二度目の人生で、Vtuberになりました。   作:SANO

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今年最後の投稿です。
皆さま、よいお年をお迎えください。


25:後の祭り

てか、二人の関係性が分からん

↑それな

母娘

二人の接点が分からん

 

 

 ふと、コメント欄に冬空ユキと夏波結の関係がよく分からないみたいな発言が目についた。

 結の方も気づいたのだろうか、少し迷っているかのような声色を上げる。

 

 

『ぁ~、私とユキは……これ言っても大丈夫なのかな?』

「私が、凸した時点で、疑問に思われるのは、分かってたと思うので……たっ多分、大丈夫、かと?」

『そうだよねぇ。えっと、ある飲食店でお互いの不注意からぶつかっちゃって、私が持ってた飲み物をユキに掛けちゃって―――』

 

 

 俺としては、店内で小走りで移動していながら周囲を見ていなかった自分に非があると思うんだが、暁さんが自身の方に非があると言い張ったことで互いの主張が平行線を辿り、結局は両方が悪かったという決着になっている。

 そんな感じで決着がついたとはいえ、こうして改めて状況説明を聞いていると一言申したい気持ちが湧いてくるのだが、蒸し返したところで誰も幸せにならないことは分かり切っているので、黙して夏波結と冬空ユキの出会った馴れ初めに耳を傾けた。

 

 

『―――で、ユキはこの時点で私だって分かってたみたいなの』

「えと、なんというか。慌ててるときの言動が、黒猫燦を相手にしてる、夏波結に似てたし、声色が……」

 

 

幼女に飲み物ひっかけたら、そら慌てるわ

オフで会ってたと予想外なんだがw

その様子が目に浮かぶw

ユキが結にバレる要素なくない?

 

 

『うん、まあ……私もユキの失言がなかったら、気づかないままだったんだけれどね』

「わ、私だって、夏波結が目の前にいることに、ビックリして……何か言わないとって、思ったら……」

『ぅっ……いや、そうだとしても、その……ゆいままは、ないと思う』

「ぁぅ……」

 

 

失言による自爆w

店内での失言って、大丈夫だったの?

失言の仕方が、さすが黒猫の妹w

草w

草w

 

 

 言い訳をしてはいるものの、あの失言がなければ夏波結――暁湊さんと、こんな凸して話をすることもなかったので怪我の功名と捉えてもいいのかもしれない。

 とはいえ、結果的に繋がりを得られた代償として、公衆の場でイジられるというのは結構な重傷だと思うけど……。

 

 

『まあ、その出来事がなかったらユキとは会えなかったから、結果的には良かった出来事かもね』

「……ままぁ

『ちょっと!?聞こえてるからね!!』

 

 

いや、これは掘れるw

↑おいw

これは仕方ない

ままぁ

マンマァ!!

 

 

『ああ、もう!!この話は、終わり!!来てくれた皆に聞いてる質問があるんだけれど、良いかな?』

「アッハイ」

『“今、一番やりたいことって何?”なんだけれど、ユキは何かしたいことある?』

「えっと、ライバーとしてですか?」

『ん?どっちでもいいよ?』

「ん~……」

 

 

 適当な唸る声を上げつつ、俺の内心はパニックに近い状態になっていた。

 初手で考えていたことがすべて吹き飛んで、時間稼ぎをしつつ思い出そうとしていたのだが、未だに思い出せていないのだ。

 

 結の配信を見つつ、リスナーへ知らせるように画面に表示されていた会話デッキから、自分が質問された際の回答案を何通りか考えていたのは覚えているのだが、それ以上が思い出せない。

 こんなことなら、メモ帳に箇条書きでもいいから考えていた事を書いておけばよかった。

 

 とはいえ、これ以上は相手を待たせられないし、この後にいるであろう凸待ちしている人にも迷惑がかかる。

 

 

 

 もう、ここは、俺の切り札を使うしかない。

 出来れば―――いや可能なら、今後も使う機会がなければと思っていた札だが、ここで切らないと“色々と終わる”!

 

 BADENDより、TRUEENDだ!!

 

 

 

「結とコラボしたい」

『え?』

「だ、だめ?」

『え?いや、そうじゃなくて……え?』

 

 

おっと?

企業の枠を超えたてぇてぇ?

ちょっと?水原カレン

ゆいままは私のだぞ!黒猫燦✓

キマシタワー?

 

 

 あ、なんか他人がビックリしたり焦ってるのを見ると、落ち着いてきたかも?

 でも、ここで正常な思考回路になったところで口から出した言葉は消えたりはしない。

 

 てか、ヤバイヤバイヤバイ!

 自分が零した言葉が今更ながら恥ずかしくなってきた!!!!

 

 

「~~~~っ、やっぱり何でもない!!私の言ったことは忘れて!!」

『ええ!?』

「結さん、収益化おめでとうございます!これからも応援してるので、頑張ってください!!」

「え?ちょっ、ユキ!?まっ―――」

 

 

 結がまだ何か言っていたが、下手に聞いてしまうと逃げるタイミングを逃してしまう。

 失礼だと分かりつつも、捲し立てるように言いたいことだけ言ったから、問答無用で退席ボタンを押して音声通話を切ってしまった。

 

 

「あああああっ!!やっちゃった!!!!」

 

 

 頭を抱えて、机に突っ伏して自分の言動の拙さに身悶えする。

 チラリとミュートのままになっている結の配信画面からは、爆速で流れるコメントと、激しく動きながら口をパクパクしている結のアバターが映っている。

 

 十中八九。

 自分の先ほどの言動についてを話題にして話しているのだろうが、どんな内容になっているか怖くてミュートを解除できない。

 それに、コメントも恥ずかしさから上手く注視できず、流れる速さもあって内容を読み取れない。

 

 

「……閉じよ」

 

 

 不貞寝するため、配信画面やらなんやらを閉じてPCをシャットダウンさせると、椅子から飛び降りてから脇にあるベッドへとダイブした。

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