一話にあそこまで気を使ったのは初めて……。
追記。投稿時間間違えてえらいことになったので、投稿し直します。明日の七時に。
なう(2020/08/16 20:18:25)
探偵科の実習を終えて、再び探偵科の校舎前。りょうが誰かと話しながら待っていた。見知らぬ顔、では無い。残念ながら、歓迎すべき人物では無さそうだ。
「ねぇ、どうして白雪さんがいるの?」
正直関わりたくない人物だ。前回あった時はいきなり襲われかけたし。地雷臭半端ない。
「あ、芦捷桐未……ちゃん。私りょうちゃんが桐未ちゃんの家に行くって言うからついてくことにしたの。」
何を勝手に。しかも、呼び捨てにしかけて申し訳程度のちゃんを後からつけてるし。
「りょうさ、何勝手に許可してんの?行くのは私んちだよ。」
厄介事そのものをこれ以上家に入れたくない。理子で十分だ。だが、
「白雪ちゃんは悪い人じゃないからいいでしょっ!さ、行こうか!」
えぇ……。またりょうが暴走してる。キンジが関わってから本当に面倒な子になったな。
「もう知らない……。何も無いし、好きにすれば良いよ……。」
下手に抵抗して刺されたりしたらたまったもんじゃない。だったら部屋にだけ通してさっさと帰ってもらった方が安全だ。やましいものもない……はずだ。
慣れないメンツで下校中。りょうを私と白雪で挟んでいる。
特に喋ることも無い私は、無言を突き通していた。
ただ、ジッと睨むような視線はずっと感じる。白雪だ。なんだ。そんなに気に食わないのか。私がキンジといるのが。
「何か用ですか?」
ずっと見られてると落ち着かない。流石に聞いてみる。
私の視線に気付いた白雪は、途端にニコッと嘘臭い笑顔になって、
「何も無いよ?」
あくまでヘイトは無いよ、と主張する。なんだそれ。キンジと初めてあった日はバーサーカーそのものだった癖して。全く。誰か説明してくれないかね……。
最近きんちゃんが冷たい。いや、明確に態度に出る訳じゃないけど、明らかに上の空なことがある。
原因を探るためにストーキ……尾行をしたら、なんと私じゃない別の女と歩いてた。
数日前にきんちゃんと話してた子だ。長髪の地味な子で、体型だって普通だ。
きんちゃんはあまり女の子と歩きたがらない。だから、私もあしらわれることが多い。なのに、嫌がる様子もなくきんちゃんはその子と歩いている。
これは秘密があるに違いない!だって、きんちゃんは私の幼馴染で、将来のお婿さんだもん!別の子を贔屓するなんておかしいに決まってる!
早速バレー部や生徒会の後輩を頼ったりして、泥棒猫のことを調べ上げた。
しかし、成果は芳しくない。というのも、さして特徴が無いのだ。
長い前髪から分かる通りあまり目立たない人らしい。長所と言えば完璧なまでの記憶力だけ。
きんちゃんは武偵に積極的じゃないから、記憶力を欲するとは思えない。何であの子にこだわるのかさっぱり分からなかった。
完全に手詰まりだ。そう思った時、出会ったのがりょうちゃんだ。
きんちゃんのことを悪く言うのはいただけない。オマケに、桐未の友達だ。
しかし、りょうちゃんもきんちゃんと桐未の関係を良く思っていないらしい。
そこで共同戦線を組んだわけだ。しばらくは桐未のことを調べる為に、友好的に行こう。まずは、家の視察だ。果たして、桐未はきんちゃんに相応しいのか……。
いや、そんな訳ない!あいつの尻尾を掴んで、化けの皮を剥がしてやる!
魂胆丸見えな白雪を家に入れるのが恐ろしい。どうせ何かしらケチつけてキンジにチクるんだろう。
いや、別に私はキンジと離れようが良いんだけど。困るのは大好きなキンジだよ。
そう言ってやりたい。ってかキンジは対策出来るって言ってたじゃん。嘘吐きめ。
噂をすれば影。なんて言葉案外正しいのかもしれない。
「お、桐未……に白雪じゃないか。それにりょうだっけか。集まってどうしたんだ?」
見覚えしかない顔ぶれが集まってるものだから、ついつい声をかけたんだろう。
「あ!きんちゃん!今から皆で遊びに行くの!一緒にどう?」
まるでゲーセンにでも行くかのようなノリだ。実際は何も無い一人暮らしの部屋だけど。
「え?ちょっと待ってよ。流石にそこまで集まられると……。」
言いかけて黙る。白雪がチラリと鎖鎌を袖の中から出してる。こいつ。さっきまでの態度はどこいったんだか。
だが、りょうならきっとキンジが私の部屋に来るのは嫌がるはずだ!頼む!
