遠距離からの攻撃でガリガリ削られて死ぬとかいうクソ展開を避けるため、一旦ペンシルゴンを放りだしてカッツォの元へと走る。
「くっ………対応早いんだよ!」
「俺相手に銃は悪手だよなぁ!?」
ゲージ技を重ねて発動し、いくつかの走る道を確保、壁を蹴り光の道を蹴り、カッツォへと突っ走る。
「止まらない止まらなぁい!」
「ゲージ消費辛いなやっぱ!」
カッツォとの距離が1メートル以内にまで詰めきった。当たった弾は2発。体力は残り7割ぐらい。
超至近距離での戦闘開始に“見せかける”。
「銃捨てるのはもっと悪手だろうがぁ、よ!」
「くっ………相変わらずの挙動しやがって……!」
この距離で銃を使っても意味がないと思ったのか、自身の得物を捨てて掴みかかってきたカッツォへと蹴りかかるフリをして、そのまま素通りする。
「これぞ自爆鉛筆秘技、すり抜けだぁ!!」
「早口頑張ってまで言う意味あるぅ!?」
うるせーぞペンシルゴン、お前も似たような状況なら言うだろ。
作り出した壁を蹴ることで180度の方向転換、銃を捨て隙を晒したカッツォへと蹴りかか─────え待ってお前なんでまだ持って
「ゴギョフ!?」
「偶々似たような銃を拾っただけだよね」
「ミスったぁぁあ!?」
大体見越してあえて別の銃を投げ捨てるモーションを俺に見せたらしいカッツォが、コチラを見る素振りすらせずにヘッドショットを決めてきた。いや一発は防げる! 防いだ!!
「サンラク君に注意しててよ!?」
「いやいやペンシルゴン、逃がす訳ないじゃないか」
投げ捨てたポンコツ銃を拾い、ペンシルゴンの乗る車を一瞬でパンクさせたらしいな。挙動がいつにも増してイカれてるんだが大丈夫かアレ。
「まだ1ラウンド目じゃんか! コッチは無害な解析系なんだから見逃してくれても!」
「いやいや自爆とか怖いからさ、なぁサンラク?」
ペンシルゴンがカッツォへ話しかけているタイミングを狙ったが、全てを見透かしたようなタイミングでコチラへと振り向いた奴は当然のように発砲。
「流石に当たってやれねぇな……!」
壁を蹴ることで跳躍、弾丸を避けることを意識すらせずに俺よりも高所を足で蹴り、壁のシミになれそうな速度で地面へと突っ込む。
やっぱ高速機動は楽しいなぁ!!
体を捻りながら頭よりも腕を全力で前に出し、バク転の要領で後ろへと飛ぶ。リアルなら腕の骨が折れるような速度だがココはゲームだ。ありえない速度のバク転とかしょっちゅうやってるし。
「下がったり近づいたり、気持ち悪……」
ガチ目に引くのやめてくれない? 普通に傷つくんだけど。
「チッ」
カッツォがゲージを使って打ってくるが、この挙動を予想して当てられるものなら当ててみ、ぐぉあぁ!?
なんか当たったけど死んでないから実質ノーダメージ。ココは微妙に狭いせいで横への動きがしにくいから当たった。そういうことだ。
バク転からの復帰、カッツォへと肉薄レベルまで近づいた。銃はウザいがこの距離なら!
「残り5割も残ってるからな! あと何ラウンド戦わせる気だ!?」
「まぁ私は8割残ってるけどね」
「俺はほぼ100」
こっから減らすんだよクソが!
余裕そうな表情を浮かべるカッツォに手を伸ばさなくとも手が届くその体を支柱に回転、軸足をむりやり動かす事でその慣性を回し蹴りに伝えきる。
「相変わらずキモい挙動しやがって……!」
俺へと銃を打ちつつもバックステップで距離を取ろうとするカッツォへと更に詰める。
で、お前の体力がなんだって!?
