仮面ライダージオウ RE:ファイナルステージ 作:ホッケ@ががばばの謎
ーー「『アナザーオーマジオウ』······!」
「さあ···俺の力を味わうがいい······!!」
並々ならぬ雰囲気がその場を支配する。
ソウゴたちは同じ事を考えていた。
「一体、コイツに勝てる術はあるだろうか」と。
それでも、自分たちが生き、語り継いでゆかねばならないものを、そう簡単に消させるわけにはいかない!!
「······みんな·········行くぞ!!」
決意と共に構える。
ゲイツが切り込み隊長とばかりに突っ込んでいく。
だが、アナザーオーマジオウが手をかざすと、ゲイツは突如動きをやめーー否、アナザーオーマジオウが局所的に時を「止め」、吹き飛ばす。
···紛い物と言えど、その力は本物にも劣らないようだ。
ゲイツをそのまま足下で踏み台にし、同時に向かってきたツクヨミとウォズを、衝撃波を放ち地面に叩きつける。
ジオウはなんとか隙を縫って近づくことができたが、手にしていたジカンデスピアを再び弾かれた。
そのままアナザーオーマジオウの拳が打ち込まれる。
ジオウの鳩尾に食い込んだ直後、その衝撃が身体はおろかその周囲の空間にすら響く。
ーーまるで、空間がひび割れるような幻覚も見える。
ジオウはあえなく飛ばされ、柱に叩きつけられる。
「クッ······まだまだぁ!!」
ジオウは何とかボロボロの身体に鞭打ち立ち上がる。
拳を飛ばす。
避けられる。
蹴りを入れる。
また避けられる。
拳を振りかざす。
アナザーオーマジオウが手をかざし、ジオウ自体の時を「止める」。
がらんどうの身体に、拳や蹴りを何発も叩き込む。
鬱憤を晴らすかのような陰湿かつ強烈な攻撃。
時が「動き出す」と、ジオウはその衝撃に耐えきれずに、とうとう黄緑の光を放ちその場に伏してしまう。
纏っていた鎧が溶けるように消えてしまった。
「我が魔王!!」
「ジオウ!!」
「ソウゴ!!」
ゲイツたちが同じように身体に鞭打ち立ち上がる。
「喰らえ!!」
ゲイツは背後から斬り掛かり、刃を突き立てた。
そして五歩程後ろに飛び、巨大な斬撃を放つ。
···だが、
「それで俺の身体を斬り裂こうと?
···笑止!!」
たかがのこ程度で斬れるはずがなかった。
その巨大な斬撃は手をかざされたことで、ガラス片のように砕け散る。
「なっ!?」
「まだよ!」
今度はツクヨミが、右腕から発する純白の光剣でアナザーオーマジオウをフェシングのように攻め立てていく。
しかし、未来予知でもしているのかという程にーー否、実際にあらゆる未来を見ながら的確に避けている。
なおも攻めたてるツクヨミは、アナザーオーマジオウの土手っ腹めがけて矛先を突き出す。
「グッ!?···ウォォォォォ···!」
矛先が食い込み、そして貫通した。
しかし、違和感を拭いきれない。
あれだけの強固な装甲が、果たしてそう簡単に貫けるのだろうか?
「······なぁんてな!!」
ーー答えは否。
アナザーオーマジオウはツクヨミに掌を押し当てる。
すると、ツクヨミの身体が急に後ろへと引っ張られるように飛ぶ。
柱を何本か犠牲にしながら、何とかブレーキを掛けた。
そして、アナザーオーマジオウの土手っ腹には、まるで始めからその部分だけが無かったようにポッカリと空いていたが、
「我が魔王、ゲイツくん、ツクヨミくん!!·····やれやれ、本当に君という人間はッ!!!」
ウォズは今までに出したことのないような怒気を発し、アナザーオーマジオウへ殴りかかる。
アナザーオーマジオウによって時を「止められる」が、ウォズはすぐ動き出し、鳩尾に拳を入れる。
···が、さしたるダメージはないようだ。
「ほう······」
「忘れたのか?
ーー私には『宇宙』の力がある!!」
《『ギンガ』!》
迅速に巨大なウォッチーー「ギンガミライドウォッチ」を起動し、ドライバーに装填。
すると、背面には地球儀を模した時計盤のような何かが現れる。
そのままレバーを倒し、宇宙の力を開放する!
月光のような淡い色合いの「ギンガ」の文字が浮かび上がり、空を舞う。
ウォズの周りに太陽系が形成され、惑星たちがウォズの身体に殺到する。
背面に夜空色のマントを広げ、文字が顔に嵌め込まれると、ドライバーが宇宙最強の預言者の名を告げた!
