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カービィ以外(メタナイトやマホロア等)のトータス入りは迷ってますが今のところ最終場面までは考えない予定です。
(今のところ出来上がり次第投稿しているので話のストックは無しで書いてます)
現在ハジメ達はハウリア族に樹海の案内をされていた。
その道中、突然虎模様の耳と尻尾を付けた、筋骨隆々の亜人が現れた。
「お前達……何故人間といる! 種族と族名を名乗れ!」
樹海の中で人間族と亜人族が共に歩いている。
その有り得ない光景に、目の前の虎の亜人と思しき人物はカム達を裏切り者を見るような眼差しを向けた。
その手には両刃の剣が抜身の状態で握られている。
周囲にも数十人の亜人が殺気を滾らせながら包囲網を敷いているようだ。
「あ、あの私達は……」
カムが何とか誤魔化そうと額に冷汗を流しながら弁明を試みるが、その前に虎の亜人の視線がシアを捉え、その眼が大きく見開かれる。
「白い髪の兎人族…だと? ……貴様ら……報告のあったハウリア族か……亜人族の面汚し共め! 長年、同胞を騙し続け、忌み子を匿うだけでなく、今度は人間族を招き入れるとは! 反逆罪だ! もはや弁明など聞く必要もない! 全員この場で処刑する! 総員かッ!?」
ドパンッ!!
虎の亜人が問答無用で攻撃命令を下そうとしたその瞬間、ハジメの腕が跳ね上がり、銃声と共に一条の閃光が彼の頬を掠めて背後の樹を抉り飛ばし樹海の奥へと消えていった。
「今の攻撃は、刹那の間に数十発単位で連射出来る。周囲を囲んでいるヤツらも全て把握している。お前等がいる場所は、既に俺のキルゾーンだ」
「な、なっ……詠唱がっ……」
ハジメはカービィに「俺に任せておけ」と言ってから更に脅……じゃなくて説明した。
「この樹海、ところどころ木が破壊されてたり、なぎ倒れたり、荒野になっていたりしてたよな?」
「あ、あぁ!それがどうした!」
そう、この間のカービィの歌(数え切れた者はいない)で樹海の魔物はほとんど全滅、もしくは絶滅した。
さらには樹海の樹は半分ほどなくなったり、荒野になったりした。
(ちなみにカービィの歌はトータス全土の半分程まで届き、各地で謎の地形崩壊被害が発生した)
ハジメは誰がやったか俺は知ってると言わんばかりの顔をする。
「っ!?ま、まさかお前がやったのか?」
ハジメは少し時間を開けて続ける。
「いや、俺じゃない。俺の隣にいるこの少女がやった。しかもこの少女は俺より強い。………どう言う意味か……わかるよな?」
「はっ!はい!」
(冗談だろ!こんな、こんなのまるっきり化物じゃないか!まだ噂に聞く異世界の勇者とやらの方がマシだ!)
「だが、この場を引くというのなら追いもしない。敵でないなら殺す理由もないからな。さぁ、選べ。敵対して無意味に全滅するか、大人しく家に帰るか」
「……その前に、一つ聞きたい」
虎の亜人は掠れそうになる声に必死で力を込めてハジメたちに尋ねた。
ハジメは視線で話を促した。
「……何が目的だ?」
代わりにカービィが答えた。
「ボクたちは大樹の下へ行って、七大迷宮の一つを攻略する為だよ!」
ハジメはカービィに続いて、
「俺達は七大迷宮の攻略を目指して旅をしている。ハウリアは案内のために雇ったんだ」
「本当の迷宮?何を言っている?七大迷宮とは、この樹海そのものだ。一度踏み込んだが最後、亜人以外には決して進むことも帰る事も叶わない天然の迷宮だ」
「いや、それはおかしい」
「なんだと?」
「大迷宮というには、ここの魔物は弱すぎる」
「弱い?」
「そうだ。大迷宮の魔物ってのは、どいつもこいつも化物揃いだ。少なくとも俺たちの知る『オルクス大迷宮』の奈落は俺たちですら苦戦を強いられる程のものだった。それに……」
「なんだ?」
「大迷宮というのは、〝解放者〟達が残した試練だ。亜人族は簡単に深部へ行けるんだろ?それじゃあ、試練になってない。だから、樹海自体が大迷宮ってのはおかしいんだよ」
「……」
ハジメたちの話を聞き終わり、虎の亜人は困惑を隠せなかった。
解放者とやらも、迷宮の試練とやらも……聞き覚えのないことばかりだ。
普段なら、〝戯言〟と切って捨てていただろう。
だがしかし、今、この場において、ハジメたちが適当なことを言う必要はないのだから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後ハジメ達は結局迷宮は行けず、ハジメがハウリア達を鍛える事にしたのだが、
結果がこれだ。
「聞け!
