この果てしなき修羅場に終焉を!   作:ルイ提督

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電撃作戦

 

 

 

 

 

繰り返される世界、自分が望む結末から逸れて終焉を迎える世界。

 

 

 

私が経験したのは5度のやり直し。

 

 

 客観的に考えると少ない感じがするが、経験した経過日数は約一年にもなる。繰り返す事で、親友達の知りたくなかった感情、愛する彼の秘めた思いまで知る事になった。愚鈍な私でも、これだけの”経験”を積めば見えてくるものがある。

 

 

つまりは、”物語の分岐点”ともいえるものの存在だ。

 

 

 基本的にはこの世界における勝者はめぐみんである事を考えに入れておきたい。私が何もしなければ、彼女がカズマと結ばれるのは決定事項と言える。ここに、”私の介入の有無”によってその後の方向性は変わる。

 ここで厄介な存在となるのがアクアという女神の存在だ。彼女は私が何も介入しなければめぐみんと結ばれるカズマを受け入れる。めぐみんもそんなアクアを受け入れ、無事ハーレム完成となる。はっきり言って、このルートが一番安全で平和なのかもしれない。

 しかし、私の介入の結果によりアクアに”独占欲"が芽生えてしまった場合、彼女からカズマを取り返すのはほぼ不可能となる。女神であるアクアに対抗できる能力は私にはない。また、同じ女神であるエリス様をもってしても、アクアには勝てない事が前回の周回で確定となった。そして、私のやりなおす力をアクアは何故か危険視しており、彼女に能力がバレるとろくでもない事になるのは4周目や5周目からしても明らかであろう。

 なにより注視すべきなのはカズマの行動パターンだ。彼は基本的な目標をめぐみん、アクア、私を全員を自分のモノにしようとしているハーレム野郎だ。その割には、彼は極度の憶病で自分から行動を起こす事はない。彼をモノにするには自分から動くしかないのだ。そして、曖昧な態度を見せる彼だが、アクアだけには並々ならぬ執着心を見せている。彼はアクアが自分の傍を離れる事を極端に恐れているため、彼女を自分の傍に置いていくために必要とあらば、私やめぐみんをあっさりと切り捨ててくる。これはカズマがアクアにめぐみんや私以上の”愛情”を抱いている事に他ならなかった。

 

 

 

このような事実を考慮すると、どうしようもない一つの真実が見えてくる。

 

 

 

 私だけを一途に愛し、私の事だけを考えてくれる”カズマ”は存在しないし、今後も現れない。

 

 

 そうであるならば、私が得られる幸せな未来とはどんなものなのであろうか。おそらく、私が何もしない世界、めぐみんが彼と結ばれるのが幸せなのかもしれない。めぐみんは自分がカズマの”一番”であるという自覚がある場合、彼を私やアクアを共有しようという考えになる。この場合、何が何でもアクアを傍に置いておきたいカズマと、何が何でもカズマの傍にいたいアクアの利害は一致する。結果として今のぬるま湯のような関係性の延長となり、私達は幸せになるはずだった。

 

私はそんな幸せな世界をやりなおして無かった事にしてしまった。

そして、私だけが幸せになれる……そんな夢の世界を追い求めてしまった。

 

 

 もし、やりなおしという手段がなければ私は泣きながらも現実を受け入れ、めぐみんの厚意とカズマが見せる私達への独占欲を担保にその幸せを享受したはずだ。だが、そうはならなかった。結果としてやりなおしの力が私を幸せから遠ざけたのだ。

 

 

だから、私は今回のやりなおしを”最後”にしたいと思う。

 

 

 これ以上のあがきは、自分に利益をもたらさない。理想を求めて無為にやりなおしの回数を増やしても、私の望む幸せは手に入らないだろう。何より、やり直す度に私は人間として大切な物を失っている。そんな自覚があるのだ。もちろん、次回へ繋がる重要事項を知り得た場合はその限りではない。だが、今の私には自殺をしてやりなおすほど価値のある情報は得られそうになかった。

 

 

 

 

そんな私に残された最後の作戦は短期決戦、所謂電撃戦しかない。

 

 

 

 今までの経験から決着を遅延させた場合、アクアの介入が予想されるほかに、前回のようなゆんゆんの参戦もあるかもしれないのだ。ゆんゆんはイレギュラーかもしれないが、カズマの無駄に広い交友関係を考慮すると、アイリス王女や彼に憧れを持つ新人女冒険者といった別のイレギュラーが発生する可能性がある。

 

 また、カズマやアクアの行動を熟知出来ているのが、やりなおし開始から数時間である点も重要だ。カズマ達の動きは私の些細な動きで変化する。おおまかな動きは変わらないのだが、時間経過とともにその規則性は乱れる上に行動予測が難しくなるのだ。

 

 