《投影!
ファイナリータイム!
ギンギンギラギラギャラクシー!
宇宙の彼方のファンタジー!
『ウォズギンガファイナリー』!
ファイナリー!!》
「仮面ライダーウォズギンガファイナリー」
遥か彼方の時空からやって来た銀河最強のライダーの力を宿す姿。
宇宙の力を司り、全てを凌駕する。
「グッ!?」
「だからどうした?」
···はずだが、ウォズは気付かぬ間に地面へ叩き伏せられている。
そしてフラフラと立ち上がってみれば、アナザーオーマジオウがその右腕から、
ウォズは寸前のところで避けるものの、アナザーオーマジオウが手をかざしたことで時を「止められた」。
そして、横っ腹にその器官による斬撃を浴びてしまい、今度は火花を散らして再び伏した。
「ああ、お前にも結局は騙されていたわけだが······!」
アナザーオーマジオウは、ジオウ達の前に再び立ち上がったときのことを言っているらしい。
たしかに···ウォズはアナザーオーマジオウーーこの頃は「アナザージオウII」であったがーーと一時的に手を組んだことはある。
···が、アナザーオーマジオウの言うように、それはウォズが内部の探りを入れるための偽りの関係だった。
最終局面で結局彼は裏切り、ジオウたちと共に自身を討ち取った。
オマケに結局は自身もある策略の駒でしかないことを知り、深い憎悪と絶望に飲まれながらジオウたちの前から姿を消したのだった。
その時の感情を込めてなのか、脚でウォズを執拗に蹴りつけていた。
「そうだ!···お前ら『クォーツァー』がいなければ、常磐ソウゴがジオウになることも無かった!!」
ウォズは仮面の中で顔を酷く顰める。
自身の行いーーあくまで
「そうだ······消してやる!!
常磐ソウゴも、その仲間たるお前らも!!
ーー平成の歴史ごと消し去ってやる!!」
アナザーオーマジオウが右腕を突き上げると、巨大なドット状の穴が虚空に開く。
そこから、
それらが放つ光弾や炎、大爆発が一斉にジオウたちを襲う。
そしてアナザーオーマジオウ自身も、自らの右腕を
『アァァァァァ!?!?』
それらの攻撃をまともに食らい、ジオウ/ソウゴ達はとうとう変身を解除させられた。
その姿は、あまりにも痛々しいくらいにボロボロで、とても見ていられるものではなかった。
「······弱い弱い弱い弱い!!!
思い知ったか!!
平成とは···所詮そんな時代だったのだ!
選ばれた者だけが大手を振り、選ばれなかった者がその全てを失う恐怖に怯えるだけ!!
そしてその溝が深くなり、やがて自滅を選ぶような愚かな者が増えていく!!
そんな軟弱な時代を創り変えることの何が悪い!?」
アナザーオーマジオウは叫ぶ。
確かに、平成どころか令和になっても解決されない問題というのは数多い。
少子高齢化、国家間の緊張状態、核問題、etc···
アナザーオーマジオウの言うことは、ある程度筋は通っているようにも見える。
実際、人々も昔に比べればかなり軟弱と化したようにも見えるだろう。
「···違う······違う、違う!!」
「何が違うというのだ!!」
でも、そんな混沌の時代だからこそーー
「俺は平成ライダーの歴史を見てきた······だからわかるんだ···!
ーー平成はそんな生温い時代じゃない!!」
ーー強く、逞しき者が増えたのも、また事実。
「そうだ!···お前の言う『選ばれた者』も『選ばれなかった者』も······どちらも、この時代で必死に闘っている!!
ーー俺がオーマジオウと闘っていた未来と同じくらいにな!!」
そう、「平成」という時代の中で闘い続ける者は、どんな立場であったとしても大勢いる!
それらの人々を、一体どう否定しようというのか!!
「ソウゴとゲイツの言うとおり!!···この時代の人たちも、一生懸命闘ってる!!
ーー貴方は、この時代から逃げようとしているだけよ!!!」
「······俺が······逃げているだと···?」
「図星を突かれて同様しているようだね?
···私も皆と同意見だ···この時代は、君が思うほど軟弱ではないよ···
ーー何せ『瞬間瞬間を必死に生きている』からね···!」
「貴様ら···!」
アナザーオーマジオウがイライラとし始める。
無理もない、自らにとっての理想をこうも否定されてしまっては···。
「俺はライダーたちの魂を受け継いだ!
