マジでこの会社やめてやろうかな 作:ナイン
「むぅ……」
「……」
うーむ。ロドスの作戦に参加するときは消耗品関係は補助を入れてくれるみてぇだが、自前のものに関しては金額からなにから教えるわけにもいかねぇしなぁ。その分こっちに報酬水増ししてもらってるけどこれ間に合うかぁ……?
テキサスはともかく
「むぅ……」
「……」
ああ、クロワッサンも問題か。あいつ妙に報酬要求しやがるせいで上手く躱すので手一杯だ。報酬盛らないといけないことも多いし、そのせいでエクシアが悪ノリしてあいつにも報酬乗せねぇとだし……ああ、胃に穴が空きそうだ。ここの企業で俺の寿命何年縮んでるんだよ。
……しっかし。
「むぅ……」
「ソラ、いい加減うるさいんだが」
「うるさいってなんですかうるさいって! いいじゃないですかぁ……」
「まぁ悪いとは言わねぇけどよ。あれか? 乙女には考える時間が必要だ、ってやつか?」
「……まあそんなところです」
あーあ。拗ねちまった。ちょっとからかいすぎちまったかな。
「悪かったよソラ。ほら、甘いものやるから機嫌直せ」
「あたしはテキサスさんじゃ……はぁぁぁぁ……」
「おいおい……アイドルがため息なんて吐いちまっていいのか?」
「タナトスさん、本当に謝るつもりあります?」
「まぁ、ねぇな……」
謝る気はない。申し訳ねぇとは思うけどな。まあため息吐きたくなる気持ちは分からんでもないけどよ。
「どうせテキサスのことだろ」
「どうしてテキサスさんのことだって……」
「いや分かるが? 拗ねてんじゃねぇか」
「拗ねてないです!」
おめぇ隠す気あったんだな。そんなとこはテキサスに似なくていいからな……。
「……はぁ。しょうがねぇだろ。今回の作戦にお前は必要ないんだ。いたずらに数を増やしても無駄が出来る。分かるだろ?」
「分かってます。分かってますけど……今日もテキサスさんと任務に出るのはエクシアじゃないですか」
「おめぇさてはそっちが本音だな?」
まあ確かにエクシアがロドスの作戦に参加するのってうちのメンバーでも随一の回数だしなぁ……その分費用が嵩むの向こうさん理解してくれてんのかな。くれてねぇんだろうなお構いなしだわ。クッソ、ロドスの指揮官……会うことがあったら覚えとけよ……。
「まあ、エクシアは強いからな」
「ですよね……、はぁ……あたしにもエクシアみたいに強くなれれば……」
確かにソラが強くなれば必然的に作戦に招かれる可能性は高くなるけども……それぞれの役割ってもんがある。それを覆すことはよほど変わらない限りは難しいだろうな。
「……それだ!」
「うわっ、ぜってぇ余分なこと考えてるだろその目」
「もしあたしも武器を使えるようになれれば……」
「おいおい待て待て待て……どうしてそうなる!」
強くなると武器が使えるはイコールじゃなくてノットイコールだろうが!
「だって歌だけじゃなくて前に出れるようにもなれればテキサスさんと並べるじゃないですか!」
「お前テキサスについていけると思ってんの?」
「うっ……」
普段こそ大人しく、積極的に言葉を発しないテキサスだが、戦闘時の動きは正反対だ。前線で重装備の敵に対しても臆することなく突っ込んでいく様は正に狼。……とはエクシア談だが。
俺は実際の動きを見たことはない。
ともかく、そんな技術のある人間と肩を並べるには短期間では無理だ。足手まといになるのがオチだろう。
「でも! あたしだって……だからタナトスさん! 武器の使い方を教えて!」
「断る」
「ええっ!?」
今までの話の流れで断られるのは分かるだろう!
「そもそもお前、俺の職業をいつもの様子で分からないわけじゃないだろ」
「会計してくれてるのは分かりますけど……」
「そういうことだ。俺はペンギン急便の経理担当だ。教えることは出来ねぇよ」
外部からのトランスポーターなどの実働的な依頼に関しては全部任せているからな。
「でもタナトスさん、ラテラーノの方なんですよね? ラテラーノの風習って……」
あー。そこは触れられるよな。そう思って自分の頭の上の輪に触れる。
光は既にくすんでしまったが、俺もラテラーノの国民だった。
確かに、ラテラーノの国民は風習として守護銃を一人一挺持っている。
「……あぁ、そうだな。でもなソラ。エクシアに教わった方がいい」
「……エクシアに教わるのは嫌です」
「はー、面倒くせぇなぁ。つか、それこそテキサスに教わればいいんじゃないか?」
「言ったんですけど……」
「あー……」
なんとなく結果は想像出来る。まぁテキサスは自分の技術をいいものだとは思ってなさそうだしな……。
「だからタナトスさんに教えてもらいたかったんですけど……ダメですか?」
そう弱ったように声を出されると揺れるところがあるが……今回に関しては了承するわけにはいかない。
「……悪いがダメだ。俺は武器を使うのが苦手なんだよ。出来れば握りたくねぇ」
「そうですか……なら仕方がないですね……」
しゅん、と項垂れるソラ。……憧れに並び立ちたいって気持ちは応援してやりたいが、それだけはダメなんだ。すまないな。
ソラはタナトスにも敬語を使うんです。二人の時でもそれは変わらず。
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