二度目の人生で、Vtuberになりました。   作:SANO

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16:コラボ月間-小春ヒメカ-(1)

「こんユキ~」

『こんヒメ~』

 

 

 俺の挨拶の後に、同期の挨拶がヘッドホンから聞こえてくる。

 今日は同期の一人である【小春ヒメカ】とのコラボであり、これから続く“あるイベント”の始まりでもあった。

 

 

 

 事の発端は、水原カレンと冬空ユキの歌コラボ。

 あれは俺のチャンネルで行ったのだが、当然ながらコラボということで水原カレン側のユーザーが俺の動画へとやってくるので、再生数は普段より一回りも多く、その日だけで登録者数も倍近くに増えた。

 もちろん、この変化は俺のチャンネルだけではない。

 俺側のユーザーも今回のコラボで水原カレンという人なりを知ったことで、興味を持った人が彼女のチャンネルへと飛んでいき全体的な動画の再生数と登録者数を伸ばす結果となった。

 

 この結果を会社側は予想はしていたのだろうが、予想以上の結果だったのだろう。

 月一で大きな会議を行うらしく、そこで【コラボ月間】というイベントをしようという議題が上がり、即決されたというのだ(桃瀬さん情報)

 そして、その情報の正しさは【サンステージ】所属のVtuber全員へコラボを多く行っていくように要請する旨を通達する連絡が届いたことで確定された。

 

 んで。

 この通知が届いて数分もせずに、「コラボしよ!」と連絡を飛ばしてきたのが【小春ヒメカ】である。

 

 

 

『長かった!本当に長かった!!ユキちゃんとコラボができる日を指折り数えて待ってたよ!』

「えぇ~……」

 

 

テンション高っ

あまりの熱意にユキが退いてるw

姫、ユキにひかれてますよ!

もしもし、ポリスメン?

 

 

『ちょっと、まだ何もしてないのに通報とか酷くない!?』

「……まだ?」

 

 

まだ?

まだ?

まだ?

墓穴?

 

 

『ぇ?ぁ!いや、違うからね!?これはただの言葉の綾だからね!』

「大丈夫です。ヒメカの事、信じてますから」

『ユキちゃん、しゅきぃ……』

「はいはい」

『かるっ!?』

 

 

 そもそも、今回はオフコラボではないので何かあっても物理的に安心だし、そもそもデビュー前の親睦会や時折する個チャで悪い人ではないと分かっている。

 

 

『私とユキちゃんの信頼が厚いものであると分かったことだし、今回のコラボで何をやるか説明するわ!』

「あの。ここ私のチャンネルだから、私が……」

『私の方から誘ったんだし、場所まで借りてるから、説明は私がするわ!任せて!!』

「アッハイ」

 

 

乗っ取られた?

乗っ取られたましたなw

テンションが高くて落ち着くために何かしたいんでしょう

家臣の小春姫に対する理解度高すぎw

 

 

 いや、別に乗っ取られたとは思ってないが、家臣―小春ヒメカ側のファンネーム―が言うように普通にテンションが上がってるから、何かしたいのだろうということは理解できる。

 俺も変にテンパってると、そのまま行動するとミスると分かっているのに静かにして落ち着くより、何かしらの作業なりをして落ち着こうとしてしまう。

 

 

『本当はカレンちゃんと同じように歌コラボをしたかったんだけれど、通話越しでのデュエットは楽しくないし、オフコラボはどっちも都合が付かなかったしで、今回はマシュマロを食べながら今以上に親睦を深めようと思います!』

「パチパチパチッ」

 

 

 彼女のテンションに少し感染してしまったのか、口で拍手の音を出しつつ首を左右に振ってみるという。普段ならしないような、合いの手をしてしまう。

 ……いや、そもそもコラボは今回が2回目だから普段も何もないじゃん。

 

 

『あああああっ、可愛い!』

 

 

姫に完全同意

うっ、心臓が

あっ……

あっ

うっ……ふぅ……

ふぅ……あっ、続けて?

ふっ……あ、お構いなく

 

 

「変態が多すぎる!!」

 

 

 変態コメントを打っている名前から、ユキ友であると分かるのが余計にショックだ。

 なんで俺側のファンはこうも変態が多いのか!?

