この果てしなき修羅場に終焉を!   作:ルイ提督

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確認、確認、確認

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カズマの屋敷から1ブロックほど離れた場所に建つ民家は場所が場所なだけに中流以上の家庭向けに立派に作られていた。そんな一軒家の家主であるクリスは冷たいフローリングの上で毛布をかぶって丸くなって寝ている。一方、私は窓から望遠鏡を突き出して屋敷の様子を観察していた。

 時刻は深夜、月明かりに照らされた薄闇の中で私は屋敷のとある一室を覗いていた。そこは私が二周目でお世話になった隣室である。カーテンの僅かな隙間から見える情報量は少ない。ただ、暗闇の中で薄らぼんやりと人の姿があるのが確認できた。

 

 

「あれはアクアか……」

 

 

 暗闇の中でも、確かな光を放つアクアの姿は少し幻想的な光景であった。ただし、アクアは壁にはりついて棒立ちしているだけだ。あの壁の位置は、おそらく私がカズマの部屋を観察するために使用した穴がある場所である。こちらから見えるのは彼女の背面と艶やかで長い青髪だけだ。だが、そんな彼女が微動だにせず直立不動で壁に向き合う姿は正直気味の悪いものであった。

 

「おい……クリス……クリス……!」

 

「んにゃっ……なにさ……」

 

「アクアは昔からその……あんな気味の悪い事をしていたのか?」

 

「んっー……あそこまで熱心になったのはつい最近だけど、軽いストーキング行為は昔からしてたよ。もちろん、その時はカズマ君だけじゃなくダクネス達も見守ってたね。アクア先輩ってああ見えてかなり世話焼きなんだよ。まあ、今は彼の動向を見守るのがアクア先輩のライフワークになってるね」

 

「そうか……」

 

 私は再び望遠鏡を覗く。そこには、やはり壁に張り付いて微動だにしないアクアの姿があった。私はため息をついてクリスの横へと転がる。これ以上の観察をしてもたいしたものは得られないと理解出来たからだ。

 

「ねえダクネス、君がやり直したって世界でもアクア先輩は今と変わらない行動をしてたと思うよ。つまり君がカズマくんと接している時は常に彼女が見守ってたと考えた方がいいね」

 

「勘弁してくれ……怖気が走る……」

 

「いいや、これはチャンスでもあるんだよ。アクア先輩はグズでバカでノロマだからね。それでいて、君やめぐみんと同じく頑固な面もある。だから、余計な事をしなければ、彼女はダクネスやめぐみんに勝利を譲る。それは間違いないと思うな」

 

 クリスは私に絡みつくように抱き着き、二人で一緒に毛布にくるまった。彼女の確かな体温を感じつつ、この親友の正体が女神エリスである事を今一度認識してなんだか脱力してしまった。あのアクアや、女神エリスをも誑かす彼に憤怒の感情と、どこか同情的な思いも感じてしまう。クリスとの付き合いが長い私にはそれが分かる。なんというか、彼女達は非常にめんどくさい存在なのだ。

 

「なあ、本当にアクアは私やめぐみんに勝利を譲るのか? 実際私は二周目で……」

 

「だから大丈夫だって言ってるでしょう。本当にもう……とにかくアクア先輩はあたしとたいして変わらないよ。あたしと同じくらいグズでバカでノロマだからね」

 

 クリスの抱擁が締め上げるようにキツイものになる。それから私の耳元でそっと囁いた。

 

 

 

 

 

「ダクネス、あたしは君の味方だよ」

 

 

 

 

 

 

その言葉はどこか薄っぺらいものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、私の情報収集生活が始まった。だが、初日以降はたいしたものが得られなかった。カズマは屋敷でぐうたらと過ごし、時たま外出をする。そんな彼をひたすらストーキングし、時には仲睦まじく遊ぶ彼らを私はクリスと一緒に遠くから見つめていた。自分が全く行動を移さない事に対してクリスはちくちくと小言を言っていたがそれは全て無視する。この周回は情報収集に終始する。その意志を貫徹するつもりであった。

 

 

 

 

 そして、6日目の夜。カズマは紅魔の里へと旅立った。私が介入しなければ、起こるべく事は必ず起こる。それを再認識しながら、私もクリスと共に紅魔の里へのテレポートを行った。場所は紅魔の里グリフォン像前、時刻は深夜に差し掛かった時間帯であった。

 

「しかし、意外な人選だな。まさかお前が来るとは」

 

「ひぇっ……あのっ……私は魔法学校で中級魔法やテレポートを習得していて……以前観光に行った際に紅魔の里を登録してたんです。だから……」

 

