戦姫絶唱シンフォギアAB 異聞録   作:株式会社の平社員

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X-3

現場に到着するとそこに居たのはノイズとガンヴォルトが呼んでいた生命体。そしてその中心には先ほど戦っていた少女四人が囲まれている。そしてその囲まれた奥にあるビルの屋上にピードの姿。

 

「おや?ロロちゃん!来てくれたんだ!」

 

ロロを見るや否や嬉しそうな表情をして叫んだ。

 

「ピード!貴様がこの訳のわからないものを仕掛けてマイナーズを!」

 

「ああ!そうだよ!君がロロちゃんを奪ったからこうまでしておびき寄せたんだよ!それにもう一人もね!」

 

ピードの声と共にオレを追ってきたガンヴォルトが現れる。だがガンヴォルトはアキュラを無視してノイズと呼ばれる生命体の中へと突入していくと巨大な雷撃鱗を展開して一度に全てを黒い塊へと変化させた。

 

「みんな、無事か!?」

 

「なんとかな…クソ、あの野郎がノイズの対峙を邪魔するように現れたと思ったら私達の攻撃を…なにをしているかわかんねぇけど空間に何か出現させて私達の攻撃を逸らしてきやがる」

 

「ただのノイズだけならなんとかなるのだが…」

 

「あの人…しかもなんか変なことばっかり言ってくるし、正直引いてます」

 

「君も迎えにきたよ!モルフォちゃん!さぁ!こっちにおいで!」

 

「うわぁ…GV…あの人熱狂的な私のファンみたいだけど正直怖いよ…」

 

「安心してシアン。絶対に君はボクが守るから」

 

ガンヴォルトが電子の謡精(サイバーディーヴァ)に向けてそう叫び、あの時、ロロを奪ったようにガンヴォルト達の背後に突如空間が裂け、穴から黒い手が出てくる。

 

「っ!?」

 

ガンヴォルトだけがなにかしら危険を感じ取り、その場から少女達を指示して飛び去る。ピードは気づかれたことに驚いた様子であったが、慌てることなどなく、今度はガンヴォルトの周りに大量の穴を出現させる。

 

「君は邪魔だよ!モルフォちゃんを頂く!」

 

「狙いはシアンか!貴方も皇神(スメラギ)の能力者でシアンを狙うのならボクが貴方を止める!」

 

「うるさいよ!君には何も言ってないし!」

 

「話にならない!みんな!ボクがこの男を何とかする!その間にノイズを!」

 

ガンヴォルトは少女達へと指示を飛ばし、次々と周りに出現する手の様なものを雷撃で払っていく。ガンヴォルトに追従する電子の謡精(サイバーディーヴァ)を狙い、ピードはこちらに気を向けていない。そして、この男がノイズという生命体を出現させているのならばここで生かしておけば、マイナーズを徒に殺されると考え、今はガンヴォルトよりもこちらの方が危険と判断する。

 

「ピード!貴様はその男より危険だ!ここで俺が討滅する!」

 

ブリッツダッシュで一気にピードへと距離を詰めてディヴァイドを叩きつけようとする。

 

X(イクス)!貴様もロロちゃんを寄越せ!」

 

だが、ピードはガンヴォルトばかりに気を散らしてなどおらず、こちらにも大量の空間に穴を発生させる。

 

そこから伸びるたくさんの手のようなもの。その全ての手が襲ってくるが、ブリッツダッシュで躱し、ディヴァイドで叩き落とす。フラッシュフィールドもロロにより展開してもらうが、全く意味をなさない。あまりの数の多さに、ブリッツが一気に減らされていく。

 

「クソ!忌々しい!」

 

なんとか躱していくが、不意に背後に現れた手がオレを貫こうと手を伸ばす。

 

「アキュラ君!危ない!」

 

ロロの声も間に合わず、その手をまともに喰らいそうになるが、カゲロウを使い、回避する。だが、そのせいでブリッツを全て消費してしまい、ブリッツダッシュもカゲロウも全て発動できなくなってしまう。

 