 この戦いの勝者はカズマと結ばれたものである。そうであるならば、カズマの童貞を奪い、私自身も彼に純潔を捧げる事は戦術的に大きな意味がある。

 肉体関係を持った相手を無碍に出来ず、初めての相手を特別視しそうな彼の性格は正に童貞だ。彼の初めての相手というものの戦術的価値は彼の思考誘導だけでなく、対アクア、めぐみんを考慮すると武器にも使える。

 

 

結論として、彼を手に入れるのに最も有効な方法は……

 

 

 

 

 

 

 

やりなおし直後に彼と肉体関係を持つ事だった。

 

 

結果として。それは見事に成功した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ……はあ……やっちまった……」

 

「…………」

 

「おい、ダクネス!」

 

「おほっ!? お゛っ……お゛う……」

 

「なんて顔してやがる。少なくとも貴族のお嬢様がしちゃダメな顔してるな」

 

「ひんっ!?」

 

 臀部に強い平手打ちを受けて私は快楽で濁った意識に理性が戻る。うつ伏せで倒れていた私はなんとか四つん這いになる。そして、そんな私の臀部をニヤニヤと笑いながら叩くカズマとしばし目を見合わせる。彼はにやけ面から、段々と血の気の引いた表情となっていった。

 

「カズマ……」

 

「うっ……ちょっと風呂入ってくる」

 

「あっ……」

 

 

逃げた。

 

それはもう素晴らしい逃げっぷりであった。

 

 

 

 そんなカズマにため息をつきつつ、私はよろよろと立ち上がる。それから準備した濡れタオルで体を拭き、下着を身につける。これからやるべき事は多いため、私は今一度気合を入れた。

 まずすべきは部屋の清掃。脱ぎ捨てられた衣服を1箇所にまとめ、汚れたクッション類もまとめる。その後に血で描かれた神魔避けの結界をタオルで拭き取り、絨毯をひきなおす。これで、私達はアクアの探知に引っかかる事になる。

 やりなおし直後から数時間はアクアはエリス教会で、エリスとクロノスについて話し合っている時間帯だ。おそらく、今頃は教会で取り乱しているはずだろう。

 

 そんな事実に笑いがこみ上げそうになっている時、リビングにカズマが帰還する。彼は風呂上がりだというのに、顔面蒼白となっていた。

 

「ダクネス……」

 

「どうしたカズマ?」

 

「いや……その……」

 

「ふふっ、私から誘ったんだ。カズマは何も考えなくていい。ただ、私の誘いに乗ったという事は貴様も私を愛してくれているのだと思っていいんだな?」

 

「そりゃあ……うん……ダクネスの事は好きだけど……」

 

 歯切れの悪いカズマの姿に苛立ちを覚えつつも、平常心を保つ。今は彼を追い詰め、決して逃してはならない場面だ。

 

「なんつーか、今回の事はお互いにわすれ……」

 

「ふむ、貴様も理解しているはずだ。貴族の私から処女を奪ったんだ。もう、お互い後戻りは出来ない。ここで私を捨てるつもりなら、私には自ら命を捨てるほか選択肢がないんだ」

 

「なっ!? 冗談でもそんなことは……」

 

「冗談だと思うのか?」

 

「っ……!」

 

 私の方を見ながら言葉を失ったカズマに私はゆっくりと近づき、そっと抱きしめる。湯上がりの彼は、暖かく石鹸の良い香りがした。

 

 

 

「なあ、カズマ。私じゃダメか……?」

 

 

 

 ビクリと身体を震わせた彼に私はさらに強く抱きついた。

 

 

「私はカズマじゃないとダメだ」

 

「俺は……」

 

「カズマが不安に思っている事は私も理解してる。貴族の女と結ばれるということ、アクアやめぐみんの事だってある。でも、それも全て後で考えればいい。今は、カズマが私を受け入れるかどうか、それさえ判断すればいいんだ」

 

私の言葉に彼はしばらく押し黙った後、小さくため息をついた。

 

「まいったな……なんつーか男前だな。ダクネス」

 

「それは、了承という意味か?」

 

「まあ、そういう事だ。遅くなったけど、俺もダクネスの事が好きだ。これからもよろしくな」

 

「ふふっ、そうか……そうかっ……!」

 

 歓喜の念に打ち震えつつも、私は平常心を失わない。まだスタートダッシュに成功したにすぎない。本当の戦いはこれからだからだ。

 

 

だが、少しくらいはこの幸せを享受しても罰は当たらないはずだ。

 

 

 

「私が男前だというのはいささか不当な扱いじゃないか。だから、貴様に罰を与える。もう一度私を愛して欲しい」

 

「いや、でもさっきヤッたばかりで……」

 

「初めてにしては、乱暴だったな」

 

「うっ……」

 