「分かった分かった。まあ、ご苦労だった。とりあえず、貴様は近くの宿泊所で待機しててくれ。私とクリスは少し野暮用がある」

 

「あの……一応私はお嬢様の護衛も兼ねていて……」

 

「命令だ。待機してろ」

 

「は、はい!」

 

 私達からそそくさと離れていくのは例の新人メイドであった。事前に屋敷で紅魔の里への転移魔導士を手配していたのだが、その条件に彼女が合致していたようだ。何だか腐れ縁のようなものを少し感じつつ、私は横で鼻をすんすんと鳴らしていたクリスを小突いた。

 

「クリス、カズマの居場所は?」

 

「んっ、あっちの方から匂いがするね。めぐみんと一緒に二人で歩いてるみたい」

 

「よし、それじゃあ尾行開始だ」

 

「はいはいっと、本当にこれでいいのかねぇ」

 

 何やら呆れた様子のクリスの背を軽く叩いてから私は尾行を開始する。そうして、数分もしないうちに私達は月明かりの中で楽しそうに会話をしながら一緒に歩くカズマとめぐみんに追いついた。

 

「はあ、まだ一週間も経っていないのに私に会いに来るなんて、なんだか少し可愛いですね」

 

「可愛いとか言うな。ただ少し顔が見たくなったんだよ」

 

「そこが可愛いんです。ほら、貴方の愛するめぐみんですよ。抱きしめてキスするぐらいはしてもいいんじゃないですか」

 

「茶化すな……っておわっ!?」

 

「んふふっ……やっぱりカズマの匂いは安心できる匂いです」

 

 

 もたれかかるように抱き着くめぐみんをカズマは優しく抱き留めつつ歩みを続ける。傍から見ていて実にバカップルしている光景はイラつくが今更な話だ。このような不快ないちゃつきをすること数十分、石造りの石柱が存在する謎の古代遺跡のような場所にたどり着いた。倒れた石柱に腰かけた二人は相も変わらず楽しそうに会話をしている。私達はそんな二人の様子を息を潜めて見守った。

 

「それで、私の所へ来たって事は答えを期待してもいいと思っていいのでしょうか」

 

「いや、悪いがまだその期待には応えられねえ。本当に自分自身が情けなくなるよ……」

 

「ええ、実に情けないですね。ここに来て貴方にうじうじされると百年の恋も冷める思いです」

 

「言ってくれるな」

 

「だから、私がとどめを刺してあげますよ。んっ……」

 

 めぐみんがカズマの口に自分の唇を重ねる。ついばむような接吻は、しだいに舌を絡める激しいものとなる。その淫靡な水音はどこかこなれたものであり、二人の間ではこのような行為は初めてではなく日常的なものなのだと私は自然と察せられた。隣からはぎりぎりという何とも言えない不快な音が響く。クリスの方へ目を向けると、彼女は無表情で歯ぎしりをしていた。そんな彼女の頬を軽くつねってから、私は観察を続ける。正直言って、このような光景はもう”慣れた”ものであった。

 

「んぁっ……カズマ……ここは私にとっての始まりの地……爆裂魔法を授かるきっかけとなった場所でもあるんです。爆裂魔法のおかげで今の私がある。貴方に出会えたのもきっと爆裂魔法のおかげです」

 

「相変わらず凄い信頼だな。少し妬けるぜ」

 

「何を言っているのですかカズマ。私は貴方のためなら爆裂魔法を捨てる覚悟がありました。でも、私とこの魔法を受け入れ、肯定してくれたのは貴方です。だから、私は自分を貫くことが出来たんです」

 

「そうかい……」

 

「まったく、カズマは私の言っている事が理解出来ているのですか?」

 

 下を向くカズマの頬を撫でるめぐみんは苦笑を浮かべていた。慈愛を感じさせるめぐみんの姿はまるで母のような包容力をも持ち合わせていた。彼女が単なるクソガキであったならカズマも迷わなかったはずだ。だが、めぐみんには幼い容姿に反して大人びた包容力と思考を持つ女性だ。それが彼の心をかき乱している事は私自身理解はしていた。

 

「私は愛する爆裂魔法のためなら自分の命すら捨てられる人間ですよ」

 

「ああ、それはよく分かってる」

 

「なら貴方も理解しているはずでしょう? その爆裂魔法を捨てても良いと思えるほど私はカズマの事が好きなんですよ。これは冗談じゃありません。私はカズマのためなら命を捨てられるし、カズマのためであるならばカズマ以外の人間の命を奪う事もいとわない。そんな人間なんです」

 

「わかってる……わかってる……」

 

「カズマが私をこんな女にしたのですよ。それなら、その責任を取るというのがスジだと思います。もうカズマ以外の事を私は考えられないんです。貴方も、そう思いますよね」

 