その事はこの場ではオレとロロしかわからない。だが、ピードの出現させた腕は更に苛烈さを増そうとしている。

 

だが、ロロがビットを操作して自分の周りに陣形を整えると青い奔流が包み込まむ。

 

「ドラフトスパイラル!アキュラ君!ボクが敵の攻撃を防いでいる間に、ブリッツの再装填を急いで!」

 

「助かる!」

 

青き奔流の流れを逆らうように登る気流を逆らって地面へと落下していき、地面を砕くほどの威力で降り立つと、ブリッツを装填している脚部から空のブリッツが吐き出され、新たなブリッツが装填される。

 

「ロロ!ドラフトスパイラルを解除しろ!」

 

その言葉でロロはドラフトスパイラルを解除して、素早くこちらへと戻る。

 

「ああ、ロロちゃん!抵抗する君もとても魅力的だ!でも、絶対に君を手に入れてみるからね!」

 

「ヒィー!アキュラ君やっぱりあの人ものすごい変態さんだよ!」

 

オレの背後に隠れてそう叫ぶロロ。

 

だが、そのわずがな時間にガンヴォルトはピードへと既に距離を縮めており、腕に雷撃を纏わせて、ピードへと向けて放つ。

 

「貴方にシアンを渡さない!」

 

「だから!君は邪魔なんだよ!」

 

ピードはガンヴォルトの接近に既に気付いており、放たれる雷撃を穴を出現させて、こちらへと穴を開くと雷撃をこちらへと誘導させる。

 

「ガンヴォルト!邪魔をするな!そいつは俺が討滅する!」

 

穴から現れる雷撃を回避してそのまま穴が完全に消える前にブリッツダッシュで飛び込むとピードの目の前に出現してディヴァイドを叩き込もうとする。だが、叩き込もうとした瞬間にピードは自身の立つ場所に穴を開け、何処かへと消えていく。

 

「君にも用はないんだよ!X(イクス)!さっさとロロちゃんを寄越せ!」

 

離れた場所のビルの屋上へと現れるピードが叫んだ。

 

「逃げ足だけは早いようだな!だが、貴様は自身の能力は未弱なようだな!」

 

そうピードに向けて叫び、穿たれた穴へと向けてフォトンレーザーを打ち込む。だが、それと同時に放たれる雷撃が邪魔をして打ち消される。

 

「ガンヴォルト!邪魔をするなと言ったはずだ!貴様は後で相手をしてやる!」

 

「君が邪魔をするな、アキュラ!あいつをここで食い止めなければいけないんだ!ノイズを出現させる根源を!」

 

邪魔をしたガンヴォルトへと向けて叫ぶ。だが、ガンヴォルトも邪魔をされたことを怒り、こちらへと叫ぶ。

 

「ガンヴォルトさん!今は言い合いをしている場合じゃないですよ!」

 

「ノイズは全部片付けた!あとはあいつとあの赤白の鎧を着た奴だけだ!こんなところで言い合っても仕方ないだろ!ガンヴォルト!」

 

「ったく!あんたらしくもねぇぞ!」

 

「ガンヴォルト!落ちつきなさい!」

 

少女達があの生命体を全て倒し終えたのか、ガンヴォルトの近くへと集まる。

 

「アキュラ君…あの人の周りに強力な装備をつけた人達も集まっちゃったよ…変態さんと戦いながら、相手にするなんて厳しいと思う」

 

「だが、ここで奴等を野放しにすれば更に被害が増えることになる!ここで確実に仕留めるぞ!」

 

「君達がロロちゃんとモルフォちゃんを渡せばそんなこともなくなるんだよ?」

 

突如離れたビルにいるはずのピードの声が響く。

 

声のする方向にはピードがおり、ロロを掴んでいた。

 

「いつの間に!?」

 

だがピードは未だビルの屋上にいる。これも奴のセプティマの能力なのか。だがそんなことを考えている場合ではない。

 

「ロロを離せ!」

 