「きちんと、優しくやって欲しい。もちろん、お返しはたっぷりとする。カズマがやりたい事、やって欲しい事、なんでもしてあげるぞ」

 

「なっ……なんでも……!?」

 

「ふふっ、なんでもだ。 だから……ひゃっ!?」

 

 

 興奮した表情で再度押し倒された私は、女として彼に求められる事の喜びを噛みしめる。そうして、彼に甘い口づけを受けている時、リビングの扉が少しだけ開いている事に気がついた。そこからはチラリと見慣れた青髪が目に入る。だから私は彼にもっと甘い言葉を囁いて欲しいとそっと耳うちした。

 

「愛してる。可愛いよララティーナ」

 

「ふふっ、めぐみんよりもか?」

 

「ああ、当たり前だ」

 

「そうか……アクアよりもか?」

 

「それは……」

 

言い淀んだカズマの頭を私の胸に埋める。それから、もう一度囁いた。

 

 

 

「貴様は女を喜ばす言葉すら吐けないのか?」

 

 

 

 むっとした表情の彼は挑発した私の口を口づけで塞いだ後、吹っ切れたように言い放った。

 

 

「当たり前だ。あんな駄女神より、お前を愛してる。一生傍にいてくれ」

 

「ああ、こちらこそ……ひうっ……!?」

 

 

 彼に強く求められながら、私はかすかにすすり泣くような声を聞いた。だが、私の身体に夢中な彼はそれに気づかない。

 

 

その瞬間、私はアクアと目があった。

 

 

 涙を浮かべたアクアは数瞬だけ私と視線を交わし、扉の奥へと消えていった。おそらく、彼女はこの部屋に漂う淫気を嗅ぎ取り、これが2回戦目だと理解したのだろう。今更止めに来てももう遅いのだ。

 

 

「ダクネス……俺とするのがそんなに嬉しいのか?」

 

「ふふっ、そんなところだ」

 

「そうか……それなら……」

 

「ひぅ!? そんな体勢で……!? やさしくするって……」

 

 

彼の腕に抱かれつつ、私はこみ上げる喜びを快楽で押し流した。

 

 

 

 

 日が沈みかけた夕暮れ時、私は汗や体液で濡れた体をシャワーで洗い流していた。入浴を終え、普段着に身をつつみリビングに向かう。そこには、ソファーで幸せそうな顔で眠るカズマの姿があった。そんな彼の姿に思わず笑みを浮かべつつ、私は書き置きを残して屋敷を出た。

 

 そして、正門を出た私を出迎える人物がいた。その紫紺の瞳と美しい銀髪を持つ相手を私が見違えるはずがない。私の目当てである女神エリスを前に私は片膝をついた。

 

 

「エリス様、ちょうど相談したい事があるのですが……屋敷の中で何があったかはご存知ですか?」

 

「ええ、もちろん。アクア先輩が私との会話を急に切り上げてカズマさんに会いに行ったのに、帰ってきた時には精神的にボロボロでした。それと、貴方の匂いで分かります。どうやら、大人の階段を一歩登ったようですね」

 

「まあそんなところです。ところで、アクアはどこに?」

 

「今は冒険者ギルドで飲んだくれてますよ」

 

「そうですか。なら、なおさら都合が良い。エリス様、私と二人だけで話せませんか?」

 

 

 私の提案にエリス様はコクリと頷く。それから、そっと私の右手を手に取った。その瞬間、周囲の光景は薄暗闇の空間に切り替わった。そこは以前の周回ではアクアに連れられてきた天界であった。

 

 

「ダクネス、ここは神々の住まう地である天界です。無論この空間は私と貴方以外の存在は許されません。人に聞かれたくない話でも、何でも相談してください」

 

 

 そう言って微笑むエリス様の前で私は緊張により息をのむ。ここでの行動次第で私は破滅を迎える。だからこそ、私は一つの質問をぶつける事にした。

 

「エリス様……」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「エリス様は、カズマを私に取られてどう思いましたか?」

 

「え?」

 

 

直球の質問にエリス様はピシリと固まる。だが、私の目を見て小さく息をついた。

 

 

「そうですね……正直言って悔しいです。私もカズマさんの事が気になって……いいえ……彼の事は心から愛していました」

 

「…………」

 

「でも、ダクネスと結ばれたのなら納得です。肝心な所で意気地がなくて、変な所でプライドが高い貴方が婚前交渉という手段を選んだのは驚きましたが……私は貴方達を祝福しますよ」

 

 

 少し力のない微笑みを向けるエリス様を私はしばし観察する。今までのやりなおしで得た知識を鑑みるにエリス様のカズマへの好意はかなり苛烈なものだったとアクアなどから聞かされている。しかし、やりなおした世界においても、彼女は私にとっての数々の助けとなった。

 

 

エリス様は私にとって数少ない”味方”なのだ。

 