「うぐっ、責任か……」

 

 倒れた石柱に座るカズマに真正面から抱き着き、彼の顔を見上げるように覗き込むめぐみんの瞳は、この月明かりだけが頼りになる暗闇の中でもよくわかるほど爛々と輝いていた。対して、カズマは困ったような表情を浮かべている。それは私から見てもイラついてしまうような優柔不断さが見て取れた。めぐみんもそれを察したのだろう。彼女は小さくため息をついていた。

 

「カズマの気持ちも良く分かります。貴方は誰かと恋仲になる事で今の平穏が崩れる事を恐れている。そうなのでしょう?」

 

「…………」

 

「安心してください私も同じ思いですから。でも、このまま有耶無耶にしてもいずれは崩壊するのも時間の問題です。貴方に私達以外の淫売共が興味を寄せるようになってから、屋敷の雰囲気が少し変わったのは知っているはずです。ダクネスは現実と言う名の袋小路にぶち当たって毎日が心ここにあらずですし、アクアが以前と比べて少しおかしくなっているのもカズマは分かっているのでしょう? 今のうちに勝負を決めておかないともっと悲惨な事になりますよ」

 

 警告をするような口ぶりであるが、めぐみんの顔には薄ら笑いが張り付いている。その人を見透かすような態度は実に気に食わないものが、一部では私も同意見だ。今の私達の関係は永遠に続くようなものでは決してないからだ。

 

「カズマ、貴方に一つ警告しておきましょう。私やアクア、ダクネスと関係を持って数年も経ったならカズマも理解しているはずですが……私達は”普通の女の子”じゃないんです」

 

「わかってる……」

 

「本当に分かっているのですか? 自分の命を天秤にかけて、自信の欲望と誇りを優先したのが私とダクネス、自己愛と承認欲求にまみれた傲慢なる女神アクア、そんなどこかが狂ってる私達全員の執着や欲望が貴方と言う一人の男に向かっているんです。それでも今はまだ全員に”若干の理性”があるから何も起こっていないだけなんですよ」

 

「言われなくても分かってる。クソッ……面倒くさい奴らだ……」

 

 苛立たし気に髪を掻きむしるカズマからは苦悩が見て取れた。それは、彼が屋敷でみせる怠惰な態度とはかけ離れたものであった。その姿に若干母性がくすぐられる所があるというか、彼を思いっきり甘やかして慰めたい思いに駆られる。だが、それはめぐみんにとっても同様な事であったのだろう。彼女はそんなカズマを真正面から抱きしめて頭をそっと撫でていた。

 

「カズマは優しい人です。でも、その優しさはこの状況では人を狂わせる凶器になるんですよ。だから改めていいます。私を選んでください。そうすれば全て解決です。貴方の悩みも葛藤も私が吹き飛ばしてあげます」

 

「だが……俺は……」

 

「無理しなくていいんです。貴方は今まで私達を引っ張ってきてくれた存在です。こんな時にこそ私はそれに報いたいんです。だから、私を選んでください」

 

「…………」

 

「私を選んでくれなきゃだめです」

 

 彼に媚びるようなめぐみんの声は実に不快であるが、カズマにはそれが効果抜群であったのだろう。彼は顔を上げ、熱っぽい視線でめぐみんをみつめていた。隣でガギャリという不快な言葉が響く。それから近くの茂みに何かを吐き捨てたクリスは相変わらずの無表情だが、口元からは鮮血が滴っていた。その鉄臭い匂いには私も少し顔をしかめた。

 

「ねえカズマ、私が何故里帰りをしたか分かりますか?」

 

「それは……家族に会うためだろ」

 

「ええ、そのためです。でも、それだけじゃありません。実はちょっと教師になってみようかと思って面接も受けていたんです」

 

「教師? それまた意外だな」

 

「少し失礼な評価ですね。でも、面接には合格しましたよ。いつでも来いとお墨付きを貰いました。まあ、座学の成績は元々クススのトップ層でしたし、魔王討伐やその他様々な実績もありますからね。とにかく、私が何故教師なんかになろうと思ったのか、カズマは分かりますか?」

 

 少し誇らしそうにしながらも悪戯っぽく笑うめぐみんは憎らしくも可愛らしいものであった。そして、私は今にも飛び出しそうなクリスの首根っこを掴んで止める。ここでぶち壊されては私も困るのだ。

 

「あれだろ……めぐみんは教え子に爆裂魔法を教えるつもりなんだろう?」

 

「ふふっ、正解です。今や数々の実績によって爆裂魔法を笑う人はいなくなりました。それに、私はこの力を私だけで終わらせたくないんです。正しく使えば、これは人間が神や悪魔みたいな理不尽な存在と戦う時の武器になる……爆裂魔法は人類にとって破壊だけでなく救いを得られるかもしれない魔法なんです」

