戦姫絶唱シンフォギアAB 異聞録   作:株式会社の平社員

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久々にこちらも投稿。


X-4

アキュラがブリッツダッシュで少女達との距離を一気に詰める。

 

そしてその後を追従するようにロロとビットが飛来する。

 

「ロロ!」

 

「分かってるよ!オービタルエッジ!」

 

ビットを操作するロロはアキュラの周りに呼び寄せるとそれが円状の刃を形成し、少女達に向けて振るった。

 

「グッ!?」

 

「ッ!?」

 

赤い少女の前に出た青と黄色の少女がそれを受け止めようとするが、あまりの威力に受け止めることが出来ず、吹き飛ばされてしまう。

 

「終わりだ」

 

そしてアキュラはロロに指示するとルミナリーマインを放つ。

 

だが、それよりも早く別の方向から放たれた弾丸。それがルミナリーマインを貫いて爆発させる。

 

「チッ!何処まで貴様はオレの邪魔をする!」

 

オレはその方向へと叫ぶ。

 

そこにはやはりガンヴォルトがおり、先程のルミナリーマインを撃ち落としたのだ。

 

「どちらにせよ、貴様だけは屠らねばならん!あんな結末を齎したお前だけは!」

 

そう叫んでオレはガンヴォルトの元にブリッツダッシュを使い、距離を詰めた。

 

そう。全てはこの手で終わらせた。復讐は終わった。だが、ガンヴォルト、奴を見た事で根差した怨嗟が、鎮火した筈の怨嗟が再度燻り始めた。

 

この男があの時ガンヴォルトが同士討ちでもして奴を倒せていたら。あんな結末を見届ける事はなかった。あんな酷い姿にならずに済んだ。この手で殺めることもなかった。

 

「ッ!君はどうしてそこまでボクの邪魔をしようとする!ボクが君に何をした!?」

 

だが、何も知らないガンヴォルトが叫ぶ。

 

「何をしただと!?巫山戯るな!何も知らずのうのうと生きていたのか!?」

 

その言葉がオレの燻る怨嗟に更なる火種を落とす。

 

貴様のせいで世界がどうなったかのを。

 

それがオレの言葉に熱を持たせる。そしてガンヴォルトを今度はオレの手で殺めねばと。

 

「ピード消えてがいなくなった!だが、ヤツは必ず俺が討滅する!その前に!貴様はオレが討滅する!」

 

ディヴァイドを叩きつけようとした瞬間。

 

「フン!」

 

そんな言葉と共にガンヴォルトとオレの間に出現する巨大な壁。いや、地面が捲れ、壁となって急に現れたのだ。

 

「ロロ!」

 

「ルミナリーマイン!」

 

オレの言葉の意図を理解したロロは素早くルミナリーマインを発射して壁を破壊する。

 

破壊した瞬間に砕かれた壁からガンヴォルトの姿を視認し、そのままブリッツダッシュを更に使い、そしてロロに指示を出す。

 

「アンカーネクサスだ!」

 

「了解!アンカーネクサス!」

 

そう叫んだロロが白く変色し、飛行するポッドから糸が出現してガンヴォルトへ向けて射出される。

 

だが、その射出された糸はガンヴォルトに届く事はなかった。

 

「誰かは知らんが、止めさせてもらう!」

 

先ほど聞こえた声が再度届くと、ガンヴォルトの前に大柄の男が現れ、その糸を掴んだのだ。

 

「チッ!増援か!ならば貴様からだ!」

 

そう叫び、その糸が大柄の男の腕に巻き付くと、自身の周りに円錐が出来、そのまま大柄の男向けてブリッツダッシュの一撃を放った。

 

「甘い!」

 

だが、その一撃は大柄の男に届く事は無かった。いや届きはしたものの、ダメージを与える事ができなかった。

 

何故なら、ぶつかった瞬間に、大柄の男はアンカーネクサスに掌底を放ち、腕に絡みつく糸ごと、弾き飛ばしたからだ。

 

「グッ!」

 

そして弾き飛ばされたと同時にアキュラも吹き飛ばされた。

 

「何がどうなっている…」

 

「分からない…事はないけど…正直目を疑うよ…僕が再現したセプティマを素手で弾き飛ばすなんて…」

 

