仮面ライダージオウ RE:ファイナルステージ   作:ホッケ@ががばばの謎

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EP.EX2「ライダーアナザージオウ·2019」

「またアナザーライダーか」

「『疲れてる』···って言ってられないよね···!」

二人はアナザーゴライダーを見据える。

ジオウは横長のウォッチ「ジオウIIライドウォッチ」を取り出し、右上のスイッチを押し込む。

 

《『ジオウII』!》

 

「だな···行くぞ」

ゲイツも砂時計に似たウォッチ「ゲイツリバイブライドウォッチ」を取り出し、上部のスイッチを押し込む。

 

《『GEIZ RIVIVE』···『剛烈』!》

 

ジオウは手にしているウォッチの右横のベゼルを回し、ウォッチを分割、同時にドライバーの両スロットに装填する。

ゲイツはドライバー右横のスロットにウォッチを押し込む。

すると、ジオウの方には鏡合わせに配置された時計盤が、ゲイツの方には砂時計を模したメカニカルな時計盤が展開される。

同時にドライバーを回転させ、その力を開放した。

ジオウは幾つものバンドに包まれ、ゲイツは武骨な造形の目立つバンドに囲まれて、その姿が変わっていく。

時計盤から二つの「ライダー」の文字、鋭角化した「らいだー」の文字が飛び出して、アナザーゴライダーを吹き飛ばす。

アナザーゴライダーが腕を交差させて防御する。

凄まじい勢いで衝突する文字たちの合間に二人の姿を見た。

 

 

方や全ての要素が左右で鏡合わせになる。

方や上半身が武骨で強固な鎧と化している。

ドライバーは、二人がより強大な力を得たことを告げた!

 

 

《ライダータイム!!

 

仮面ライダー!

ライダー!

 

ジオウ!

ジオウ!

『ジオウII』!!》

 

《RE·V·I·VE!

GORETSU!

『剛烈』!》

 

 

未来を見通す王子の姿。

「仮面ライダージオウII」

 

紅き超絶剛力の救世主の姿。

「仮面ライダーゲイツリバイブ 剛烈」

 

異なる時間軸においてはぶつかりあった双極の力が並び立つ。

「グゥゥゥ···」

アナザーゴライダーも本能で危険を察知したのか、唸り声を上げて構える。

双方走り始める。

力は互角。

互いが互いを殴り合う度に、地面や周りの建物を衝撃波が叩く。

 

《『POWERED NOKO』!》

 

ゲイツは手にしている「のこ」の文字が刻まれた武器「ジカンジャックロー」·パワードのこモードによる斬撃を放つ。

同時に、ジオウは手にしているジカンギレード·ケンモードとジオウ自身の顔がついた剣「サイキョーギレード」による連撃を加える。

攻撃が来ればどちらかが攻撃を受け止め、その背中から飛び上がって刃を突き立てた。

阿吽の呼吸から繰り出される連携攻撃でアナザーゴライダーは大きく吹き飛ばされる。

「一気に行くぞ!」

「ああ!」

 

《−サイキョー−フィニッシュタイム!》

 

《ZIKAN JACK!》

 

ジオウはジカンギレードとサイキョーギレードを合体させた必殺剣「サイキョージカンギレード」を構える。

対してゲイツはジカンジャックローにゲイツリバイブライドウォッチを装填し、下から上へと振り上げた。

ジカンジャックローから放たれた橙色の輪状の刃が地面をなぞり、アナザーゴライダーへ向かう。

それに対して、ジオウは横一閃にサイキョージカンギレードを振るい、刃を重ね合わせた。

 

 

世界すら揺るがす強大な時空エネルギーが一つとなり、アナザーゴライダーを十字に切り裂いた!