 

「相変わらずの爆裂愛には頭が下がるよ……」

 

「茶化さないでください。それくらい真剣に考えているんです。でも、真剣に考えているからこそ不安なんです。使い方を誤れば人類にとっても無慈悲な虐殺魔法となってしまうものですし、爆裂魔法は自分の魔法の才能や人生の全てを差し出さなければ人間には極める事が出来ません。周囲から理解されない辛さも、爆裂魔法しか身を守る手段がない事への恐怖も私は知っています。だから、こんな私でも少し怖いんです。私の愛する爆裂魔法が失伝する事が……いずれは数多の人間の命を奪う事が怖いんです」

 

「めぐみん……」

 

 涙を見せるめぐみんをカズマは優しく抱きしめる。めぐみんが語った爆裂魔法への愛には素直に感心する。そこには彼への媚びた思いがなかったからだ。一方で私自身を恥じ入る気持ちも生まれてしまう。年齢的にも私より幼いはずの彼女の方が私よりも精神的に成熟している。そう感じてしまったからだ。

 

 

 

 

 

「という事で子作りしましょうかカズマ」

 

「わっつ?」

 

 

 

 

 その瞬間、私達だけでなくカズマの周囲に漂う空気も凍った。だが、熱っぽく妖艶な雰囲気を漂わせためぐみんは、そんな彼を地面へと押し倒していた。

 

「私の愛する爆裂魔法は扱い方を間違えれば危険ですし、孤独をも産む禁忌の魔法です。それならば、私とカズマの子供にそれを継がせるのが道理と言えませんか?」

 

「だからっておまっ……やめろ服を脱がせるな!」

 

「いいんですよそんなに力のない抵抗はしなくても……とにかく私はこの力を継ぐ子供達を正しく導き、愛を注ぐ必要があるんです。それに、私の大切な爆裂魔法を私の大切なカズマとの子に継いで欲しい。自分の愛する我が子にそんな思いを寄せるのはおかしい事ですか……」

 

「めぐみん……」

 

「それに一子相伝の爆裂魔法ってなんかカッコよくないですか!?」

 

「おいこら、お前それが本音だろ!」

 

 

 わーきゃー騒ぎながら地面を転がりまわるめぐみんとカズマの服装はどんどんと乱れて行く。隣のクリスからも圧を感じ始めたが、私は首を横に振った。介入する必要はもちろんない。私が見たいのはこの先なのだ。そうして、彼らの声が黄色い物から荒い吐息へと変わって行く。お互いの身体を触り合い、時折漏れる喘ぎ声は私のいけない想像を駆り立てる。

 とりあえず、私はその光景に背を向ける事にした。不快な音は聞こえてくるが、もはや慣れたものであるし彼らの初々しさは随分と耳年増になった私にとっては少しだけ可愛らしいものであった。それから数十分後、めぐみんの苦悶の声とカズマの少し焦ったような声が聞こえてくる。一週目の知識をふまえると今夜は中途半端に終わるはずだ。そろそろ中断かと身構えていると、私とクリスから少し離れた地点の茂みからガサゴソと草をかき分ける音が聞こえてきた。クリスに視線を向けると、彼女も驚いた表情で首を横に振る。

もちろん、カズマ達も息を殺して身を潜めようとしていた。だが、そんな彼らの前に見知った顔が現れる。それは、もちろんあの女神であった。

 

「ねえ、何をしてるのアンタ達……」

 

「アクアっ!? いやっ、これはその……見ての通りだ!」

 

「チッ……テンパらないでくださいカズマ。私はちょっとアクアと二人だけで話すのでその辺でマスでもかきながら待ってて欲しいです」

 

「おっ……おう……その……何というか手短に頼む……」

 

 素直にめぐみんとアクアから距離を取り始めたカズマは奥の遺跡の影へと消えていく。代わりに残っためぐみんはアクアを睨みつけ、アクアは怯えたように委縮していた。

 

「やってくれましたねアクア。雰囲気が台無しです」

 

「その……私は貴方の苦悶の声を聞いて……それに外でなんて衛生的に良くないし……」

 

「御託はもう十分ですストーカー女神」

 

「…………」

 

「自覚はあるのですね。まったく、これは貴方やダクネスのためでもあるというのに、少し悲しいです。だからこそ、私が言えるのはこの一言だけです」

 

 めぐみんはアクアの肩をドンと突き飛ばした。それだけで二周目では手が付けられなかったアクアが無様に地面へと転がった。

 

 

 

 

 

 

「貴方は負けたんです」

 

 

 

 

 