吹き飛ばされたロロもオレの近くに来てそう伝える。新たなセプティマ能力者(ホルダー)かと考え、ロロに解析を行わせる。

 

「嘘だ…あの人…セプティマを持たないマイナーズだよ…」

 

「…バカな…無手でこんな馬鹿げた事が出来るのか」

 

突如襲来した男にオレも更に警戒する。

 

だが、それよりも理解出来ない事ばかりが、オレの頭を混乱させる。

 

何故マイナーズがガンヴォルトを、能力者を味方する?何故あの男に手を貸す?その意味が理解出来なかった。

 

「弦十郎…気を付けてくれ。彼は能力者じゃなくても相当強い…」

 

「ああ、雰囲気で何処となく伝わってくる。かなりの修羅場を潜り抜けてきた猛者だと言う事はな」

 

弦十郎と呼ばれた大柄の男はオレを見ながらそう言った。

 

「気をつけろ旦那!この男は危険すぎる!」

 

「シンフォギアに引けを取らない力を持っています!気を付けて!」

 

「おっさん!舐めてかかるな!こいつはかなり厄介すぎる!」

 

鎧を纏う少女達も体勢を立て直し弦十郎と呼ばれる大男とガンヴォルトの近くに移動して再び武器を構える。

 

「分が悪いか…」

 

オレは現状を把握してそう溢した。一人つづならば何とかなる。あの鎧を纏う者達であれば一人でも行ける。だが、ガンヴォルトとあの弦十郎という大男は別だ。

 

互角なガンヴォルトと得体の知れない男。その全てを相手にするにはオレとロロだけでなんとかなるようなものじゃない。だが、それでもオレは考えを巡らせ、勝ち筋を探す。

 

だが、そんな硬直状態の中、拳を構えた弦十郎と呼ばれた男はすぐに拳を収めるとオレに向けて言う。

 

「誤解があるかもしれないが、ガンヴォルトは我々の仲間だ。君が何故ガンヴォルトを憎んでいるかは分からない。だが、今の状況、俺達が戦っていても何も解決しない。武器を納めてくれないか?」

 

弦十郎が、そう言った。

 

「旦那!正気か!?」

 

「あの者はガンヴォルトに刃を向け!私達を倒そうとした者なのですよ!?」

 

「そうだぞ!なのに武器を納めろなんてできる訳ねぇだろ!」

 

少女達が大柄の男にそう叫ぶ。

 

「少しは彼の状況を把握してからでも遅くないだろう?それに響君とシアン君の事もある。そうだろ、ガンヴォルト」

 

「…現状、あの男の行き先を知るのはアキュラだけだ」

 

ガンヴォルトがそう言う。だが、ガンヴォルトもどこか納得がいかない様に少し間があった。

 

しばらくの硬直状態で少しは頭が冷える。だが、憎むべき相手。過ぎた事、と割り切れはしない。この手で全てを終わらせたとしても、この感情だけは奴を討滅しなければ拭いきれない。

 

しかし、それでも今は俯瞰して物事を見るべきだと考える。

 

今ここで戦いを続ければどうなるか?この世界が本当にガンヴォルトの言う異界だとして戦いを続けるとすればどうなる?

 

あの世界でたった一人、マイナーズを守る為に戦うブレイド、そしてコハクやキョウタ、ジンにマリアを危険に晒し続ける可能性がある。

 

自分の感情を優先する事で守るべき物を救えない。それこそ本末転倒だろう。

 

「どうする?アキュラ君?」

 

考えを巡らせるロロがオレに聞いてくる。

 

「どうなんだ?」

 

そう問いかける大柄の男。

 

「アキュラ君…もしかすれば誤解もあるかもしれない…話を聞くだけ聞いてみるのも一つの手だと思う。僕達はこの世界の事を何も知らないし…もしかしたら、ガンヴォルトって人…昔はそうだったかもしれないけど、今は違うかもしれない…恨むのは分かる…ミチルちゃんをあんな姿にした元凶の組織の人…そしてあの悲劇を生み出した1人…僕だってそれは許せない…分かり合えないのはわかる…でも、僕達には守らなきゃならない人達がいる…ブレイドはみんなを守る為に今も戦い続けているかもしれない…だから例え憎くても、今は協力するのが良いかもしれない…アキュラ君もそう考えているんでしょ?」

 

ロロがそう言った。オレも更に少し考え込む。意識を相手方から逸らさず、並列思考(マルチタスク)で考える。

 

(誤解…か…だがそれはない…奴と相対したオレの本能が言う。あれは成長した奴だと…だが、違和感もある…死んだ筈の奴がなぜいるのか、奴がその様なヘマを起こすのか?)