 ついでにヒメカは安易に可愛いとか言うな。普通に照れるんだよ!

 

 

ありがとうございます!

ありがとうございます!

赤面しつつの罵倒、最高です!

これで後10年は戦える!

 

 

『ありがとうございます!』

「なんでヒメカまで!?」

『ノリ?……まあ、このままだとマシュマロを読む時間が無くなるので、流れをぶった切ってマシュマロを用意しましょう』

 

 

 

                               

こんヒメ!&こんユキ!

初コラボということで、定番の質問をしたいと思います。

デビュー前と今とで相手の印象は変わりましたか?

 

 

マシュマロ

❏〟

 

 

『ということなんだけれど、ユキちゃんはどうかな?私の印象って変化してる?』

「変わってないですね。今も昔もムードメーカーだと感じてます」

 

 

 その場にいるだけで、場の空気を盛り上げてくれるというか、楽しいという感情が自分にも移ってくる感じがするのだ。

 だから、普段の俺で会ったらついていけないであろうハイテンションな彼女に、圧されつつも追い付いていけているのだと思う。

 

 例えるならば、久しぶりに帰省した実家で飼っている犬から、興奮して周囲を駆け回りながら尻尾をブンブンと振るテンションMAXな歓迎を受けているような感じ……。

 

 

「……うん、犬っぽい」

『犬!?』

 

 

あ~、分かる

分かるわぁ

解釈一致

血統書付きの柴犬だね

 

 

『家臣まで同意してるし!でも、犬かぁ……ユキちゃんは猫だよね』

「?そうですか?」

 

 

 猫というと自由奔放な性格っていうイメージだけど、俺ってそこまで自由気ままな言動をしたようなことはなかったと思うけど……。

 

 

『警戒心が激強だけれど、気を許してくれたら向こうから寄ってきてくれるの、でもそこで構いすぎるとウザがられて離れちゃう』

「……猫の話ですか?」

『残念!ユキちゃんの話です!!』

「嘘っ!?」

 

 

気づいてなかったのか

カレンとのコラボ中とか如実だよな

猫っぽいに同意

分かる

 

 

 やばい。

 この流れは、俺がイジリ倒される流れだ。

 話が深く掘り下げられてしまう前に、次のマシュマロを!

 

 

「あまり、一つのマシュマロに時間を使っては不公平だから、次行きましょう!」

『そういうことにしておきましょう』

「ナンノコトデスカ?私にはわかりません。次はこれ」

 

 

 

                               

ふぅ、ふぅ、ふぅ

ふひっ、ねっねぇ今どんなパンツ穿いてる?

ちなみに、ボクちんは白のブリーフ

デュフッ

 

 

マシュマロ

❏〟

 

 

なんでこれを選んだw

キモい

キモッ

で、色は?

 

 

「……咄嗟に選んだ私が言うのもアレですけど、これ答えないと駄目?」

『ダ・メ・♡』

「いやいやいや。私が答えたらヒメカも答えないとですよ?」

『私は答えられるゾ!』

「うぐっ」

 

 

ユキ、楽になっちまえよ

そうだぞ、質問に答えるだけだろ?

ほらほらぁ

視聴者にも変態が湧いてるw

某淫猫は、毎日言ってるんだから、問題ない

いや、あれは別格だろう

 

 

「……み、水色……」

 

 

 個チャとか、ある程度の親しい者へ答えるなら未だしも、性別も不明な不特定多数が聞いている中での告白は、自業自得とはいえ顔から火が出るかのように熱い。

 

 

『なん……だと……!?シマパンじゃないの!?』

「違うよ!!」

『ちなみに私は黒のレース付きね』

 

 

ヒュー、さすが姫さま

ユキの反応が普通なのに、ヒメカぇ

切り抜き確定

うっ……ふぅ……

 

 

 おかしいよ!!

 元男の俺が恥ずかしさで真っ赤になってて、なんで女性のヒメカが普通にしてるんだよ。

 情緒の設定が間違ってる。やり直しを要求する!!

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