この世とあの世の狭間を流れる三途の川に棲む妖怪・外道衆。外道衆は遥かな昔から人間たちを襲い苦しめてきたが、300年前(1709年)より外道衆と戦い続けてきた者たちがいた。
彼らの名は、侍戦隊シンケンジャー。志葉家の当主とその家臣で構成された“侍”たちである。彼らはモヂカラと呼ばれる不思議な力を操りながら戦い、先代当主の時代には、外道衆の大将・血祭ドウコクの封印に成功した。
時は流れ2020年。志葉家の現当主を務める志葉丈瑠は、当初はシンケンレッドとして一人で外道衆と戦っていたが、外道衆の本格的な攻勢が始まることを察知した後見役の日下部彦馬は、いずれ一人での戦いに限界が来ることを危惧し、家臣の子孫である4人の若者を招集した。また、本業はゴールド寿司という屋台の寿司屋を営む寿司職人が光の電子モヂカラを用いる侍、6人目のシンケンジャーとして仲間入りを果たした。
そして6人は血祭ドウコクの復活を止めるべく次々に現れる外道衆たちを倒していくのであった。
今日もいつもと同じように朝の特訓を終えてきた丈瑠、流ノ介、千明、ことは、茉子は居間で黒子が運んでくる朝食を待ちながら楽しげに会話を楽しんでいた。
ことは「みんなおはようございますぅ。今日
も良い天気で何よりですねぇ。」
ほわほわした笑顔のことはがとことこと歩いて入ってきた。京都弁のことはの言葉遣いは珍しいので声を聞いただけでわかる人が大半だ。
茉子「おはよう、ことは。今日はいつにもましてニコニコね。」
流ノ介「確かに。言われてみればそうだな。」
流ノ介はことはの顔を覗き込むように後ろからさっと現れた。
ことは「りゅうさん!おはようございますぅ!いつからいたんですか!」
流ノ介「ついさっきだ。お腹が減ったな、みんな揃ったか?」
茉子「ふふふ。流ノ介、なんか丈瑠みたい。」
茉子はおかしそうに笑う。
流ノ介「そっ、そうか?いやいや、殿には私なんかがおよぶわけないだろう。」
流ノ介は何故か顔を赤らめながら言う。本心は殿になりたいのだろう。
丈瑠「どうしたんだ。みんな揃って…。」
流ノ介「とっ、殿!!おはようございます!!」
流ノ介は思いっきり90度のお辞儀をした。
ことは「おはようございますぅ!」
茉子「おはよう、丈瑠。」
丈瑠「あぁ、千明以外はみんな揃ったな。」
そう言って4人は居間に座るといただきますと静かに唱え朝食をほおばった。すると、どこからかドスドスと廊下を走る音が聞こえてきた。
千明「丈瑠!!!朝の勝負はまだついてねぇぞ!!!食うなー‼」
千明は竹刀をまだ片手に持ったまま肩で息をしながら走って入ってきた。千明は毎朝丈瑠に勝負を申し込んでは負けていたのだ。
流ノ介「千明!!!殿にその言葉遣いはないだろう!!!殿だぞ、殿!!!」
ことは「千明朝ごはん食べよ?」
茉子「千明。食事中なんだから怒鳴らないで。」
丈瑠「毎朝毎朝…もう諦めろ。」
丈瑠は嫌そうに大きくため息をつく。
千明「ぜってぇーヤダ。丈瑠に勝つまではやめねぇーから。」
千明は竹刀をガランと置き、朝食をガツガツと食べ始めた。よっぽどお腹が減っていたのだろう。
流ノ介「こら!千明‼俺の話はまだ終わってないぞ!」
千明「ん?…んぐっ…。なんだよ流ノ介、食べてんじゃねぇか!」
流ノ介「俺の話を聞いてたか!殿への言葉遣いをなおせ!」
千明「いいじゃねえかよ!丈瑠だって別に嫌がってねぇーし!飯がまずくなるからしゃべんな。」
流ノ介「なんだと!!!」
千明「あぁ?やんのか‼」
段々と会話はエスカレートし流ノ介と千明は取っ組み合いなった。ことはと茉子は止に入るがなかなかおさまらない。そこへ寿司を持ってやってきた人がいた。源太だ。
源太「たっけちゃーん!寿司持ってきたぜ〜!ってどうした?!」
ことは「あっ、源さん!いつもの喧嘩です!」
茉子「突っ立ってないで早く止めるの手伝って‼」
源太「おっ、おう!お前らまたやってんのか‼まあまあ落ち着けって‼」
源太はつかみ合っていた手と手をほどきわけを聞いた。源太は思った。こんなことで喧嘩するのはもはや喧嘩するほど仲がいいというやつかと。まぁ、決してそれを2人に言うことはないが。
2人は落ち着いて無言で朝食を食べ始めた。
源太「しっかしなー…お前らもこりないよな。仲良くできないのかよ!」
千明・流ノ介「無理!!!!」
千明と流ノ介の言葉に返すように居間の鈴がなった。鈴とは隙間センサーのことで「受」のモヂカラが宿った鈴、それにおみくじからなるセンサーである。
志葉当家に本体が、外の様々な場所に「諜」と書かれた多数の端末が設置されており、外道衆の出現に反応した端末からの電波を受けて本体が鳴動、併せて出てきたおみくじ棒の番号からその居場所を地図で特定する仕組みとなっている。また隙間から逃げる外道衆に手近の端末を投げつけ、これを付着させることで発信機代わりに応用したこともあるのだ。
鈴がなったのを聞いてドタバタとやってきた彦馬は出てきたおみくじをひいた。
彦馬(爺)「19番!地図で見ると…埼玉県さいたま市中央区さいたまスーパーアリーナの近くじゃ!」
丈瑠「みんな行くぞ。」
5人「はい!!!」
外道衆が現れるとどんなに喧嘩していても自然と団結するのがシンケンジャーというもの。6人はさいたまスーパーアリーナに走って向かった。