フォトンレーザーを放とうとしたが、その前にガンヴォルトが避雷針(ダート)を放っており、撃ち出された避雷針(ダート)を躱すために、穴再び穿とうとしたがガンヴォルトはいつの間にかもう一人現れたピードへと既に接近しており、腕を掲げていた。

 

「煌めくは雷纏いし聖剣!蒼雷の暴虐よ!敵を貫け!」

 

掲げた腕から雷撃が剣を象り、巨大な剣が現れる。

 

「迸れ!蒼き雷霆よ(アームドブルー)!スパークカリバー!」

 

だが、ピードはそれを避けるために自身とガンヴォルト間の空間に穴を開け、その攻撃を少女達へと繋げる。

 

「シアン!」

 

「任せて!」

 

だが、ガンヴォルトに追従する電子の謡精(サイバーディーヴァ)が歌うと共にガンヴォルトは巨大な剣が更に巨大になり、穴を越える大きさになる。

 

「これで決める!」

 

ガンヴォルトが叫び、振るう剣が作り出した空間の穴をも切り裂いて現れたもう一人のピードを両断した。

 

「ガンヴォルト…やはり奴は危険すぎる…」

 

以前にも増して強化されている蒼き雷霆(アームドブルー)。このまま奴を野放しにしているのはまずい。

 

ブリッツダッシュでピードを倒し、スパークカリバーが消える瞬間を狙い、飛び上がる。

 

「ピードも危険だが、貴様も危険だ!奴より先に貴様を倒させてもらう!」

 

「アキュラ!?」

 

「まさか、こんな男がいるとわね。ブレイド同様の雷撃のセプティマホルダー。だが、その力はモルフォちゃんに無理やり使わされているものだ。だから僕がモルフォちゃんを解放してあげるよ」

 

突如、ガンヴォルトと自身の間に空間を開けて今度はもう一人などではなくビルから現れるピード。

 

「貴様!」

 

「貴方は!」

 

そして更に新たな穴を開けるとガンヴォルトに追従する電子の謡精(サイバーディーヴァ)、そしてロロへと向けて穴から腕を伸ばし捕獲しようとする。ブリッツダッシュを使用して素早くその場を退避するが、ガンヴォルトは空中での機動力が足りないのか苦戦を強いられている。

 

「させるか!」

 

今度はその穴から現れる手を切り伏せる槍と剣、そして拳と弾丸が吹き飛ばす。

 

「シアンを狙っている理由は知らないけど貴方がノイズを出しているのなら止める!」

 

「誰だか知らないけど!シアンを連れて行こうとしているのとガンヴォルトの邪魔をするなら私達が相手してやる!」

 

「理由なんてどうでもいいが、こいつの邪魔をするってんなら私達が止めてやる!」

 

「友達を連れ去ろうとしているのに黙って見過ごすわけにはいきません!」

 

「みんな!」

 

ガンヴォルトは窮地を脱したことに安堵しているが、ピードはその行動により更に怒り狂う。

 

「なんで…なんでなんでなんでなんで!なんで君達は僕の邪魔をする!僕はただ欲しい物を手に入れたいだけなのに!モルフォちゃんにロロちゃん!彼女達の歌が欲しいだけなんだ!それなのにそれなのにそれなのにそれなのに!」

 

狂ったように頭を掻き毟るピードが次々と穴を開けると先ほど倒したはずのノイズと呼ばれる生命体をガンヴォルトや少女の近く、そして自身の周りへと大量に出現させる。

 

「邪魔者は全員消えろ!」

 

だが、ノイズは何故かアキュラには関心を持たず、少女やガンヴォルトのもとへと殺到する。

 

「ちっ!また厄介なことを!」

 

赤い少女が叫び、銃をガトリングのようなものへと変化させて撃ち滅ぼしていく。

 

「だが、この程度のノイズに遅れを取る私達ではない!」

 

青い少女も剣を振るい、斬り伏せる。

 

「当たり前だ!こんなのに時間を取られるわけにはいかねぇ!」

 

黄の槍を持つ少女も槍を振るい、貫いていく。

 

