仮面ライダージオウ RE:ファイナルステージ   作:ホッケ@ががばばの謎

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EP.EX6「2068:オーマと逢時(おうじ)

ーー「オーマジオウ······!」

かつて何度も見せられた、己の未来。

かつて成るまいと誓った、己のIF。

 

 

そんな存在が、今···自分に手を差し伸べたのだった。

 

 

「······オーマジオウ···お前」

「···明光院ゲイツに······ツクヨミ···か」

 

「我が魔王······」

「···フッ······未練は断ち切れたか、ウォズ?」

「ハッ······まるっと全てを」

「なら良い······」

 

「オーマジオウ······何故お前がここにいる!?」

アナザーオーマジオウはひたすらに混乱していた。

己が消し去った筈の存在が、今こうして相対している事に動揺を隠せなくなってくる。

 

 

「···簡単な事だ」

オーマジオウは語る。

 

 

彼ら(言い伝えられぬライダーたち)もまた······『平成ライダー』であったということだ···」

 

 

今居るオーマジオウは、果たして本物か、それとも過去の意思が作り出した虚像なのか。

 

 

「彼ら···そして、ここに居る者たち全ての記憶に『平成』の二文字がある限り······『平成ライダー』は消えない···

 

···そして、その記憶はそう簡単に消えるものではない!!

 

·········その記憶は、令和に到達した今でも語り継がれているのだからな········」

 

 

オーマジオウは豪語する。

平成ライダーは消えないーー否、消すことは出来ない。

何故ならば、「平成」という時代、そして記憶とともにあるのだから······。

 

「そうであろう?」

 

「······そうだ···俺は闘う!!

 

···『最高最善の魔王』として···『時の王者』として!

······闘いはまだ、始まったばっかりだ···!」

 

 

ソウゴは改めて決意した。

自分は「時の王者」として想いを背負い、「最高最善の魔王」を目指す事を···。

しかし、王国を築くのであるならば必要なものがある。

 

「フッ···いいだろう、付き合ってやる!」

「私も···この目で未来を見届けたい!!」

「私はここに約束する!···我が魔王の行く道を、祝福し続けると!!」

 

ーーそれは、「仲間」。

願った夢を共に支える希望。

ソウゴは···その事をよくわかっている。

だからこそ、彼らがここにいる!

 

「よーし···みんな行くぞ!!」

「おう!!」

「うん!!」

「ああ!!」

 

 

ソウゴは黒と金のウォッチを握りしめた。

そこに描かれたのは、自ら(ソウゴ)が継承した自ら(オーマジオウ)の力。

最低最悪(最高最善)の魔王ーー「オーマジオウライドウォッチ」。

そして、各々はドライバーにウォッチを装填し、構える。

背後に巨大な時計盤が時を遡っていく。

 

 

過去最高に漲る力が、皆の口から一斉に放たれた!!

 

 

 

「「「「変身!!」」」」

 

 

 

巨大な時計盤たちが、ソウゴたちの纏う鎧を創り上げていく。

その中でも、ソウゴのものは特に「王者」に相応しき姿だった。

 

 

金色のアンダースーツ。

アーマーは黒く、また金色に輝きを放ち、肩を一周するようにバンドが巻かれている。

背中には巨大な指針がマントの如く広げられ、「逢魔が時」を指しているようにも見える。

顔には「王」の文字を模した装飾が飾られ、その額には己自身のウォッチーー「ジオウライドウォッチ」が装填されている。

 

 

そして各々の顔に「ライダー/らいだー」の文字が嵌め込まれ、ドライバーから最高最善の魔王爆誕の祝福が歌われた!!!

 

 

《投影!

ファイナリータイム!

 

ギンギンギラギラギャラクシー!

宇宙の彼方のファンタジー!

 

『ウォズギンガファイナリー』!

ファイナリー!!

 

 

《ライダータイム!

 

仮面ライダー『ツクヨミ』!

ツ·ク·ヨ·ミ!

 

 

《REVI·REVI·REVI!

REVI·REVI·REVI!

 

REVIVE!

SHIPPU!

『疾風』!

 

 

《キングタイム!

 

仮面ライダージオウ!!!!

 

 

 

オ ー マ ! ! ! ! !

 

 

そして、彼らは名乗りを上げる。

 

 

『仮面ライダーウォズ』!

『ウォズ』!

正しき歴史を記す時の預言者

「ウォズ」

 

 

『仮面ライダーツクヨミ』!

『ツクヨミ』!

閉塞した世界を新時代へと導く時の女王

「ツクヨミ」

 

 

『仮面ライダーゲイツ』!

『GEIZ』!

巨悪を駆逐し新たな未来を導く時の救世主

「明光院ゲイツ」

 

 

『ライダージオウ』!