 

 だからこそ、私は彼女の手をとって自分の額に押し当てる。首を傾げて困ったような表情を浮かべるエリス様に、私は一言だけ告げた。

 

 

「私の記憶を見て欲しいんだ」

 

 

 目を見開いて驚愕するエリス様だが、私の表情を見て冗談の類ではないと判断したのだろう。こくりと小さな頷きを返してからその手を押し進めた。ずぶりという異物感と不快感、形容しがたい痛みが頭部に巻き起こった。それに呼応するようにエリス様の表情は困惑へと変わっていった。そして、私の額から手を引き抜いた彼女は目に見えて狼狽していた。

 

「嘘でしょ……こんな事って……!」

 

「事実ですよエリス様。証拠品だってありますよよ。ほら、”以前”貴方がくれたものです」

 

右手に出現させたのはエリス様から送られたあのナイフだ。それを震える手で受け取ったエリス様は膝からかくんと崩れ落ちた。彼女が取り落としたナイフは再び私の足元へと転がってくる。それを拾い上げた私は再びエリス様を観察する。彼女にやりなおしを告白したのはこれが初めてというわけではない。だが、彼女もアクアのように態度を急変する可能性も無きにしも非ずなのだ。

 

「過去の私はなんであんなこと……いや……状況的に仕方なくて……」

 

「エリス様」

 

「でもこのナイフの設計図を添付する意図は……やりなおし……死に戻り……タイムループ……ループ……こんなものが……タイムループ……?」

 

「エリス様!」

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

 ビクリと肩を震わせたエリス様に私は手を差し伸べる。困惑した表情の彼女は私の手を取る事に躊躇していた。そんな彼女の様子に思わずため息をついた。

 

「エリス様、私の記憶を見たのなら私の状況は理解出来たはずだ」

 

「それは……結局のところ八方塞がりという事ですか?」

 

「ああ、序盤の突破口を見つけてそれを実行した事に変わりはない。ただ、これからの事は正直言って貴方の協力を得てなお綱渡りな状況だ。だからエリス様……」

 

 

 

 

 私は片膝をついてエリス様と同じ目線に立つ。そうして、今一度自分の手を彼女へと差し出した。

 

 

 

 

 

「私を助けて欲しい」

 

 

 

 

私が差し出した手を、彼女は力強く掴んでくれた。

 

 

 

 

 

「ふふっ、しょうがないですね。本当にダクネスってば手のかかる子ですから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という事で、アクア先輩対策会議を始めるよー! はーいぱちぱぱちー!」

 

「…………」

 

「なにさダクネス。テンション低くない? 元はと言えば君が持ち込んだ案件じゃないかー!」

 

「まあ、そうだが……」

 

「もう、せっかくダクネスが話しやすいように”クリス”になってるんだから、もう少しリラックスしようよ」

 

「ああ……」

 

いまいち釈然としない心境のなか、私は椅子に腰を降ろす。対面の席に座ったクリスはいつもの盗賊衣装に身を包んでいた。もう何度も相対しているとはいえ、クリスの正体がエリス様であるという事実にはあまり慣れていなかった。

 

「さて、まずは対策会議を始める前に一つ教えてあげよう。ダクネス、あたしは君の”やりなおし”については確実とは言えないながらも、その現象が起きる理由を大体は理解したよ」

 

「なっ!? それは本当なのか?」

 

「うん、確実とは言えないけど……いや、たったいま確証が取れたよ。なるほど……なるほど……覚悟はしていたけれど……実に救いがない……」

 

「それはどういう意味だ!」

 

「本当にこんなことが……まさかそんな……元はと言えば……」

 

「クリス!」

 

 目の光が消えかけたクリスの肩を大きく揺さぶる。なんとか意志を取り戻したクリスだが、彼女は意気消沈した様子で大きくため息をついていた。

 

「なあクリス、やりなおしの原因とやらを教えてくれ! そうすれば私は……!」

 

「ダクネス、結論を急きすぎないで! その説明をする前に今の銀河の状況を理解する必要があるんだ。少し長くなる……というよりいずれは君も自然と分かる時がくるよ」

 

「誤魔化すな!」

 

「ダクネス……」

 

 明らかに話をはぐらかそうとしているクリスに私はとてつもない怒りが湧いて来た。だが、クリスはそんな私を見ても微動だにしなかった。

 

「ダクネス、正直言ってあたしは今の君を信用できない。君の精神に触れたから分けるけど、今の君は相当に歪んでる」

 

「私が歪んでる……?」

 

「言われても分からないの? 少なくとも、あたしの知っているダクネスなら安易に自殺となんていう、周囲を悲しませる行為はしないはずだよ。もちろん、君がこのやりなおしで受けた苦痛と経験でそんな精神性になったことは理解出来るけどね」

 

