夜桜奏は落としたい〜天才音楽家たちの恋愛重奏戦〜   作:にゃんぱらりん

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絶体絶命の危機からのトラウマ 表

皆は絶体絶命の危機に陥ったことはあるだろうか? 

僕はある。今だ。

今僕は早坂さんにお願い(おど)されている

 

「もう逃げられないですよ。観念してください、夜桜君」

 

「これからはあなたにもかぐや様の恋愛頭脳戦の手伝いをしてもらいます」

「嫌だ、断る」

「あなたに拒否権はありません。もしそれでも断るというなら……」

 

 

「書記ちゃんにあなたの秘密をバラしますよ?」

 

 

 

ッ‼︎

 

─────────────────────

 

 

 

 

こんな状況になったのは何故だ? 

 

初めは午後の授業後に教室に早坂さんが来たことからか。

 

あの時は確か生徒会室に行こうと準備していたときだ。

 

「庶務君居るー?」

「はい、居ますよ。何か御用ですか」

「さっき四宮さんが呼んでたよー?」

「副会長が……? なんの用件でしょうか?」

「そこまでは知らないし! でも、四宮さんが来てほしいってさー」

「じゃあ急ぎ生徒会室に行きますね」

「場所は生徒会室じゃないってさー、説明めんどいから案内するし!」

「(生徒会室じゃない……?)そうですか。では案内よろしくお願いします」

 

こんなこと言わなければ……! 

のこのこついて行かなければ……! 

あんな目に遭わずに済んだというのに‼︎

 

2年B組の教室を出て……

 

「ところで場所はどこなのです? 生徒会室とは真逆の方向ですが……」

「なんかー? 図書室を右に曲がって? そこを突き当たりまで行ったら左に曲がったところって言ってたよー?」

「ええ……分かりにくいですね……」

「そーだよねーだって君をおびき寄せるための嘘だから」

「え?」

 

気づいた時には遅かった。

そこは行き止まりでしかも学園の隅であるため人は僕たち以外居ない。

 

「この状態(モード)でお会いするのは初めてですね」

「え……? は?」

「改めて自己紹介を。私は四宮家の使用人にしてかぐや様のお付きの近侍、早坂愛と申します」

 

………………。

 

「なる、ほど……。あの四宮が学園内とはいえ娘を1人でいさせるはずないか」

「あまり驚かないのですね?」

「驚いてるさ。顔に出ないだけだよ。君と同じで僕も演技には多少心得があるからね」

「へぇ……演技、ですか……」

「違うとは言わせないよ? それは仕事のときの姿でしょ?」

「そうですかそれがなにか?」

「さっきの学校のときとは全然違うしさ、それに癖なのかな動揺とかしたときに髪を手でいじくるでしょ? 無意識なのかは分からないけど、切り替えスイッチの役割なのかな?」

「…………」

 

ダンマリは肯定してるのと同じなんだけど……

四宮だったらそれさえも計算している可能性があるし

 

「それで、用件は何? こんなところまで来たんだからなんかあるんだろ?」

 

「…………」

 

「なんか言ったらどう?」

「では単刀直入に申し上げます」

 

「会長がかぐや様に告るように手伝いをしてください」

「は……?」

「ですから会長がか……」

「聞き返しているわけじゃなくて、え? どゆこと?」

「かぐや様と会長は両思いなのです。しかしプライドが高いので自ら告白することがありまけん。なので相手に告らせようと画策しているのです」

「バカなの?」

「はい、バカですよね。しかも2人とも相手は自分のことを好きに決まっている。でも自分は相手のことなんて好きじゃないって言い張るんですよ。本当に馬鹿馬鹿しいですよね」

 

自分の主人のことここまで言うかね。

まあ、溜まってるものはあるんだろうけど。

しかし話聞いてるだけでもちょっとイラッとするな……

両思いなのに告らせたい? まあ、2人が両思いなことぐらい見てれば分かるけど!

こっちは脈なしで小4の時からずっと悩んでいるのに? 

ふん、羨ましい限りだな! 

だから……

 

「悪いけどそれは断らせてもらう」

 

「へぇ、理由を聞いても?」

「そんなことに付き合ってられるか」

「なるほど、しかしあなたに拒否権はありません。否が応でも付き合ってもらいます」

「嫌だ。断る」

「私がなんでこんなところまであなたを連れてきたか分かりますか?」

 

………………? 

急になんだ…?

 

「あっ! しまった……」

 

ここは行き止まりで、話をしている間にいつの間にか僕が壁の方に追い詰められている……! 

クソ、話に夢中で全然気づかなかった……

さすが四宮といったところか、最悪だ……、

 

「もう逃げられないですよ。観念してください、夜桜君」

 

「これからはあなたにもかぐや様の恋愛頭脳戦の手伝いをしてもらいます」

「嫌だ、断る」

 

………………。

 

─────────────────────

 

 

こうして場面は最初に戻るのだが……

 

四宮家が僕の秘密を握っている? しかもそれを千花さんに? 

僕が千花さんのことが好きなことは誰も知らないはず……

いや、四宮ならそれぐらいすぐ調べれば分かるのか……? 

どちらにしろそれはマズイ! 

 

「あの四宮が僕の秘密を握っているなんて末恐ろしいね。一体全体どんな秘密を握ってるんだ?」

 

「それは……」

 

えっ、教えてくれるのか……? 

 

「あなたが母親を見殺しにしたことですよ。」

 

 

ッ‼︎

 

それはッ! 

 

それは僕のせいじゃない、僕のせいなんかじゃ……

 

「あなたのせいでしょう。声に出ていますよ」

 

 

違う! 違う……! あれは事故で……

 

 

「でも、あなたがあの場に居なければ」

 

 

あなたのお母さんは死ななくて済んだのに

 

 

「うわああぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 

 

 

僕は早坂さんにそう言われパニックになってしまった。

 

 

「落ち着いてください。私たちに協力していただければ秘密は守ります」

 

「……っ、ほんとうに?」

 

「ええ……もちろんです。私たちに協力する気になりましたか?」

 

「ああ……だからっ、だから千花さんに……」

 

「分かりました。では、これからよろしくお願いしますね」

 

早坂さんは笑みを浮かべて言う。

 

 

ああ……だから……これだからッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四宮グループは大嫌いだ

 

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

急な展開ですが許してください、

こうするしか早坂さんと関わりが作れなかったんです…

 

期末が来週にあるのに…

勉強が手につかないっ!

誰か助けて!

 

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