『ジオウ』!

そして、全ライダーの魂を受け継ぐ時の王者

「常磐ソウゴ」

 

彼らが目指すはただ一つ。

ーー「最高最善の未来を創り出すこと」!!

 

なんか行ける気がする!!!

 

そして、ウォズが続けた。

 

 

「ーー祝え!!

 

 

時空を超え!

 

 

過去と未来をしろしめす究極の時の王者!!

 

 

その名も

 

 

仮面ライダージオウ』!!

 

 

···我らが魔王が真の王者となった瞬間である!

 

 

「······認めん···!···認めんぞ!!」

アナザーオーマジオウは腕を振るった。

腕を振るったところから、まるでバグでも起きているかのように揺らぎが生まれ、肥大化していく。

すると、揺らぎが急に消え、代わりに巨大な穴のようなものがいくつも出来る。

······奇しくもそれは、オーマジオウが現れた時にできた穴と瓜二つだった。

そして、その中から···

「ガァァァ······」

「オォォォォォ···!」

···何体ものアナザーライダーが出てくる。

 

共通して言えるのは、「平成ライダー」のアナザーであることだろうか。

···しかし、平成を消し去った(「正化」の)魔王が平成の力(ライダー)を行使するというのは、なかなかどうして皮肉であろうか。

 

アナザーライダーたちは唸り声を上げ、ソウゴ/ジオウ達へと向かってくる。

対してジオウたちは各々の武器を振るい、アナザーライダーたちを対処していく。

 

「我が魔王、君は加古川飛流を!!」

ジオウの目の前にまで迫っていた一体をタックルで弾いたウォズが呼びかける。

互いに頷き合い、ジオウはアナザーオーマジオウを、ウォズ達は使役されるアナザーライダーたちを追う。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーー「さて···」

啖呵を切ったはいいものの、これだけの数がいると対処に困るもの。

だが、忘れてはいけない。

 

彼らは、「最高最善の魔王」にして「時の王者」を支える、最強の仲間たちだ。

 

ゲイツは超高速で飛行し、斬撃の雨を降らせてアナザーライダー達を次々爆炎へ変えていく。

ウォズは襲いかかるアナザーライダーを一体一体的確に腕や脚を回して受け止め、時にはその鳩尾に拳を叩き込む。

ツクヨミも辿々しくも、アナザーライダー達に拳をめり込ませていく。

 

「久しぶりじゃないかな、こんな風に闘うのも?」

「こんな状況に追い込まれたときは、大体お前が詳しく情報を伝えなかったときだがな···!」

「ほう···言うようになったじゃないか」

「もう、二人ともいい加減仲良くしなさいよ!!」

「「誰がこんなのと仲良くできる?」」

 

ーーだからといって仲がいいとは言い難い。

手にしたジカンジャックローを振りかざし、その腕から強大なるアステロイドベルトに似た空間を創り出し、手から光剣を振り回し一掃する。

 

···早速掌を返すが、互いに互いの背後から襲う敵をカバーできる辺り、相性はいいんじゃないだろうか。

 

「誰がだ、誰が!?」

「地の文にツッコむのはやめなさいって!」

「全く、メタいのは程々にしたまえ」

「「人のこと言えるか!?」」

 

···こう見えても周りの敵を全く寄せ付けてないのだが。

「よし···ツクヨミくん!」

「えっ!?···何?」

ふと、ウォズがツクヨミに声を掛けた。

ツクヨミが戸惑いながら返答すると、ウォズはその右腕を身体の前でしならせーー

 

 

 

「行こうか···『我が女王』?」

 

 

 

ーー「っっ!···もう!」

冗談めかして呼びかけた。

ツクヨミは背後から迫るアナザーライダーを裏拳で叩きながら声を上げる。

 

「やめてよ!······気持ち悪い···」

「···冗談を真に受けないでくれないか?」

 

ツクヨミが己の両腕で自らの身体を抱くように交差させると、今度はウォズが戸惑いの声を吐き出す。

すると、背後で爆炎が上がる。

その爆炎には、共通して蒼い軌跡が残っていた。

「喋ってないで片付けるぞ!!」

ゲイツから至極まともなツッコミが入ってしまったので、二人はまた動き出した。

拳、蹴り、刃を振るい。

気が付く頃には、アナザーライダーたちは既に数えるほどになっていた。

「行くわよ!」

「「ああ!」」

 

《−ファイナリー−ビヨンド·ザ·タイム!》

 

《フィニッシュタイム!》

 

《FINISH TIME!

『REVIVE』!》

 

そしてほぼ同時にドライバーを操作し、構える。

全身に漲る力が、各々の一点に集中していく。

 

−HYAKURETSU−TIME BURST!

