ありふれた能力世界最強(リメイク版)   作:コロンKY

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46話『大砂漠でのトラブル』

 

 

あれからしばらくスイスイと砂漠を数時間進んだその時、ティオが異変に気付いた。

「うん?なんじゃ、あれは?みんな、三時方向で何やら騒ぎじゃ」

 

ハジメたちが、言われるままにそちらを見ると、どうやら右手にある大きな砂丘の向こう側に、いわゆるサンドワームと呼ばれるミミズ型の魔物が相当数集まっているようだった。

砂丘の頂上から無数の頭が見えている。

 

このサンドワームは、平均二十メートル、大きいものでは百メートルにもなる大型の魔物だ。

 

幸い、サンドワーム自身も察知能力は低いので、偶然近くを通るなど不運に見舞われない限り、遠くから発見され狙われるということはない。

なので、砂丘の向こう側には運のなかった者がいるという事なのだが……

 

「?なんで、アイツ等あんなとこでグルグル回ってんだ?」

 

ただ、サンドワームが出現しているだけならティオも疑問顔をしてハジメたちに注視させる事はなかった。

ハジメの感知系スキルなら、サンドワームの奇襲にも気がつけるし、カービィのコピー能力なら対応しやすい。

だが異常だったのは、サンドワームに襲われている者がいるとして、何故かサンドワームがそれに襲いかからずに、様子を伺うようにして周囲を旋回しているからなのである。

 

「まるで、食うべきか食わざるべきか迷っているようじゃのう?」

「まぁ、そう見えるな。そんな事あんのか?」

「俺も南雲に同感だ。」

「ですね。」

「妾の知識にはないのじゃ。奴等は悪食じゃからの、獲物を前にして躊躇うということはないはずじゃが……」

「私の知識にもない」

「そうですぅね」

「じゃあどうして……」

 

 ティオはレムユエ以上に長生きな上、レムユエと異なり幽閉されていたわけでもないので知識は結構深い。

なので、魔物に関する情報などでは頼りになる。

その彼女が首をかしげるということは、何か異常事態が起きているのは間違いないと見た。

 

しかし、わざわざ自分達から関わる必要もないことなので、ハジメたちは、確認せず巻き込まれる前にさっさと距離を取ることにした。

 

光輝も「助けよう!」とは言わない。

無差別に救うようなことはなくなったようだ。

 

 と、そのとき、

 

「っ!?掴まれ!」

 

ハジメは、そう叫ぶと一気に潜水艇を加速させた。

直後、後部にかすりつつ、僅かに艦体を浮き上がらせながら砂色の巨体が後方より飛び出してきた。

大口を開けたそれはサンドワームである。

どうやら、不運なのはハジメ達も同じだったらしい。

 

カービィが潜水艇から飛び出して戦う。

「コピー能力ウィップ!」

カービィはカーボーイの様な帽子を被り、手には鞭を持っていた。

「クラッシュタイフーン!パラダイスタイフーン!」

カービィは鞭を前方に出してサンドワームを振り回して上に投げ飛ばし、そこからカービィは鞭を頭上で回転させて滅多打ちにした。

 

ハジメはそのまま潜水艇を走らせる。

と、その時だった。

 

「ハジメ!あれ!」

と、カービィは倒れている人を指差した。

「……白い人?」

 

カービィが指を差した先には、レムユエが呟いたように白い衣服に身を包んだ人が倒れ伏していた。

おそらく、先程のサンドワーム達は、あの人物を狙っていたのだろう。

しかし、なぜ食われなかったのかは、この距離からでは分からず謎だ。

 

「とりあえずあの人が生きているか見よう。」

 

「あぁ。」

と、カービィのいつものお人好しだと思ってハジメも賛成する。

 

そんなわけで、倒れている人の近くまでやって来た。

その人物は、ガラベーヤ(エジプト民族衣装)に酷似した衣装と、顔に巻きつけられるくらい大きなフードの付いた外套を羽織っていた。

顔はわからない。

うつ伏せに倒れている上に、フードが隠してしまっているからだ。

とりあえずカービィはフードを取った。

 

「……っ!」

するとあらわになった男の顔は、まだ若い二十歳半ばくらいの青年だった。

だが、カービィが顔を歪めたのは、そこではなく、その青年の状態だった。

苦しそうに歪められた顔には大量の汗が浮かび、呼吸は荒く、脈も早い。

服越しでもわかるほど全身から高熱を発している。

しかも、まるで内部から強烈な圧力でもかかっているかのように血管が浮き出ており、目や鼻といった粘膜から出血もしている。

明らかに尋常な様子ではない。

ただの日射病や風邪というわけではなさそうだ。

 

「コピー能力ドクター!」

カービィは素ではわからないのでコピー能力ドクターを頼りに状態を調べることにし、次々と症状を紙に書いていった。

 

結果は……

____________________

状態:魔力の過剰活性 体外への排出不可

症状:発熱 意識混濁 全身の疼痛 毛細血管の破裂とそれに伴う出血

原因:体内の水分の異常だと思われる

____________________

 

「たぶんだけど、何かよくない飲み物を摂取して、魔力暴走状態になっているみたいだね。それで外出せないから、強制的に活性化・圧迫させられて、肉体が付いてこれてないだからこうなったみたいだね。……かがくけんきゅうしょ!」

カービィはかがくけんきゅうしょを使って即座に神水と同等以上の回復薬を作り、飲ませた。

 

そして……

 

青年が呻き声を上げ、そのまぶたがふるふると震えだした。

どうやらお目覚めのようである。

ゆっくりと目を開けて周囲を見わたす青年は、心配そうに自分を間近で見つめるカービィを見て「女神?そうか、ここはあの世か……」などとほざきだした。

 

そして、今度は違う理由で体を熱くし始めたので、いい加減、暑さと砂のウザさにうんざりしていたハジメは、イラッとした表情を隠しもせずに、カービィ(家族)に手を伸ばそうとしている青年の腹を踏みつけた。

 

「おふっ!?」

「ハジメ!?」

こうして青年を現実に引き戻したハジメは、青年に何があったのか事情を聞く。

 

ハジメの踏み付けで正気を取り戻した青年は、自分を取り囲むハジメ達と背後の見たこともない物体(潜水艇)に目を白黒させて混乱していたが、カービィから大雑把な説明を聞くと、ハジメ達が命の恩人であると理解し、頭を下げて礼を言うと共に事情を話し始めた。

 

その話を聞きながら、ハジメは、どこに行ってもトラブルが付き纏うことに、よもや神のいたずらじゃあないだろうな?と若干疑わしそうに赤銅色の空を仰ぎ見るのだった。

 

 

 




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