ここ最近、横須賀鎮守府でまことしやかにある伝説が囁かれるようになった。
その内容は以下のようなものである。
「戦場のピアニスト」が舞い降りた
この眉唾に近い伝説の真偽を確認するため、パートナー青葉と共に調査を開始する。
運よく、実際にその姿を目撃した提督を発見し、インタビューに成功した。
目撃者はH男爵の相方Kぐち君、1-5海域で戦場のピアニストに出会い、彼の神憑りてきな強さを目の当たりにしこう語る。
「彼を語る上で多くの言葉は要りません。一言だけ、対潜戦のスペシャリストそれだけです」
これだけでは、何もわからない。 更に詳しい話を取材するべくインタビューを試みるも「Kぐちカッター」という訳のわからない言葉を残し立ち去ってしまった。
取材班は更に詳しい情報を集めるため、鎮守府在住の提督達に片っ端から取材を申し込むローラー作戦を実行することにした。
しかし・・・
「有力な目撃情報はなし、か・・・」
こちらが取材した提督達は全て空振りだった。目撃情報はおろか、「戦場のピアニスト」この単語さえ知ってる者がいなかったのである。この伝説はガセネタか?
そんな、考えを巡らせている間に取材を終えた青葉の声が聞こえてきた。
「こっちは、空振りだ。そっちはどうだった?」
「司令官、青葉きいちゃいました…」
どうやら、ヒットがあったらしい。さすが取材において右に出るものはいない青葉だ。
「よくやった!で、その情報は?」
「気になります?やっぱり気になっちゃいますかー?」
「勿体ぶらずに早く教えろ」
「あ、頭を小突かないでください。やっぱり気になっちゃいますよね?実は・・・」
取材においては優秀だが、この焦らし癖と盗撮だけはいただけない。これさえなければ完璧なのだが
「実はワインしか飲まないと思われていたポーラさん、お酒ならウィスキー・日本酒・ビール何でも行けるみたいなんです!!これはとんでもないスクープですね」
「・・・・」
「冗談です。今のは冗談ですから、そんなにさわらないでください。折角セットした髪が~」
青葉による取材でわかったことは以下の通りであった
・目撃情報は全て1-5潜水艦海域
・その男は全身を黒一色でコーディネートしており、常にサングラスを着用している
・全聾でありながら、読心術で潜水艦のスクリュー音を探知できる
・戦艦で潜水艦を撃沈する
青葉が集めた情報を整理すればするほど、この伝説が眉唾物の可能性がどんどん高まってくる。
第1に、なぜ1-5にしか出現しないのか?
艦これは基本、ステージをクリアし続けなければ新しい艦娘はおろかレベリングさえままならない。自分達のような特殊な事情でもない限り、海域攻略放棄は愚の骨頂である。
以下2つの情報も色々と突っ込みたいが我慢しよう。
それよりも一番の疑問は・・
「戦艦で潜水艦は(システム上)攻撃できないだろ」
「司令官、実際の海戦ではいくつか実績があるみたいですよ」
潜水艦は潜航(海中深くに潜ること)が基本だ。撃沈する場合はレーダー探知orシュノーケル走行を目視で確認。
その後小回りの聞く駆逐艦による潜水艦の潜航予測深度への爆雷が正攻法である。
これを戦艦で行おうとした場合、浮上場所及び浮上タイミングをピンポイントで予測し浮上したところをドンピシャのタイミングで砲撃を行わなければならない。実際の海戦においても戦艦による潜水艦の撃沈はラッキーパンチが決まっただけの運ゲーによる実績しかないのだ。
それを狙ってできるとしたらそれは最早、人ではない。
とにもかくにも、先ずは1-5へと出撃することにするが・・・
「青葉つかぬことを聞くけど、うちの鎮守府駆逐艦いたっけ?」
「居ません。というより、戦力は青葉1艦だけですね!!」
「よし、とりあえず戦闘は極力さけよっか」
1-5海域ここは別名「58養殖場」と呼ばれている。
名称理由は勿論敵部隊が潜水艦のみ+たまにドロップで58がドロップするため、オリョクル要員補充のため日々提督達が駆逐のレベリングついでに58を乱獲することからこの名前がつけられた(適当)
早速、青葉と共に渦中の人物を探すも姿か形は現れない。それどころか、いつも盛況な狩場が一人っ子一人いなかった。その理由は大体察しがつく。
大本営からある伝達が達された。その内容は、最近深海勢達の活動が類を見ないほどに活発化してきている。各人大規模攻撃に備え準備されたしと言う旨だった。
それからというもの、この海域は本当にゴースト海域となった。全盛期は58の乱獲により一時期は大本営の天然記念物として指定されその姿を見るものはいなくなっていた時期もあった。しかし、今ではあちらこちらに58の姿を確認でき中には此方になんの警戒心もなく近寄ってくる艦までいる始末である。
こうなってはもう、野良艦娘として終わりであろう。
「海の中からこんにちはー♪」
「うわぁー、司令官この子うちで飼いませんか?とってもなついてきますよ♪」
「だめだ。うちに余計な艦娘を飼う余裕はない」
「そんなー」
そんな、無駄話をしつつひたすらに探索を続けるもやはり空振りだった。
今回は諦めまた出直そうと帰り支度をしていたそのとき、この海域で絶対に耳にすることがない主砲の発射音を耳にした。
「今の音聞こえたか?」
「はい!青葉見ちゃいましたあれは、46cm三連装砲の発射音です」
早速主砲が聞こえた方向に、移動する。
そして現場に到着し我々は目撃してしまった。戦艦大和が主砲をぶっぱなし当たり前のように潜水艦を撃沈している光景を
「司令官・・・」
「ああ・・・」
まさに、人間のそれを越えていた。全身を黒のスーツ着固めたその男は敵潜水艦の深度・距離・方角そして浮上予定時刻をピンポイントで大和に伝えていた。そしてその浮上予定ポイントに誘導されたように敵潜水艦が浮上してくるのだ。
しばらくその光景に目を奪われてしまった。そして、我に帰ったそのときには最早あの男の姿は煙のように消えてしまっていた。
「司令官!!あの人達いなくなっちゃいました」
「・・・」
かくして、あの眉唾物の伝説は本当だった。この遭遇から何度となく1-5海域に繰り出すも再び彼らとの解析を待ち望むも全て空振りに終わってしまっていた。
不本意ながらこれ以上の真相解明は今のところ進んでいない。誠に消化不良ではあるが今回の調査でわかったことをここに記し、書記として記して終わりとする。
久々の更新
次で何とか終わらせないと・・