 

《−キング−ギリギリスラッシュ!》

 

《−GORETSU−

SUPER NOKO SETSU−ZAN!》

 

爆発に「ジオウ」、「げいつ」、「サイキョウ」などの文字が浮かび上がった。

「ツクヨミたちの情報通りなら、後六つか···いずれにせよ、向こうの方が多く持っている······急ぐしかない」

「ツクヨミ達より先に集めないと、大変なことになりそうだね···」

 

 

残るウォッチは後六つ···爆炎に近づきながら、残りを回収する方法を思案していたときだった。

 

 

 

《『ゴライダー』!》

 

 

 

「「!?」」

再び音声が鳴り響く。

爆炎の中に五体のシルエットが浮かぶ。

色こそは左から桃、緑、赤、青、黄···そして複眼は赤を覗いて赤い複眼とそれぞれ異なるものの、先程までの姿と瓜二つの見た目をしている。

真ん中に立つ赤色の個体は,その黄色い複眼を光らせて構え始める。

同時に残りの四体が一斉に駆け出した。

 

「嘘嘘嘘嘘!?!?」

「とんだサプライズだな···!」

それぞれ二体を相手するが、力こそ半減していても凄まじいものがある。

 

「グァァァ!!」

「ハァァ···!」

「痛ぁ!?」

「クッ、よりにもよってこんな時に来るとは!」

タイミングの悪いことに、二人を追っていたゾンジスとザモナスが現れてしまった。

不幸中の幸いか、ゾンジスとザモナスもウォッチを狙ってかアナザーゴライダーを攻撃している。

しかし、何れにせよジリ貧だ。

「ここまでか」と思われた。

 

 

 

「どうやら苦戦しているようだな」

 

 

 

いつの間にか、黒フードの人物が現れた。

 

 

「え?」

「···誰だお前は?」

その場に居る全員が黒フードの人物に注目する。

「······俺か?···俺は······」

黒フードの人物は自身の右手ーー正確には、右手に握られていたものを見ていた。

 

「ライドウォッチ!?」

「またこのパターンか?」

ゲイツのメタい発言を尻目に、黒フードの人物は白と金の何かーーウォッチを起動する。

 

 

《『アナザージオウ』!》

 

 

「『アナザージオウ』···?」

「···もしかして······」

ジオウは何か勘づくものがあるようだ。

黒フードの人物はジクウドライバーにウォッチを装填する。

そのままドライバー上部のボタンを押し込む。

彼の背後には、歪んだような時計盤が時を戻すがごとく反時計回りに廻っている。

 

その右手をドライバーの左側に回し、言葉を告げる。

 

 

「·········変身···!」

 

 

《ライダータイム!》

 

くぐもった鐘の音が鳴り響き、時計にひび割れたマゼンタの「ライダー」の文字が浮かぶ。

黒ずんだ金色のジャイロスコープが周りを囲み、収束する。

 

その姿はソウゴの変身するジオウとは、似ているようでまるで反対の姿であった。

全体的に白と金が多く、額の指針も2時50分を指している。

そのマッシブな体型は、洗練されたジオウのデザインとは打って変わって、宝石の原石のような荒々しさーーある意味、「アナザーライダー」に近いデザインになっている。

マゼンタ色の「ライダー」の複眼、その形は何処か「もう一人のソウゴ」が変身していたライダー「仮面ライダーバールクス」にも似ていた。

その複眼に隠された眼は、眼の前の何かを鋭く睨むよう細まっている

そして、ドライバーから新たなるライダー生誕の祝福が歌われた!

 

 

 

《仮面ライダージオウ!

 

 

ア ナ ザ ー !》

 

 

 

「仮面ライダーだと···!?」

「その姿は···」

「······そうだな、言うなれば······

 

 

 

『仮面ライダーアナザージオウ』······!」

 

 

 

アナザージオウは懐から、バールクスが使用していたものと瓜二つな剣を取り出し、ここに居る全員を見据えた。

 

 

 

···そして、アナザージオウは近くにいたゾンジスとザモナスにその刃を突き立てた。

「何!?」

「詳しい説明は後だ、今はコイツらを撃退するぞ!」

「···分かった!···行くよゲイツ!」

三人は迫ってくるアナザーゴライダーやゾンジス、ザモナスの攻撃をいなし、一箇所に集まる。

「コイツで···!」

 

《『ロボライダー』!》

 

アナザージオウが黄色のウォッチを起動すると、何処からかミサイルが飛んできた。

それらはゾンジスやザモナス、そしてアナザーゴライダーたちをも巻き込んで大爆発を起こした。

···爆炎が晴れると、既に彼らの姿は無かった。

ゾンジスやザモナスはその場を一旦離れ、分裂していたアナザーゴライダーたちは再び一つとなり、同様に姿を消した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー「······ライドウォッチを奪取できず、あまつさえアナザーライダーや彼らを逃しただと!?」