「ガンヴォルトさん!ここは私達がどうにかします!だからあの第七波動(セブンス)能力者を!」

 

「そうさせると思っているのか!」

 

少女が拳を振るう中、何人ものピードが現れると不意打ちのように少女達を倒そうとする。だが、それを邪魔するようにガンヴォルトが少女達の元へと現れたピードへと避雷針(ダート)と雷撃を放ち、救おうとする。だがそれを防ぐように更に複数のピードが現れてガンヴォルトを囲む。

 

「奴の能力は一体なんだ…複製…いや、それにしては現れたピード達の姿がまるで違う…」

 

ピードが複数現れる能力を考察する。現れた人物は全てピードなのだが、服装も、髪型も一人一人異なり、複製にしてはあまりにも不可解。

 

「君は何故ノイズに狙われないかは知らないけどいい加減ロロちゃんを渡してもらおうか!」

 

「アキュラ君!後ろ!」

 

ロロがビットを操作してスパークステラーを発動させて背後に現れたピードを撃退しようとする。

 

だが、ピードは穴を開けてスパークステラーを少女達へと向けた。

 

少女達は複数現れたピードによる攻撃の不意をつかれたことによりまともにスパークステラーを喰らう。

 

「みんな!」

 

ガンヴォルトが複数相手するピードを自らの雷撃鱗で距離を取らせ、離れた瞬間に雷撃鱗を解いて素早く少女達の元へと駆け寄る。

 

だがそれが悪手となる。

 

「モルフォちゃんは頂くよ」

 

少女達に気を取られた瞬間に、穴を開けて電子の謡精(サイバーディーヴァ)の腕を掴んだ。

 

「シアン!」

 

「GV!」

 

電子の謡精(サイバーディーヴァ)はガンヴォルトへと助けを求め、手を伸ばす。だが、ガンヴォルトは手を伸ばそうとするも電子の謡精(サイバーディーヴァ)は空を切る。だが、それを見ていた黄色の拳を武装とする少女がいち早く気付いており、電子の謡精(サイバーディーヴァ)の手を掴もうとしていた。

 

「シアンちゃん!」

 

「響!」

 

電子の謡精(サイバーディーヴァ)の手を少女が掴み、引き戻そうとするが、ピードは穴を広げて、少女ごと穴で飲み込んでしまった。

 

「シアン!響!」

 

救出しようと穴へ飛び込もうとしたガンヴォルトだが、周辺にいたピードがそれを阻止する。

 

こちらに現れたピードもロロを奪おうとするも、ディヴァイドで応戦してなんとか阻止する。そしてピードの別の場所へと繋がる穴を掻い潜り、ピードにディヴァイドを叩き込むが皮一枚掠るのみで針を打ち込めず、躱されてしまう。

 

「ちっ!まあいい、まずは一人だ!ここは退いてあげるよ。あの空間に長くいたらモルフォちゃんに何かあると困るからね!」

 

「逃さん!」

 

追おうとしたが、素早く穴を開けて離れた場所へと向かうと複数現れたピードと共に姿を消す。

 

「逃したか…」

 

「シアンと響を返せ!」

 

そしてガンヴォルトの方も叫ぶが、だが消えたピードにその言葉は届かない。

 

「アキュラ君…どうする?」

 

その瞬間に槍と剣、そして弾丸がアキュラを襲う。

 

ロロがフラッシュフィールドを展開して弾丸を弾き、ブリッツダッシュで躱す。

 

「お前のせいでシアンと立花は消えた!答えろ!あの男が何者かを!」

 

「あんたが何か知っているのなら教えてもらうぞ!」

 

「あいつらとは敵対しているのは見てわかったがテメェが邪魔しなければあいつらだって拐われなかったんだ!」

 

青、黄、赤の鎧を纏う少女達と対峙する。

 

「貴様等が邪魔をしなければ俺が確実にピードを仕留められていた!俺の邪魔をするなら貴様達もガンヴォルト共に討滅する!」

 

そしてブリッツダッシュを使い、高速で三人へ向けて飛び出した。

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