屍のビリジアン   作:竜音 龍牙

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登場人物

青月海(あおつきかい)
星歌れもん(ほしうたれもん)
緑川龍治(みどりかわりゅうじ)


相棒リザードマン

 無事に帰宅した三人は夕食を終えると、海とれもんは二人、同じ部屋に戻った。

 

「はー、今日はマジで疲れたよー」

 海はベッドに倒れ込むと、ため息混じりの気の抜けたような声を零す。

「そうだね、怖かったぁ……」

れもんも椅子に腰掛け、緊張の糸が切れたように息をつく。

「あの後、龍治君が呼んでくれて、警察が来たみたいなのよね。それで、状況を説明してて、迎えに来るのが遅くなったんだって。龍治君のおかげで怖い人たち捕まってよかったー!」

その後、龍治のおかげで不良達は全員捕まったようだ。ひとまず、目先の脅威は去ったことに二人は安堵した。

すると、れもんが小声で海に言う。

「ねえ、龍治君に私の秘密、バレてないよね? あれからなんにも言われなかったし……」

「多分大丈夫だよ、あいつ普段通りだったから!」

二人はそんな会話をすると、今日の疲れを癒すため、早めに眠りについた。

 

 一方、緑川龍治はというと、この大きな屋敷の中でも最も豪奢な部屋で一人、これまた豪華な机につき、書をしたためる。これも魔界の王子の仕事なのであろう。机には大量の紙の束や本が丁寧に積み上げられている。

煌びやかな装飾が数多く施された部屋に、大きな机、そこに座る魅力的な少年……いかにも王子のそれと言ったところだ。

 

 ──その雰囲気とは似つかわしくない、スマートフォンの着信音が部屋に鳴り響く。

龍治は平然とした態度でスマートフォンを取った。

「ああ、俺だ、()()()だ。お前か……わかっている」

龍治はスマートフォン越しの相手の声を聞くと、冷静に返す。どうやら、相手は知っている人物だ。自らを『ビリジ』と名乗っているので相手も魔界に関係のある者らしい。

「なあビリジ! これの情報源は不確かなものなんだけどな、もしかしたらこの騒動に『レッドサーペント』っていう魔界のギャングが関わってるかも! 詳しいことはまだ分からないけど、その名前だけは覚えといてほしい、どうか、二人を守ってやって!!」

相手は少しだけ慌てたような声でまくし立てる。声の主は男というにはまだ少し若く、高めの声質の少年と言ったところだ。

「ほう、ご苦労だ。どうやって得たかは知らないが、どうやらその情報は正確なものなのだ。レッドサーペントは二人を狙っている、人間を使って二人を攫おうとしたのだ。それに、奴らがこの町の廃ビルに現れたという情報もあるのだ」

「へ? レッドサーペント知ってるのか!? って言うか人間に二人を攫わせた? ……どういうこと?」

龍治は先刻の出来事を説明した。

「え!? あいつが言ってたこと、本当なのかよ……そうか……じゃあ、レッドサーペントについて調べなきゃな」

男は動揺しつつも、少しの沈黙の後に覚悟を決めたような声色で言う。

「奴らを捕らえることができれば、この件の解決の手がかりを掴むこともできるかもしれないのだ……よろしく頼むぞ、友よ」

「何はともあれやっと進展があったな。頑張ろうぜ、ビリジ!」

 龍治は通話を終了すると、決心したように小さく頷き、作業に戻った。

 

 

 

 翌朝、三人は広間に集っていた。朝食の後、龍治から話があるということで、解散せずに、そのまま座っている。

 龍治が改まったように二人に向き直る。

よく晴れた、清々しい朝とは裏腹に、緊張で重い空気が広間に満ちている。

重要な話でもあるのだろうかと、二人は固唾を飲んで龍治の言葉を待つ。

「そんなに緊張することはないのだ。ただ、お前達に話しておかなければならないことがあるのだよ」

「だ、だって、昨日の今日だぜ? あれだけヤバいことがあった後だ……嫌でも身構えちまうよ」

突飛なことが立て続けに起こり、疲弊しきった二人の様子を見て龍治は言う。

「……無理もない、か。しかし、常に警戒し、身を守る体制をとることは大切なのだ」

 さて、と龍治は話を戻す。

「昨日の件なのだが、あの人間達を操っていた奴がわかったのだ」

そういうと二人は「本当か!?」と驚き立ち上がる。

「ああ、『レッドサーペント』という魔界のギャング共が、人間を雇い、お前達を攫うように指示したのだ。これがレッドサーペントのリーダー、カーマイン・スネークなのだ。この顔を覚えておきたまえ」