「貴方に私の何が分かる……やりなおしによって私の考え方に多少の変化があるのは仕方のない事だったんだ!」

 

「うんうん、理解してるよ。今、激高した風に装いながら、あたしからやりなおしの真実を聞いた後のプランを一気に5個も考え付いた。そのうち4個のプランの終着点が自殺して初めからやりなおす計画だね。確かに、理想を言えば私にすら頼らないのが彼を独占するためには一番いい事だけど……正直言ってあんまりだよダクネス……」

 

「…………」

 

 やはり、彼女も女神だ。私の考えを当たり前のように見透かしてきた。だからこそ、私は考えるのはやめた。今回は彼女に頼るのが最良の選択肢であった。

 

「それでも、あたしはダクネスを見捨てないよ。歪に壊れた精神でも、あたしを頼ってくれたのは確かなんだ。でも、自殺は絶対に許さない。安易に他人を殺害しようとしたり、必要以上に貶めるのも許さない。何年かかってもいいから、あたしは君を”人間”に戻すよ」

 

「やりなおしの真実は教えてくれないのか」

 

「うん、教えない。でも、ダクネスが彼と一緒に幸せを掴んで、人間としての感性を取り戻した時……そうだね……君の子供が立派に成人を迎えた時くらいに教えるよ。おっと、その右手に持ったものはなにかな? 自殺をほのめかして結論を急かすのは許さないよ! ”スティール”!」

 

 私が手に取っていたナイフを、クリスは窃盗スキルで奪い取った。ナイフを自分へと収納しようと念じるが、クリスの手からナイフは離れなかった。

 

「これは君がまともになるまで預かっておくよ……もう本当に……ダクネスってば……」

 

「泣くぐらいなら、いっそのこと教えて欲しいんだが……」

 

 悲痛な表情で涙を流すクリスを私はしばらくじっと見つめる。楽な自殺の手段は封じられた。いよいよ、今回は彼女に頼るしかなくなった。とはいえ、これも想定の範囲内である。どちらにしろ、アクアの動きを封じるには彼女に頼るしかないのだ。

 

「ダクネス、今からあたしが語る事はこの”やりなおし”の真実のごく一部だよ。これだけは心して聞いて欲しいんだ」

 

「ああ……」

 

「もう君が自殺しても、やりなおす事は出来ない。ダクネスの”終着点”はここだよ」

 

「何故そう言い切れる? 私の自殺抑止のためにそんな助言をしているのか」

 

「その意味も勿論あるさ。でも、これは真実なんだよ。もう、君は死んでもやりなおせない」

 

 クリスの瞳は真っすぐにこちらを射抜いて来た。正直言ってまだまだ真実についてもっと情報を得たかったが、ここは引き下がる事にする。私だって彼女の事を疑いたくはなかったのだ。

 

 

「それじゃあ、改めてアクア先輩対策会議を始めようか。真実が何であっても、アクア先輩という障害を取り除かなきゃ、あたしともどもダクネスは終わりだからね」

 

「まあな……」

 

「それじゃあ、今後についての方針だけど……ダクネスはアクア先輩が過去の周回で”妥協しろ”って忠告している事を覚えてる?」

 

「もちろん覚えているが……」

 

「はっきり言うけど、これが君が幸せになるための答えだよ。この忠告をした時のアクア先輩はあたしと同じくやりなおしの”真実”に気づいてる。だからこそ、あたしの答えも一緒だよ。妥協して、ダクネス」

 

 言い含めるようなクリスの言葉は私にちくちくとした不快感を与える。そんな事、百も承知だ。そうすれば丸く収まる事だって理解してる。だが、ここまで私は苦痛を乗り越えてやりなおして来たのだ。妥協して何もしなかった場合の世界と同様のパターン……カズマのハーレムの一員として終わるのはやはり簡単には受け入れられなかった。

 

「落ち着いてダクネス。物事を一か百かで極端に考えるのはやめてよね。つまり、ここでいう”妥協”は君の許容範囲、そしてカズマ君の許容範囲、アクア先輩やめぐみんの許容範囲の重なる点を見つける事が重要なんだ」

 

「つまりはどういう事だ?」

 

「もう少しダクネスは自分で考えた方が……まあいいや! とにかく、分かりやすい例でいえばカズマ君とアクア先輩の許容範囲だね。基本的にカズマくんはアクア先輩だけは自分の傍にいて欲しいという思いがある。そしてアクア先輩にも同様にカズマくんに傍にいて欲しいという思いがある。この場合における君の”妥協点”はどこだか分かるかな?」

 

 片目を閉じて私を試すような物言いの彼女に私は閉口する。クリスの言っている事はいまいち分からない。はっきり言ってしまえば、カズマとアクアの関係は悔しい事に相思相愛だった。お互いの存在を傍に置きたいもの同士を引き離すのは両者からの反感を……