 

『ハァ!!!』

先鋒、ゲイツは幾多もの分身を創り出す。

分身たちはそれぞれが脚を突き出し、アナザーライダーたちに突き刺さる。

「次は······私だ!」

 

『超銀河エクスプロージョン』!

 

ウォズはその分身たちが消えたのを確認した瞬間、惑星を象った強大なエネルギー弾を四方八方に散らす。

「行くわよ、ゲイツ、ウォズ!!」

 

タイムジャック!

 

ラスト、ツクヨミは右腕から今までとは比較にならない程の長大な光剣を発生させ、自らを中心に時計回りで切り裂いていく。

瞬間、ゲイツとウォズは宙返りし、光剣の莫大な熱をその身に感じながら躱した。

空間が断裂すると確信できるほどの強大な時空エネルギーの前に、アナザーライダーたちは影すら残らなかった。

 

 

「『悪が栄える未来など、この世にはない』···ということだ」

その光景を、ウォズは皮肉げに語る。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーージオウの正面から、再び召喚された幾多ものアナザーライダーたちが迫ってくる。

しかしジオウが右腕をかざすと、途端にその勢いが失われる。

見れば、アナザーライダーたちはその場から歩を進めないでいた。

 

「オーマフォーム」。

 

それは文字通り、オーマジオウの力を受け継いだ最高最善の力。

故に、オーマジオウが発動できる能力の大抵が発動できてしまう。

 

まさに最高、まさに最善、まさに最大、まさに最強。

 

そして、その晴れ姿を見てくれる仲間がいる。

 

 

故に···負けるわけがない!!

 

 

腕を横に逸らし、その掌を握り潰す。

すると、ある者は急に横へ吹っ飛び、またある者は金色のオーラに包まれ掻き消えた。

 

「これが『(オーマ)』の力だ······!」

 

堂々たる宣言の下、ジオウは背後から襲いかかるアナザーライダーをノールックで弾き飛ばした。

 

「フッハッハッハッ!!···やるな!

流石は···『若き日の私』!!」

「オーマジオウ···!」

 

ふと振り返れば、例の黒い穴からオーマジオウが顔を出した。

 

「私も闘いに参加させてもらおう······!!」

 

言うが早く、同じように背後から迫るアナザーライダーをノールックで躱した。

そして同じように腕をかざすと、動きが「止まる」。

 

「貴様如き···私には指一本触れられると思うな!!」

 

凄まじい剣幕とともに放たれた掌底が腹にめり込み、これまた凄まじい余波を伴って、アナザーライダーは塵と化した。

 

 

「凄い···!······さすが俺!!」

 

 

若き日のジオウは、未来の自分(オーマジオウ)に対して初めて「憧れ」を抱いたのだった。

 

「···感心している場合か!···来るぞ!」

 

当の本人は、迫りくる何かを感じ取ったのか警告を飛ばす。

が、その前に間があったところを見るに、人の事は言えなかったのだろうか。

···あるいは、単純にその言葉に引っ掛かる何かがあったのだろうか。

そうらしき心情を顔には出さずーー元々仮面に覆われてはいるのだがーー後ろを振り返る。

 

「憤怒」

 

そうとしか言い様がないほどの途方もない感情がその場に渦巻いていた。

そして、その台風の目は···

 

「常磐ソウゴ···!······何処まで俺をコケにすれば気が済む!?···許さんぞ!!!」

 

その顔は、元々の形相も相まって怒り狂う仏像にも見える。

 

それでも、臆することはできない。

「過去のことは忘れろ、今を生きるんだ!!」

だが、アナザーオーマジオウにとって、もうなりふり構ってもいられないのだろう。

 

「それは時代に選ばれたお前だからこそ言える!!!···選ばれなかった者は、『過去』にしがみつくしかない!!···それをわかれ!!!」

 

わかるか!!!

 

ジオウ渾身の叫びが響き、周りの何もかもが聴こえなくなる。

「どうしてお前は俺を否定する!?」

唯一、アナザーオーマジオウのその問い掛けだけが同じように響く。

 

 

 

「···『時計の針は前にしか進まない』!」

 

 

 

かつて、同じように言われたこと(「覇道より王道を取るのか」)を思い浮かべて。

 

「···『ぐるっと一周して、元に戻ったように見えても』······!」

 

かつて、同じように思ったこと(オーマジオウとなった時)を思い浮かべて。

 

「『未来に進んでいる』!」

 

だから···

 

「だからこそ······俺はお前を認めない!!」

 

だから···!

 

 

「過去に固執しても、元には戻らないから!!

 

 

······前に進むために!

 

 

夢に進むために!!