赤ウォズはゾンジスやザモナスからの報告を受けていた。

「我が女王の名の下でそのような失態など万死に値する!!」

怒りを顕にする。

「落ち着きなさい、赤ウォズ······幾らか想定外の出来事が積み重なってしまっただけよ」

ツクヨミは冷静に赤ウォズを抑える。

「だが!·········いえ、失礼した、我が女王·········」

赤ウォズも何とか落ち着いたようだ

ツクヨミ陣営において、目下最大の障害は···

 

 

「『仮面ライダーアナザージオウ』······何者なの?」

 

 

そう、突如現れたあのライダーの事だ。

変身者である黒フードの人物といい、想定外が積み重なり過ぎている。

しかし、同時にある吉報もあった。

「我が女王、あの手駒共によると···『件のライダーは未知のライドウォッチを用いて彼らを逃した』、と······」

 

「ロボライダー」。

かつて存在したあるライダーが、悲しみの涙によって手に入れた力。

そして、そのライダーは平成ライダーとしては「言い伝えられていない」、すなわち···

「···そのライダーが持っているウォッチが、私たちの求めているウォッチってことね」

「恐らく、そうであるかと···」

「ウォッチを先回りして手に入れるわ、一個でも多く······数としては此方の方が上だけど、いつ先を越されるか分からないわ·········行くわよ」

「承知した、我が女王···」

アナザーライダーを追い、ツクヨミが動き出した······。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー「······あんたは一体···?···何で俺と似た姿なの?」

 

「お前の使っていたウォッチ···確か『もう一人のソウゴ』も持っていた······ジオウに似た姿といい、お前もクォーツァーと関係あるんじゃないのか?」

 

何とか逃げ出すことに成功し安堵する中、二人は募る疑問を黒フードの人物にぶつけていた。

「落ち着け、順番に答えさせてほしい」

黒フードの人物はそれをなぁなぁと抑え、息を整えた。

「···まず第一に、俺はクォーツァーじゃない···あのウォッチも、ある連中から奪取しただけに過ぎない」

「別人···?···じゃあ、あんたは···」

黒フードの人物はソウゴの眼を見つめる。

 

 

 

 

「···俺はお前に二度敗れた」

 

 

 

 

「えっ?」

黒フードの人物は、過去に二度もソウゴから敗北を喫したことがあるらしい。

 

 

 

 

「······そして、こう言われた·········

 

 

 

『きっと俺も『飛流』も乗り越えられる···あの過去の日から···』、とな」

 

 

 

 

ソウゴが覚えている限り、その言葉を送ったのは一人だけだ。

黒フードの人物はゆっくりとフードを下ろす。

その顔は······

 

 

かつて「アナザージオウ」として立ちはだかった少年···「加古川 飛流」だった。

 

 

「思い出したか?」

「飛流···」

ソウゴは一瞬固まるが、歓喜と警戒心を浮かべる。

「····覚えていてもらえて光栄だよ」

···どうもその言葉は嘘ではないらしい。

ソウゴはいつの間にかウォッチを握っていた。

「······何のつもりだ」

「また···俺を倒しに来たんでしょ···?」

「待ってくれ!···お前を倒すんだったら、あの場で見殺しにするか直接攻撃する!」

「······確かに」

ソウゴは一人納得する。

 

「信じられんな···あのアナザーライダー達やゾンジス、ザモナスをけしかけ、ツクヨミやウォズを操ったのは···お前じゃないのか?」

ゲイツはやはりというか、過去の経験から警戒心が緩めないでいる。

「信じてもらえないかもしれないが···俺は改心した」

 

 

飛流は語る。

「ソウゴの言葉を深く考え、自分に見えなかったものが見えた」と。

「だからこそ、導かれるように覚醒した自分の力を人を救うために使いたい」と。

それでも、ゲイツは納得できない様子でいる。

「······だったら」

飛流はドライバーとウォッチを地面に置き、腕を広げた。

 

 

「ドライバーとウォッチを壊して、俺を殺すといい···抵抗はしないさ···」

 

 

今までからは考えられない行動にゲイツは戸惑う。

そうこうしていると、ソウゴが飛流の下に向かう。

ドライバーとウォッチを拾い上げ、飛流の胸に押し当てた。

 

 

「···信じていいんだね?」

 

