神威の野望 第五位一刀と聖杯戦争 with 白井黒子 作:月神サチ
本作の主人公。
世界の真理を知ってしまう(ハガレン感)
慈愛と祝福の女神
ある意味間違っているが概ね間違いないらしい。
白井黒子
中身はたぶん美琴狂い(確信)
白銀の女神
まな板だよこれ!
「……?」
気が付いたらオレは夜空に満天の星が煌めく不思議な場所に佇んでいた。
「どこだここ……? たしか寮で寝てたはずなんだが……」
困惑してると背後から声がする。
「ええ、あなたは聖フランチェスカ学園の寮で間違いなく寝ていたわ。……ただ、そのあと、あなたは外史に誘われ、あの世界はいなくなったあなたを死亡したとして修正したけれどね」
振り返るとそこには亜麻色の髪と妖艶な紫水の瞳をした、100人中97人が絶世の美女と断言する女性が玉座のようなものに座ってこちらを見ていた。
――え? 残りの3人は何かだって?
そりゃ、嘘つきと盲目と美醜逆転者だろ。
ってそんなことより!
「死亡したってどういうことだ!?」
「死んだ『ことになった』だから正確にはちょっと違うけれど……まあいいわ。話をしっかり再確認しなさい。外史という存在に誘われた、その結果、あなたがあの場所からいなくなり、あの世界から死亡扱いされた。まあ、そうすると別の疑問が出てくると思うけど」
彼女の言葉をもう一度反芻してから、問いかける。
「……貴女が外史?」
「……斜め上な質問ね。残念だけど違うわ。私は慈愛と祝福の女神。わりと横紙破りになるけれど、あなたに祝福と贈り物をあげるため、外史に取り込まれる前にここに呼び出したの。本来なら何も知らないまま、高確率で殺されるあなたの未来を変えてあげるためにね」
というと、彼女の傍に雲みたいなのが現れて、そこの真ん中がさながらテレビかスクリーンのように変化し、ある風景を見せた。
――荒野のようなところに降り立って困惑するオレ、そこに現れた黄色いバンダナつけた3人組。そして……無残に殺されたオレの姿。
一度風景がノイズまみれになってもう一度荒野とオレの姿が映し出される。3人組が現れるまで同じだが、別の少女に助けられる。
しかし――同行してた一人をなぜか泣かせたらしく、助けてくれた少女の槍に刺されて地に伏せた。
――少女が助けてくれたあと、少女たちが去った後に、別の一団に囲まれて、なにやら揉めた後、兵士たちに串刺しにされる。
「――って感じなんだけど……どうする? 私からの祝福と贈り物を受け取るのかしら? 要らないならそれはそれ。……まあ、何も知らなかったら今見せた例以外にも死亡フラグだらけだし、高確率で死ぬから」
「ぜひともお願いします」
恥と思わなかった。
武者は犬ともいへ、畜生ともいへ、勝つ事が本にて候
爺ちゃんがたまに言っていたセリフ。
戦国時代の越前にいた名将、朝倉宗滴の言葉だとか。
意味を端的に言えば「例え卑怯と言われようと最後に勝てばよかろうなのだ」、だが、今のオレとしては「生き残る=勝つこと」ともいえるので、使い方間違ってないはずだ。
……既に元の世界からは死んだ扱いになってるらしいし、今のオレが生きてると定義してよいのか疑問だし、そもそも武士でもないが、それは考えないこととしよう。
「ほかになにかあるかしら?」
「え? えっと……生き残るための力、あとオレ一人だと心もとないから、手助けもお願いしたいです!」
もらえるならもらっておこう。
少しがめついかもだけど。
「ええ、構わないわ。ふふ、あなたの了承も得られたことだし、さっそく始めましょうか」
そういうと、オレの素性に煌めく光が降り注いで……気を失った。
――
どれだけ時間がたっただろう。
まず見えたのは鳶色の澄んだ瞳。
次に見えたのは整った輪郭に映る強気な表情。
ハイツインテールのほんのり赤みかかったブラウンの髪。
そして年齢が近いのか、学生服を来ており……。
だんだん覚めてきた目に、こちらをじーっとこちらを見る、女神とは違う美少女の姿が映っていた。
「!?」
思わず起き上がってしまい、頭突きをしてしまう。
「――――ッ!!」
「おおお……」
「何コントしてるのかしら」
ゆっくり起き上がると、呆れた顔をした女神の姿が。
「いったい何が……あれ?」
疑問を女神に投げ掛け、違和感を覚える。
――オレこんなに声高かったっけ?