 

 

『最高最善の魔王』になるために!!!

 

 

その想いは、あまりにも大きく······あまりにも近かった。

 

それが···俺の王として(最高最善)の道だ!!

 

···いくぞ!

 

···分かった、若き日の私よ!

 

 

今ここに、過去(アナザーオーマジオウ)·現在(オーマフォーム)·未来(オーマジオウ)が相まみえた!

 

 

アナザーオーマジオウはその感情の渦を更に広げ、周りの地面が波紋状にゆっくりと削られていく。

同時に動き出す。

ジオウの拳が飛ぶ。

アナザーオーマジオウは受け止めるが、遅れて飛ぶオーマジオウの拳が土手っ腹に突き刺さる。

その桁違いにも程がある衝撃が襲うが、内部から放ったエネルギーの衝撃とで相殺した。

 

続けてオーマジオウに蹴りを飛ばすが、寸でのところで躱され、蹌踉めいたところをジオウの蹴りが炸裂した。

双方数mほど後退するが、この僅かな攻防によって地面には無数のひび割れが出来ていた。

 

そして双方また接近。

オーマジオウが蹴りを放ち、アナザーオーマジオウは瞬時に防御。

そして拳を返すが、またしても躱された。

その後ろではジオウが控えていた。

アナザーオーマジオウは躱された勢いで蹴りを放つが、ジオウの手刀が通り脚が落とされる。

 

ジオウの拳がアナザーオーマジオウの胴体目掛け飛ぶが、クロスした腕で防御された。

そして、オーマジオウがアナザーオーマジオウの背後に再び蹴りを放ち、アナザーオーマジオウは蹌踉めいた。

そこから更に壮絶な拳や蹴りの撃ち合いが展開されていく。

その度に余波が地面を、空を叩いていく。

アナザーオーマジオウが両腕をかざす。

しかし、腕程度でしか動きを「止める」ことは敵わない。

 

ーー向こう(オリジナル)自分(アナザー)たりえるが、自分(飛流)向こう(ソウゴ)たりえないのだから。

 

ならばと衝撃波を放つが、後退する様子もなくジオウたちが近づいてくる。

 

ーーその姿こそ、『魔王(ジオウ)』に相応しい威風堂々とした姿であり、アナザーオーマジオウ(加古川飛流)が決して辿り着くことの無いもの。

 

「ハッ!!」

「トゥ!!」

ジオウたちはお返しとばかりに腕をかざし、両腕の動きを止めた。

アナザーオーマジオウはこれから行われる何かを察し、腕を無理やりにでも動かそうともがく。

 

「「エェェェェリャァァ!!!」」

 

そして、同時に拳を撃ち出された。

先ほどとは比べものにならない衝撃とエネルギーが全身を駆け巡り、身体の各所で火花が散った。

「ア、グァァ···!?」

アナザーオーマジオウの身体は限界を迎えたのか、各所がボロボロと崩れかけていた。

その場にへたり込み、虚空へと虚しそうに腕を伸ばした。

 

 

「···俺は······また···負けるのか······?」

 

 

か細い呟きが小さく木霊する。

その言葉が聞き取れたジオウは言い放った。

「···ああ······負ける!!」

その言葉に、アナザーオーマジオウはうんともすんとも言わない···いや、言えない。

 

 

「前を向かない限り、ずっと···お前は俺に勝つことはない!」

 

 

終焉ノ時!!

 

キングフィニッシュタイム!!

 

 

ジオウ達がドライバーを操作すると、ドライバーから文字通り終焉を告げる声が響く。

アナザーオーマジオウはその声を、遠くに聞いたような気がした。

しかし、己の胸を叩き、同時にどす黒い金色のオーラを放つ。

ジオウたちからも流れ出るオーラと決抗していく。

 

「俺は······進む!!···

 

 

前に進んで、最高の未来を創り出す!!

 

「黙れ······俺は···俺は······!」

 

 

そして、同時に飛び上がり、その右脚を前に突き出した!!

 

俺はァァァァァ!!!

 

ハァァァァァ!!!

 

 

逢魔時王必殺撃!!!!

 

キングタイムブレイク!!!!!

 

 

空中で、果てしないほどの時空エネルギーがぶつかり合う。

その果てしなく長いようで、あまりにも短い決抗は···

 

 

「······ただ、ただ······!···

 

 

······    ······」

 

 

「「ハァァァァァ!!」」

 

···ジオウたちの勝利で終わる。

ジオウたちはゆっくりと地面に降り立つ。

 

ジオウ/ソウゴはその瞬間、かすかに聞こえた気がした。

 

聞いたような気がするアナザーオーマジオウ/飛流の声は···もう、響かない。

 

 

 

 

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