仮面ライダージオウ RE:ファイナルステージ 作:ホッケ@ががばばの謎
ーー「やっと見つけた!」
所変わり、アナザーゴライダーを見つけたソウゴたち。
それぞれドライバーを腰に装着し、手にするウォッチーーソウゴは黄金の巨大なウォッチ「グランドジオウウォッチ」を、ゲイツはゲイツリバイブライドウォッチ、飛流は白と金のライドウォッチ「アナザージオウライドウォッチ」を装填し、その力を解放した。
「「「変身!!!」」」
《グランドタイム!
『祝え!』!
仮面ライダー!!!
『グランドジオウ』!!!!》
《REVI·REVI·REVI!
REVI·REVI·REVI!
REVIVE!
SHIPPU!
『疾風』!》
《ライダータイム!
仮面ライダージオウ!
ア ナ ザ ー !》
全平成ライダーの力を受け継ぐ黄金の姿。
「仮面ライダーグランドジオウ」
疾風怒濤の蒼き姿。
「仮面ライダーゲイツリバイブ 疾風」
アナザーでありながらライダーとなった姿。
「仮面ライダーアナザージオウ」
三つ巴の闘いを繰り広げた者たちが手を取り合う。
《『ゴライダー』!》
アナザーゴライダーが前回以上に警戒心と殺気を高めると同時に、再び五体へと分離した。
「さあ、行くよ!」
ジオウが他の二人に発破をかけると同時に、全身にあるレリーフを連続でタッチする。
左脛、右脛、左胸、右腕、右胸の順にタッチすると、「2013」、「2004」、「2016」、「2002」、「2007」と表示されるゲートが出現する。
《『鎧武』!》
《『ブレイド』!》
《『エグゼイド』!》
《『龍騎』!》
《『電王』!》
そしてその中から、本来は歴史から消え去ったはずの平成ライダーたちが飛び出した!
鎧武は赤、ブレイドは青、エグゼイドは黄、龍騎は緑、電王は桃の個体に闘いを挑む。
鎧武は無骨な鎧を纏い、手にした大剣で黄色い槍を持つアナザーゴライダーRと斬りあう。
ブレイドは翼を広げた姿となって、同じく飛翔するアナザーゴライダーBと空中戦を繰り広げる。
エグゼイドは黄色とマゼンタの混ざるバイクのような姿となり、アナザーゴライダーYが放つタイヤのようなものを軽やかに躱しながら手にするタイヤのようなものから光弾を放つ。
龍騎は腕の龍の頭のような装置にカードを読み込ませ、右腕に出現させた龍の頭部から火炎弾を放ち、巨大なキャノン砲を乱射するアナザーゴライダーGを蹌踉めかす。
電王は滅茶苦茶ながらも力強い剣筋と喧嘩殺法で、手にした弓で防御しようとするアナザーゴライダーPを追い詰める。
勝負は優勢だった。
「ガァァァ!!」
しかし乱入者が現れる。
茶緑の身体、臙脂色の頭部、肥大化した左腕、緑色の複眼···
ツクヨミ達が取り逃がしたアナザーV3Nである。
旋風の如き速さで、代わり代わりに召喚したライダー達を援護するジオウに近づく。
「速さ比べか?なら俺を呼んでもらおうか!」
しかし悲しいかな、蒼き疾風と化したゲイツに邪魔されたアナザーV3Nは、苛立つように唸り声を吐き出す。
「手出しはさせんぞ!」
アナザージオウも声を上げ、背後から斬りつける。
「え、何!?···って、二人とも···」
「ここは任せろ」
「お前はあのアナザーライダーを!」
「···ああ!」
ジオウは二人を信じ、改めてアナザーゴライダーを相手取る。
ゲイツ、アナザージオウ。
挟み撃ちとなったアナザーV3Nは右腕で背後のアナザージオウを殴りつける。
アナザージオウは一瞬蹌踉めくが、その強靭な身体には対してダメージがない。
お返しとばかりにドライバーから飛び出した剣がアナザーV3Nに直撃し、跳ね返った剣をキャッチしたアナザージオウに横一文字に斬られる。
真っ二つに裂かれる事こそなかったが、その鈍い痛みはアナザーV3Nを苛立たせるのに十分だった。
左腕から旋風のような斬撃を繰り出し、ゲイツとアナザージオウに襲いかかる。
《『バイオライダー』!》
《FINISH TIME!