 

オレがもつ違和感。それはかつて対峙した奴がそんなヘマを起こすのかと言う事。そして奴が殺したならば、ピードが居るのに何故こちらから奴の目的であるガンヴォルトを連れ込もうとしなかったのか?

 

考えても答えは出ない。だが、考えている余裕もない。

 

(ピードが戻ったとなれば、みんなの危険が更に高くなる…不確定要素である電子の謡精(サイバーディーヴァ)、そしてもう一人の女…あれらが何か起こす可能性もある…そうすれば何か起きてもおかしくない…戦うよりもここはあの男の意見を聞くべきか…)

 

頭ではそうした方がいいと思ってはいる。だが、それでも心がそれをよしとしない。根幹たる憎悪。それが拒もうとする。

 

しかし。

 

「ガンヴォルト、貴様だけは天地がひっくり返ろうとオレは貴様を許しはしない。貴様のせいでかなりのマイナーズがやられ、世界がディストピアと化した。だが、そんな世界でもオレにはオレの守るべきものがある」

 

根幹たる憎悪を何とか押し殺し、オレそう言った。この世界で長い時間燻っているだけで、守るべき者が失われる。それに耐えられないからだ。あの悲劇を繰り返さない為にも、そんな憎悪、飲み込んで収める。そしてディバイドをホルスターに戻した。

 

「話を聞いてくれて感謝する。それであの者は一体何者だ?」

 

「奴はピード、オレの世界にある人類進化推進機構スメラギのトップ直属の部下の男だ」

 

皇神(スメラギ)…」

 

ガンヴォルトがスメラギの名に反応するが話の腰を折る事はせず、ただ黙って話を聞く。

 

「スメラギ自体、オレがトップである奴を殺したからのいずれ破綻する筈だ。だが、奴がいる以上、それも危うくなる」

 

「…君の世界でも危険な存在か…それでその者の第七波動(セブンス)能力は分かるのか?」

 

第七波動(セブンス)…違う、あれはセプティマ、世界が違う故に名称は違うが、オレにもあの能力の詳細は分からん」

 

「能力不明か…ならばどうすればシアン君と響君を連れて戻す事が出来る…」

 

「分からずとも、丁度真っ二つにしたそれから奴の能力を手に入れる事は可能だ」

 

そう言ってオレは真っ二つに分断されたピードのような男の死体に目を向ける。

 

「ロロにはセプティマを解析し、再現する事は可能だ」

 

「そうとも!それが優秀なバトルポッドである僕だけの力さ!」

 

空中に浮かぶ、バトルポッドの形態のロロがえっへんと胸を張るような動作をした。だが、次にロロは嫌そうな顔を浮かべる。

 

「でも帰る為とか共闘戦線をする事になったとしても…こんな変態さんのセプティマを解析するなんて不快なんだけど…」

 

「致し方あるまい。そうでなければ帰る事すら出来ないかもしれん」

 

「つまりは、その玉っころが響君とシアン君を助ける鍵になると言う事だな?」

 

「ムキー!また玉っころって言われた!僕の洗礼された美しいフォルムを全員が玉っころって!」

 

弦十郎の言葉に再び怒りを見せるロロ。

 

「落ち着け、ロロ」

 

そんな怒りを見せるロロを落ち着かせる。

 

「ならば、一度体勢を立て直し、ピードの根城へと向かう前に作戦会議を行おう。アキュラ君だったか、一緒に来てくれるな?」

 

「構わん。だが、あくまでオレはお前達との協力はここだけだ。ピードの奴はオレが討滅する。貴様達は奪われた奴を取り戻すだけしていればいい」

 

「そうだそうだ、アキュラ君の邪魔をしないでよ」

 

「何処までもむかつく奴だ」

 

「ああ、本当にこの男達を信用していいのですか?」

 

「全くだ!」

 

奏、翼、クリスが弦十郎を見てそう言う。

 