「教えてくれよケツ男先生がよぉ!!」
「その頭悪そうな名前で呼ぶのやめろ!」
壁や光の道をも利用したボクシング的フットワーク。
冷静なカッツォには通じないが、思いっきり蹴られたあとで体勢が崩れているタイミングなら狙いは定められなかろう!
再度肉薄、ペンシルゴンが音波攻撃をしてくるが、アイツは後でボコれば良いので一旦無視。
「そろそろイーブンじゃあないかカツォソン君!」
「まだ8割だ変態挙動野郎!」
ジャブ、逃げられた。ストレートと見せかけてのジャブ、逃げられた。フック、と見せかけての
「ジャパニーズ寝技ぁ!!」
特に型とか覚えてないけどなんちゃってですらない何となくトレース! 即興というかもはや素人の喧嘩でよく見るやつだ!!
カッツォの足と足の間に俺の足を滑り込ませ、首を掴みながら足を上手いこと蹴り飛ばしてやれば……………
「こぉぉけぇたぁぁぁなぁぁぁあ!?」
「まぁでも寝技は確実に俺のほうが上手い…………いや、まさかっ!?」
その“まさか”だ銃野郎!
寝技と言ったが寝技ではない。カッツォは転かすが俺はたったままで、更に言えばさっき体勢を崩させるために蹴り飛ばした俺の足は今、慣性によって俺を回している。
「ペンシルゴンと戯れてろ凡庸魚類!!」
さっきからちょこちょこと攻撃してきやがってウザったいんだよアレ!!
「それでは一旦逃げまぁす⤴」
「うわキモ…………くっ……!」
「コッチ飛ばさないでよサンラク君!?」
回し蹴りをカッツォの横腹に叩き込み、そのHPが6割程度まで削れたのを確認しながら俺は奴が落としていった銃を拾う。
「チッ、流石にキャラ武器は持っていったか……」
ククク、ドンパチやっておるわ……………そのまま3割ぐらいまでHP減らしあってくれねぇかなぁ。無理か。
「俺も混ぜとけ!」
残弾数は………0!? だから置いていったのかあの野郎!
銃を捨て、より近くにいるカッツォの真後ろからシャラシャラと鈴を鳴り響かせながら走り込む。ただ、狙うのはペンシルゴン。
カッツォの真横の壁を蹴り飛ばして地面と平行に走る。ペンシルゴンの背後に光の足場を作り出して、そこを起点に180度の方向転換。
この目の端にあえて写りこみつつも攻撃はしないやつ、相手を混乱させるのに強いんだよな。使いやすい。
「吹き、飛べ!」
ペンシルゴンが避けれないタイミングでの音波攻撃、更に蹴りの軌道に爆弾を挿し込んできたのが見える。
「それはさっき見た!」
だからこそ蹴りの軌道中にも光の道を張ってある。爆弾と音波が当たる前には既に俺はそこにいない。
光の道を指先で削るように蹴り、回転しながらも更に上へ! 現実なら絶対足が逝ってるがコレはゲームだ! ノーダメだ!!
「当たらないなぁぁぁあ!?」
「やっぱキツイよね…………なら!」
ペンシルゴンが何かして…………ウルト!?
今このタイミングで
あり得るとしたら何かのアプデだが、それはないと思いたい。
「止まったネ?」
「嘘だろお前ぇぇえ!」
意味のないウルトで牽制とか贅沢にもほどがあるだろうよ!
引き伸ばされた思考の中、一瞬動きが止まった俺の体に音波が迫るのを感じる。いや別にココで当てられても痛打にはならんけど。
「うぼぉ!?」
そして、お前らだけで楽しむなと言わんばかりにカッツォが銃を構えているのが見え────
「
悪魔憑きに取って最高の弾丸が装填され、狂ったクソテレビが頭上へと何かを投げた。
「なんでお前らは序盤で超必切るんだよ!!」
マジで何なんだ!!!
残り体力、4割。
次回で書きますがMs.プレイ・ディスプレイさんの超必は地味に効果を変えています。