『REVIVE』! 》
しかし、ジオウを打ち破る力を秘めた救世主としての姿であるゲイツと、一度はソウゴと渡り合い、更にライダーとして覚醒したアナザージオウはそう簡単に倒れなかった。
アナザージオウは水色に染まりさながらスライムのような状態で、ゲイツは未来予知すらも超える超加速によって斬撃と蹴りを回避した。
「グゥ!?」
アナザーV3Nが戸惑う。
その判断が命取りだった。
《−HYAKURETSU−TIME BURST!》
《フィニッシュタイム!
タイムブロークン!》
ゲイツが上空から何度も何度も蹴りを浴びせる。
時空エネルギーを極限にまで引き伸ばしたことによる強烈な蹴りが連続で叩き込まれていく。
アナザーV3Nはその連脚からも耐えるが、アナザージオウがその足元から液状化を解き、白い閃光を纏った強烈な蹴りを放ったことで土手っ腹にまともに食らう。
完全に不意を突かれたアナザーV3Nは上空へと打ち上がり、それを見計らったゲイツの最後の蹴りが突き刺さった。
穿かれた身体が爆炎となり、ライドウォッチを吐き出す。
そして地面に立つアナザージオウが丁度いい位置で掴み取った。
《『V3 THE NEXT』!》
二人はジオウへ合流するために、再び走り出そうとしていた。
物陰から現れた者達に気付かぬまま···。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーアナザーゴライダー達と対峙するジオウ。
彼はその魔王としての力を存分に発揮し、アナザーゴライダーを追い詰めていた。
《『カチドキ』スパーキング!》
二振りの旗が橙色の衝撃波を放ち、
《『RIGHTNING SLASH』》
空中から急降下してから蒼い稲妻を纏った剣で横一文字で切り裂き、
《−BAKUSOU−CRITICAL STRIKE!》
黄色いオーラに包まれて挟み込むように投げられたタイヤで叩き潰し、
《『FINAL VENT』》
大量の紅蓮の火炎弾で焼き尽くし、
《FULL CHARGE!》
本体から分離した赤い刀身が十文字に振るわれ、
各々が振るった必殺技により、アナザーゴライダー達が爆散し、四散した粒子が元のアナザーゴライダーを形作る。
アナザーゴライダーは狼狽えつつも、腕を振るって虚空を斬る。
斬撃跡からドット調の穴のようなものが生まれ、そこから城と一体化したようなおぞましい形相のドラゴンと、先頭部が異様に肥大化した列車が飛び出し、火炎弾や光弾でジオウ達を攻め立てた。
「くっ···まだまだぁ!」
《『電王』!》
《『キバ』!》
ジオウは右胸二箇所のレリーフに触れ、先程の怪物たちをよりヒロイックにしたようなーーいうなれば「オリジナル」を呼び出した。
空の上、炎と光による大乱闘が行なわれている中、ジオウはアナザーゴライダーへと駆ける。
手にしたサイキョージカンギレードの刃を的確に表皮へと突き立て斬り裂いていく。
アナザーゴライダーはジオウの蹴りによって後退するが、その直後に両腕を胸の前にかざす。
開かれた手のひらに淀んだ色の光球が創られ、それをおもむろにジオウの方へと投擲した。
「えっ、うわ!?」
ジオウは思わず両腕をクロスさせて防御の姿勢を取る。
その光球はジオウの前に躍り出た鎧武によって押さえつけられ、上空へと弾かれ、赤色に染まった。
「ん?」
それを見たブレイドは空を飛び、今度は地面に向かって光球を蹴りつけ、光球は蒼色に変化する。
「お?」
光球の直線上にいたエグゼイドは、手にしているタイヤで真っ直ぐに光球を吹き飛ばし、光球は黄色になる。
「おお?」
光球を見据えた龍騎が抑え込み、上手投げの容量で投げ、光球は緑色に変わる。
「これは···」
落下線上にいた電王は慌てながら、バレーのレシーブの容量で上空へ飛ばし、光球は桃色に変色した。
「···ハッ!これなら行ける気がする!」
ジオウは一連の光景で何を察したのか、素早くドライバーを操作して光球の下へ跳躍する。
《フィニッシュタイム!