「……白雪ちゃんが言うならしょうがないね。」
りょうも敵か。万事休すか……。いや、まだ希望はある。キンジだ!頼む!この流れを断ち切ってくれ!
「なんか分からんが行くか。どうせ暇だし。」
キンジはこちらを見ながら呟く。……当然と言えば当然だ。ヒスの危険が無いなら女慣れのチャンスだし。
とことんツイてない。本日を持って私の家はフリースペースになりそうだ。個人情報もへったくれも無い。
「嘘だろ……?」
キンジが目をぱちくりしている。そりゃそうだ。女子寮だし。しかし、
「いんだよ!桐未……ちゃんが持て成してくれるよ!」
ちゃんとハードルを上げてくれる腹黒白雪を軽く睨みつつ階段を上がる。私の部屋は上の階なのだ。
今更抵抗しても仕方ない。逃げるは恥でもないし、役に立つ。
二階の自室の前に立ち、ドアノブに手をかけ、そのまま勢い良くガチャっと開ける。もちろん朝鍵は閉めた。しかし、関係ない。
白雪達は無防備な、て顔をしてるけど、後から開けられたらどうしようもないじゃん。
「理子ー。いるならキッチンの棚からお茶出して湯を沸かしてよ。」
「えぇー!プロデューサーはお茶汲みなんてしないんだよーだ!」
ワガママな居座り魔だ。そろそろ慣れたけど。
「まぁ、入って。」
家には先客がいるという誰も予想してない展開に驚きつつも、ぞろぞろ部屋に入る。元々四人部屋だったが、諸事情で三人消えたからいまはかなり広めの一室。
とは言え、五人も人が入ればいっぱいいっぱいだ。かなり圧迫感がある。
キンジは挙動不審なままソファーに座る。
理子と白雪とりょうは、
「うぅー!宝探しだー!」
「きーちゃんの親友の私が先だぞ!」
「絶対見つけてやる……!きんちゃんとあいつを引き裂く何かを!」
色んな部屋に飛び出して行った。一人意気込みが半端ない奴がいるが、何も無いからよろしい。存分に楽しみたまえ。
お茶を一応五人分いれて、キンジの机を間に向かいに座る。
「すまないな。こんなことになっちまって。」
白雪のことか、それとも理子か。どちらもキンジがきっかけで関わることになったのは確かだ。
「流石に良いよ。とは言えないけど……。」
「けどなんだよ。」
「別にそこまで嫌じゃないかな。理子のおかげでオシャレの楽しさに気づけたし。」
それに、白雪にはりょうの味方になってもらえたし。別に私は嬉しくないけど、りょうのためなら多少の我慢は出来る。
我慢を強いてるのは私では?とは思うけど、ある程度仕方の無いことなのだ。
「そう言ってくれれば良いんだけどな。」
キンジは少し安心している。
「本当にお世話になりっぱなしだな。出会ってから。」
全くだよ。とは流石に言わないけど。私も賑やかなのは嫌いじゃないし、文句は言わない。
「そうだね。また今度何か奢ってもらえるかな。二三千円のものでも。」
「高ぇな。」
「文句無しでしょ。付き合ってあげてるんだし。理子達のおかげで三歳は老けたよ。」
「ははっ。確かにそうだな。」
キンジが笑う。釣られて私も笑い出す。なんか良い感じの雰囲気だな。リラックス出来てるし、かなり楽しい。
この時間がも少し続けばいいのに。そんなことを思ってしまう。
しかし、空気の読めない人しかこの家には居ない。
「本当に何にもない!きーちゃん何して暮らしてるのさ!」
「ベットの下も空っぽだった!さては、処理したな!」
「何か。何か無いのかな……。」
随分服の乱れた三人が帰ってくる。やはり成果は無いみたいだ。
「ゲームしかしてないから、そりゃ何も無いよ。ほら、やる事やったんだし帰った帰った。」
シッシッと追い払うように手で払う。
「えぇ!きーちゃん本当に冷たい!せめてお茶だけは飲んでく!」
ドカッと私の隣に座ったりょうがお茶に口をつける。やや距離が近いけど。
「きんちゃん!この人と何話してたの!?きっときんちゃん騙されてるよ!」
白雪はキンジの隣に座る。これまた近い距離に。
理子は自由に散策してる。全く。役者勢揃いってか。私がマトモだとは思わないけど、この中なら常識枠な自信があるよ……。
正直変わり者のつもりでいたのに……。
ついに皆で顔合わせ。安定の女性率。こっからどう展開しようかな……。
しつこくマーケティング!人気投票企画もの
可愛い幼馴染と弓道部を足すとプラマイゼロらしい
魔王直々の指名手配は、何故に!?
ぜひ読んで下さい!そして、気に入った方にお気に入りを!