「ああ、お前の言う通り···何時までも過去にしがみついているばかりじゃいけない······『今』を生きなきゃな」

 

「分かった、手伝ってくれる?」

「いいのか···?」

ゲイツは問い掛ける。

「大丈夫、この事件にも詳しそうだしさ」

ゲイツは渋々といった様子で納得した。

「ありがとう······じゃあ、本題に入ろう」

 

 

飛流が事を起こした真犯人を告げる。

 

「この事件を起こしたのは、『ライダー皆無主義者』という連中だ」

 

「ライダー皆無主義者」···随分と物騒な名前だと、ソウゴは思った。

「どんな連中なんだ?」

「『仮面ライダーは正義のヒーローに非ず』、『子供騙しじみた茶番劇を行う愚か者共だ』とする過激派だ」

 

 

·········ん?

 

 

「連中は『言い伝えられぬライダー』の力を使って、手始めにこの『平成ライダー』の歴史を全て抹消しようとしている···

 

···そして、ゆくゆくは全ての時空に存在するライダーを消し去るつもりだ······!」

 

「!?······何て事を···!」

その恐ろしい算段に戦慄するソウゴ。

ゲイツも、驚きを隠せない様子だ。

飛流はウォッチを握り、話を続けた。

「······俺のライダーとしての力が覚醒したとき、連中の存在と企みに気付いたのは俺だけだった」

ウォッチを強く握りしめる。

今や砕かれんばかりに力が加わっている。

「俺は悟ったんだ、『今も過去も消させちゃいけない』って···それが、『今俺がやるべき事』なんだってな······」

「そうだったんだ···」

「俺は連中のアジトに侵入し、運良くこのウォッチを手に入れた」

飛流は緑、黄、青のウォッチを取り出す。

「それは···」

 

「そうだ、クォーツァーのリーダー···『仮面ライダーバールクス』が持っていたウォッチだ···連中は、あの闘いの後に密かにコレを回収していたらしい」

 

ソウゴはあの闘いの感傷に浸ってみたが、少し顔をしかめただけだった。

「なるほどな、手始めに平成を消し去ろうとしているのだから、前例に倣うのは当然か」

ゲイツは一人納得した。

「そういうことだろうな······他にもウォッチはあったが、コレで精一杯だった」

「···そっか······よし!」

ソウゴが声を上げた。

「ツクヨミや赤ウォズに先手を取られないように、まずはさっきのアナザーライダーを追おう!」

「···行動あるのみ、か」

「ああ、早く連中の企みを止めよう!」

ゲイツ、飛流の順で決意を現し、三人は行動を開始した。

 

 

 

 

 

 

「······全ては、俺の思うがままに······!」

飛流がかすかに不気味な笑みを浮かべていたことに気付かずに···。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー《『1号 THE FIRST』!》

 

《『2号 THE FIRST』!》

 

二体のアナザーライダーが現れる。

二体とも先程のアナザーゴライダーに似ているが、翅のようなマントはなく、深緑の皮膚が陽の光を暗く反射する。

首筋にはまるでコードのような髪のようなものや赤いネクタイマフラーのようなものが生え、赤の眼と緑の眼が二体で左右対称についている。

一方は深緑色の、もう一方は薄緑色のグローブやブーツを身に着けている。

太腿に刻まれた文字はそれぞれ「ICHI GO FIRST」、「NI GO FIRST」、そして共通して「2019」

 

 

「アナザー1号F」と「アナザー2号F」が虚ろげに彷徨っているところに、既に変身しているツクヨミとウォズが攻撃を仕掛ける。

赤い銃弾と緑の一突きが同時に炸裂し、二体は仰け反る。

「我が女王···ここは私が」

「私が闘えないと思ってるの?」

「おっと···失礼した、我が女王」

どうもこの強気な部分に関してはツクヨミ本来の気質のようだ。

ウォズはツクヨミと背中合わせの位置に周る。

 

最初に動き出したのはアナザーライダー達だ。

アナザー1号Fは脚、アナザー2号Fは拳を突き出すが、寸前で躱される。

ならばと振り返りざまに攻撃するが、今度は受け止められてしまった。

二人は離れる。

ツクヨミはアナザー1号F、ウォズはアナザー2号Fと相対する。

 

 