ハウリア族諸君!
勇猛果敢な戦士諸君!
今日を以て、お前達は糞蛆虫を卒業する!
お前達はもう淘汰されるだけの無価値な存在ではない!
力を以て理不尽を粉砕し、知恵を以て敵意を捩じ伏せる!
最高の戦士だ!
私怨に駆られ状況判断も出来ない〝ピッー〟な熊共にそれを教えてやれ!
奴らはもはや唯の踏み台に過ぎん!
唯の〝ピッー〟野郎どもだ!
奴らの屍山血河を築き、その上に証を立ててやれ!
生誕の証だ!
ハウリア族が生まれ変わった事をこの樹海の全てに証明してやれ!」
「「「「「「「「「「Sir、yes、sir!!」」」」」」」」」」
「答えろ!
諸君!
最強最高の戦士諸君!
お前達の望みはなんだ!」
「「「「「「「「「
「殺せ!! 殺せ!! 殺せ!!」
」」」」」」」」」
「お前達の特技は何だ!」
「「「「「「「「「
「殺せ!! 殺せ!! 殺せ!!」
」」」」」」」」」
「敵はどうする!」
「「「「「「「「「
「殺せ!! 殺せ!! 殺せ!!」
」」」」」」」」」
「そうだ!
殺せ!
お前達にはそれが出来る!
自らの手で生存の権利を獲得しろ!」
「「「「「「「「「「Aye、aye、Sir!!」」」」」」」」」
「いい気迫だ!
ハウリア族諸君!
俺からの命令は唯一つ!
サーチ&デストロイ!
行け!!」
「「「「「「「「「
「YAHAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
」」」」」」」」」
「うわぁ~ん、やっぱり私の家族はみんな死んでしまったですぅ~。カービィさんなんとかしてくださぃ〜」
「……う〜ん、これは難しいんじゃないかな?明らかにやりすぎだと思うし〜」
この結果、カービィすらも引いている程である。
ハウリア達はハジメを『ボス』、カービィを『姐御』と呼ぶようになって、とても殺人的な種族になってしまった。
「ボクは女の子じゃなーい!」と、カービィは言うがハウリア達は「「「「「「「「「
「冗談も程々にしてくださいよ姉御!どう見ても女の子にしか見えません!」
」」」」」」」」」と、息を揃えて言うので諦めるカービィ。
ハウリアには何も教えてないカービィを姉御呼びは重症だとようやく気がついたハジメは
「やり過ぎたな。すまん。」
ハウリア達「「「「ボ、ボスが謝った!?重傷者一名!直ちに……………」」」」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その後いろいろあってやっと樹海の迷宮にたどり着いたのだが、最低四つは迷宮を攻略しないと迷宮内部に行けないと判明したのだった。
「はぁ~、ちくしょう。今すぐ攻略は無理ってことか……面倒くさいが他の迷宮から当たるしかないな……」
「ん……」
「地道に頑張ろう!」
ここまで来て後回しにしなければならないことに歯噛みするハジメ。
ハジメはハウリア族に集合をかけた。
「いま聞いた通り、俺達は、先に他の大迷宮の攻略を目指すことする。大樹の下へ案内するまで守るという約束もこれで完了した。お前達なら、もうフェアベルゲンの庇護がなくても、この樹海で十分に生きていけるだろう。そういうわけで、ここでお別れだ」
ハウリアは一瞬固まるが「ハッ!?」となって
「ボス!姉御!我々もボスと姉御のお供に付いていかせて下さい!」
と言う。
「えっ! 父様達もハジメさんに付いて行くんですか!?」
「我々はもはやハウリアであってハウリアでなし!ボスと姉御の部下であります!是非、お供に!これは一族の総意であります!」
「ちょっと、父様!私、そんなの聞いてませんよ!ていうか、これで許可されちゃったら私の苦労は何だったのかと……」
そう、ハジメが「樹海旅立ちの日までにレムユエに一撃入れたら仲間にしてやるが入れられなかったら諦めろ」とチャンスを与えたのだ。
そしてシアは諦めず遂に今日、一撃入れることに成功したのだ。
「ぶっちゃけ、シアが羨ましいであります!」
「ぶっちゃけちゃった!ぶっちゃけちゃいましたよ!ホント、この十日間の間に何があったんですかっ!」
「却下」
