「こんユキ~」
こんゆき
こんユキ~
あれ?コラボなのに一人?
こんユッキ~
「あっ、実は“ある”お願いをして、ちょっと姿を隠してもらってるんです」
コラボ前の顔合わせならぬ声合わせを行った際に、不躾なお願いをしてしまったのだが快諾してくれたことには感謝しかない。
カチカチッとコラボ相手が「やるならここもマジで」ということで調べてくれた文を画面端に表示させた後、軽く喉を鳴らして声を整える。
「んんっ……では」
素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
―――――Anfang
――――――告げる
――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!
噛まずに長台詞を言い終えて安堵をする前に、事前に組んでもらったシステムを起動する。
すると、俺のアバターの横に光のエフェクトが発生して、そこに目の部分を三日月形にくりぬいた骸骨のような面を雑に張り付けただけの同期のアバターがしたからニョキっと生えてくると
『サンステージの宇野シン。影より貴殿の呼び声を聞き届けた』
「やっ、あははははははっ」
セリフの頭部分が違えど、あの暗殺者にそっくりな声が響いてきた瞬間、俺の感情メーターが振りきれた。
演出が上手くいった嬉しさと好きな作品の再現ができたという興奮から、意味もなく机を両手でバシバシと叩いてしまう。
しかし、それだけでは感情の奔流が収まらず、座った状態からピョンピョンと飛び跳ねて椅子に悲鳴を上げさせながら体全体を使って発散してく。
『ちょっ、冬空!喜びすぎだろう』
「いや、だって―――ふきゃあっ」
当然といえば、当然だ。
クッションを使うことで椅子に座れていた状態で飛び跳ねたりすれば当然クッションがズレるわけで、尻の着地場所がズレたことでクッションから滑り落ちた俺は、外見通りの悲鳴を上げなら椅子から床へと転げ落ちた。
ユキが壊れたw
草
大丈夫か?
おいおい
まあ、はしゃぐ理由が分からなくもないがw
良い音したなぁ
『おいおい、大丈夫か?』
「だ、大丈夫です」
ヒンヤリするフローリングよって興奮を冷まされた俺は、画面向こうの人たちへ無事の報告をしながら、ズレたクッションを直して椅子へと座りなおす。
座り心地は良いんだけど、体の大きさにあってないんだよなぁ。
かといって体に合わせた椅子だと、長時間座ってると変に疲れるから、総合的にはこっちの方が良いから座ってるけど……。
「ぅんっ……しょっ……っと」
うっ
くそっ、不意打ちすぎる
エッッッ
おい宇野ー!
宇野許さん
『いや、これは不可抗力でしょう!?』
「???」
『何でもない。続けてくれ』
「アッハイ」
椅子に座ってからクッション等の位置を調整してる間に、何かあったようだが話してはくれなさそうである。
追及してもいいのだが、先ほどの無理なお願いを聞いてもらったばかりなので追及はせずに、止まっていた進行を再開することにする。
「えっと。改めまして、自己紹介をお願いします」
『皆さん、こんばんわサンステージ所属の宇野シンです。今日はよろしく~』
「よろしくお願いします」
サンステージ初の異性コラボ
初?
いや、既に……
うっ、頭が
ハツデマチガイナイ
『ヤツの性別について、ここで論議するわけにはいかないんので、スルーするぞ』
「本人不在では結論なんて出ませんしね」
『その通り』
あの人は話せば良い人であると分かるが、ある一点が突き抜けてるからなぁ……
おっと、居ない人を思って進行が止まってはマズい。話を進めよう。
「先ほどは、演出に協力してくれて、ありがとうございました」
『それを言うなら、俺も冬空の声で“あの長台詞”を言ってくれて、ありがとうございました。だ』
「あはは……」
ユキの声は耳心地がいいからなw
わかる↑
分かるw↑
『というか、あの作品を冬空が知ってた事に俺は驚いたんだけれど?』
「え?驚くほどですか?」
『いや、まあ……冬空のような子が、プレイするゲームじゃない気がして……な?』
確かに前世でプレイしたことがあるが、“そういう”描写を抜きにしてもR15指定されてる作品だからな。
彼のいうことも分からなくもないが、内面がオッサンな俺的には何も問題はない。
元が成人向けだしな
エ〇ゲをプレイするユキ……
通報した↑
もしもし、ポリスメン?
「あ~、元がそういう作品というのは知ってますけど、それなしでも私は面白かったですよ?」
『高1は成人向けはプレイできないはずだが、お前……』
「言葉の綾です!!」
宇野燃やす
宇野、夜道には気を付けろ
ああ、ユキのツッコミが染み分かるんじゃぁ
変態がいるw
『冬空のところは、過激なのしかいないの!?』
「いや、今のは宇野が悪いと思います」
『味方がいねぇ!』
高1美少女と三十路のオッサンじゃあなぁ
世間の不条理を見たw
南無南無
おっと、本当に炎上とかしてしまうと困るので、ここらで止めないと
「とまあ、お灸をすえることができたので良しとしましょう」
『ああ、神様仏様ユキ様』
「ふふっ、もっと讃えるが良い」
ユキ様ー!
ユキ様!!
これ、リスナーとユキによるマッチポンプじゃあ?
気にするな!
これも予定調和ってやつよ
『ところでユキ様、一つお願いしたいことがございます』
あっれ~?
この遊び、まだ続けるの?
「なんだ、申してみよ」
『このセリフを言ってもらいたいのですが……』
言い終わると同時に、DisRoadに彼からのメッセージが届き……
え?これってあのキャラのセリフだよな?
「これ?」
『声質が似てるので、是非!』
お?なんだ?
声質、あっ
あっ
理解できたわw
声質だけで理解できるほど似てるかなぁ?
まあ、ここまで流れを作られたら断れないから、やるしかないけど
「よかろう……んんっ」
「やっちゃえ♡バーサーカー!」
『Arrrthurrrrrr!!』
Aaaaa!!
Aaaaa!!
Aaaaa!!
Aaaaa!!
「そっち!?」
今更ながら召喚呪文って、歌詞使用時と同じで許可をとらないとなのでしょうか?
問題があるなら差し替えます。