世界取材結果概要
特異性:物語が現実世界を侵食する「物語災害」
特異性詳細:「物語災害」はどのような形であれ記録媒体に出力された物語が現実世界に顕れる災害である。期間は物語が始まってから終わるまで。物語が侵食した世界はその物語の世界における物理法則にしたがう。
「物語災害」原理:不明
同対策:
「物語災害」影響:物語内で死ねば災害が終わっても生き返ることはない。侵食された建造物は物語の世界観に合わせて再構築され、壊されていなければ元に戻るが壊されてしまえば壊されたままである。要は物語災害に遭った地域は物語内で起きた現象を引き継ぐ。
同規模・頻度など:今回取材にあたった国家である日本国の法律「物語災害対応基本法」により規定された基準を用いる。規模は「版型」で階級分けされている。版型は規模の小さい順に新書判からB5判まである。我々の世界におけるCEROレーティングなどの倫理規定とは基準が全く違うので注意したい。R指定を受けても級数は1のときもあれば、平和でも5のときもある。避難区域の設定や編集者の派遣人数を決める際の判断基準となる。物語災害の深刻さを表すには現実との乖離度、「天地差」を使う。天地差は1.0~10.0まであり、我々の世界における異世界モノは軒並み9~10.0でまとまっている。また、天地差は離れていればいるほど頻度は低い。
編集者について:編集者<editor>は、特別国家公務員の一つである。文化省特別即応課の者がそれであり、国家公務員試験よりも、物語への親和性、つまりその人の順応性が重視される。そのうえ慢性的な人材不足により、自ら志願する者には最悪公務員試験を行わない。(ただしそれは希望制であり、受けなかったものは昇進できない任期付きとして雇われる)
「打ち切り」業務:物語災害の収束は二通りある。一つは「物語が完結する」、もう一つは「物語が破綻する」である。編集者はその物語の内容に合わせて二つのうちどちらかを選び、物語を安全に終わらせる必要がある。「物語の破綻」とは、主人公の殺害やキーアイテムの破壊をすることにより、物語を立ち行かなくさせることである。物語は破綻してしまうと自壊を始めるので、早期の打ち切りには推奨される手段である。
武装:物語災害圏内に入った瞬間に手持ちの武器は物語によって書き換えられるので、高度な武器は使えない。そのかわり、原始的な武器―――ナイフや斧、槍など―――は書き換えられる可能性の低いものを持ち込む。
取材協力者:文化省特別即応課課長 島永 みのり
同課長補佐 瀬藤 栄弥
同職員 真倉 深雪
文化省広報課職員 槇間 真也
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