 その言葉を受けたアクアは目元から一筋の涙を流していた。そして、めぐみんから背を向けてトボトボと歩き出し茂みの奥へと消えて行った。

 

 

 それから、遺跡の陰からカズマを引っ張り出しためぐみん達からは少し気まずい雰囲気が流れていた。だが、めぐみんはそんな彼に対してもう一度深くキスをする。深く長いそのキスを終えた後、二人はまた落ち着きを取り戻していた。

 

「これで理解したでしょうカズマ、貴方が迷えば迷うほど私は傷つきますし、アクアやダクネスも同様の思いをしてしまうんです。ですから、ここで決めてしまいましょう……私を選べばいいんです」

 

「…………」

 

「ああ、大丈夫です。分かってますよカズマ。貴方は私を選ぶ事でアクアやダクネスが傷つく事を恐れている。それなら、一つ良い情報を……私を選ぶことへのメリットを教えて上げましょう」

 

 めぐみんはくすくすと笑いながら、着崩れたローブを羽織りなおす。それから、カズマの方へ身体を預け、そっと囁いた。

 

 

 

「私は貴方を許します。私を選んだとしても、同様にアクアやダクネスを愛する事を許します」

 

「なっ……」

 

「貴方の夢が叶いますよ。私はハーレムなんて正直バカげてると思いますが、カズマが私だけでなくアクアやダクネスに愛を注ぐ事には肯定的です。私も貴方と同じように”この四人での関係”が何よりも大切なんです」

 

「お前はそれでいいのか……? そんな答えで本当に良いのか……?」

 

「いいんですよ。カズマは今まで通り、私達のまとめ役で、私の大好きなカズマのままでいてください。もちろん、私達三人はお互いを妬みあう事もありますが、そんなものは全部貴方がどうにかしてしまえばいいのです」

 

 自信満々といった様子で笑顔で胸を張るめぐみんに、カズマは少し気圧されていた。だが、そんな彼にめぐみんは小さな身体を押し付けた。

 

「本当は嬉しくてたまらないのでしょう? 私やアクア、ダクネス全員がカズマの事を狂ってしまいそうなほど愛しているんです。それならその全てに応えてください。それが私の”カズマ”なんですから」

 

「勘弁してくれ……お前ら三人の相手は疲れるんだぞ……」

 

「ふふっ、でもそんな私達の事が大好きなんでしょう?」

 

「ああくそっ……本当にしょうがないやつらだ」

 

 ため息をついたカズマの顔には憑き物が落ちたような笑顔が浮かんでいた。それから、彼は自分の頬を両手でパンパンと叩いてからめぐみんと再び向き合った。

 

「なあ、ちなみにめぐみんを選んだ場合のデメリットってあるのか?」

 

「そんなものはない……とは言えないかもですね。あえて言うなら私も含めて、カズマが”私達以外”と関係を持つ事は”私達”は絶対に許しません。それだけは覚えておいてください」

 

「ちなみにその約束事を破ったら俺はどうなる?」

 

「そんなに心配しなくてもいいですよ。でも、もしそんな事が起きたら、貴方の世界は今後永遠に”私達”だけのものになるかもしれませんね」

 

「そうかい……なら俺の答えも決まった」

 

 

 

カズマは正面からめぐみんの事を抱きしめた。

 

 

 

「めぐみん」

 

「はい」

 

「とりあえずしゃぶれよ」

 

「は? いきなりなにを……ふむぐっ!?!?」

 

 

 

 

 もうこれ以上は見る必要はない判断した私はその光景から目を背けて紅魔の里の方へ足を向ける。クリスは赤面しながらも、そんな私を押しとどめた。

 

「ちょっとダクネス! これからが本番でしょう!?」

 

「いや、今日はもうアレで終わりだな。得られる情報がないなら無理して見る必要もない」

 

「ねえ、ダクネスが何を考えているかあたしは分からないけど、はっきり言ってもうめぐみんの勝利は確定だよ。それなら、少しでも後学のために今から起こる事を見た方がいいんじゃない?」

 

「遠慮しておこう。私にとってはもう見慣れたものだ」

 

 自嘲を混ぜながら私は彼らの元を離れる。クリスはそんな私に鋭い目をおくりながらもその場に残る選択をした。そうして、紅魔の里に帰り着いた後は新人メイドを回収して帰路についた。時刻はもう一刻ほどたてば夜明けという時間帯。私は確信を持って私達の屋敷の門をくぐり、カズマの居室へと足を向けた。部屋に入って一番に目に飛び込んできたのは、彼のベッドの上でうずくまるアクアの姿であった。アクアは涙に濡れた顔を私にチラリと見せたがすぐに下を向く。その姿に苦笑しながら私は彼女の横に腰かけた。