ツクヨミは連続で殴りかかるアナザー1号Fを腕で弾きながら回避し、その腕を掴んだ状態で蹴りを放つ。

その蹴りは鳩尾辺りに吸い込まれ、アナザー1号Fは蹌踉めく。

しかし、すぐさま立ち直ったアナザー1号Fがツクヨミを掴み上げ、後方へ跳躍し空中回転、そのまま地面へ投げつけた。

放たれた地獄車にツクヨミはたじろぐが、その戸惑い以上に怒りを表した。

 

 

「······女王に向かって無礼な!」

 

 

ウォッチ、ドライバーの順に上部のボタンを押し込み、ドライバーを回転させる。

すると辺りは夜が如く闇に包まれ、夜空に三日月が輝きを放つ。

その光を逆行にツクヨミが浮かび、エネルギーが収束する右脚から三日月状の「キック」の文字を放った!

 

《タイムジャック!》

 

その鋭い文字がアナザー1号Fの胸部に叩きつけられ、眩い金色の光へと変換されたのちに爆炎に昇華した。

「ふん···呆気ない幕切れね」

ツクヨミはそう吐き捨てた。

 

 

一方、ウォズの方は巧みな槍術でアナザー2号Fを寄せ付けなかった。

「そう簡単に我が女王に近付けると思わない事だ···!」

ウォズは挑発した。

アナザー2号Fは怒ったのか、その両腕で地面を激しく叩きつける。

するとどうだろうか、地面は波紋状に波打ち、ウォズの脚が波に飲まれて動けなくなってくる。

「···全く品がない、もっと飄々と躱すくらいの冷静さを持つことだ」

ウォズは再び挑発する。

悪手であると分かっているはずなのに、敢えて挑発している。

アナザー2号Fは更に怒り狂い、ウォズの下へと駆け出した。

その拳を振り上げ、ウォズの顔面にめり込むかというときだった。

【ガキンッ!】

甲高い金属音が鳴り響く。

 

 

「···まぁ、言葉を理解できるくらいの知性があるのは幸いだったけどね」

 

 

アナザー2号Fの胴をジカンデスピアが穿いていた。

このタイミングを見計らうために、わざわざ自らを危険に晒した、という訳である。

 

《フィニッシュタイム!》

 

ウォズは素早くジカンデスピアにあるタッチパネルをスワイプする。

緑色の刃がアナザー2号Fの身体を中から焼き、ウォズは横振りにジカンデスピアを振り回した!

 

《『爆裂·DE·ランス』!》

 

アナザー2号の身体は爆炎を巻き上げて吹き飛ばされてしまった。

吹き飛ばされた二体のアナザーライダーは、前例に従いウォッチを生み出した。

 

《『1号 THE FIRST』!》

 

《『2号 THE FIRST』!》

 

 

 

 

 

 

《『V3 THE NEXT』!》

 

 

しかし、事は上手くいかないときもある。

アナザーライダーが巻き上げた爆炎同士が合体し、中から新たなアナザーライダーが現れる。

 

全身に茶緑の布地、色褪せた白の蛇腹状の装甲を纏い、左腕が3本の鉤爪を伴う巨大でグロテスクな造形の手甲になっている。

しかし、それ以外は先程のアナザー1号F·2号Fの半身を無理やり括りつけたような皮膚を持つ。

翅のような、ネクタイマフラーのような黄色いものを首に固く結びつけ、臙脂色のヘルメットに埋め込まれた緑色の複眼がその場に居るツクヨミとウォズを睨んでいる。

太腿に「V3 NEXT」、「2019」の文字。

 

 

ーー「アナザーV3N」が炎を纏って立ちはだかる。

さながら「復讐鬼」のような荒れ狂る怒りを感じ取れた。

「新手?」

「おそらく、ライドウォッチの残滓によって出来たものだ···」

その手甲を持ち上げ、旋風にも似た鋭い斬撃を放つ。

一瞬で地面が抉り取られ、持ち上げられた岩石群がツクヨミとウォズに降り注ぐ。

二人とも寸前で躱すが、先程まで立っていた場所には無数の岩石が突き刺さっている。

そして辺りを見回すと、アナザーV3Nの姿がなかった。

「逃げられたわね···」

「追うとしよう、我が女王」

彼らはアナザーV3Nを追い、その場を離れた。

 

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