〜病室にて〜
スマッシュを倒してから数日たった。戻った途端に、医者に怒られ絶対安静と言われて、病室に監禁されている。そりゃそうだ、なんせ戻った時の格好が、入院前に比べて酷くなっていれば怒られるのも当然か。
しかし暇にはならなかった。何故かほぼ毎日、見舞いに知り合いの学生が来る。花園は花園ランドの構想案、花園について来た山吹は商品アイディアの相談、市ヶ谷と白金は俺の担当科目じゃない授業の疑問点を聞きに、若宮に至っては素振りを見てほしいと木刀を振り出す始末、勘弁して欲しい。
こんな感じで退屈する事なく、過ごしているが…
日菜「鳴く〜ん!お見舞いに来たよ〜!」
鳴「ハァ…遂に来たか」
本日は我が天敵の日菜が見舞いに来た。入院してる事すら知らなかったが、若宮から入院している事を聞いたらしい、口封じ忘れてた!
日菜「もぉ〜酷いな鳴君!入院したなら教えて欲しかったなぁ!」
鳴「教えるまでもないだろ。たかが入院だぞ」
鳴「それに教えなくても来るだろ?」
日菜「まぁね!でも、お姉ちゃん誘ったけど『行かない』の一点張りなんだよ。お姉ちゃんと来たかったなぁ。」
そうここには、日菜の姉の紗夜は来ていない。あの一見以来声すら聞いていないのだ。
鳴「…氷川の様子はどうだ?」
日菜「あたしはいつも通りだよ!一君といるとるん!とするんだ!」
鳴「お前の事はどうでもいい。姉の方の氷川だ」
日菜「ひど〜い!あたしも『氷川』なんだけど?」
鳴「…」
日菜「…もしかしてお姉ちゃんと何かあったの?」
鳴「…お前には関係のない事だよ」
日菜「あったんだね」
鳴「…」
日菜「黙っていても分からないから話してみてよ。」
鳴「お前に話して解決するのか?」
日菜「多分しないよ。それに実際に解決するのは鳴君だよ?」
鳴「!」
確かにそうだ、原因は間違い無く俺にある。
鳴「『俺に関わるな』と言ってしまった。」
鳴「氷川姉を遠ざけた時、何故か激しく後悔した。なんでなんだろな。」
日菜「…鳴君はお姉ちゃんに『関わって』欲しいんだよ。」
鳴「それで俺の醜い部分を見る事になってもか?」
日菜「なってもだよ。」
鳴「言い切るな。どっからそんな根拠が出るんだ?」
日菜「鳴君はお姉ちゃんの事が『好き』なんだよ。」
日菜「好きな人には、綺麗な部分だけ見てもらいたいもんだよ。」
鳴「…面白い考察だな。お前と久々に『会話』した気がする。」
日菜「あたしは真剣に話したつもりなんだけど?」
鳴「そうか…氷川姉は今何処に?」
日菜「公園に行ってるよ。」
鳴「了解。じゃあ行きますか。」身支度をする。
日菜「入院は?」
鳴「今日が退院日。だから問題ない。」
日菜「え〜!明日も来たかったのに!」
鳴「残念だったな、氷川妹よ!」
そう言って扉を開けて、公園に向かう鳴。
開きっぱなしの扉を見つめる日菜。
日菜「…やっぱり好きだよ、『一君』」
鳴は愛を知る事は出来るのでしょうか?