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月が輝きを薄れさせ、東の空がしらみ始めた頃、ハジメ、レムユエ、シア、カービィ、の5人(?)はすっかり旅支度を終えて、〝水妖精の宿〟の直ぐ外にいた。
幾つかの建物から人が活動し始める音が響く中、表通りを北に進み、やがて北門が見えてきた。と、ハジメはその北門の傍に複数の人の気配を感じ目を細める。特に動くわけでもなくたむろしているようだ。
朝靄をかきわけ見えたその姿は……愛子と生徒六人の姿だった。
「……何となく想像つくけど一応聞こう……何してんの?」
ハジメ達が半眼になって愛子に視線を向ける。
「私達も行きます。行方不明者の捜索ですよね? 人数は多いほうがいいです」
「却下だ。行きたきゃ勝手に行けばいい。が、一緒は断る」
「な、なぜですか?」
「単純に足の速さが違う。先生達に合わせてチンタラ進んでなんていられないんだ」
「ちょっと、そんな言い方ないでしょ? 南雲が私達のことよく思ってないからって、愛ちゃん先生にまで当たらないでよ」
カービィはティンクルスターアライズを呼んだ。
突然、虚空から謎の物体(ティンクルスターアライズ)が出現し、ギョッとなる愛子達。
「理解したか? お前等の事は昨日も言ったが心底どうでもいい。だから、八つ当たりをする理由もない。そのままの意味で、移動速度が違うと言っているんだ」
「こ、これも昨日の銃みたいに南雲が作ったのか?」
「いや、カービィの物だ。それじゃあ俺等は行くから、そこどいてくれ」
「南雲君、先生は先生として、どうしても南雲君からもっと詳しい話を聞かなければなりません。だから、きちんと話す時間を貰えるまでは離れませんし、逃げれば追いかけます。南雲君にとって、それは面倒なことではないですか? 移動時間とか捜索の合間の時間で構いませんから、時間を貰えませんか? そうすれば、南雲君の言う通り、この町でお別れできますよ……一先ずは」
「わかったよ。同行を許そう。」
「いいの?」とカービィは言う。
「あぁといっても話せることなんて殆どないけどな……」
「構いません。ちゃんと南雲君の口から聞いておきたいだけですから」
「はぁ、全く、先生はブレないな。何処でも何があっても先生か」
「当然です!」
ハジメが折れたことに喜色を浮かべ、むんっ!と胸を張る愛子。どうやら交渉が上手くいったようだと、生徒達もホッとした様子だ。
「……ハジメ、連れて行くの?」
「ああ、この人は、どこまでも〝教師〟なんでな。生徒の事に関しては妥協しねぇだろ。放置しておく方が、後で絶対面倒になる」
「ほぇ~、生徒さん想いのいい先生なのですねぇ~」
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