···その魂を、『令和』へと···
···必ずつないでみせる!!」
「無駄だ!!」
アナザーオーマジオウは両腕から衝撃波を放つ。
それによって生じた爆炎が襲いかかってくる。
ソウゴ達は爆炎に巻き上げられ、地面へ叩きつけられた。
「フン······これが『平成を生きた者』の末路か
······そろそろ終わりにしてやる···!!」
そして、アナザーオーマジオウはドライバーの両端を押し込む。
不気味な鐘の音が辺りに響き渡り、空が赤黒く染まり、地面が崩れて岩が虚空へと湧き上がる。
黙示録のような光景へと早変わりし、アナザーオーマジオウが纏うどす黒いオーラがソウゴ達の眼を離さなかった。
そして、アナザーオーマジオウは跳躍するーー
「な、何!?」
ーーはずだったのだが。
突如、アナザーオーマジオウの身体に紫電が走る。
身体が大きく揺れ始め、脳の指令を受け付けなくなってくる。
「ア、アァァァァァ!!!!」
すると、ドライバーから光の奔流が流れ出す。
「なんだ···?」
その光はやがて見覚えのある形へと変化していく。
「あれは···ライドウォッチ······」
もっとも、どんな絵柄なのかわからないレベルの光を放っているのだが。
そして、ウォッチが「十四個」放たれると、ジオウ達の後ろ側へと飛んでいく。
そして鐘の音が鳴り響くと同時に、何かの形状へーーある三つの光は一つとなってーー変化していく。
···それは、まるで人の形のようだった。
そして、その光から様々な言葉が流れた······!
『ーー『アマゾン』!』
『ーー変身!』
瞬間、太陽の如き光が、優しく強き光が、途轍もない熱波が、何かを装着するような音が、五色の光が、ワインレッドのラインが輝き、響き、走る。
そこから現れたのは、全て形は違えど···
···全て、ライダーだった。
その場にいる誰もがは勘づく。
そうだ、彼らこそが······
「き、貴様らは!?」
「そうだ、お前たちの思う存在だ」
アナザーオーマジオウがイの一番に問い掛ける。
そして、その内のバッタのような仮面を被る深緑のライダーが答えた。
それに続き、全てのライダーが己の名を告げた!
『仮面ライダーアマゾンズ!』
全てを
『五人揃って···『ゴライダー!』』
「『仮面ライダーG』!」
「『仮面ライダー THE FIRST』!」
「『仮面ライダー THE NEXT』!」
『『ネオライダー』!』
「『仮面ライダーBLACK RX』!!!」
その内の一人、まるでピラニアに似た紅いライダーが改めて告げた。
自分達が一体何者であるかを。
「······そうだ、俺たちは···お前らの言葉で言うなら···
ーー『平成に言い伝えられぬライダー』だ」
ーーこれが、今まで集めてきたウォッチの源。
「『ジオウ』···と言ったな?」
「ああ···」
中心に立つ、黒きライダーが問い掛ける。
「お前は、そんな生半可な覚悟で『
「え?」
突然、厳しい言葉が掛けられる。
「お前には、覚悟がまだ足らん!」
「『覚悟』······」
「ああ、全っ然足りねぇ···そう考えれば、王様への道も遠いな」
先程の紅いライダーも答えた。
「覚悟」···その言葉が重くのしかかる。
「···どういうことだ?」
ゲイツが投げかける。
確かに······「最高最善の魔王」として、それ相応の余裕が無くなったとでも言うのだろうか···クォーツァーの一件以降、思い悩む事も多くなった。
だからといって、彼が「最高最善の魔王」になれるはずだと信じ続けているゲイツには、あまりいい言葉に聞こえなかったのだろう。
「そうよ、何故?」
ツクヨミもゲイツと同じような事を考えていたのか、問い掛ける。
「言葉通りの意味だ······」
ワインレッドのラインが走っているライダーが答える。
「彼には、まだ迷いがある······
ーー『『最高最善の魔王』として果たすべき事がわからなくなっている』
···違うかい?」
「······すごいね、そうだよ」
ソウゴは一人零す。
「やっぱり、不安なんだ···
···今まで、『替え玉』としてライダーたちの力を集めて
······後悔させなかったか、わからない···
···そうなら、どうすれば良いか······わからない···」
震える声で呟いていく。
「いや、きっと後悔してないハズだ」
ふと、トカゲに似た緑のライダーが答える。
「···『常磐ソウゴ』···君が『護りたいもの』は何?」
優しくも、鋭い力強さのある眼がソウゴを貫く。
「俺は·········俺は······!
王様として、民を護りたい······
仲間を護りたい···!
世界を全部良くしたい···!!
そう思ったから···
··········だから······!