 

「何があったアクア」

 

「言えないわよ……」

 

「安心しろ。私も見てたから事情については知ってる」

 

「見てたってアンタがなんで……」

 

 くしゃりと悲しみに崩れた顔を見せるアクアに私は自分の手の甲に刻まれた魔法陣を見せつける。アクアはそれを見て一瞬目を見開いたが、呆れたようにため息をついて再び目線を下に向かせていた。

 

「認識阻害の……エリスの仕業ね……まったく余計な事を……」

 

「これは私から頼んだ事だ。おかげでめぐみんにカズマを奪われる姿を見てしまったがな」

 

「…………」

 

「流石のアクアもすぐには受け入れられないか」

 

「わからない……自分がわからないのよ……」

 

 嗚咽を漏らすアクアの表情には混乱が見て取れた。私がそんな彼女の背を安心させるように撫でたのは無意識であった。彼女は少し驚いた表情を見せた後、安心したように身体を私へと預けてくる。それを受け止めながら、アクアがこぼした言葉に耳を傾けた。

 

「ついにめぐみんがカズマと結ばれちゃったわね……」

 

「まあな、でも正直言って妥当な結果と言えないか? あの男との仲が一番進んでいたのはめぐみんだったしな」

 

「そうね。でも、これで私達の関係に変化が出るのは確実よ。今まで通りの関係を継続する事は難しいわ。色々と気を遣わなくちゃいけないしね」

 

「ふふっ、アクアからそんな発言が出る事の方が私は驚きだよ」

 

「馬鹿にしないでダクネス。痴情のもつれによって何が引き起こされるかなんて、今まで人間を天に送ってきた私はよく理解しているわ。最悪の場合、殺人にも発展する事だってあるのよ」

 

 真剣な表情でそう言い放つアクアに私は苦笑を返す。それについては私自身よく理解している。二周目の世界で私は痴情のもつれが原因にめぐみんに殺され、世界をやり直す事になったのだ。

 

「そういう点では少し安心かも。アンタ達って変な所で絶対に自分を曲げない頑固者だから、カズマを巡って対立したら面倒になるなとは思ってたの。結果として、短絡的で少し強硬な性格なめぐみんが彼と結ばれたのは正解かも。ダクネスはなんだかんだで大人な性格で自分を律する事も出来るからね」

 

「買い被りだ」

 

「そうかしら、少なくとも失恋して涙を流す私より冷静みたいだけど?」

 

「どうだかな……」

 

 アクアに対して私は曖昧な返事を返す。私自身、思う所はあるが当初のような動揺はない。それも含めて私は”慣れて”しまったのだろう。もしくは、心の奥底では憐れんでいるのかもしれない。どうせ、全てが無かった事になる世界での出来事だ。

 

「アクアの方こそ大丈夫なのか。明日にはめぐみんによって屋敷を追い出される可能性だってあるんだぞ」

 

「確かに、そうなる可能性もあるわね。でも、私はどんな関係になっても貴方やカズマ、めぐみんの事は見守り続けるわ。貴方達を大切に思う気持ちに変わりはないもの。今後も傍にいる事を許されたとしても、ゴミのように見捨てられたとしても絶対にね」

 

「…………」

 

 まるで女神のような笑顔を見せたアクアに私は気圧されるが、自分の冷静な部分が警鐘を鳴らす。こんな事を言っているが、彼女は前回の周回で私とめぐみんを見捨てた。人の思いと言うものは状況によっては容易く変化するのだ。そんな時、アクアがベッドから飛び降りて、ベッドの下をがさごそと漁り始める。そうして取り出したのは一つの宝箱だった。彼女は懐から取り出した鍵で施錠を解除し、中身を探る。用途不明のガラクタをかき分けて取り出したのは一つの紙束であった。

 

「いいものみせてあげる。ふふっ、今まで私達が撮った写真よ。カズマってば律義にきちんと現像して保管してるの。結構可愛いところがあるでしょう?」

 

「写真か……そういえば何かの節目になった時や、アイツが暇なときに何枚か撮っていたな」

 

「三年以上も一緒に過ごしているのだから量もそれなりなっているわ。この写真は第三回カニパーティした時のもの、こっちは魔王討伐後に屋敷で祝勝会やった時のもの、こっちはある朝カズマが呪いによって毒虫に変身していた時のもの……本当に色々あったわね私達って」

 

「ああ、そうだな。もう切っても切れない関係になってる事は理解してる。本当に」

 

 私は何枚かの写真を手に取った。状況は様々であるが、写真の中の私達はみな笑顔に溢れていた。ここ数か月、そうした姿を現実では見れていない。永遠に続くと思われた友情も、一人の男を巡った対立で陰りを見せている。正直、少し滑稽にすら思えてきた。