『グランドジオウ』!》
そして、上空へ飛ばされたその光球を···
「トラーイ!」
《−オールトゥエンティ−タイムブレイク!》
···ムーンサルトキックで蹴りつけた。
光球は黄金色になり、アナザーゴライダーへと一直線に向かう。
その軌跡に「トゥエンティハリケーン」の文字を刻みながら、光球はアナザーゴライダーを貫いた。
「ガァァァァァァァ!!」
大爆発の後、その後ろでもアナザーゴライダーが召喚した怪物達が炎を巻き上げ墜落した。
その爆炎の中から、ライドウォッチが飛んできて、ジオウの手の中に収まった。
《『ゴライダー』!》
「よし!これで全部のはずだ···!」
ジオウは少しばかり安堵した。
先程別のアナザーライダーに奇襲されたところを助太刀してくれたゲイツとアナザージオウも、そう簡単に負けるタマでも無し。
ツクヨミやウォズを解放するためにも、もう少しの辛抱と振り返る。
「グァ!?」
「アァァ!?」
······当の本人たちが足元に飛び込んできた。
「ゲイツ!?飛流!?」
「実に有り難い、残りのウォッチを既に集めてもらえたとは···」
歩みよる足音の正体は、ツクヨミとウォズだった。
その手には、ゲイツやアナザージオウから奪い取ったであろういくつかのライドウォッチがある。
「···二人とも、立てる?」
「ああ···何とかな···」
「ここで倒れるようなら、『仮面ライダー』としての名が折れる···!」
二人はまた立ち上がる。
「お前らに渡すつもりはないぞ、ツクヨミ!」
「なら···『力尽く』ってやつね······!」
火蓋が再び切って落とされる。
ツクヨミがファイズフォンXから光弾を放つと同時にウォズが駆け出す。
ジオウは躍り出てそれを受け流し、背後にいたゲイツがその勢いを抑え込む。
ジオウはツクヨミの拳を躱し、近づいてきたアナザージオウがツクヨミを斬り裂く。
ゲイツとウォズは、互いの武器で鍔迫り合い、ほぼ同時に均衡を崩して互いを斬りあう。
ジオウはツクヨミの身を案じてしまうのか、抵抗できない。
ツクヨミがジオウの腹に蹴りを叩き込んだところで、アナザージオウがふと呟く。
「···そろそろか······ハァァ···!」
アナザージオウは剣を構え直し、その切っ先をツクヨミの背後に滑らせる。
ツクヨミが弾かれた衝撃で、その手元にあったウォッチの全てが溢れ落ちた。
続け様にウォズの下に向かい、その背後に剣を突き出した。
「よし···」
ツクヨミとウォズが回収していたウォッチ共々が、アナザージオウが何処からか取り出したる台座へと自動的に嵌め込まれる。
「!!···ウォッチを返しなさい!」
ツクヨミはウォッチを奪ったアナザージオウに憤慨する。
「······助かった···」
ジオウの安堵が響く。
しかし、それに対してのアナザージオウの返事は···
「『助かった』?······ハッ···何を勘違いしている?」
「······え?」
ジオウたちの方へ向きながら、何処かおかしな解答をする。
ソウゴは一瞬その言葉を理解できなかったが、
すぐにその言葉を理解することになる。
「グァァァ!!」
「ハァ!」
背後から、おそらくジオウたちを追いかけていたであろうゾンジスとザモナスが襲いかかる。
···しかし、些かタイミングが良すぎる。
しかも、よく見ればツクヨミやウォズの方にも攻撃しているではないか!
ジオウはすぐに察する。
「飛流!···これはどういうことだ!?」
···これは飛流の策略だと。
「『どういうことだ』って?···ハッハッハッハッ!!」
アナザージオウが嘲笑った。
「俺が本当にお前の仲間になっていたと思っていたのか?···おめでたいやつだ······!」
ゲイツは、「やはりか」と言わんばかりの怒号を上げる。
「まさか···お前!」
「そうだ···」
アナザージオウはその言葉に肯定する。
「全ての黒幕は······この俺だ!」
アナザージオウは左腕を伸ばし、その掌から黒い波動を放つ。
波動がツクヨミとウォズの身体を包み込む。
「グァァァ!!」
「アアァァ!!」
何かが無理やり入り込むような感覚が全身を駆け巡り、悲痛な叫び声を響かせた。
「ウォズ!」
「ツクヨミ!」
二人が声をかけた時には既に遅し、彼らは顔を俯かせ、虚ろげに三歩進む。
「この俺が、俺自身の力でその記憶を書き換え、ウォッチを集めさせたのだ···!」
そしてジオウとゲイツに襲いかかる!
