〜個人練習中〜
あこ「ゼロさん!聞きたいことがあります!」
ゼロ「何ですか宇田川さん?」
あこ「もうすぐ夏なのに、その格好暑くないんですか?」
ゼロ「暑くないですよ、むしろ涼しいですね。涼しい理由はトンデモ化学?のお陰ですが、詳しくは秘密です。」
白金「…仮面を付けているのも?」
ゼロ「勿論秘密です。」
あこ「秘密と言われたら、知りたくなる!」
あこ「教えてください!!」
白金「あこちゃん…あまりしつこいのは…良くないよ。」
うーむ、どうしたものか?つか、宇田川さんの眼差しが眩し過ぎる!ここは色々隠して…
ゼロ「大した理由じゃないですよ。俺の目的を達成するためと言って置きましょう?」
あこ・白金「目的?」
ゼロ「世界を…」
紗夜「2人とも手が止まってますよ。」
あこ・白金「す、すみません!」
湊「少し休憩にしましょう。集中力が切れてしまったわ。」
〜休憩〜
今井さん「このキャラメル美味しい!!」
紗夜「そうですね。甘味と苦味のバランスが良いですね。」
紗夜「お菓子作りが趣味なのですか?」
今度はギター・ベース組に質問攻めをされている。ここは、鳴・ゼロで1番絡みがある。ボロを出さないように気をつけないと。
ゼロ「うーん、お菓子作りというか、料理が好き?なんですよ。料理って実験してるみたいで、面白いんですよね。」
今井さん「今度一緒にお菓子作ろうよ!」
ゼロ「いいですね、面白そうです。」
紗夜「ゼロさん、宜しければ私に料理も教えて貰えませんか?」
ゼロ「良いですよ。では2人の都合の良い時にでもやりましょう。場所はこちらで提供しますね。」
2人とも嬉しそうだ。実を言うと俺も2人の料理の腕を見るのを楽しみにしてたりする。
話を聞いていると、不意に足元がくすぐったい。
子猫「なー」
ゼロ「おや?君は先刻の子猫ではないか?」
湊「! にゃーんちゃんどうしたの!」
さっき公園で会った子猫が、弱々しく鳴いている。
ゼロ「その子に水でも飲ませて上げて下さいな。」
湊「貴方はどうするの?」
ゼロ「俺は、その子を弱らせた元凶の所に…って、追ってきたか。」
そう言うと、子猫を追って来た奴がゼロたちの前に現れた!
あこ「な、何あれ!?ちょっと、カッコいい!」
氷川・ゼロ「スマッシュです(だ)」
氷川「えっ、何故ゼロさんが知っているのですか!?」
ゼロ「…色々あるんだよ。兎に角下がって!」
皆んなを下がらせると、ゼロはスマッシュに拳を出す。出すと同時にすごく強い風が吹いた。スマッシュは風で後退するが、再び子猫に向かって行く!
ここで使うと、間違いなく氷川と今井さんに正体がバレるだろうが仕方がない…
ゼロ「ハァ…最悪だ。」
氷川(今の言葉は…)
ゼロはビルドドライバーを装着する。
今井さん「アレは!」
今井さん(もしかしてゼロの正体は…)
『キリン!』『扇風機!』
『ベストマッチ!』『Are you ready?』
ゼロ「…」
『嵐を呼ぶ巨塔!キリンサイクロン!イエーイ!!』
ゼロはキリンサイクロンフォームに変身した!
ビルド「それじゃ、行きますか!!」
ビルドはスマッシュに左手を向ける。すると、先程の拳とは比べ物にならない程の強風を出す!スマッシュの動きは止まり、ゼロが近づくに連れて、少しずつ後退して行く。
とりあえず距離は稼いだと…
ビルド「じゃあ今度は!」
今度は強風でスマッシュをビルドに接近させ、右手側のキリン顔で攻撃を繰り出す!
スマッシュに攻撃されそうになるが、左手で強風を出して距離を取る。それを何度か繰り返すが、おかしい…。
少しずつだが、スマッシュが強風の中前進してくる。ドライバーの不調ではないな。もう来てしまったのか?
ビルド「さっさと決める!」
『Ready go!』『ボルテックフィニッシュ!』
『イエーイ!』
ビルド「爆散!」
掛け声と同時に必殺技を繰り出し、スマッシュは爆散した!
ビルドはスマッシュから、ガスを回収する。ボトルはヘリコプターのボトルになった!
ビルド「回収完了っと」
変身解除すると、Roseliaメンバーが近づく。
ゼロ「皆さん怪我はないですか?」
あこ「大丈夫です!」
白金「…何ともありません。」ブルブル
ゼロ「…怖かったよな?もう大丈夫だよ。」白金の頭を撫でる。
白金(あれ?この感じ…懐かしいなぁ…)
ゼロ「湊さん、子猫はどうですか?」
湊「落ち着いたのか、眠っているわ。どうしようかしら?」
ゼロ「では日陰で寝かせて上げましょうか。」
ゼロ「おっ、そろそろ休憩時間も終わりますね。」
湊「そうね、戻りましょう。ゼロ、貴方はもう少し休んでいなさい。」
ゼロ「…そうさせて貰います。子猫の面倒はお任せを。」
そう言うと、メンバーは練習場に戻って行く。宇田川さんに先程のスマッシュについて聞かれたが、氷川と今井さんが上手く撒いてくれた。
それにしても熱い。あのフォームで、これだけ熱いなら他のフォームはどうなるのか、想像したくないな。
俺はそのまま、テーブルに突っ伏す形で気絶した。
〜練習終了後〜
サポーターとしての初仕事は、片付けの手伝いだった。それは良い、良いのだが…
今井さん「…」
何故か2人きりで片付けている。みんなで片付けた方が、当然早いと氷川が進言する前に、今井さんはあこに入れ知恵を行い、氷川含め他のメンバーを外に連れ出したのだった。
恐らく今井さんは何か話したいのだろう。人払いするほどの事なのだろうか?
今井さん「ゼロさんは、ギター以外の楽器は出来るの?」
ゼロ「どうでしょう、試してみますか?」
今井さん「じゃあコレ弾いてみて!」
今井さんのベースを借りて適当に弾いてみる。目を丸くして弾いている所を見ていた。
今井さん「凄い!めちゃくちゃ上手いじゃん!!」
ゼロ「弾く分には、問題なさそうですね。」
今井さん「次の練習で色々教えてよ!鳴君!」
ゼロ「えぇ、問題な…」しまった!
今井さん「…やっぱり鳴君だったんだね。」
考えろ、クールになれ。この状況を切り抜けるために!
ゼロ「…誰かと勘違いしている見たいですよ?」
今井さん「とぼけないで!名前呼んだ時返事したでしょ!それにビルドに変身したでしょ!」
ゼロ「…あれはデータ収集を頼まれてな。今回は偶々ビルドドライバーを使ったが、これも頼まれてるんだよ。」戦極ドライバーを見せる。
今井さん「!」
ゼロ「データ収集の理由は言えないが、鳴のためなのは間違いないよ。」
ゼロ「だから俺は『鳴』じゃないよ」
今井さん「わかったよ…。」
完全には納得してない見たいだがまぁ良しとしよう。
ゼロ「それにしても驚きました。『ビルド』の正体も知っているなんて。」
今井さん「最近助けてもらったんだよね」
ゼロ「なるほど、それでアイツにご執心なんだね。」
今井さん「//!!」
今井さんの顔が、使っているベースの色と同じくらい真っ赤になった。