二度目の人生で、Vtuberになりました。   作:SANO

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20:コラボ月間-星月ツカサ-(1)

『ようこそ、星月のアトリエへ。主の星月ツカサです』

 

 

アトリエ来た!

お邪魔します

コンプができると聞いて

今日を楽しみにしてた

 

 

『楽しみにしている人が多いみたいなので、さっそく今日のゲストに登場してもらいましょう』

「こ、こんユキ~。冬空ユキです」

 

 

 少し詰まってしまったが、紹介に応じて自己紹介を行う。

 ただ、緊張からか声が上ずってしまっているのが、自分でも分かった。

 

 

すげぇ緊張してるw

いや上がりすぎだろう

知らんのか?ユキはネコだぞ

↑いや、意味が分からん

 

 

『大丈夫?ほら、水を飲んでみて』

「はっはい」

 

 

 脇にあったストローの刺さったミネラルウォーターのボトルから、咽ないように注意しつつ水を飲んでいく。

 

 

んく、んく……ふぅ」

『……どう?緊張は和らいだ?』

「はい、どうにか」

『それじゃあ、改めて……いらっしゃいユキさん』

「お邪魔します」

 

 

 今回、こんなにも緊張しているのは訳がある。

 冒頭の始まり方で既に理解はできているだろうが、今回のコラボは俺のチャンネルではなく相手のチャンネルで行っているのだ。

 

 そう、初めての他チャンネルへお邪魔しているのである。

 自分のホームグラウンドではない所で緊張するなというのは、人間に呼吸をするなというレベルで無理な話であるのは明白だろう。

 

 

『さて、サムネやタイトルから分かる通り、今回のコラボはユキさんとお絵描きをしていこうと思います』

「---ます!」

 

 

ユキちゃんのハジメテが取られた!!小春ヒメカ✓

姫ww

姫さまw

反応はやw

 

 

『ふふっ、お絵描きに関しては誰にも譲りませんよ』

「言い方ぁ……」

 

 

 ヒメカとは、この間届いたゲームを一緒にプレイするのをコラボ配信した時も「ユキちゃんのハジメテGETだゼ」とか言ってたし、アバターが清楚系なのに中身がオッサン寄りとか何処の層を狙ってるのか分からん。

 ただ、そういうオッサン的な言動をしながらのレクチャーは的確で分かりやすかったから、下手なことを言えないんだよなぁ……

 

 

『今日はタップリ2時間分、時間を確保してあるので完成させるまで終わりませんからね』

「え?何それ、聞いていないです!?」

『打ち合わせで、ちゃんと2時間分の予定を開けてもらったじゃないですか』

「いや、それは配信後、何かあるのかと、思って、その……」

『ここで問答をしても、絵は完成しませんのでやって来ましょう!』

「またこの流れー!?」

 

 

絵に関してツカサに勝てる同期はいないだろうね

ユキは、もうこういう星の元に生まれたとしか言えない

ご愁傷さまです

というか2時間で完成できるのか?

 

 

『えっと、ユキさんペンタブの方は準備できてますか?』

「あっはい」

 

 

 ツカサの質問に返答しつつ目線を下へ向けると、A3サイズほどのiPadのような機材とちょっと太めのペンが存在を主張していた。

 

 ツカサとお絵描きコラボをすという方向になった時、当初の予定ではマウスを使って描くつもりであった。

 そもそもの話、俺がヒメカとお絵描きコラボをしたいといったのも、イラストが完成していく様を間近で見たいという理由からであり、別に自分の画力に自信があったわけではないのだ。

 なので“画伯”といわれるのを承知しつつマウスで描こうとしていたのだが、ここで桃瀬さんから「待った」の声がかかった。

 

 互いのマネージャーを同席させたうえでの通話を使った打ち合わせだったために、俺達の会話を聞いていた桃瀬さんは「お絵描き企画が今回だけとはならないだろうから、これを機にペンタブを持ってみては?」といってきたのだ。

 彼女の提案に、ツカサと彼女のマネージャーも賛同して、そうなるとコミュ症の俺に周囲の反対を押し切っての拒否などできるはずもなく「それなら……」と同意するしかなかった。

 

 ただ、ペンタプなんて前世を含めても一度も持ったことのない俺が、機材の良し悪しなんて分かる訳もなく。

 一番安いのでも買うかなと考えていた所に、言い出した責任ということで桃瀬さんがペンタブを提供すると言い出し、数日後に俺の手元に届いたのが目の前にあるペンタブである。

 

 

『使い方は、事前にマネージャーさんから聞いているんですよね?』

「基本的なものは教えてもらいました」

『メーカーが同じなら、私が教えられたんですが……残念です』

「あ、アハハ……」

 

 

 何だろう。

 彼女から、ヒメカと同じような雰囲気というか匂いというかを感じる……。

 

 

『では、ユキさん。お互いを描くということで』

「はい。ただ、出来には期待をしないでほしいです」

『大丈夫ですよ。一生懸命に描いてくださったイラストは、すべて良作ですから』

「が、がんばります」

 

 

はてさて、ユキの画力はいかに?

謙遜してるけど、どうかな?

実は上手いとか?

あり得るw

 

 

「ちょっと!勝手にハードル上げないで!?」

 

 

 いや、そんな期待されるほどに上手くないんだってば!!

 

 

『ふふっ、それじゃあ軽く構図やサイズを決めちゃいましょう』

 

 

 描く場所やポーズ等をパパっと決めて早速、描き始めることになった。

 とはいえ当然ではあるが、これはコラボで、配信で、黙って描いていくことなどないわけで……

 

 

『そういえば、ユキさん。ユキさん宛マシュマロが私のところに来てたんですよ』

「へ?」

 

 

 

                               

ユキちゃん!ユキちゃん!ユキちゃん!ユキちゅあぁぁあああああ

あああああああああああああああああん!!! あぁああああ…あ

あ…あっあっー! あぁああああああ!!!ユキユキユキちゅうぁ

あぁああああん!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハー

スーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん!ううっ

うぅうう!!俺の想いよ冬空ユキへ届け!!画面向こうの

ユキちゃんへ届け!

 

 

マシュマロ

❏〟

 

 

「え?ナニコレ?というか、なんでツカサのところに?」

 

 

 ネタだとしても、普通に怖いんですけど!?

 というか、なんで俺に向けたマシュマロがツカサへ送るんだ?

 

 

『ユキさんって、マシュマロの受け取り設定を結構辛口にしてます?』

「マネージャーさんに言われて、それなりにミュートワードを……あっ」

『私は、初期設定のままだと公言してたので、このマシュマロの主は可能性に掛けたのかもですね』

 

 

うわ~、傍迷惑すぎる

ツカサを伝令に使うとか、許さん

てかなんで、そのマシュマロ読んだ?

↑それな

 

 

『いえ、最初は悪意あるマシュマロなら闇に葬ろうかと思ったんですけれど』

「闇って……」

『これを含めてネタとしては面白いの幾つかあったので、紹介してみようかなと。SSとか5件くらいありますし』

「マジで、みんな何してんの!?」

 

 

ユキちゃんに俺の()を読んでもらいたいからさ!

↑通報した

↑普通に迷惑行為で草も生えん

ちょっとSSが気になる俺がいる

 

 

『大丈夫ですよ。楽しく読まさせてもらいましたから、SSは特によかったです』

「こういうことをする人の一部は、無駄に文才がありますからね」

『配信後に、お見せしますよ』

「……お願いします」

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