龍治は一枚の写真を取り出すと、二人に手渡した。

 

 写真の中の人物は、体格の良い大男だった。

褐色の肌に、蛇のような黄色い瞳、鋭い目付きが特徴的な男だ。服装は、いかにも不良といった黒いレザージャケットに黒いズボン、鮮やかな赤いTシャツ、そして、不気味な目玉の形のペンダント。短く切られた黒髪に、これまた派手な赤いバンダナ……

ギャングの印なのだろうか、バンダナとレザージャケットには赤い蛇の模様がある。

人間そっくりな見た目だが、人間とは違う異様なものに目を奪われた。

その人物にはなんと、大きな角と尖った耳、悪魔の尻尾のようなものまで生えている。

 

「いかにも強そうだなぁ……」

「こ、怖い……」

 写真を見た二人は、その見るからに屈強な男に恐怖を抱く。

「こいつが黒幕なの? ……なぁ龍治、勝てそう?」

海が冷や汗を流しながら横目で龍治を見る。

「違うのだ」

そんな海をあっさりと否定する龍治。

海は「は?」と拍子抜けした声を出す。

「奴は黒幕ではないのだ。それに、下級のオーガで、魔力もほとんど持っていないのだ。レッドサーペント自体が下級の魔物の集まりだ。取るに足らないのだよ」

 龍治が言うには、オーガというのは人間達のいう鬼のようなもので、オークと同じように、魔力はほとんど持っていないらしい。

「なんだ下級かぁ、龍治なら楽勝じゃん、早くやっつけちゃえよー!」

それを聞いた海は胸を撫で下ろす。

しかし、龍治は厳しい顔つきで続ける。

「レッドサーペントは操られているにすぎないのだ」

「それってどういう……」

「ギャング、すなわち魔界の無法者共が、人を攫うためにこんな地味で回りくどい方法を取ると思うか? それに、奴らが人間を襲う意味がないのだ。あるのは処刑のリスクだけなのだよ」

そう言われてみれば、この件は不可思議で矛盾点だらけだ。解決には圧倒的に情報が足りない。

「それに、他に黒幕がいる決定的な理由がもうひとつあるのだ。それには空間移動魔法が絡むのだ。お前達にも説明しておかなければならない」

そういうと、龍治は空間移動魔法について、説明を始めた。

 

 人間界や魔界だけでなく、異世界や様々な世界があり、その世界はそれぞれ別の次元に存在し、世界同士の干渉は大きな力が加わらない限り不可能だ。その大きな力にあたるもののひとつが空間移動魔法といえる。

 空間移動魔法とは、自らがいる世界の空間に穴を開け、そこから時空を移動することで、世界同士を行き来することができる魔法だ。

龍治もこの空間移動魔法を使い、人間界に来たという。

 しかし、空間移動魔法には大きな問題点がある。それは、発動させるには莫大な魔力が必要だということだ。並大抵の魔物には発動すら不可能で、使える程の魔力があっても、使いこなすには知識が必要で、魔法を熟知する必要がある。

そして、時空を移動する時には身体に大きな負荷がかかる。その負荷にも耐えなければならない。

そのため、空間移動魔法が使えるのは、ごく一部の上級や最上級の魔物だけである。

 

「ってことは、確実に上級か最上級の魔物が黒幕ってこと……?」

 二人はその真実を聞き、愕然とした。

「ああ、そうなのだ。それに、空間移動魔法には負荷がかかると言ったであろう、それなのに、何故下級の魔物を頻繁にこちらに送ることができると思うか?」

 