 

 

 

「そうか……そういうことか……」

 

 

 

 その瞬間、私はやりなおしで得た知識がフラッシュバックする。確かに、カズマとアクアは切っても切れない関係だ。しかし、それはアクアがカズマを独占する事を意味してはいない。

 

「つまりは、アクアをカズマの傍に置くのは許しつつも、恋愛関係になるのは認めない。これが妥協点と言う奴か……」

 

「うんうん、よくできました。まあ大体そんなところだね。もちろん、彼らを傍に置くことで恋愛関係に発展する危険性はある。でも、カズマくんやアクア先輩のたづなを握ってコントロールすればそんな危険も回避できる。こういった妥協点を見つけて、後は君の努力次第さ。これが”妥協しろ”って事の本当の意味だよ」

 

 

 クスクスと笑うクリスに頭を撫でられながら私は急速に濁り固まった脳内が動き出すのを感じる。これらの妥協点はカズマ、アクア、めぐみんの心の内を理解しなければ探る事は難しい。だが、幸いにも私はこのやりなおしの中で彼らの想いの叫びを間近で聞いて来た。それらをすりあわせるの作業はそう、難しい事ではなかった。

 

 

「それじゃあカズマの妥協点についてだが……」

 

「おっと、その話をする前に彼の性格を考慮して一番効果がある作戦があるんだよ!」

 

「ふむ、続けて」

 

「カズマくんはこの世界の出身ではない事は知ってるよね? そして、彼の生まれた国は日本っていうところなんだけど、その日本人の典型的な特質とされている”判官贔屓”っていう言葉があってね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな作戦会議を終えた私は夜にはカズマの屋敷に戻って夕食を取っていた。だが、彼と二人っきりと言うわけではない。食卓には、ぎこちない様子のアクアと、満面の笑みを浮かべたエリス様が同席していた。

 

 

「はい、という事で乾杯です! おめでとうダクネス、カズマさん!」

 

「ちょっ!? 恥ずかしいですってエリス様! というかお赤飯って……」

 

「あれ? カズマさんの故郷ではこういう時はお赤飯を炊くんですよね? アクアさんと二人で準備したんですよ!」

 

「いや、確かにそういう風習はありますけど俺がいる場でこんな……」

 

「童貞と処女の卒業おめでとうー!」

 

「エリス様!?」

 

 テンションがおかしいエリス様にたじたじになっているカズマだが、一方で私とアクアの間に漂う空気は冷たかった。とにかく、アクアからエリス様が自由に出入りする許可はなんとか取れた。エリス様が屋敷に来た理由は表向きには私へのお祝い料理の持参のためだが、実はさきほどまでエリス様と二人でアクアの譲歩を引き出すために少し”お話”をしていた。

 結論から言えば、やはりアクアの情緒は不安定な状態に陥っていた、しかし、エリス様によるとこの状態を維持する事がマインドコントロールには欠かせないそうだ。また、アクアはもはや排除すべき敵ではない。彼女は味方に引き込むと決めた人材だ。

 

「いやはや、こういう形で祝って頂くのは少し恥ずかしいが……私は今まで以上にカズマと幸せになるつもりだ。なあそうだろうカズマ?」

 

「えっ……? いや、あの……」

 

「カズマ……」

 

 隣に座る彼に私はそっと腕を絡める。そうして、媚びるように体重を預けていると、彼の方からくすりとした笑いが漏れた。

 

 

「わかった! わかった……わかった! わかりましたよ! ダクネスの事は幸せにします! だから、娘さんは俺に下さいエリス様!」

 

「ふふっ、別にダクネスは私の娘っていうわけではないですが……もし彼女を悲しませるような事をしたら絶対に許しませんからね! 細切れにしてやりますから!」

 

「笑顔で凄い事言ってますねエリス様! なんつーか勘弁してください!」

 

 騒がしいカズマとエリス様を横目にアクアがおずおずと口を開こうとする。その瞬間、私はエリス様に視線を送る。私の意図を把握したエリス様は、アクアに口にローストチキンを放り込んでいた。

 

「ふむぐっ!? んーっ!」

 

「はい、アクア先輩も我慢できないみたいですし、食事を始めましょうか。はい、いただきます!」

 

「い、いただきまーす……赤飯は久しぶりだな……」

 

「なあ、カズマ。エリス様の言っていた故郷の風習ってなんだ?」

 

「えーっと、それはだな……」

 

 

 

こうして始まった夕食は水面下での攻防を繰り広げながら無事終える事が出来た。

 

 

 

 

 

 アクアは確かに強敵だ。特に、私のやりなおしについて知られた場合は大胆な行動にも出る事がある。ただ、私が余計な介入をしなければ彼女はめぐみんにたやすく負かされる存在である。この後の事後処理を間違えなければ彼女を制御する事は特段難しいものではないのだ。