「…シアンと響を助ける為だ。堪えて欲しい」

 

そんな三人にガンヴォルトは言った。ガンヴォルトも表情を歪めながらそう言った。

 

本当に何故テロリストであるガンヴォルトを慕うのか理由が分からない。だが、それでも、今はこの状況を飲み込むしかない。

 

そしてオレは大柄の男達の後に続き、この世界の組織の本部へと向かう事となる。

 

◇◇◇◇◇◇

 

崩れた街、そこを過ぎ未だ復興をしている場所の一部にあるオレの世界でもかつて存在していた国防組織の施設の施設へと入る。

 

「…旧時代の遺物…またこの目で見る事になるとはな…」

 

そして施設内に入り、オペレータールームに入ったオレはその施設に入る機械を見てそう呟いた。

 

オレの世界は既にこの様な物は衰退して新たに作られた最新の物ばかりであった故に、久しく見た機械に何処か心が騒つく。

 

科学者としての本分なのかは分からないが、触る機会などはもう無いと思っていたものを見て童心に帰る思いだ。

 

「あの…司令…この子って」

 

何処か青い表情をする女性がそう言った。

 

「今回の件で一時的に同行となった協力者だ。アキュラと言う。そしてこっちの浮いているのはロロという」

 

オレとロロを紹介する。しかし、女性はの顔は依然として青いまま。

 

「司令、装者やガンヴォルトの通信を通してそれは知っています…俺達が言いたいのはその子…生きているんですか?」

 

女性の代わりに近くにいた男がそう言った。その言葉に大柄の男、ガンヴォルト、鎧を纏っていた少女達も疑問付を浮かべる。何が言いたいのか分からない様だ。

 

オレ自身は別に隠しているわけでもないし、ここの施設に入る際の機械が何か理解している為に、既に分かっていた。

 

故に答える。

 

「オレの肉体はもう既に存在しない。数百年もの間戦うのに人の身体では限界だからな」

 

「は?」

 

その言葉に誰もが素っ頓狂な声を上げた。

 

「ま、待ってくれ…理解が追いつかない…となれば…君は何なんだ?」

 

大柄の男がオレの話を聞いて慄きながらそう言った。

 

「肉体は死んでも、オレには成し遂げなければならない事があった。貴様のせいでな。だからオレは戦い続ける為に、自身の記憶をこの機械の身体へとインプットさせ、何百年も戦い続けていた」

 

ガンヴォルトを見てそう言い、そしてオレは戦い続ける為に機械の身体になった事を伝えた。

 

「…百年…あの世界はそんなに時が…」

 

その言葉を聞いて一番驚き、そしてショックを受けていたのはガンヴォルトであった。

 

「アキュラ…まさか…ボクのせいと言うのは…」

 

そして、ガンヴォルトはその理由を察しているのか聞いてくる。

 

「全ては貴様の行いが招いた結果だ」

 

ガンヴォルトの問いに全て答える事はせず、簡潔にそう言った。

 

だが、ガンヴォルトは何かを察したのか表情に影がさす。何があったのかは知らんが心当たりがあるのだろう。いや、心当たりというよりも自身の敗北が何を意味しているのかを察したのだろう。

 

「貴様!」

 

「テメェ!」

 

「このっ!」

 

翼、奏、そしてクリスが怒りを見せる。

 

「良い加減にしろ!」

 

だが、その一触即発になりそうな雰囲気の中、大柄の男が一喝する。

 

「喧嘩している場合ではないと分かっているだろう!だが、君も君だ!何故ガンヴォルトに敵意を剥き出しにする!ガンヴォルトが君に何をした!?俺が知る限り、ガンヴォルトはその様な男ではない!」

 

「貴様達は奴のしでかした事を知らな…」

 

「アキュラ君ストッープ!話が進まないし!協力するんだからここは堪えて堪えて!ごめんね、アキュラ君はその辺りテコでも動かないほど頑固だから!」

 

一触即発の雰囲気になりかけそうになるがロロがそれをさせない様に割って入る。何故かモードディーヴァの姿で。

 

「アキュラ君とそこのガンヴォルトって言う人とは相性が最悪だからそっとしといて欲しい。なんて言うか水と油みたいに相容れない存在…みたいな感じだから!だから代わりに僕が話を聞くよ!でも、僕とも相性が良いわけじゃないから取り敢えず、貴方と話をさせてね」