 空間移動魔法は、自らが移動するだけでなく、他者を移動させることもできる。しかし、同じく負荷がかかるため、耐えられる者でなければならない。その者を結界などで防護することは可能だが、その負荷に耐えられるだけの結界を作るにもかなりの魔力が必要だ。

 

「つまり、黒幕は莫大な魔力に知識、そして、統制力を持った組織の主導者である可能性が高いのだ。それに、そこまで空間移動魔法を熟知しているとしたら、空間魔法にも長けているはずなのだ。拠点は自らが生み出した空間の中にあり、見つけること自体が困難という可能性もあるのだよ……これは俺でも解決するのが難しい問題なのだ。戦闘になればこの俺でも敗北の可能性があるのだ」

 

 淡々と語る龍治だが、拳を強く握りしめ、小さく震わせていることから、彼一人には大きすぎる責任で今にも押しつぶされそうなのが見てとれた。

それでも無表情と冷静さを保つ龍治の手を、れもんはそっと取った。

「私たちに危機がせまってることはわかった……でも、三人一緒に乗り越えよう。私たちにできることは少ないけど、龍治君を置いて逃げたりしないから、大丈夫だよ!」

れもんは龍治を手を強く握り、笑顔を見せる。

「どうせ逃げられないなら俺たちで立ち向かおうぜ! 天才で最強の龍治ならやれるから、本気見せてやれ!」

海は龍治の背をどんと叩きサムズアップをした。

「フン、言ってくれるではないか、そうなのだ。この俺、魔界の王子ビリジ様に不可能などないのだ」

龍治はいつもの調子を取り戻し、自己陶酔した様子で語る。二人の言葉に背中を押され、自信を取り戻した龍治は、決意を新たにし、二人の方を見る。

「俺の活躍を特等席で見せてやろうではないか!」

 

 

 

     *

 

 

 

 三人は隣町にある、とあるアパートに来ていた。

そこまで特別といった雰囲気はなく、どこにでもありそうな二階建てのアパートだ。

豪華でもめだって大きいわけでもないが、比較的新しく、白い建物には清潔感がある。

「ここであってんのか……?」

「本当に、ここにその子が住んでるの……?」

二人が怪訝そうな顔つきで問う。

「ああ、間違いはないのだ」

もちろん、ここに来たのは龍治の考えがあってのことだ。

 

     *

 

 遡ること約一時間。龍治が空間移動魔法と黒幕について説明した直後。

「龍治はすごいよなー。この件にレッドサーペントっていうのが絡んでるって情報だけで、ここまで真の黒幕の特徴を予測できるんだからな。やっぱり天才だなぁ……」

「ここまで頭がいいなら対策もたくさんできるし、黒幕にも勝てるよ。ほんとすごい!」

 二人は龍治に感心していた。

「フッ……俺は秀才だから、この程度のことは容易なのだよ」

二人に褒められて龍治はさらに自己陶酔に浸っていた。

「大体の特徴は掴めたとはいえ、相手はまだ正体不明なのだ。まずはレッドサーペントを辿るのだ。レッドサーペント以外のギャングも支配下に置いている可能性が高い。慎重に行動するのだ。下級とはいえ、侮ってはならないのだ」

龍治はまずはレッドサーペントを捕え、情報を集めると共に、彼らを裁いて暴走を止めるつもりだ。

「そのためには彼に協力を頼むか。そうだ、お前達も彼に会っておきたまえ。俺の友人であり、協力者を紹介しておくのだ。ついてこい」

「協力者……」

二人は少しだけ不安なようだ。

「ああ、安心するのだ。そいつは俺が信頼する魔界の貴族で、歳も俺たちと大して変わらないのだよ。今から紹介してやる」

 早く支度をするのだ、と言うと龍治はどこかに電話をかけた。しばらくすると、屋敷の玄関近くに一台の高級車が止まった。先程、龍治が呼んだ使用人の一人が車を出してきたそうだ。龍治に促され、二人は車に乗り込む。その後に龍治も乗車すると、車は目的地に向かって走り出した。

