二度目の人生で、Vtuberになりました。   作:SANO

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諸事情で20時投稿


11:歌コラボ(2)

 最初のデュエットは、俺がキレイ系の、カレンが可愛い系の、という見た目が反対なキャラのパートを歌うことでコメントはツッコミや笑い、そして歌唱力についてなどで大盛り上がりを見せていた。

 

 ちなみに、この配役を提案したのは橋本さんからで、一曲目に(良い意味で)予想外の事をして盛り上げることができれば、その後は勢いに乗ってやっていける。的なことを言っていた。

 その効果のほどは、コメント欄がすごい勢いで流れていくことが証明している。

 

 さらに上半身だけとはいえ、俺達の動きをトレースしてくれるということを知らされてから組み込んだダンスで魅せていく。

 まあダンスと言っても、最後の方で互いに向き合ってから片手を突き出して、タッチしてからカメラ目線という「これダンス?」と言われる程度のものだが……

 いやだって、前世を含めても俺はダンスなんてしたことないから仕方ないのだ。

 

 え?授業に組み込まれてるんじゃのか。だって?

 そんなもん前世ならともかく、今世では欠席したに決まってるだろう?無理に参加しようものなら、10分以内に倒れる自信があるわ!

 

 誰に対してかは分からないツッコミを内心で行いつつ、曲も最後の方へとなり上記のダンス?をするために隣をチラリと見てからタイミングを図り……

 

 

「ひゃっい!?」

 

 

なんだ?

どした?

ん?

??

あっ

 

 

 俺の奇声を聞いたからか、手に絡み合っていた指がするりと離れていく。

 非難を込めた視線を向けるも、相手は何故か親指を立てて「よくやった」とでも言いそうな良い笑顔を向けてくる。

 

 

「最後ので、キレイに歌いきれなかったのですが?」

『うん、それはゴメンね。でも、良い声だったよ!』

「この人、反省してない!」

 

 

カレンGJ

同意

切り抜き確定ですわ

ユキちゃんの悲鳴はレアだからな

ぐへへっ

 

 

「ッスゥーー……それじゃあ次の曲行きましょうか」

『ユキ友は変態が多いねねぇ』

「ユキ友に変態はいませんよ?―――ソウダヨネ?ミンナ」

 

 

イエスマム!

当然であります!

我々は真面目です

もちろんです!

 

 

「ほらね?」

『ウン、ソウダネー』

 

 

 

 うん。このノリの良さなら、大丈夫だろう。

 雑談配信ならいいが、初の歌コラボでは自重しろよな?

 

 まあ、燃料を投下するかのような行動をする人が隣にいるから、抑えていても漏れ出てしまうのだろうが……

 

 

『……ん?』

「いえ。リクエストは、どんな感じで採用します?」

『独断と偏見』

 

 

ww

まあ、当然やな

アンケだと時間かかるし

 

 

『そういうこと!じゃあ、みんな歌ってもらいたい曲をカキコメー!』

 

 

 カレンの号令と共に、恐ろしい勢いでコメントが流れていく。

 昔のネコネコ動画とかでこんなことをすれば、「コメ稼ぎ乙」とか言われてそうだ。

 

 

『たくさんのコメント、ありがとう!そうだなぁ、さっきは可愛い系だったから次はカッコいい系にいきたいな』

「それじゃあ、ソロで交互に何曲か歌います?」

 

 

 ずっとデュエットとかだと、さすがに俺の体力が持たない。

 

 

『そだねぇ。それじゃあ、交互に歌って相手から一言感想を貰おっか!』

「うぇえ!?」

 

 

カラオケのノリ

お前、カラオケ行ったことあるのか?

おいやろめ。その言葉は俺に効く

ぐふっ

ザクッ

ドムッ

 

 

「なんで、コメントでコントしてるの?」

 

 

 なんだか視聴者のテンションが少し高い気がするが、やっぱり【言霊】の影響があったということだろうか?

 いや、今回は色々と初要素があったから、それに触発されてテンションが上がってるかもしれない。

 

 

『それじゃあ、私から歌うね』

「あっ、はい」

『スタッフさん、今言った曲でお願いしまーす』

 

 

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-

 

 

 途中、バテそうになっている俺を察知した橋本さんがソロでメドレーを歌って時間を稼いでくれるなどがあったものの、初コラボは順調に進んでいき、最後の感想時間になった。

 

 

『いやぁ、こんなに歌ったのは久しぶりで楽しかった!』

 

 

途中、カレンのソロライブになってたけどな

楽しかった

スタッフもノッて、画面にカレンだけにしたり

確かに楽しそうに歌ってた

いろんな歌が聞けて最高だったわ

 

 

『テンションが上がりすぎて、ユキちゃんのチャンネルを少し占領しちゃったのはマズかったね。これは反省点』

「いえ、カレンの歌がたくさん聞けたので問題ないです。それにコラボだし」

 

 

 俺の休憩時間を作るためのソロライブだったことで、逆に感謝しているくらいだ。

 とはいえ、これを配信で言うわけにはいかないのが悔しいというかもどかしい。

 

 

『ありがとう。ユキちゃんはどうだった?色々と初だったけど』

「初めは緊張しましたけど、それを忘れるくらい楽しかったです」

 

 

 これに嘘はない。

 

 緊張は当然した。

 知らないスタッフやカメラに見られながらとか、初めてのスタジオでの配信とか、自分の【言霊】についてとか、緊張する要素しかない中での配信だったのだ。

 

 でも、俺の状態を橋本さんが常に気にかけてくれたし、スタッフも父や桃瀬さんが中心で俺に対応してくれたおかげで人見知りやコミュ症が出ることなく続けられた。

 色んな人に気を遣わせてしまっているのに申し訳なさがあったが、気兼ねなく歌えたことは俺には楽しいと感じられた。

 多分だが、【言霊】という懸念材料がなくなったことが楽しいと感じられる要因の一つなのだろう。

 

 コメントや周囲の人には常軌を逸した様子は見られない。

 時折、安心させるためだろう橋本さんからの自身の心情等に変化に異常性が出て居ないことを報告してくれたりして、昨日のカラオケでは出来なかった全力で歌うことができた。

 

 そのせいで後半はバテてしまったのだから、今後はテンションが上がると自己管理が疎かになって倒れるか、その一歩手前まで行ってしまう悪癖をどうにかしないとだろう。

 

 

『それは良かった。じゃあ今後もコラボしていく?』

「あ~……少し間隔を開けたいです。毎回だと倒れちゃう」

 

 

無理は良くない

配信してる側が楽しくないとね

カレンちゃんばっかりズルイ!小春ヒメカ✓

連続コラボはズルイです星月ツカサ✓

あっ

同期発見w

 

 

『あっ、本当だ。二人がいるということは、残り二人もいるな』

「ええ!?みんなに聴かれてたの!?」

 

 

ユキちゃん、次は私とコラボしよ?小春ヒメカ✓

お邪魔してます星月ツカサ✓

姫とコラボしたら、ユキちゃん死にそうw

カレン以上に構いそうだしな

 

 

「……本件につきましては前向きに検討したいと思いますので、この場での返答は控えさせていただきます。」

『政治家言葉とかっ』

 

 

 いや、これで笑える橋本さんのツボがよくわからん。

 

 

後日、お祈りメールが来るに1万ペリカ

同じく100億ジンバブエドル

そんなぁ(´・ω・`)小春ヒメカ✓

 

 

 そんな感じで俺の初めてのコラボは終わった。

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