 

「どうなっているんだ…これは」

 

突然姿が変わった事に全員が唖然としている。どうやら一触即発を終わらせる為にロロがそうした様だ。

 

「これもセプティマの一つだよ!とまぁ、取り敢えず落ち着いたと言うより唖然としたところで話を戻そうか」

 

そう言うとロロは再びビットの姿に戻る。

 

「…電子の謡精(サイバーディーヴァ)…か…シアン君の力…」

 

「違う!これは今は亡き友達の力!って話が逸れるからもうその話は終わり!」

 

少し怒り気味になるロロだったが、話の路線を強引に戻す。

 

「僕達の目的は二つ。一つはあの変態さんを倒さないといけない事。もう一つは元の世界に戻る事。その二つ。二つとも、僕達だけでも可能だけど、奴の能力が分からない、だから協力して解決する。これが今の状況で良い?」

 

「ああ…俺達は奴に連れ去られたシアン君、そして響君の救出、そしでそのピードと言う男が出してくるノイズがこの世界の脅威である為、奴の排除が目的だ」

 

「OK。同一目的は変態さんを倒すのは一致しているからそこは協力しようと言う事で。取り敢えずあの変態さんの事は僕達も分からない。キュートな僕を狙う変態ってところだけ。あと、さっきも言ったスメラギの幹部能力者。能力についても解析が終わってないから待ち状態。で、僕達が知りたいのはあの変態さんが出してきた変なあれ。君達がノイズって言ってた奴。生命体でもない事は解析で出るけどそれ以外がからっきしだからそれを教えてくれる?」

 

「ああ、あれはノイズと言う災害だ。人を襲い、炭素の塊へと変えるこの世界の災い」

 

「通りであれが俺を狙わないわけか」

 

それを聞いて合点がいく。人を襲う習性。故に機械であるオレが狙われなかったと言う事だ。

 

「そしてそれを倒す為に必要なのがこの子達が纏ったシンフォギアと呼ばれる兵装、そしてもう一つが第七波動(セブンス)

 

第七波動(セブンス)…、いや、セプティマだからここにくる前にブレイドがノイズに対抗出来たのかと納得する。

 

「どう言う理屈で効くの?」

 

「ノイズは基本、位相差障壁と呼ぶ特殊な防護壁を纏っている。その原理は俺達にも未だ解明出来ていないが、それにより通常兵器は一切効かない。それを唯一超えられるシンフォギアと第七波動(セブンス)。アウフヴァッヘン波と言う聖遺物の起動の際に放たれる特殊なエネルギーにより、その障壁を無効化して一撃を与える事が可能だ」

 

「だから僕の擬似セプティマ機能、第七波動(セブンス)とか言うのと名称が違うだけで同一のものだから効いたって感じかな?アキュラ君のディヴァイドもセプティマの再現だから」

 

「そうだな。だったらあの時の状況も合致する」

 

あの時のブレイドの攻撃もそうだった故に結論が付く。

 

「で、解析が終わり次第突入する形と考えているが、奴の根城はどんな場所か分かるのか?」

 

「いや、奴の根城は知らん。だが、奴はスメラギ。スメラギの内部で一度最奥まで辿り着いている。そこから割り出せるだろう」

 

破壊しているが幾つかの機能が残っているはず。それに、奴が、デマーゼルがピードの居場所を知らないわけがない。

 

「ならば、それ次第で全員でピードを叩きシアン君と響君を救出すると言う認識でいいか?」

 

そう言われてオレもロロも考える。

 

確かにそれが一番だろう。だが、こちらも協力するにあたって条件を提示する。

 

「オレとロロが作戦の要となる。だが、全員がピードを叩くのは反対だ」

 

「何故だ?それが確実だろう?」

 

「確実かもしれん。だが、奴を倒したところでノイズと言うものが全て消えると言う保証はあるのか?」

 

そう。ピードが出すノイズ。それが奴の能力由来のものは理解出来るが奴を倒して全て消える保証はない。

 

「そうなれば君達のところにもかなりの被害が出ると言うことか…」

 

「そうだ。そして今もこうしている中でも依然として戦いを続けている奴がいる」

 

