小説版 仮面ライダークウガ&アギト ~超越~ 作:Nameless Abyss
―6月27日 正午 長野県内―
48号と思われる桐島美帆が乗った車を追跡するGトレーラーだったが、途中彼女が同伴していた細木竜胆と共に車から降り、人気の無い廃工場へ入っていくのを確認し、G3-Xを身に付けた氷川が出動した。
「一体、48号はどこに…。」
廃工場の中は暗く、かつて一条が訪れた九郎ヶ岳遺跡を彷彿とさせた。氷川が暗闇を進んでいくと、やがて深い闇は消え、日差しが入る。
「っ!そんな、あれは…」
白日のもとに晒され、氷川は恐ろしい光景を目撃した。
―6月27日 正午 九郎ヶ岳遺跡―
「それじゃ、私は一条さんに写真を渡しに行ってくるわ。」
調査を終えた桜子は荷物をまとめ、九郎ヶ岳遺跡を後にしようとしていた。
「それじゃ、俺もついていこっかな…?それとも、レストランで何か食べてよっかな…?」
穏やかな口調で話す翔一だったが、突如目を見開き立ち止まる。アンノウンの時のように、敵の気配を察知したのだ。
「桜子さん!俺、ちょっと失礼します!」
「え、ちょっと!津上くん!」
翔一の突然の行動に困惑する桜子だったが、おやっさんの言葉を思い出し、彼が秘めている『何か』を見ようと後をつけた。
桜子の元を離れる翔一。周りに人がいないのを確認すると、両手の拳を左腰の近くへ動かし、続けて右手を前に突き出しすぐに後ろへ引く。
すると、翔一の腰辺りが輝き、変身ベルト『オルタリング』が現れる。彼は空手のような構えを取る。
「変身!」
彼がそう一言叫び、ベルトの左右にそれぞれの手をかざすと翔一の体をベルトを中心に発生した光が覆い、彼のいた場所には人の進化の可能性、アギトが現れる。
「嘘、津上くんも『クウガ』みたいな姿になるなんて…。」
思わずうわずった声を上げてしまう桜子だったが幸か不幸か彼には気づかれなかった。そのままアギトの頭上から飛来したマシントルネイダーを駆り、彼は疾走していく。
「行ってらっしゃい、津上くん…。」
アギトの姿を見て、かつて『彼』に向けたのと同じ言葉を、桜子は誰に言うわけでもなく呟いた。
―6月27日 正午 長野県内廃工場―
G3-Xとして48号の元へ向かった氷川の目の前には、人の姿が2つあった。いや、正確には1つが正しいだろう。もう1つの影は「さっきまで人だったもの」と化していたからだ。
「桐島美帆が、殺されている…。まさか、お前なのか細木竜胆!」
強い怒りを込め、氷川は目の前にいる細木竜胆、否
「ああ、そうだ…。」
心がないと言うありふれた表現。 そんな言葉がこの上なく似合う冷たい口調で48号は言葉を返す。
「それはともかく、だ。なるほど、これが今の
異形の怪人へと変貌した48号が言い終えるより先にG3-Xは専用の銃GM-01 スコーピオンで銃撃を開始する。が、
「
まるで新しいおもちゃで子どものごとく軽々と銃撃をかわしてみせる48号。
やがてスコーピオンの弾丸が尽きると48号は攻撃を仕掛け始める。
「まるで、『青の4号』だ…。」
モニターに写る48号が戦う様を見て、一条は思わず呟く。G3-Xの攻撃をいなしながら俊敏な一撃を確実に撃ち込んでいるのだ。攻撃パターンに慣れ、G3-Xが攻撃を見切り始めると、跳躍力をいかして翻弄しながら攻撃を狙う先方に切り替える。
「このままじゃ、氷川さん…」
「こんなときにそんな弱音を吐かない!私たちに出来ることをする、それが私たちの使命よ!」
弱気な尾室に喝を入れる小沢だったが、やはりこのままでは不利だと悟っているのか沈黙してしまう。
「何か、無いんですか…!」
一条が沈黙を破る。すると、
「緊急事態だからやむを得ないわ。申し訳ないけど、少しだけ待ってちょうだい。」
小沢は画面を切り替え、何かを作り始めた。
小沢が秘策を打っている間、氷川は48号と戦っていた。防戦寄りとは言え動きを見切り、何とか48号と互角に渡り合えるようになっていた。
「
このままでは決着がつかない。そう判断したのか、それまでは青だった48号の瞳の色が赤に変わる。『青の4号』に相当する俊敏態から、『赤の4号』に相当する格闘態になったのだ。そのまま拳に力を込め、パンチをしかける。
「っ!?」
直感で回避した氷川だったが、それが正解だった。
48号のパンチは背後の壁に命中し、ものの見事に砕け散ってしまった。
「
奇怪なグロンギ語で叫びながら48号は攻撃を続ける。やがてG3-Xの胸部に命中する。
「ぐぁっ!」
氷川は苦悶の声を上げる。殴られた胸部にはヒビが入っていた。
これでとどめ、と言わんばかりに右手に力を込めながら歩み寄る48号。その時だった。
48号が粉砕した壁の穴からバイクが乱入し、48号に体当たりして吹き飛ばす。
「大丈夫ですか、氷川さん!」
「津上さん…助かりましたよ…。」
駆けつけた
「
アギトを加え、戦いは過熱する。
このところ投稿が遅れがちで重ね重ねお詫びします。