。

 

「これ、あの時の棺にそっくりだわ…。」

 

開口一番に桜子が呟いた。

桜子がライトを向けると、先代のクウガらしきミイラが入っていたものよりやや小さめの棺と、それよりも大きい棺が見える。小さめの物には獅子の鬣を思わせる意匠が加えられており、大きい棺は壁や床と同じような色をしており、円形部分の中央には狼のような紋章があった。

翔一が大きい方の棺を指差しながら訊ねる。

 

「こっちの棺の周りに変な記号がいっぱい書いてあるんですよ。何て書いてあるんですか?」

「えっと…。ちょっと待ってね。」

 

桜子はリュックを下ろし、パソコンを取り出した。そしてリント文字と日本語の対訳ファイルを開くと解読を始める。

 

「えっと…。まず、この辺りがリント文字で『我が一族よ。力を欲すること無かれ。決して力に溺れること無かれ。我が悲しみを二度と繰り返してはならぬ。再びこの悲しみが訪れる時、我が一族はグロンギと等しくなるだろう』と書いてあるわ。」

「あの…、グロンギって何ですか?」

「私たちの言う所の未確認生命体よ。古代では私たちの先祖をリント、未確認をグロンギって呼んでたの。」

「なるほどです。」

 

グロンギという言葉は一般には殆ど使われていなかった。翔一の質問も無理はない。桜子もそれを理解した上で分かりやすく説明を行った。

 

「あれ、こんなところにも文字が…。でも、さっきとちょっと違う?」

 

部屋の入口と反対側、ちょうど壁付近の部分に書いてあった文字を翔一が見つけた。しかし、先程のリント文字とは文字の形がやや異なっていた。

 

「妙ね。さっきの碑文はリント文字だったのに、こっちはグロンギの文字で書かれてる…。ちょっと待っててね。」

 

再びパソコンを操作する桜子。今度はグロンギ文字との対訳ファイルを開く。

 

「こっちはこんな意味ね。『力を欲する邪な心、それこそがグロンギの源だ。リントが我が悲しみを繰り返すならば、リントの女5人を血を流すこと無く殺して贄とし、我を目覚めさせよ。さすれば究極の闇が世界を覆い尽くさん。』」

「究極の闇…?一体何が起こるんだ…?」

 

究極の闇という言葉に、かって対峙した創造主(テオス)を思い浮かべる翔一。さすがの彼の顔からも笑顔が消えて無くなった。

 

「究極の闇が何なのかはわからない。でも、私たちにとって良いことでないのは確かね。」

 

怯えるような表情で桜子が呟く。

一刻も早く逃げ出したい気持ちを抑え、二人は文字と棺を写し終えてから遺跡を後にした。

 

 




次回から戦闘シーンを入れていく予定です。
では、お楽しみに
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