「…………なぜです!?」
「足でまといだからに決まってんだろ、バカヤロー」
「しかしっ!」
「調子に乗るな。俺たちの旅についてこようなんてあと540日くらい早いわ!」
「具体的!?」
「じゃあ、あれだ。お前等はここで鍛錬してろ。次に樹海に来た時に、使えるようだったら部下として考えなくもない。カービィもそう思うだろ?」
「えっ、ボク!?……えっと、ボク部下とかよくわからないから友達になろうよ!」
「「「「「「「「「
「姉御と友達なんて恐れ多いです!」
」」」」」」」」」と、口を揃えて言うハウリア。
「……ボス、そのお言葉に偽りはありませんか?」
「ないない」
「嘘だったら、人間族の町の中心でボスと姉御の名前を連呼しつつ、新興宗教の教祖のごとく祭り上げますからな?」
「お、お前等、タチ悪いな……」
「そりゃ、ボスと姉御の部下を自負してますから」
「じゃあその時はボクがマイクでハウリア族を手伝うよ!」
と、カービィは純粋無垢な笑顔で言うのだった。
この時、ハジメはカービィの歌を聴きたくないので忘れないと誓った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ハジメ達は次の場所に旅立つ。
「ハジメさん、カービィさん、そう言えば聞いていませんでしたが目的地は何処ですか?」
「あ? 言ってなかったか?」
「聞いてませんよ!」
「ボクもだよ!」
「……私は知っている」
得意気なレムユエに、むっと唸り抗議の声を上げるシア。
「わ、私とカービィさんだって仲間なんですから、そういうことは教えて下さいよ!コミュニケーションは大事ですよ!」
「悪かったって。次の目的地はライセン大峡谷だ」
「「ライセン大峡谷?」」
「一応、ライセンも七大迷宮があると言われているからな。
シュネー雪原は魔人国の領土だから面倒な事になりそうだし、取り敢えず大火山を目指すのがベターなんだが、どうせ西大陸に行くなら東西に伸びるライセンを通りながら行けば、途中で迷宮が見つかるかもしれないだろ?(ま、まぁカービィの歌でライセン大渓谷が崩壊したが、夜に見てきた時には謎の結界でそこだけ崩壊してなかったから大丈夫だろうな。)」
「つ、ついででライセン大峡谷を渡るのですか……」
「いやぁ~、カービィさんとハジメさんのことだから、ライセン大峡谷でも魔物の肉をバリボリ食べて満足しちゃうんじゃないかと思ってまして……レムユエさんはハジメさんの血があれば問題ありませんし……どうやって私用の食料を調達してもらえるように説得するか考えていたんですよぉ~、杞憂でよかったです。ハジメさんもまともな料理食べるんですね!」
「当たり前だろ! 誰が好き好んで魔物なんか喰うか! ……お前、俺を何だと思ってるんだ……」
「ボクをなんだと思ってるの!?」
「ハジメさんは……プレデターという名の新種の魔物?カービィさんは……なんでしょうか?」
「俺に質問するな、だが安心しろお前、町に着くまでティンクルスターアライズの最後尾に括りつけて引きずってやる」
「ちょ、やめぇ、どっから出したんですかっ、その首輪! ホントやめてぇ~そんなの付けないでぇ~、カービィさん、レムユエさん見てないで助けてぇ!」
「……自業自得」
「頑張ってね、シア!」
「カービィさあぁぁぁん!」
ティンクルスターアライズで数時間ほど走り(飛び)、そろそろ日が暮れるという頃、前方に町が見えてきた。
ハジメの頬が綻ぶ、奈落から出て空を見上げた時のような、〝戻ってきた〟という気持ちが湧き出したからだ。
レムユエもどこかワクワクした様子。
きっと、ハジメと同じ気持ちなのだろう。
カービィは街に新たなグルメを期待していた。
樹海ではほとんど美味しいものが食べれなかったからだ。
「あのぉ~、いい雰囲気のところ申し訳ないですが、この首輪、取ってくれませんか?何故か、自分では外せないのですが……あの、聞いてます?ハジメさん?レムユエさん?カービィさん?ちょっと、無視しないで下さいよぉ~、泣きますよ!それは、もう鬱陶しいくらい泣きますよぉ!」
と、シアの愚痴は止まらない。