俺は······みんなから託された力で···
『最高最善の魔王』になりたい!!」
力強く、改めて宣言するソウゴ。
その眼は、今までのどの時よりも輝いて見えた。
「ソウゴ···うん、そうよ!」
「フッ···そう来なくっちゃな···!」
「我が魔王······ご立派になられて···!」
その様子を仲間達がーー約一名、泣きかけて顔が崩れ始めた者を除いてーー優しく見つめている。
「そうだ、ジオウ···」
さながら怪人のようだが、優しき眼を持つライダーは言う。
「そんな姿を見せてくれたからこそ、平成ライダーたちは力を託し、俺たちも君の前に現れた」
紅きマントを広げたライダーも言う。
「だからこそ、お前には仲間がいる······我々のようなライダーも、これで心置きなく力を託せる」
そして、再び黒きライダーは告げた。
「忘れるな···『仮面ライダージオウ』!
お前には、力を託した者たちが背中にいる!!
俺たちのように、『選ばれなかった者』も中にはいる!!
その者たちの想いをも汲み取れないようなら···
俺は···お前を
···許’’ さ’’ ん’’ ! !」
その言葉が、ソウゴの頭の中に響く。
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「今、平成ライダーを背負っているのは…お前だろう!!」
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あの時、
「···そうだよね······今、平成ライダーを背負っているのは『俺』だから···!!」
ドライバーを再び腰に叩きつける。
「···俺は闘う、『
全てのライダーを統べる『
腹の底から絞り出すかのような力強い響きが、その場にいる者の心にも響いていく。
···一人を除いて。
「······黙っていればヌケヌケと!!」
アナザーオーマジオウは光球を創り出し、ソウゴ達に向けて放つ。
「無駄な足掻きだ!···平成は···
···俺が消し去る!!」
ソウゴたちは再び地面へ叩きつけられてしまった!
余波をまともに食らいかろうじて立っているライダー達は、ある一点ーー
ーー
深緑のライダーが告げる。
「この小説を読んでいる君たちへ!
ジオウ達に力を貸してほしい!」
ワインレッドのライダーも呼びかける。
「僕たちが合図を出したら、ジオウへ応援してほしい!!」
そして、黒きライダーが叫ぶ!
「君達ならできるはずだ!!
できなければ···俺は···
許’’ さ’’ ん’’ ! ! !」
ソウゴたちを声を!!
想いを!!
『せーの!!』
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緑のライダーが叫ぶ。
「···まだだ、まだ足りない!!
まだまだ叫ぶんだ!!」
怪人然としたライダーが呼びかける。
「もう一度行くぞ!!」
まだだ、ソウゴ達の心に響かせるには圧倒的に足りない!
『せーの!!』
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紅きライダーが叫ぶ。
「···悪くねぇぞ!
もう一度!
命賭けて叫べぇ!!」
黒きライダーがもう一度叫ぶ!!
「叫べぇぇぇ!!
平成を生きた者たちよぉぉ!!」
『せーの!!』
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貴方の声が、貴方のソウゴ達を思う心が響く!!
「···ああ···!!······聞こえる!!
みんなの声が!!」
「この時代を必死に生きる声が···!!」
「私にも聞こえる!!···絶対に護らなきゃいけないもの!!」
「···確かに···倒れてなんかいられないね···!!」
ソウゴたちが再び立ち上がった!
貴方の声が、時空を超え、ソウゴ達の心を再び燃え上がらせたのだ!!
「だから無駄だと言っているだろう!!」
アナザーオーマジオウは再びドライバーを叩き、どす黒いオーラを纏った。
その時、ライダー達が集まり、腕を虚空へ掲げた。
「俺たちの力を送るぞ!」
『······受け取れ!
『
その力が最大まで高まると、彼らを巻き込んで巨大な光球が生まれる。
しかし、同時にアナザーオーマジオウが跳躍し、その右脚を伸ばす。
「消えろ!···
···常磐ソウゴォォォォォォ!!!」
ソウゴ達は咄嗟に変身する隙を見出せなかったが、最後の最後まで己のウォッチを握りしめていた。
直後、大爆発が起こる。
ーーオーマジオウが巻き込まれる。
光球がアナザーオーマジオウを弾き飛ばしたのだ。
その光球が徐々に徐々に引き伸ばされ、扉のようにその場にそびえ立つ。
その平面に、突如ポッカリと穴が空いた。
その穴の中には、何も見えない。
そしてその中から現れたのは···
「き、貴様は···!?」
「···加古川飛流······
そう、それは···
「何故なら···『私』が居るからだ」
ーー
「オーマジオウ」だった。