 

     *

 

 時は現在、車で小一時間程の距離にある隣町のアパートにて。

 二人は龍治についてゆき、アパートの階段をのぼる。龍治は201号室の前で立ち止まり、インターホンを押す。

「はーい、どちら様です?」

インターホン越しに男の声が聞こえる。

()()()だ、二人も連れてきたのだ」

龍治がそう言うと、しばらくして扉が開く。

「待ってたよ()()()()! あ、そこの二人も上がって上がって」

出てきたのは、三人と歳の近い少年だ。

 上下とも灰色の部屋着に、不釣合いな、いかにも高級そうな紫のマントをつけた格好だ。茶色の髪は所々跳ねていて、無造作に背中の辺りまで伸ばされている。しかし、顔は整っていて、瞳は翡翠色で宝石のように美しい。優しい顔つきだ。

 

 少年は三人を歓迎している様子で家に上げた。

「お邪魔します……」

海とれもんは恐る恐る家に上がり、周りを見渡す。

 アパートの中は外見と同じで、それほど広いわけでなく、一般的なものといったところだ。室内は適度に生活感があるものの、殺風景で薄暗く、どこか閉鎖的で、心做しか気味悪さを感じる。

「こいつが……龍治が言ってた協力者……?」

「この格好……この人、貴族らしいけど、本当かなぁ……?」

二人は不安そうに小声で話す。

「あー、ごめんね。ここには仕事で一時的に住んでるだけだから、家具とかも必要最低限しかないんだ。あまり心地よくないかも……まあ、くつろいでいってよ」

それに気づいたのか、少年は少し申し訳なさそうに言う。

 少年は三人を部屋に通す。

その部屋は客間と呼ぶには質素で、白いカーペットが敷かれた部屋の中央に、ぽつんと小さなテーブルがある。

「そこ座って」

少年に促されて、三人はテーブルを囲むかたちで、カーペットの上に腰を下ろす。

少年は三人に麦茶を差し出すと、龍治の横に座る。

 

「突然のことですまないが、悠長に構えるのは良くない状況なのだ。理解してくれたまえ」

龍治が話を切り出す。

「いいよいいよ、やっと見つけた手がかりだ、ギャングが絡んでる大事みたいだから急いで対処しなきゃな、あんまり気にすんなよ!」

少年は龍治に優しく返すと、待ってましたと言わんばかりに名乗る。

「俺はバルザ! バルザ・シアン・リザード! ビリジの友達で、人間界に一緒に来た仕事仲間だ!」

 バルザと名乗る少年は、意気揚揚と自己紹介を始めた。

 

 彼はバルザ・シアン・リザード。

彼曰く、魔界の貴族である、シアン・リザード家の長男だそうだ。

 シアン・リザード家とは、リザードマンという種族の家系で、並のリザードマンよりも大きな魔力を持った、リザードマンの頂点ともいえる存在だ。

リザードマンは中級程度の魔力と力を有する一方、シアン・リザード家はその魔力の大きさから、上級程度の力を持った者が多い。

リザードマンは普通、魔法よりも肉体を使った仕事や戦闘が得意だが、シアン・リザード家はその大きな魔力を活かして魔法を使用することを主とする。

 その中でもバルザは飛び抜けて優秀だという。

彼は大きな魔力だけでなく、魔界では珍しく、一部のドラゴンしか持たない『能力』を持って生まれた特例だ。

重力を操る能力を持ち、その実力は王族も認める程だ。

 