 

「ねえ、ダクネス。私達はこれからどうなっちゃうんだろうね……」

 

「安心しろアクア。私達の友情は変わらないさ」

 

「本当にそう思う?」

 

「今はまだ分からない。でも、めぐみんの言葉を聞けばそれも分かるさ」

 

 

 涙目で表情を崩しているアクアの頭を私は優しく撫でる。アクアやめぐみんには今までの周回で受けた憎しみや怒りがある。ただ、それだけで彼女達と縁を切れるほど私は薄情ではなかった。カズマと同じくらいアクアとめぐみんの事を好いている。それは紛れもない真実であった。

 

 

 

 

「確かめさせてもらおうめぐみん。それがこの世界での私の最後の役目だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 その日の夕方、私はクリスの監視用の屋敷へと足を運んでいた。クリスは壁に背を預け、少し眠そうな目でこちらに手を小さく上げて挨拶をする。私は望遠鏡を覗きながら彼女に挨拶を返していた。

 

「それで、夜間帯の彼らの”続き”はどうだった?」

 

「ダクネスの言う通り、大きな進展はなかったね。まあカズマ君はちょっとスッキリしてめぐみんは少し経験を積んだ。そんな所だね」

 

「なるほど、それなら本番はこっからさ」

 

「あの……本当にこのままでいいのダクネス……?」

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

 私の答えに対し押し黙ってしまったクリスを無視して私は望遠鏡を覗く作業に戻る。そこには壁に身体を張り付かせているアクアの姿があった。だが、監視を続ける事数時間、アクアは突然泣き崩れながら壁を背にしてうずくまってしまった。どうやら、カズマとめぐみんのやり取りを見てしまったようだ。

 

「ふふっ、同情するよアクア。私も経験した苦しみだ」

 

「趣味が悪いよダクネス」

 

「貴様だけには言われたくないさ」

 

 望遠鏡から目を離し、堅い床に寝転がった私は携帯食料をもそもそと口に含む。それから少し身体を休めた後、再びカズマの屋敷へと足を運んだ。リビングにおもむくと、暗闇の中でソファーに腰かけるアクアの姿を見つけた。私はその隣に腰を降ろす。そうして、お互いに何も言わないままゆっくりと時間が経過していった。

 

 動きがあったのは夜も深くなった時間帯、魔力灯の明かりがつき、ガウン姿のめぐみんが現れた。彼女は湯で火照った身体を手でパタパタと冷ましつつ、私とアクアの対面にあるソファーに腰かけた。そもまま沈黙は続くが、口を一番最初に開いたのはめぐみんであった。

 

 

 

 

 

「私、カズマとセックスしましたから」

 

 

 

 

 

 いきなりの宣言である。隣ではアクアが身体をビクリと跳ねさせていた。私はめぐみんの姿を真正面から見据える。彼女は恍惚とした表情であり、その姿からはどことなく余裕を感じさせる。正に勝者の姿であった。

 

 

 

 

 

「それで、次はアクアとダクネス、どちらがカズマの相手をしますか?」

 

 

 

 

 

 めぐみんの言葉を理解するのに私は数分の時を要した。私もアクアも思わず身を乗り出してしまう。そんな私達をめぐみんは小悪魔のような微笑みで迎えてくれた。

 

「お前は……本気なのかめぐみん」

 

「本気も何もないですよ。カズマは”私達の男”じゃないですか」

 

「それは……」

 

「大丈夫ですよ。あの男にある無駄な倫理観は私が壊してあげました。今のカズマは押せばすぐ折れます」

 

 得意げな表情を浮かべためぐみんは自分のお腹を優しく擦っていた。それが意味する所を暗に理解した私は少々複雑な思いであった。

 

「カズマの欲望の前に蹂躙された私ですが、正直言ってこの身体は限界です。まあ初めてだったのでしょうがないと言い訳しときましょう。とにかく、私は限界ですが彼はむしろやる気まんまんになっています。だからアクア、貴方が”鎮めて”きてくれませんか?」

 

「うぇっ、わたし!?」

 

「ええ、そうです。あの男は今調子に乗ってますからね。他の女に手を出す前に私達でしっかりと調教してあげなくちゃいけないんです。カズマが私やダクネス以外と関係を持つなんて、アクアも許せないでしょう?」

 

「っ……!」

 

 真っ赤な顔で何やらぼそぼそ言い出したアクアをめぐみんは無理やり立たせた。アクアはしばし挙動不審であったが、めぐみんに背をバシンと叩かれてから動きを止める。そんなアクアをめぐみんは優し気な瞳で見つめていた。

