仮面ライダージオウ ~もののけプリンセス1480~   作:コッコリリン

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どうも、初めましての方は初めまして。前作『仮面ライダーエグゼイド ~M in Maerchen World~』他をご存知の方々、またお会いできて光栄でございます。

この度、前作が完結してから新たな作品の構想練り練りして、ようやく形になってまいりました。とゆーわけで、連載していきます。

しかし、書いてて思いましたが、私タイムパラドックス系って難しいって感じました。ホントびっくり。とゆーわけで、作中でおかしいと思われたら遠慮なくそれでいて優しく教えてください。修正します。暴言混じりの指摘はもれなく私が泣きながら修正します。

前書きを長々するのもあれなのですが、今回は短め。本編は次回から。では皆さま、どうぞお読みくださいませませ~。

……スタジオジブリに怒られないかなぁ(恐怖)


EX.00 胎動

 

 

 深い、深い森の中。空は雲が覆いつくし、日の光も無く、さりとて日の光すら届かない程に、古の時代より生きてきた苔むした木々が密集している、人が踏み入れたことのない、もとい踏み入れられない秘境の地。さらにそこへ白い霧が立ち込め、ヴェールを纏うが如く木々を、世界を白く染める。

 

 人が立ち入ることを許されない、大自然の聖域。仮に一歩でも足を踏み入れでもすれば、森は飢餓に飢えた怪物となり、人間は霧の中を彷徨い、挙句行き倒れ、森の養分となるだろう。

 

穢れを一切受け入れない、神秘の森。獣の楽園にして、人間にとって禁断の地。

 

 しかし、その森には獣の姿が存在していなかった。鳥の囀すら聞こえない。

 

 その理由は、

 

 

 

 ―――――メキメキメキ

 

 

 

 木々を薙ぎ倒し、草花を踏み潰していく存在がいるからに他ならない。

 

 

 

 霧の中を突き進む影。影が進めば木が根元から倒れていき、岩すらも砕け散る。森は悲鳴を上げ、大人しい動物たちは逃げ去っていく。

 

 ただの巨大な獣が暴れている……というわけではない。

 

 その影の全貌は、異様の一言だった。巨体全身を覆う、赤黒い触手。ぐじゅぐじゅと粘着質な音をならして蠢き灼熱を放つ触手に触れた木は、養分を吸い取られたかのように枯れ、踏まれた草も大きな円形を描いて朽ち、足跡として残る。

 

 見るも悍ましい醜き者にして、全ての命に対する害となりし者。巨体を支える左右四本の触手で構成された長い足を進ませ、ただ前へ前へ、障害物となる木すら気にも留めず突き進むその真っ赤な目は、負の感情に満ちていた。

 

 怒り、憎しみ、苦しみ、そして……痛み。理性など最早ない。感情に舵を取られた巨獣は、全てを踏み潰し穢し尽くし進んでいく。

 

 だが、その足が唐突に止まった。

 

 深い霧の中、木々しか見えなかった赤い目の視線の先に見える影。初めは輪郭のみしか見えなかったその姿が、やがて自ら巨獣へ向かって、ゆったりとした動作で歩み寄って来た。

 

 それは、この森の中に相応しくない存在……人だった。

 

 各所に金具の装飾が施されているのが特徴の光沢を放つ薄緑色のローブ。細身の身体をそのローブで包んだその者の顔立ちは、女性にも見えれば線の細い男のようにも見える中性的な顔立ち。黒い髪をショートボブと呼ばれる髪型で短く切りそろえられたその者は、風でローブと、右手のブレスレットに結び付けた羽根のような飾りを揺らしながら、誰しもが近寄ることを躊躇うような醜い巨獣へと近づいていく。

 

 人であることを、その理性無き眼で認識した巨獣の身を支配していく感情。それは、激しい怒り、憎しみ。その者が“人である”ということを知った以上、膨大だった負の感情がさらに膨れ上がり、その身を覆う触手が蠢き、木々の騒めきのように総毛立つ。

 

 そして、真っ直ぐその者へ向けて走り出す。ブレーキなんて物はない。ただただ目の前の人間を圧し潰さんと迫っていく。

 

 もうじき、巨獣とその者はぶつかる……目と鼻の先まで近づいたその瞬間、

 

「ふっ!」

 

 その者は右手を、巨獣へと翳す。

 

 それだけ。たったそれだけで、巨獣の動きは止まった。

 

 否、封じられた。巨獣の身体を走るのは、故障したテレビのように耳障りな音をたてるノイズ。後少しで目の前の人間を殺せるというのに、一歩もその先へ進めない。身体中に蠢く触手すら動きを止めている。殺意を滾らせた赤い目をその者へ向けることだけしかできず、そして理性のない本能のみが残された脳が驚愕にも似た動揺で揺れる。

 

「荒ぶる神よ。あなたの感情が、私にも伝わってくる」

 

 動けない巨獣を前にして、女性のように高く、さりとて男性特有の低さも感じられる声で、恐れすらなくその者は語り掛ける。

 

「人間に対する怒り、憎しみ。身体を蝕む痛み、苦しみ……その気持ち、察して余りある」

 

 目の前の巨獣に対し、その者は悲し気な顔になり、同情、哀れみの目で見つめる。

 

「……けれど、その力をただ闇雲に振り回すのは惜しい」

 

 が、その表情が一転。口の端を吊り上げ、微笑む。

 

「あなたのその大きな感情……私が有効に活用させていただこう」

 

 言って、懐から取り出したるは、懐中時計を模したかのような黒いデバイス。真ん中には文字盤も時針もない、時計の機関が露出しているそれを、巨獣の前に翳した。

 

「だから、覚えておきなさい」

 

 慈しみが込められた声。だが巨獣にその言葉が伝わるかは定かではない。

 

 

 

「私こそが、あなたたちの体現者なのだと」

 

 

 

 それでも、その者には関係がなかった。ただ手に持つデバイスが、禍々しい輝きを放ち出し、その光の中でずっと微笑んでいた。

 

 その笑みの中に宿るは、慈愛か、或いは愉悦か……それとも、狂気か。笑顔の意味を誰も知ることのない森の中、霧による白い世界を紫の光が覆っていく。

 

 

 

 まるで、この世の絶望が溢れ出していくかのように。

 

 

 

 

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