ブレイド。雷撃のセプティマホルダーであり、その力を自身を受け入れてくれた仲間を守る為に戦い続けているだろう。

 

「ッ!ならば救出部隊とピードを叩く部隊に分かれなければならないと言うことか…」

 

それを聞いた弦十郎がそう言う。

 

「オレは勿論。ピードを叩く」

 

「ッ!お前!仲間が大変な目に遭っているのに無視して自分勝手に行くのかよ!」

 

「貴様は人をなんだと思っている!」

 

「このっ!イカれた頭をしてやがるな!」

 

そう言い返すのはガンヴォルトと共にいた少女達。

 

「貴様達が甘く見るな。あいつがあのノイズと言うのに負ける訳がない」

 

「そうだそうだ、何も知らないのに知ったように言うな。ブレイドはそこのガンヴォルトと同じ雷撃のセプティマ|能力者<ホルダー>だし、物凄く強いんだ。だから僕達が戻り切るまで守り切ってくれると信じてる。だからボクはあの変態さんを倒す為に向かうんだ。だけどいくら強かろうがブレイドも人間。いずれ限界が来るから救出と変態さんを倒す。どちらも一気にやらなきゃいけないんだ」

 

オレとロロが三人に向けてそう言った。

 

「それにあいつから奴をどうにかしろと言われている。だからオレはピードを討滅する為に動く」

 

「…分かった。ならば部隊を分けよう。ガンヴォルト、お前がピードの元へ向かい、シアン君と響君の救出、奏、翼、クリス君が、その人物の救出を頼む」

 

「ッ!何故その様な部隊になる!」

 

「なんで私達が!?」

 

「司令!何故ですか!?」

 

「おい!おっさん!ふざけるなよ」

 

弦十郎の言葉にオレが反対する。そして三人の少女も。

 

「さっきも言ったよね?アキュラ君とガンヴォルトって人は油と水だって…それなのにその2人を向かわせるって」

 

それを聞いたロロが弦十郎へと詰め寄って止めようと言う雰囲気を醸し出して言う。

 

「いや、この部隊が妥当だ。君達とガンヴォルトが水と油とは理解している。だが、第七波動(セブンス)能力者、いや、君達の言うセプティマ|能力者<ホルダー>と戦いに長けているのはこの中で君達とガンヴォルトしかいない。そしてガンヴォルトもそうだが、装者達はノイズとの戦闘に長けている。そしてピードという男は依然として力を全て出していないだろう。なら不測の事態に陥っても対処出来る人員配置が必要だろう」

 

「ッ!ふざけるな!奴ならオレ達なら問題ない!奴以上の脅威をオレ達は討滅している!」

 

デマーゼル。スメラギの頂点を潰した故にそう言った。奴以上の能力者がいる訳がない。だからこそオレは言う。

 

「奴はオレ達で討滅する!貴様達は奴の出すノイズの掃討をするだけでいい」

 

「アキュラ!」

 

そんな中、ガンヴォルトが言う。

 

「君がボクと相容れないのは理解している。だけど、今それを口に出すのは違うだろう!例え相容れないとしても、やるべき事は同じだろう!それにさっき君が言ったように時間がないんだろう!だったら駄々を捏ねるな!」

 

そしてオレに向けてガンヴォルトは怒鳴る。

 

「君は変わった!かつて憎んでいた筈の能力者と分かり合えている!だけど、ボクと君には因縁がある!だから相容れない!だけど、志を同じか持つのに駄々を捏ねるな!君は百年も経ったのに変わったのはそこだけか!」

 

分かっている。だが、正論をガンヴォルトに言われるとかなり腹が立つ。

 

オレも百年と言う歳月。そしてオレと同様の姉妹の絆に絆された部分もある。

 

だが、奴と馴れ合うのは違う。もう一人の元凶。妹をあんな姿に変えた一つの要因。

 

だからオレとガンヴォルトは相容れない。そんな男からの言葉など響かない。

 

「黙れ!ならば決裂だ!」

 

そう言ってディヴァイドを抜き放ち、ガンヴォルトへと向けて構える。同様にガンヴォルトもダートリーダーを構え、雷撃を迸らせて戦闘態勢になる。

 

一触即発。

 

そして同時にディヴァイドとダートリーダーから弾丸が放たれた。

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