 

 

 その後、しばらくの晩酌を楽しんだ後、カズマはお風呂へと向かった。その監視をエリスへと任せ、私はアクアに向き直る。彼女はお酒を浴びるように飲みながらも、私と二人っきりになったという事に戸惑い目を泳がせていた。私はエリス様と事前に決めた通り、真摯に彼女と向き合う事にした。

 

「すまなかったアクア」

 

「な、なんで謝るのよ……」

 

「こう言ってはなんだが、不意打ちのような形になったのは理解している。だから、すまない」

 

「謝られても私は別に……」

 

「もちろん、アクアの不安も分かる。これで私とカズマは明確に恋人になったとも言える。でも、私達はこれからも一緒だ。最初は少しぎくしゃくとするかもしれないが、いずれは今までどおりの関係に戻れるさ」

 

 私の言葉を受けて、アクアはしばし押し黙る。だが、しだいにひくひくと喉を鳴らし崩れた表情で涙を流し始めた。

 

「う、うそよ! ダクネスってば、ちっとも目が笑ってないじゃない! 本当は私が邪魔なんでしょう!?」

 

「…………」

 

「だいたい、おかしいのよ! 私はしっかり貴方達を見守ってたのに……そうか……多分エリスだわ! ダクネスってば、エリスにそそのかされたんでしょう!? 言っておくけど、あの子はカズマの事を病的に気にいっているのよ! きっと貴方も騙して……!」

 

「エリス様がカズマを愛している事は知っている。でも、私との仲を応援してくれると涙ながらに語ってくれたんだ。アクアは、私とカズマとの仲を応援してくれないのか?」

 

「っ……!」

 

 アクアは私の言葉に困ったように押し黙る。対して、私はこのまま”説得”を続ける事にした。

 

「アクアもう一度言う。私達はこれからも一緒だ。とは言っても、実はこれは本心じゃない。私はアクアに嫉妬しているんだ」

 

「嫉妬……?」

 

「カズマはアクアの事を自分の傍にいて欲しいと望んでいるはずだ。それは例え私と彼が結婚したとしても変わらないはずだ。カズマにとって、アクアは一緒にいて安心できる存在で……故郷を知る良き理解者で……アイツにとって人生を変えてくれた恩人だ」

 

「な、なによ急に!? おだててるつもり!?」

 

 口では反発しながらも、アクアの頬は紅潮して喜色を見せ始めた。ちなみに、このアクアへの口説き文句はエリス様監修である。エリス様曰く、アクアは承認欲求に飢えているらしく、とりわけカズマから求められ、認められる事に喜びを感じているらしい。わりかし尽くす女で扱いを間違えなければ従順な犬になる。それがエリス様によるアクアの評価であった。

 

「私だって、女として彼の愛情を一身に受けたいという思いがある。だが、カズマは例え私と結ばれた後でもアクアを傍にいさせる事を望んでいる。アイツにとって、貴様は一番の”親友”だからな」

 

「親友……」

 

 アクアはもう一度その言葉を反芻しながらも、少しだけ表情を曇らせる。だが、これでいいのだ。余計な事には気づかせなくていい。アクア自身はカズマからの割と重い感情には気づいていない。また、恋愛経験の乏しさから女としての自信は実はあまりないのがこの女の実情だ。カズマが見たというアクアとの淫夢を求めてサキュバスを殺戮していたのも、自分で彼自身に好意を聞いたり探ろうとする勇気がない故の行動である……とエリス様は言っていた。アクアが彼の想いを直接見ようしないのもこれが理由である。もし、カズマがアクアに否定的な感情を持っていた場合、それを読み取った瞬間にアクアのアイデンティティは崩壊する。それを恐れて彼女は消極的な行動に出ている。皮肉な事にそれがアクアを決定的な勝利から遠ざけていた。

 

 

 

「だから、私はアクアには今後も私達の傍にいて欲しい。きっとカズマも喜ぶはずだ」

 

「でも……」

 

「アクアは、私とカズマの事を祝福してくれないのか……?」

 

「うぐっ……わかった……わかったわよ! 私の負けだから!」

 

 

 観念したように項垂れるアクアに、私は追加の酒をついだグラスを手渡す。すると、彼女はグラスを奪い取ってグビグビと飲み始めた。

 

「本当にしょうがないんだから……」

 

「追加で言うと、私は貴様とは今後も恋のライバルでいるつもりだ」

 

「どういう意味よ……」

 

「そのままの意味だ」

 

「わけわかんない……」

 

 そう言って、机につっぷしたアクアは一言も声を発さなくなった。それを見ながら私は部屋を後にする。最低限の希望は残す。それも戦術の一種であった。

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、私は当然のようにカズマの部屋に訪れ、当然のように身体を重ねた。

