二度目の人生で、Vtuberになりました。   作:SANO

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22:コラボ月間-泉谷カオル-(1)

『やぁ、待ったかい?』

 

 

 男性とも女性ともとれる中性的な声が、開幕の挨拶をする。

 

 

待ったないよ

待ってたw

キター

やぁ

 

 

『普段通りの君たちのようだね。さて、今日はゲストが来ているんだ』

「こんゆき~。冬空ユキです」

 

 

 声のトーンが少し高くなったが、さすがにツカサとのコラボでした失敗を繰り返すことはしない。

 ただ……おいこら画面の冬空ユキ(オレ)、挨拶が上手くいっただけで嬉しそうにすんな!

 

 

『今日はヨロシクねユキ』

「あっ、はい。よろしくです」

 

 

この二人を見てると、父性が刺激されんだがw

分かるw

分かるわぁ

俺は息子が刺激される!

↑通報した

 

 

 え?今日のリスナー、変態が多くないか?

 ユキ友でいつも変態コメしてる人とは違う名前だから、カオルのリスナーか初見になるんだが……

 

 

『こらこらキミ達、ユキがいるからって興奮しすぎだよ』

「えぇぇ……」

『大丈夫?気持ち悪いけど、物理的には何もしない無害な子らだから安心して』

 

 

気持ち悪いって言ってくれた(ビクンビクン)

ああ~、罵りが腰に効くんじゃあ

変態が多いw

気持ち悪いだけでダメな気がするんですが

ユキ友といい勝負

ナカーマ

やめて!?

 

 

『おや?互いのリスナー同士が仲良くできるようだし、こっちも話を進めようか』

「なかよく?」

 

 

 あれは仲良くしてるという解釈で良いのか?

 まあ、互いの変態部分に共感し合って最終的には仲良くなりそうな感じはするけど……

 

 

『さて、今日はユキと一緒にボクのチャンネルで恒例のアレをしたいと思うよ』

 

 

 カオルが配信画面を操作して、あるテロップを表示させると小声で「3,2,1」とカウントをとってくれる。

 俺はカウントを聞きつつ、配信前の打ち合わせで決めたセリフを思い出しながら、小さく息を吸い込むと

 

 

『カオルと、』

「ユキの!」

…せーの

「『お悩み相談室ー!』」

 

 

パチパチパチ

ユキ、セリフを噛まずに言えて偉い!

良く言えました!

わぁ~888888

 

 

『知らない人に説明すると、ボクのチャンネルではリスナーから寄せられた悩みを解決していく配信を、たまにしているんだ。で、今回はユキがゲストに来てくれているから、一緒にリスナーの悩みを解決していこうというわけさ』

「上手い答えが出来る自信がないんですけど」

『大丈夫。性別“カオル”のボクと、年齢“16世紀”歳のユキがいれば、大抵の悩みなんて解決さ』

「それ、人間換算で16歳ですからね!?」

 

 

年齢を世紀で表す人を初めて見たわw

公式プロフにマジで書いてあるぞ?

ユキは地精だからね

精霊らしいことしてる?

俺達を笑顔にしてるじゃん

 

 

『さて、さっそく一つ目のお悩みマシュマロを紹介するよ』

 

 

 

                               

人見知りで、相手の顔を見て話すことができません。

それで態度が悪いって思われたくないです。

どうすればいいですか?

 

マシュマロ

❏〟

 

 

「……お悩み相談だ」

『……最初にそう言ったんだけどなぁ?』

「えっと、てっきり大喜利のような、感じに、なる、かと……てへっ?

『可愛くしてもダメで~す。お仕置きだよ』

「ちょっ、やあぁあぁぁ!?」

 

 

 カオルのチャンネルで配信をしているということは、画面の主導権は相手が持っているということになる。

 “お仕置き”という言葉と共に、二人並んで表示されていたアバターのうちの冬空ユキが急に拡大されて、認証システムで俺と同じように赤面しつつ驚いているユキの顔が画面いっぱいに表示されてしまう。

 

 

『ユキとのガチ恋距離を、リスナーにプレゼントだ!』

「恥ずかしいからヤメテ!?」

 

 

不意打ちはアカンて

うぐっ

あっ……

うっ

うっ

 

 

『……はい、お仕置き終了』

「ぅぅ」

『じゃあ、お悩みを解決していこうか』

「……この仕打ちの後で、私が答えられると?」

『じゃあ、先にボクが答えるね』

「そういう意味じゃないのにぃ……」

 

 

やはり、ユキの立ち位置はこうだよな

いいぞぉ

もう定着してるからアキラメロン

諦めろ

 

 

『ボクの答えとしては、視野を広げて見るというのをオススメするよ』

「???」

『相手の顔を見ようとすると、当然だけれど顔へと視線を集中してしまうでしょう?』

「それは、まあ……」

『それを景色を見るように、相手の背景も含めて見るようにするのさ』

「……相手の顔を景色の一部として“見る”ということですか?」

『そう。練習が必要だろうけど、無理に相手の顔を見ようとして頭の中がパニックになるよりマシだと思うな』

「なるほど」

 

 

 こうして通話越しなら話せるようになったとはいえ、相談内容のように相手と面と向かって話すのが苦手なままの俺としては棚ぼた的な回答だ。

 早急に必要になる場面は今現在ないから、時間を見て練習してみよう。

 

 

へぇ

なんか難しそうだな

FPSの要領で視野を広げろって事だろう?

↑ああ、すげぇ分かりやすいわw

 

 

『じゃあ、次はユキの回答だね』

「えー、と……んー、と……そもそも、相手の顔を見て話す状況を作らないようにする。とか?」

 

 

相談内容の全否定w

おおいw

ユキぇ……

たしかに、そうだけどw

 

 

「いや、ほら、通話にするとか、帽子を被るとか、作業をしながらとか、色々あると思うんだけど!?」

『ユキ。それだと態度が悪いって思われるかもだから、相談内容の解決になりづらいんじゃないかなぁ?』

「ぁぅぁぅ……あっ!じゃあ人に会わなくて済むようにする!!」

『それ、ただの引きこもりだよ!?』

 

 

 カオルのツッコミは正論だろうけど!!

 人見知り持ちの俺には、これ以上の回答は無理なんだよぉ!!!

 分かってくれよ!!

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