 

「めぐみん、本当にいいの?」

 

「私の許可なんていりませんよ。例え貴方がカズマの最初の相手になったとしても、結果は同じでしたからね。カズマは”私達の男”で、私は彼だけじゃなく貴方達も愛している。私達全員が幸せになる道を選ぶのは自然な事じゃないですか」

 

「…………」

 

「自信を持ってくださいアクア。悔しいですけど、貴方は私達の中で一番の美貌を持ってるし、カズマもきっと……うん……カズマがアクアを拒絶するなんてありえませんよ」

 

「めぐみん……」

 

 めぐみんはアクアの手を引いて、彼の居室がある二階への階段前まで連れて行く。まだ動揺しているアクアにめぐみんそっと耳元で囁いた。

 

「アクア、今のカズマはケダモノです。私には優しくしてくれましたが明らかにまだ満足していない様子でした。だから、きっとアクアの誘惑にも……」

 

「ああもう、わかったわよ! 行くわよ! 行ってやるわよ! でもこれはめぐみんに言われて仕方なくなんだからね……!」

 

「はいはい、カズマはまだ部屋にいますから。いってらっしゃい」

 

「うっ……ううぅ~……いってきます!」

 

 ドタドタと階段を登っていったアクアを見守った私達はお互いに自然と笑みを浮かべてしまっていた。あの女神であるアクアが明らかなる”性欲”によって突き動かされる光景は正直言って滑稽だった。

 

「なあ、めぐみん……」

 

「むっ、不平不満をは受け付けませんよ。それに、貴方がこんな状況でカズマに手が出せるほど自分の欲望には素直じゃないって私は知ってますから。だから、アクアを先に行かせた。それだけです」

 

「いや別に順番について不平があったわけじゃないぞ」

 

「それなら何も言わないでください。私でもちょっとだけ思う所はあるのですから」

 

 そう言って笑顔を浮かべためぐみんには少しだけ覇気がなかった。どうして彼女がそんな様子なのかは私も理解出来ている。これは理屈じゃないのだ。だからこそ、私は彼女に対して素直に畏敬の念を抱いた。彼女が二周目の世界で言っていた事に嘘偽りがないとこうして証明されたからだ。

 

「安心してください。後で貴方とカズマだけのまとまった時間を作ります。そこで貴方の”理想”を叶えてください」

 

「くくっ、それを人に用意された時点で理想もクソもないのだがな」

 

「それに関しては受け入れて貰うしかないですね。なぜなら、私こそが勝者だからです! ふふっ、悔しいですか?」

 

「そうだな。悔しい……悔しいな……本当に悔しい……」

 

 私の前でドヤ顔を浮かべながらガッツポーズをとるめぐみんに対して私は様々な憎しみや怒りが霧散して行く。逆に自らの愚かしさを再認識するはめになった。私は自分勝手で傲慢でどうしようもないゴミクズである。めぐみんを恨む理由も、怒りをぶつける正当性も失ってしまった。

 

「そ、それよりさっきからすごくありませんか……その……私の時もこんな音が……?」

 

「いいや、音一つ聞こえなかった静かなものだったよ」

 

「そうですか……なんだか少し悔しいですね……」

 

 私達は二人そろって天井を見つめる。さっきから、屋敷全体が揺れているような音とベッドや床がギシギシと鳴る音が響いていた。そして、時折獣のような男の咆哮も聞こえてくる。何というか、アクアは凄い事になっていそうだ。

 

「さて、それじゃあ私は少し外へ出かけてくる。天井が抜けたりしたら怖いからな」

 

「そうですか……気持ちの整理がついたらまた来てください」

 

「ああ、感謝する」

 

 

 

 

めぐみんは私の事を引き留めはしなかった。

 

 

いや、引き留めないでいてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして私はクリスの監視用の屋敷へ再び上がり込む。監視部屋につくと、望遠鏡の近くでビンごと酒をあおっているクリスの姿が目に入る。彼女は私を胡乱げな目で見つめてきた。

 

「随分と悪酔いしてるみたいだな」

 

「当然でしょ……こんなの飲まないとやってられないよ……」

 

 グビグビと酒を飲む彼女に対して私は苦笑を見せる他ない。思えば、彼女には随分と助けられた。だから、私自身もこれで最後にしようと思った。

 

「なあクリス、最後のお願いを聞いてくれるか?」

 

「なにさ……もう勝負はついちゃってるよ……」

 

「だからこそ必要なんだ。親友の助けがな」

 

「もうダクネスは……んっ……」

 

 顔を背けながらも、クリスは私に手を差し出す。それを取って彼女を立ち上がらせた私は、最後のお願いをゆっくりと告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を殺してくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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