一度経験してしまえば、それほど恥ずかしい行為でもない。むしろ、これほど素晴らしい行為はないと思えるほどだ。

 

 今はお互いに抱き合いながら余韻に浸っていた。だが、ぼそぼそと会話を続ける彼の受け答えは少し鈍かった。こんな時、彼がどんな話をするかはやりなおしで予習済みだ。

 

「なあダクネス、なんだかさっきまで隣室から少し物音がしなかったか? 流石にエリス様が家に泊まってるっていうのに性欲に負けたのはまずかったかな……」

 

「大丈夫だ。むしろ笑顔で祝福してくれると思うがな」

 

「そうか……? そういえばアクアも……」

 

そこでカズマの言葉は途切れる。だから、私は先制攻撃を開始した。

 

「カズマ、きっと今後は私達の関係も変わるだろうな」

 

「あっ……ああっ……まったく同じとはいかないだろうな」

 

「でも、私はアクアやめぐみんと縁を切りたいわけじゃない。カズマとはこれから結婚するわけだが、あいつらと友人である事に変わりはないからな?」

 

「えっ……結婚……? 随分と気が早いな……」

 

「恋人並みの濃密な時間はすでに過ごしただろう? 別に明日結婚してもいいくらいじゃないか。もしかして、私と結婚するのは嫌だったか……?」

 

「いや、そういうわけじゃなくて……あー泣くな泣くな!」

 

 カズマに抱きすくめられ、カズマの暖かさに身を包まれながら私は涙を引っ込める。ここからの話は事前に決めた通りやればいい。それだけだ。

 

「なあカズマ、私は貴族の女だ。決して好きな相手と結ばれるわけではないと子供のころから覚悟していたんだ。でも、そんな私の運命を貴様が変えてくれた。愛した男性が私の望まれない結婚を阻止してくれたんだ。だから、私はその愛した男性……カズマと添い遂げると決めたんだ」

 

「うっ……」

 

「そんな思いが溢れて思わず暴走した私を、貴様は優しく受け止めてくれた。だからそんなカズマと私は一緒に幸せになりたい」

 

「わかったから……別に結婚とかが嫌なわけじゃないんだ。単純に俺が意気地なしなだけだよ。むしろ、立場が逆だ。ダクネスみたいな女性に、俺は土下座しながら結婚を懇願する側だよ」

 

 

 そういって私を抱きしめるカズマに、私は全身を預けた。私は片腕でベッドのふちを小さく二回叩く。これは作戦成功の合図であった。そして、カズマの部屋の壁の一部が一瞬だけ、光を発する。どうやら隣室も順調に進んでいるようだ。

 

「ところでカズマ、貴様は愛人や側室を作ろうとか考えていないだろうな」

 

「な、なんだよ急に!?」

 

「これも大事な話だ。だから先に言っておく、そういう事は”5年”は我慢して欲しい。それ以降は、側室を作ろうが私は何も言わない」

 

 私の言葉にカズマは驚いたような表所を浮かべる。精一杯、彼に自分の身体を押し付けながら、私は彼の頬を撫でた。

 

「私と結婚した場合、貴様は入り婿ということになる。そんな入り婿にいきなり公的に”浮気”をされるのは流石の私も立つ瀬がなくてな。だが、婚姻から5年も経過すればそういう事もあると周囲も納得するし、貴族の間でもよくある事だ」

 

「ダクネス……」

 

「私の父は母だけ愛していた。その姿に私も小さな頃から畏敬の念は覚えていたが、私は別にそこまでは期待しない。ただ一時だけでもいいから私の事を愛してくれれば……あっ……!」

 

 

 

 

 カズマがもう一度私の身体を組み敷いて来た。そして、深く長い口づけを交わす。思わず蕩けてしまった私の表情に彼はニヤリとし笑いを浮かべつつ、そっと耳元で囁いて来た。

 

 

 

 

 

「愛してる……心配すんな……俺だってお前の望まねえ事はしねえよ……まったく、覚悟決めるしかないか……」

 

 

 

 

 

カズマに求められる快楽を享受しつつ、私はこぼれそうになる笑みを抑える。

 

 

 

 

これでいい。

時間的猶予はそのまま私の利益となる。

 

 

 彼の意識改革も、彼の倫理観に揺さぶりをかけるのも、彼ともっと深い愛を築くためにも時間はいくらあっても足りなかった。そして、こうして彼と身体を重ねるたびに私の完全勝利のへの道は見えてくるのだ。

 

 

 

 

「なあ、カズマ」

 

「なんだよ……」

 

「子供は何人欲しいんだ?」

 

「だから気が早いっての!」

 

 

 

そう言いながらも、彼は屈託のない微笑みを見せてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




時が経つのがはやい!
うん、遅くなってごーめんね!
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