「要するに、能力が使えるリザードマンってことだ、よろしくね!」

バルザは目を輝かせて二人を見る。

「リザードマン……?」

怪訝そうな顔の二人だ。きっと、彼がリザードマンには見えないのであろう。彼は、茶髪に緑色の瞳だが、ごく普通の人間のような見た目だからだ。

 何か思いついたように、あっと声をあげるバルザ。

「そうだ、これ見てて!」

そう言って一度手をたたくと、バルザの頭には二本の立派な角が出現し、目の下には黒い二本線のような模様が浮かび上がる。

「人間の姿に見える魔法を解いた! 普段は魔界でもこの姿なんだけど、リザードマンの姿もあるんだ、見たい?」

「う、うん。見たい……」

二人は驚きつつも好奇心に負け、リザードマンの姿も見たいと思ってしまう。

「よし、わかった!」

そう言うとバルザはもう一度手をたたく。

 刹那、バルザの身体は変形し、そこには水色の蜥蜴(とかげ)のような生き物が現れた。

 二人よりも一回りほど大きく、二足歩行で、骨格は人間に近いものの、全身が青い鱗で覆われており、鋭い爪を持った手足が特徴的だ。

そして、何より異様なのがその頭だ。太くて長い首の上には、まるで蜥蜴か恐竜のような頭がある。頭からは二本の立派な角が生えており、口には鋭い牙が並ぶ。爬虫類のような緑色の瞳、その下にある二本線のような模様。そして、太くて大きな尻尾……

 まるで物語に出てくるリザードマンそのものだ。

二人は驚き、しばらく呆気にとられた後、海

が口を開く。

「す、すげえ……本当にリザードマンだ……ゲームで見たやつそっくりだ……!!」

「う、嘘でしょ……」

バルザは驚く二人を見ながら、満足げに言う。

「この青い鱗と目の下の模様と角がシアン・リザード家の特徴だぞー!」

笑顔で楽しそうに語るリザードマンの姿を見て、恐怖が薄れたのか、二人も自然と笑顔になった。

 

 ひとしきり、二人にリザードマンの姿を見せたバルザは人間の姿に戻る。

そして、君たちのことも聞きたいな、と二人に催促する。

二人は自己紹介をする。

「君たちのことはビリジから聞いてるよ、仲良くしよう!」

気さくでマイペースなバルザはすぐに二人のことを気に入ったようで、二人の手を握ると上下に激しく振る。熱烈な握手だ。

「彼は俺の友人だ、どうしても一緒に来てほしくて、俺個人で協力を頼んだのだ。彼は実力があるのでな、下手に兵を同行させるよりも妥当なのだ」

どうやら龍治からも相当な信頼があるようだ。

「龍治も信用してるんだ、いいやつに違いないな!」

「そうね、ちょっと怖かったけど、優しくて楽しい、いい人ね!」

 それから、四人は随分と打ち解けたようで、しばらく他愛ない話で盛り上がっていた。

 

「互いに相手のことを知り、緊張も解けたみたいだな。本題に入るのだ」

 楽しい会話を終え、龍治は切り替えるかのように真剣な眼差しを向ける。

「あ、ごめんごめん。つい楽しくて話し込んじゃった! そうだよね、大事な理由で来てくれたんだ。しっかりしなきゃな」

バルザも、先刻の楽しげな様子が嘘のように切り替える。

「三人には既に話したのだが、この件にはレッドサーペントとという魔界のギャングが絡んでいるのだ。まずはレッドサーペントを捕えて、情報を引き出すことが最優先なのだ」

龍治は一呼吸置くと、話を続ける。

「それでだ。バルザも俺の屋敷に来て、捜索を手伝ってほしいのだ」

龍治曰く、人間界に来た魔物は、海とれもんを狙う以外で、人間に害を与えた例はないらしい。そのため、バルザが遠く離れた場所で魔物の行動を監視するのは無意味だという。

「そうだね、もうターゲットはわかったんだ。ここで情報を探す意味がない。それに、海とれもんを守るには、二人いた方がいいね」

バルザは三人に向き合う。

「これから大変なことがたくさん待ってるだろうけどさ、必ず四人で乗り越えよう。大丈夫だから!」

海とれもんと龍治は、バルザを受け入れたかのように彼の目を見て頷いた。




今回も読んでいただき、ありがとうございます!
今回の話では、世界観などの大事なことをたくさん書いたので割と重要な回になったかと思います。
これからの龍治とバルザの活躍をお楽しみに!
また次回のあとがきで会いましょう!
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