二度目の人生で、Vtuberになりました。   作:SANO

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21:コラボ月間-星月ツカサ-(2)

 意外とお喋りをしながらでも自分は絵が描けるようで、1時間経過するころには完成が見える程度にまで進んでいた。

 

 クオリティ?子供レベルですがなにか?

 問題ないだろう?この体は小学生に間違われるくらいに“ちんちくりん”なのだからさぁ!!

 

 

下手ではないわな、下手では

むしろ、納得のクオリティでは?

見た目相応とでも?

え?普通に上手くね?

 

 

『顔か体のどちらかを大きく描いてしまう人が多いですが、ユキさんは全体的なバランスが取れてて良いと思いますよ』

「あ、ありがとうございます……ぁぁっ、変になった」

『フフッ』

 

 

 プロ並みに絵が上手いツカサから社交辞令とはいえ褒められるとは思ってなかったので、動揺からペン先が乱れてしまう。

 そんな俺を見て笑っているツカサの方は、乱れることもなく早送りのようにスラスラと線が追加されて“冬空ユキ”が完成していく。

 

 

『本当によく描けてますよ。ユキさんは何かやってたりします?』

「えっと……学校の授業で描くくらいで、あとは教科書に載ってる人物とかにイタズラ描きしてたくらいです」

『悪戯……ああ、歴史の教科書にある人物画に体を書き足すとかですか?』

「ですです」

『あははっ、あれ私もやってましたよ。顔だけのには、その時に流行ってたアニメキャラの衣装を着せたりして』

「あっ、私もです」

 

 

 前世では、厳つい顔をしたオッサンに魔法少女の格好をさせたり、吹き出しを描いて言ってそうなセリフを創作したりとかして遊んでいた事を思い出して、笑ってしまう。

 さすがに今世では優等生キャラで通しているので、そんなことをしたりしていないが……

 

 

俺もしてたわw

大抵の子供はやってるw

教師に見つかって怒られるまでがセット

 

 

『それじゃあ、私もイタズラをしてみましょうか……ここに、こうして……』

「え?……ぁっ、ぇっ、わっわっわっ、えっウソ!?」

 

 

 ツカサが描いてくれている“冬空ユキ”は大きな本を抱えながら笑顔でいる姿なのだが、そこへ彼女がイタズラと称して書き加えたのはメガネ。

 ただし、普通の眼鏡?ではなく自身の顔に合っていない大きいメガネなので、ズレ落ちて鼻先に引っ掛かって辛うじてで落ちていない感じのものとなっており、もともと幼い女の子に適性があった彼女の画風から生み出されたソレは恐ろしい破壊力を周囲へとまき散らしたのだった。

 

 

あかんw

ぎゃわいい!

うぐっ

ヤバイ、可愛い

 

 

『仕上げに、これを……はい。ではユキさん、このセリフをイラストのような感じでアテレコをよろしくお願いいたします』

「はい!?」

 

 

 少し幼い感じのユキが、どんどんとロリ化していく様を純粋に楽しみながら見ていた俺へ難題を突き付けるツカサ。

 

 

『シンさんとのコラボの時のような感じで大丈夫ですから、では3、2、1―――』

「え?あっ、まっ……」

 

 

 カウントダウンに押し出されるかのように、俺であってもユキであっても絶対に言わないであろう言葉を口にする。

 ただ、イラストを見つつのアテレコだった為に、イラストのロリ化されたユキへと同調してしまい……

 

 

えへへっ、パパのまねっこー

『はうっ』

 

 

ガハッ

かわいいいいいいw

ロリユキw

無理なく聞こえるw

普段もロリ寄りだが、これは完ぺきロリだな

 

 

「あーーーーっ!!!」

『冬空ユキという尊い犠牲の元、最高の素材ができましたね』

 

 

やはり、ここでもユキは弄られる運命か

そういう星の元に生まれたのだ

哀れw

憐れw

 

 

『ユキさん。早く復活しないと色塗りの時間が減っちゃいますよ』

「扱いがヒドイ!」

『声一つで皆を喜ばせられるのだから、凄い才能かと?』

「いや、これで喜んでいるのは、ロリコンだけのような気が……」

 

 

ロリコンじゃないが?

ロリコンじゃないけど、もう一度さっきのセリフ言って

は?幼女好きだけどロリじゃないし

ダレノコトカナー?

 

 

「うっさい。このロリコン共め!」

 

 

サーセンw

サーセンw

スンマソンw

ありがとうございます!

罵倒助かるw

 

 

『ふふっ、本当にユキ友はユキさんが好きですね』

「もっと普通の愛情表現が欲しい」

 

 

 確かに、こうやって構ってくれるユキ友がいることは嬉しい事なのかもしれないが、少しだけでもいいからマトモな構い方をして欲しいと思うのは贅沢な悩みなのだろうか?

 まあ、本当にやめて欲しい時にはちゃんと退いてくれるので、民度は高い部類なのだろうことが良い点だろう。

 

 

『ん~、でもユキ友がはしゃいでしまう気持ちは分かる気がしますね』

「え?」

『ユキさんの声を聴いていると、なんというかライブとかのイベントが始まる前のワクワク感?みたいな感じになるんですよ』

 

 

 俺の声に対して、水原カレンと似たような感想を伝えてくるツカサにドキリと心臓が跳ねた。

 コラボ月間に入ってから、配信上で一度も【言霊】を使用してはいないというのに、聞いている人へ対して何かしらの効果を表している自分の声に少し怖くなる。

 いや、宇野シンの時に声質が云々と言われたので、それが関係しているだけで能力は全く関係ないのかもしれない。

 

 そう思うことで、この問題への考えを打ち切る。

 一人で考えても袋小路にハマるだけだし、原因が分かったとしても声を出さずに生活なんて、俺にはできない。

 

 

『さて、今後も気持ちよく素材を提供してくれることを期待しつつ、イラストを完成させましょう』

「一度も、気持ちよく素材を提供したことないですし、そもそも提供すること自体、賛同してないんですけど!?」

 

 

大丈夫!私が気持ちよく提供できるようにするから!小春ヒメカ✓

↑通報した

↑ポリスメン、ハリー!ハリー!

 

 

「ぴぃ!?」

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