「……ちょっと、女神様? このお姉さまの様子おかしいのですけど、何をしましたの??」
困惑してるところに先ほどオレの顔を覗き込んでいた彼女が女神にたいして疑問を投げる。
――ん? お姉さま?
「ちょっと、君、お姉さまって誰の事言ってる?」
オレが問いかけると、驚いた顔を彼女はする。
「お、おおお姉さま!? しっかりしてくださいまし!?」
そう言って彼女がオレをつかんで体を揺さぶる。
「あ、頭がぐるぐるする……」
「白井黒子、彼女が目を回しているからやめなさい。それにそろそろ――」
女神が後半言いかけたときにそれが起こった。
「あばばばばばばば……」
いきなり自分の身体から電撃が発生し、白井黒子と呼ばれた少女が感電して倒れた。
「え?ちょっと!?」
あわてて彼女の意識があるか確認しようと屈んで確認しようとするが……。
「安心なさい。軽く気絶しただけよ。……まあその子なら、そのうち耐性つけそうだけど」
「いや、それよりオレになにしたんだ!?」
オレが問い詰めるように語気を強めると、彼女は肩をすくめた。
そして傍に姿見が現れる。
それを覗き込むと、ライトブラウンのボブカットと、気絶してる彼女と同じ服装の美少女が驚いた顔で鏡を見ていた。
「な……な……!?」
「なにってあなたのお望み通り「生き残るための力」と「助言者」を用意してあげただけよ?それに特に指定なかったからあとは私の好きに変えただけ。……ああ、私はリテイクとか受け付けないから」
そういった後、オレを少し見つめて、ああ、と付け加える。
「貴女に与えた力は
そういうと女神はこちらを見据えて靴の踵で地面をコン、と叩く。
するとオレと彼女の周囲に漫画とかアニメで見る魔法陣が現れた。
「準備もできたし、送り出すわ。……貴女たちの行く末はしかと見届けさせてもらいます。――ああ、彼女……黒子ちゃんにこれから誘われる世界の知識一通りと、ある程度の物資を持たせるから、彼女に頼りなさい」
「まて、こんなふうになるって聞いてな――」
文句を言って元に戻してもらおうと思ったのに、いい終わる前に意識が再び暗転した――。
――――
「――さてと、彼らの様子を見つつ適当なタイミングで『聖杯』を起動してあげましょう。クスクス。さあ、混沌の群像劇――どうなるか楽しみね……あら?」
掌の上で浮かぶ水晶玉を見つつ想像を膨らませていると、近くの空間に亀裂が入り、銀色の髪の小娘が入ってきた。
「――何かしら愚妹。私の領域に一言もなく入ってくるなんてまた殺し合いでもするつもり?」
私が睨みつけると、生まれたての小鹿さながらに震えながらも反論してきた。
「ね、姉さんがまた悪いことしようとしてるから、私がそれを防ぐの……!」
「あら、残念ね。――もう手遅れ。……私たちでは直接干渉できない外史が舞台だから。それとも……また『彼』に泣きつくのかしら?」
「ッ!! あの人は姉さんのような傲慢な人嫌いだから絶対に協力してくれるもん!」
……いい年こいて「もん」って……。
「……そう。勝手にしなさい。――三国志の外史世界。正史世界の一部からは『恋姫』と呼ばれる外史の一つが舞台よ。――最も、嫉妬深いアンタが親の仇より憎みそうな娘がたくさんいる世界だけどね?」
「うっせえ! バーカ! 牛姉!!!」
身体の一部を見つつそう告げると半ギレして罵倒とともに消え去った。
……アレでよくあんな人格者(色恋方面の節操なさは見ないこととして)の心射止められたわね。
いや、逆にダメすぎるから放置できなかっただけかしらね……。
去っていった愚妹に対してため息を吐いた後、水晶玉に向かって話しかけた。
「――于吉殿、準備のほうはどうですか?」
さあ、舞台を整えてあげるから、私を楽しませて頂戴……?