「「テイヤァ!!」」
迫りくる四人のライダー。
「奴らは俺の思いのまま······」
「やめてくれ!···ツクヨミ!···ウォズ!」
「さぁ、残りのウォッチを奪い取れ!」
力こそは互角といえ、その波状攻撃の前にジオウとゲイツは膝をついた。
吹き飛ばされた拍子に、今まで集めたウォッチが溢れ落ち、瞬時に奪われる。
彼らは自身が持つ全てのライドウォッチをアナザージオウの持つ台座に嵌め込んだ。
「······『言い伝えられぬライダー』のウォッチが全て俺の下へ···」
アナザージオウを台座を眺めながら、上機嫌そうに腕を振るう。
「これで···ツクヨミ、ウォズ·········二人とも用済みだ!」
アナザージオウは空高く剣を掲げ、金色の稲妻を放つ。
「「アァァァァ!!!」」
そして宣言通り、ツクヨミとウォズは地に倒れ伏した。
変身は解除されなかったが、それでも強烈なダメージで動けないでいた。
それを尻目にアナザージオウは語りだす。
「···この力を使えば、歴史は変わる!
ーー『オーマジオウのいない世界』にな!」
···飛流は、諦めていなかったのだ。
彼の全てを否定したジオウ···「常磐ソウゴ」への復讐を!
「···返せ······そんなことはさせない!」
ジオウは怒った。
「ハッ!」
アナザージオウは台座を地面に置き、自らのウォッチのボタンを押し込む。
《『アナザージオウ』!》
台座に嵌め込まれたウォッチたちが光を発し、その奔流がジオウに纏わりつく。
瞬間、ジオウの纏う鎧が揺らぐ。
ゆっくりと、しかし確実に揺らぎが大きくなる。
やがて···その受け継いできた歴史が、その魂が······虚空へと消えた。
「!?···『グランドジオウ』の力が·········なんで···!?」
ゾンジスとザモナスがジオウに向かってくる。
「クッ!」
《POWED TIME!
RE·V·I·VE!
GOURETSU!
『剛烈』!》
ゲイツは立ちすくむジオウを押しのけ、その鋼の鎧を盾にした。
しかし、ゾンジスの怪力が僅かに上回り、ゲイツを押しのけて再びジオウに駆けた。
ジオウを地面へ叩きつけられ、それを嘲笑うかのようにアナザージオウが語り出す。
「このウォッチとお前たちが集めたウォッチの力で、『平成ライダー』は全て消えた······すなわち、『オーマジオウのいない世界』となった!」
「オーマジオウ」の力は、「全ての」平成ライダーの力。
すなわち、平成ライダーの力を消せば、オーマジオウが生まれることはない···!
「そんな···何でそんな事を!?」
「『何故』?···お前に二度も敗れ、屈辱を受けたからに決まっているだろう!?」
アナザージオウは怒り狂う。
「俺に···?」
「そうだ!!······俺は敗れた!···平成ライダーの力を使う『常磐ソウゴ』···お前にな!!」
怒りに震える指先を指し示す。
「俺は『平成』に拒絶された、だから!!
······俺は『新時代』を創り出すことにした···!」
「『新時代』、だと···?」
ゲイツが思わず戸惑いを吐き出す。
「そうだ!···俺は、生まれた時代が悪過ぎたのだ······平成などに生まれてこなければ良かった!」
怒りで肩を揺らす。
ーーそれは、あまりにも幼稚過ぎであると言う他ない。
自身は真実を知ろうとする努力をすることもなく、ただただ傀儡でしかなかったことに気付けない者だったというのに···。
「······平成を消し去ってやる···新たな『令和』もいらない!」
そんな事にお構いなしに、アナザージオウは改めて決意した。
ーー己が、新たな歴史の支配者となることを。
「平成がなければ、令和も来ないのだからな!!」
「そんな······」
ジオウは愕然とする。
自身はただ、彼の止めた時間を進めさせたかっただけなのに、今ではその彼が己どころか世界の時間を止めようと言い出すのだから······。
「俺はこの時代の支配者となった!
支配者の名の下に宣言する!!
今は···
今年は···
ーー『正化30年』だ!」
「正化」···それは、かつて昭和に次ぐ新しい元号として平成とともに議論されていたものである。
何処で知ったかはともかく、平成を消し去った支配者ーーアナザージオウ/加古川飛流が決めた名としては非常に皮肉な名前だった。
込められた願い···それは···
「乱れた世を正す時代になってほしい」だった。
ちなみに、「正化」って名前はマジで昭和の次の年号として候補に上がってたらしいですね。
この年号が出てくる有名なフィクションだと、「図書館戦争」が出てきます。